現在もロングラン上映中!DVDも好評発売中と、今だ人気と話題に衰えない片渕須直監督の『この世界の片隅に』。
6月は海外映画祭での上映も目白押しのようです。
今回は『この世界の片隅に」の海外映画祭と上映の情報をご紹介します。
CONTENTS
1.「アヌシー国際アニメーション映画祭2017」
『この世界の片隅に 』は、2017年6月12日から6月17日の期間に、フランス・アヌシーにて開催される、「アヌシー国際アニメーション映画祭2017」長編コンペ部門に出品されます。
映画祭の初日6月12日(現地時間)に上映される予定。
この映画祭は1960年に、カンヌ国際映画祭からアニメーション部門のみを独立させて設立されました。
国際アニメーション映画協会(ASIFA)公認の国際映画祭で、アニメ映画祭としては世界最大規模を誇っています。
当初は隔年で開催されていましたが、1997年以降は毎年実施。ノミネート作品は市内の劇場のほか、夜間に野外上映も行われます。
現地時間の最終日6月17日の夕方に各部門の受賞作品が発表される予定です。
映画祭で上映されるアニメはも通常の絵画的なものだけではないようです。
「アヌシー国際アニメーション映画祭2017」
他にもクレイアニメ、人形アニメ、切り紙アニメなど、多彩な技法で制作された作品が、長編作品部門や短編作品部門、またはテレビシリーズやテレビスペシャル部門など、各部門に分かれて審査されます。
1993年に宮崎駿監督も長編作品グランプリを獲得!
過去に日本アニメが長編作品部門でグランプリを獲得したのは、1993年に宮﨑駿監督の『紅の豚』、1995年に高畑勲監督の『平成狸合戦ぽんぽこ』などがあります。
また、短編部門グランプリを獲得したのは2003年に山村浩二監督の『頭山』、2008年に加藤久仁生監督の『つみきのいえ』などもあります。
過去に受賞した日本アニメ界の重鎮である宮崎駿監督や高畑勲監督に引き続き、長編作品部門で片渕須直監督がグランプリを受賞するのか、大注目ですね!
【追記①】
フランスの6月12日(現地時間)、アヌシー国際アニメーション映画祭が開幕!
長編コンペティション部門の上映第1作目が『この世界の片隅に』となりました。
12日の月曜日am10:30(現地時間)にもかかわらず、朝1番の上映の回でしたが、客席には982名の観客が来場する満員状態。
上映を待ち望んだ来場者を前に片渕監督が登壇して舞台挨拶を行いました。
また、真木太郎プロデューサーは、「終了後の拍手が長く続いた事が印象的でした。」と述べたそうです。
上映後には片渕監督と真木プロデューサー、海外セールスを手がけるAnimatsuのJerome Mazandaraniが同席をして記者会見が行われました。
その場で片渕監督は次のように述べました。
「70年以上前の広島・呉の当時の街並みを本当に再現するということに挑もうと思っていました・・・・・・本当に当時はどうだったのか、当時の価値観をそのままに無説明に存在させ、そのまま画面の中に移植するやり方をとったんです。皆さんがタイムマシンでそういう国、そういう時代に行ったらどうでしょう。説明してもらえないんですね。この映画はそういう体験をしてほしいという狙いがあります。知らない国の知らない風俗の中にいて、なおかつその人達は自分の近しいものだと思えてくる。」
日本国内のテレビメディアに片渕監督が出演していた際にも同じことを語っていまいたね。
そのインタビューとともに実際に広島や呉の当時の街並みにいたことを体験した人も出演するなどで語られたのは、当時のままの風景だけに止まらず、亡き親までも今アニメには描かれていたそうです。
様々な形で作品つくりに協力して完成に至った『この世界の片隅に』は、海を渡っても多くの人の思いを繋いでいるのですね。
さらには、真木プロデューサーはこのように語りまりました。
「(Work In Progress に登壇した)去年のアヌシーで、この映画を観たいと待ってくれる人こんなにいると実感し、心強い気持ちになったのを思い出しました。今回、正式にコンペに入ってここで完成品の上映がされたことを光栄に思っています。」
人と人の思いを繋ぎ、記憶を作品に残していきながら、待ち望んだ人たちに約束として届けるという方向性をしっかりと見い出していたのですね。
片渕監督も素敵な方ですが、真木プロデューサーも素晴らしいですね。
アヌシー国際アニメーション映画祭は6月17日まで開催。期間中に『この世界の片隅に』は計6回上映される予定。
最高の結果を楽しみにしたいですね。
3.祝・第41回アヌシー国際アニメーション映画祭「長編部門・審査員賞」受賞!
アニメ『この世界の片隅に』は、第41回アヌシー国際アニメーション映画祭の長編部門にて、審査員賞を受賞いたしました。
授賞後に片渕素直監督は次のような喜びの声を全世界のすずファンに送られています。
海外では、予備知識が無いと理解できないと言われていました。
日本ローカルの舞台や時代を描いた映画なのですが、
今回の受賞で人々の心がつながるのだと実感できました。
皆さんの心の中に、この映画の登場人物、主人公のすずさんは既に住み始めている、と見えた事が喜びです。
予備知識がないと伝わらないという意見があったようですね。
しかし、考えようによっては日本人の私たちは、その点はよく理解できるということでもあります。
また、逆に世界中が知らないこと、分からないことを映画や作品にする意味が大きいことだと考えられるのではないでしょうか。
片渕監督!受賞おめでとうございます。
さらに真木プロデューサーも受賞の喜びをコメントしています。
この映画は日本で数多くの賞を頂きました。作品賞、監督賞、音楽賞、主演女優賞まで。このアヌシーで賞を頂いて、非常に大きな海外の賞が加わりました。とても光栄なことです。ありがとうございました。
真木プロデューサー、おめでとうございます。
まだまだ、『この世界の片隅にの世界公開は続きます。お二人ともお身体にはご自愛くださいね。
2.『この世界の片隅に』続々と海外映画祭にエントリー!
『この世界の片隅に』は、その他の海外映画祭では、「LAフィルムフェスティバル 2017」コンペティションにラインナップ!
6月14日から22日の間アメリカにて開催される「LAフィルムフェスティバル 2017」のコンペティションに入りました。
現地日時の6月20日に上映される予定です。
また、6月21日から7月2日までイギリス・スコットランドのエディンバラで開催される「エディンバラ国際映画祭」にて上映されることになったようです。
6月22日(木)、6月23日(金)(現地時間)に上映される予定です。
さらに、6月8日から6月28日までカナダ・トロントで開催される「トロント日本映画祭」にて上映!
さらにさらに!6月29日から7月15日まで台湾・台北にて開催される「台北映画祭」にて上映!
『この世界の片隅に』の躍進はいまだ止まりません。この凄さは2016年に公開され大人気を博した映画の中では、やはりずば抜けていることは間違いないでしょうね。
さて、『この世界の片隅に』は既に国内では、日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞や、キネマ旬報ベスト・テン日本映画監督賞など数多くの作品賞を受賞しています。
海外でもスペインの「ナバラ・アニメフェスティバル 2017」にて観客賞受賞。
ドイツの「第24回シュトゥットガルト国際トリックフィルム・アニメーション映画祭」では、最優秀長編アニメーション映画賞スペシャル・メンション授与されています。
テロや政治問題など揺れるアメリカやイギリスで、どのような評価を受けるのか?とても気になるところですね。
この2つの映画祭にも注目をしておきましょう!
4.海外公開も拡大が続く『この世界の片隅に』
既に香港やメキシコでは公開された片渕須直監督の『この世界の片隅に』。
特にメキシコ国内では600館上映と桁外れな公開の仕方をしたことも話題になりましたね。
メキシコでの興収、1週目11位→2週目7位にランクアップしたとの知らせあり。口コミに期待。
— 片渕須直 (@katabuchi_sunao) 2017年3月24日
ここで今後の海外での公開も決まったようなので情報をお知らせしますね。
【イギリス】
『この世界の片隅に』のイギリスでの公開は6月28日。(配給:MANGA Entertainment)
【台湾】
『この世界の片隅に』の台湾での公開は7月28日。(配給:Flash Forward Entertainment)
【アメリカ】
『この世界の片隅に』のアメリカでの公開は8月11日。(配給:Shout! Factory)
【フランス】
『この世界の片隅に』のフランスでの公開は9月13日。(配給:Septieme Factory)
さて、アメリカでの公開が始まると、いよいよ来年のアメリカのアカデミー賞長編部門にエントリーされる可能性が出てきました。
さらに、長編アニメ作品部門受賞となれば、一段と盛り上がりが楽しみですね。乞うご期待です!
まとめ
みなさん、これほど大人気で世界が認めつつある『この世界の片隅に』をご覧いただきましたか。
まだまだロングラン上映中。そしてDVDも発売中です!ご覧くださいね!
本当に地上波で放映がされないのでしょうかね。今後も片渕須直監督の『この世界の片隅に』から目が離せないようですね。
ぜひ、海外映画祭で映画賞を受賞するのか?要注目です!