現場で紡いだ家族の姿
日本アカデミー賞ほか国内映画賞34部門を受賞した『湯を沸かすほどの熱い愛』の中野量太監督が、直木賞受賞作家である中島京子の同名小説を映画化する最新作『長いお別れ』。
本作は2019年5月31日(金)に全国ロードショーされます。
蒼井優、竹内結子、松原智恵子、山﨑努という、日本映画界が誇る豪華実力派俳優陣の共演で贈る、笑って泣いて、前に進んでいく家族たちの愛の物語です。
この度、本作の撮影風景を捉えたメイキング映像が解禁となりました。
映画『長いお別れ』メイキング映像
今回解禁された映像は、東(ひがし)家の次女・芙美役の蒼井優、長女・麻里役の竹内結子、母・曜子役の松原智恵子が、中野監督とともに撮影現場で和気あいあいと談笑する姿が映し出された貴重なメイキングです。
認知症を患い、ゆっくりと記憶を失っていく父とのお別れまでの7年間を描いた本作では、劇中、東家を取り巻く環境も刻々と変化していきます。
手にするスマートフォンも、場面によって時代に合わせた機種を使用。過去の機種を手に取り、その厚みや重さを懐かしむ蒼井優の姿。
そして彼女を取り囲んで笑い合う、竹内結子と松原智恵子。
親子役としての共演ではあるものの、スマートフォンを手にとりあって談笑する3人の姿は、まるで仲の良い三姉妹です。
父を軸として家族の物語が描かれる本作では、この3人の信頼関係はまさに映画の要となるところ。
中野監督曰く、「あの三人が上手くいったのが面白かったですね。松原智恵子さんに至っては、少女のようですから(笑)。現場でも松原さんが一番下の妹みたいになっていましたが、その雰囲気が作品に出ていたのかも知れません。」と当時を振り返り、3人の関係性が映画に与えた影響の大きさを明かしています。
原作では3人姉妹だった『長いお別れ』
実は本作、原作小説では実際に三姉妹という設定だったところ、あえて二人姉妹にするという大胆な変更が施されているんです。
中野監督は、原作を映画化するにあたり、まず、物語を四段階に分け、時代を四つに分けるということを考えました。
「お父さんとお母さんの世代、娘たちの世代、孫の世代、それぞれ三世代を描くためにお父さんを軸にする。そうするうちに構成が決まり、各パートを整理していたら、三姉妹というのは「どうやら少し多いのではないか?」と感じたんです。骨子は変わっていないけれど、人物像に関しては自分なりの解釈を加えています。」と語る中野監督。
原作の良さを引き出しつつも、登場人物を減らし、物語を整理することで、親・子供・孫のどの世代が見ても“気づき”を得られる、新たな家族の物語を作り上げました。
原作者である中島京子からも「こんな感じになるのね、すごく面白い!」とお墨付きをもらったという設定変更は、映画ならではの見どころの一つ。
映像内では、和やかなムードで現場を楽しむ3人の姿に加え、真剣な様子で芝居に取り組む蒼井、竹内、松原の姿も捉えられています。
映画『長いお別れ』の作品情報
【公開】
2019年(日本映画)
【原作】
中島京子『長いお別れ』(文春文庫刊)
【監督】
中野量太
【脚本】
中野量太、大野敏哉
【主題歌】
優河「めぐる」
【キャスト】
蒼井優、竹内結子、松原智恵子、山﨑努、蒲田優惟人、中村倫也、北村有起哉、杉田雷麟
【作品概要】
映画『湯を沸かすほどの熱い愛』の中野量太監督が、直木賞作家・中島京子氏による同名小説を映画化しました。
認知症になった父を取り巻く“東(ひがし)家”の次女・芙美役は、『彼女がその名を知らない鳥たち』(2017)で第41回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を獲得するなど、2017年度の主演女優賞を総なめにした蒼井優、長女・麻里役には、日本アカデミー賞を4度受賞し、映画・ドラマ・舞台・CMと活躍、日本を代表する人気女優の竹内結子。
母親・曜子役は、日活三人娘の一人として一世を風靡し、『ゆずの葉ゆれて』(2016)でソチ国際映画祭主演女優賞に輝いた松原智恵子が演じます。
そして認知症を患う父親・昇平役には、紫綬勲章、旭日小綬賞を受章した名優であり、『モリのいる場所』(2018)など、現在も精力的に話題作に出演し続ける山﨑努。
また、麻里の息子・崇役には蒲田優惟人が、成長した崇役には杉田雷麟が、どちらもオーディションでの抜擢で決定しました。
映画『長いお別れ』のあらすじ
父の70歳の誕生日。
久しぶりに帰省した娘たちに母から告げられたのは、厳格な父が認知症になったという事実でした。
それぞれの人生の岐路に立たされている姉妹は、思いもよらない出来事の連続に驚きながらも、変わらない父の愛情に気付き前に進んでいきます。
ゆっくり記憶を失っていく父との7年間の末に、家族が選んだ新しい未来とは…。
まとめ
記憶を無くして行く父と、それを見守る家族を描いた本作。
母役の松原智恵子と、娘役の蒼井優、竹内結子が談笑するメイキング映像は、観ているこちらも笑顔になるほどの仲睦まじさです。
中島京子の原作小説を映像化するにあたり、分析し再構築したという中野量太監督。
その設定変更が功を奏し、中島からも面白いと太鼓判を押されました。
映画『長いお別れ』は2019年5月31日(金)に全国ロードショーです。