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Entry 2019/01/20
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【アミール・ナデリ監督インタビュー】映画『山〈モンテ〉』に込めた黒澤明監督への思いとは

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  • Cinemarche編集部

映画『山〈モンテ〉』は2019年2月9日より、アップリンク吉祥寺にて公開!以降全国順次ロードショー


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イラン映画の巨匠アミール・ナデリ監督が日本に在住した際に脚本を執筆した新作映画『山〈モンテ〉』

この作品の舞台設定をイタリアに移してオールロケーション撮影を敢行。その後、作品の原点となった日本に持ち帰り、ポストプロダクションの仕上げ作業に臨んだ渾身の一作です。

映画『山〈モンテ〉』の公開にあたり、アミール・ナデリ監督に単独インタビューを行いました。

映画作家アミール・ナデリの作品発想の源から、映像作りに関する技術や美意識。また尊敬してやまない巨匠・黒澤明監督への思いなど存分に語っていただきました。

ネオレアリズモとの関係


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──本作『山〈モンテ〉』はイタリアで撮影されています。ナデリ監督は1945年生まれということで、イタリアのネオレアリズモの時代(※1)と重なりますが、何か思いはありますか。

アミール・ナデリ監督(以下、ナデリ):イタリアで映画を撮ろうとか、撮りたいとは思っていませんでした。ただ、幼い頃から、イタリアのネオレアリズモの映画ばかり観て育ってきました。

以前イタリアでマスタークラスを行った時、ネオレアリズモは日本の清水宏監督(※2)からきていると話しました。

清水監督の子どもの扱い方や、子どもを使って映画を撮っているイメージから、イタリア人はネオレアリズモを作ったのではないかと思います。

清水監督の映画とネオレアリズモの映画の違いは、ネオレアリズモは戦後に生まれているので、少し暗い場面が多いですが、清水監督は戦争前後で作っているので、日本的な落ち着きや静けさが彼の映画には入っています。

ピエル・パオロ・パゾリーニも日本の映画の影響はすごく受けていると後からわかりました。

ジャン=リュック・ゴダールだって、小津安二郎監督や溝口健二監督の映画の影響はすごく受けていると話したことがあるんですよ。

私はイランで育ったので、ヨーロッパや西洋の映画がたくさん入ってきていて、日本の黄金時代の映画がテレビで流れてくるので、それらを観て育ちました。

その影響もあって、アートについてとてもグローバルに考えているので、私の作品の中では様々な映画の風を感じるのではないでしょうか。


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※1:ネオリアリズモ…第二次世界大戦前後イタリアでファシズム文化に対抗して現れた映画の潮流。代表作としてロッセリーニ監督作品『無防備都市』やデ・シーカ監督『自転車泥棒』。

※2:清水宏監督(1903−1966)…戦前に松竹、戦後は大映で活躍した映画監督。近年、再評価されている監督の一人。代表作『按摩と女』(1938)。

『山〈モンテ〉』の脚本は京都で執筆


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──本作を観た時に小津監督を思い出しました。例えば、衣装の布地、アゴスティーノの手作りカトラリーの工芸品が出てきたして、和を感じさせる美しい要素がありました。

ナデリ:アリガトウゴザイマス(握手)。

舞台がイタリアなので作中に出てくる衣装や物に違いはありますが、フィーリングは日本的です。

本作は元々、日本のために書いていました。京都で書いた脚本で、本当は西島秀俊さん主演で日本で撮ろうとしていました。

でも、残念なことに「山」がなかったんです。叩いたら叩き返すような岩山がなかったんです。

──岩山なら、韓国の方があるかもしれませんね。

ナデリ:そうなんです。韓国からもオファーはあり、釜山映画祭で韓国に行った時に山を見ました。でも浮気したくなかったんです。(笑)

本作では、主人公が山になってしまう、逆説的ですが、山になってしまうから、山と闘うわけです。

人間はどれくらい自分自身と闘うことができるのか、その限界を私は試したかったんです。そのため、登場する「山」に意味を求めていました。

結局日本では主人公が闘う「山」のイメージにふさわしいものが見つかりませんでした。そこで、あ、ミケランジェロは石を叩いていてたな。それならイタリアかなって。(笑)

黒澤監督からエネルギーをもらいイタリアで撮影


アミール・ナデリ監督『駆ける少年』 [DVD]

ナデリ:北イタリアの山を約2500メートル登り、4か月かけて撮影しました。

イランから自分の感情を日本に持ってきて映画のベースを作り、そして日本の精神と感情をイタリアに持って行かないといけませんでした。

私の中ではいつも『七人の侍』のラスト40分の戦いのシーンが頭にあり、黒澤監督の精神性を感じながら本作を作りました。

それと『駆ける少年』のラスト12分、氷を持って炎に走っていくシーンがあるのですが、這い上がっていく感じを本作はもっともっとゴージャスに作りたいという気持ちもありました。

──前作『駆ける少年』の彼が氷を飛行場まで届けるというチャレンジ、目標を決めるところが同じですね。

ナデリ:『駆ける少年』の前に作った、『ハーモニカ』からその道が始まっています。長い道のりを歩んできて、本作『山〈モンテ〉』に辿り着きました。本作のアイデアは10年か15年くらい前からあって、長い期間、寝かせていました。いつ機が熟すのか、自然に任せていました部分があります。

私はこれまで様々なことを経験して映画を作ってきて、なんだか「山の影」に入っている気がしていました。その山を自分自身で崩さないといけないと思いました。

山を崩せば、太陽が自分に当たります。でも心の準備が必要だった。それができるまでずっと長い間待っていたのです。

そしてその間、黒澤監督の映画をたくさん観たことが助けになりました。『蜘蛛巣城』『乱』を何度も観ました。特に『蜘蛛巣城』のラストではいつもエネルギーをもらい、本作完成までの勇気をもらいました。

この手の映画を作るには、「映画の言葉」が必要なのですが、イタリア映画には見つからなかった「映画の言葉」を、黒澤監督の映画の中に発見したのです。

イタリアでの撮影終了後、すべての素材を日本に持ち帰り、西荻窪に5か月間部屋を借りて編集作業を行いました。

日本で書いた作品なので、イタリアで撮っていても日本の感情、フィーリングを入れないと出来上がらないと思い、日本で編集しました。

本作の主人公同様に、私も、一緒に作っている人たちも、とても苦労してこの映画を完成させました。撮影隊は山の上にいるので、大変な環境で、ヒゲが伸びて原始人みたいになっていました。

──映画も途中からキューブリック監督の『2001年宇宙の旅』みたいな感じになってましたね(笑)

ナデリ:山で芋を食べている場面、あれは原始人そのものですよね。


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──その場面が素晴らしくて、『駆ける少年』で主人公が競争に勝った後、手に入れた氷を分け合う場面がありましたが、本作では貧しい状況の中で食料を分けていましたね。

ナデリ:アリガトウゴザイマス(握手)。

食べ物もですが、最後の場面で山が崩れ落ち、太陽の光が当たる時に主人公とその妻は、光を分けているんです。それは皆のためなんですよ。

撮影も最終局面になった頃、本当にくたびれてしまっていて、私は山と「対話」をしたんです。その時に、こんなに苦労して山を崩して光が出てきたら、この二人に対して、何かお土産やご褒美を渡してあげないといけないと思いに至りました。そして、夫婦が若返る場面を入れたんです。

──山を崩した時に色がモノクロになりますね。最初、リュミエール兄弟のショートフィルム『壁の破壊』が浮かびました。壁が崩れて煙がワーっと出て、それが逆再生されて元通りになっていく、そうなるのかなと思いました。ナデリ監督の意図とは違うかもしれませんが、映画的な破壊と再生を感じました

ナデリ:それは意図して使っているのではなくて、自然に出てきたものだと思います。

『CUT』で最後に秀二が好きな映画を叫びますが、7本目はリュミエール兄弟のタイトルが入っているんですよね。すべての作品に思いがあって観ていますからね。

美術と音響の源泉


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──ナデリ監督の美術演出には、画家ゴッホの《ジャガイモを食べる人々》や、フェルメールの絵画のような美しさを感じました。撮影に関する画についてはいかがですか?

ナデリ:まず、イタリアのすべての博物館を回りました。

イラン、日本、イタリアもそうですが、歴史が深い国は文化が深いので、何がイタリアの特長なのかを探しました。

レオナルド・ダ・ヴィンチ、ヴィットーレ・カルパッチョなどの作品をたくさん見て学ぶことで、撮影のセットの中で、何を入れるべきで何を削るべきかがわかりました。

それと、日本で書いたので、日本のミニマリズムをイタリアの家の中に入れようと試みました。

私の中にある母国のマナー、日本で学んだもの、そしてイタリアで実行するもの。三つの国が撮影時に一緒になりました。

撮影後の編集期間、家からスタジオに通うために電車に乗ったり、日本食を食べたり、散歩をしたりして、日本の空気を映画の中に入れることができました。

だから音響とカメラの動きと編集は日本のものです。イタリアとは全然違うんです。

──音も素晴らしくて、ヴィヴァルディの《四季》の第三番「夏」のすごく激しいところのように感じました。

ナデリ:その通りです。(握手)

日本にはなくてイタリアにあったのがオペラです。そのため、厳しい山の音などの状況音のみでオペラ作り上げることに挑みました。

──音には、登場人物の内面、心の音も出ていますか?

ナデリ:黒澤監督は、音の使い方や編集は世界のマスター的な存在です。

『蜘蛛巣城』の冒頭のお墓のシーンの音を何度も聴いて、この音を作りました。歴史の音、それを真似しよう、黒澤監督の編集と音をちゃんと学んでから、本作を作るべきだと思っていました。

それと本作が徐々に白黒になっていくのは、二人の老いに比例しています。

もう山を崩すことができないのではないか、死に近づいていくことを観客にわからせるために、白黒にしていきました。

リスクがありましたが、最後の40分間は全然セリフを入れずに、山を叩いているだけです。これは「日本」なのです。

編集という時間軸の妙味


©︎Cinemarche

──画がモノクロになっていくことで時間の進行を早めた試み編集もありましたが、その他にも息子のジョヴァンニが走って帰ってくる成長過程を隠喩した編集していますね。まさしく『駆ける少年』の主人公アミルが氷を持って走っているようでした。やはり少年は走って大きくなるんだなと、ナデリ監督のファンとしては嬉しかったです

ナデリ:本当に、自分で観ても自慢するんですよ!(握手)

シナリオには書いていなかったことで、イタリアで見つけました。

時間をどう跳躍するかは、言葉で説明したくありませんでした。

両親が見て「あ、帰ってきたんだー」という描写を入れたくなくて。イメージなんです。見たら、突然大きくなっている。

この映画はいろいろな国でやっていますが、不思議なことに日本人は気づいてくれるんです。すごく嬉しいです。

──あのシーンだけセミの鳴き声がしますね

ナデリ:『乱』の野原に座っている王様と子どもたちのシーンにセミの鳴き声がして、それが頭の中に残っていました。

なぜ黒澤監督は日本人なのに世界的なのか、それはシェイクスピアを誰も自分の国のものにできていませんが、彼はできたからです。

ドストエフスキーもマクシム・ゴーリキーも皆日本のものにしてしまうのは黒澤監督です。

黒澤監督の強靭な部分を欲しかったんです。

映画言語と詩


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──イラン、日本、イタリアとそれぞれ国で映画を制作されていて、言語が異なっていても、映画言語のようなもので伝わるところがあります。そこがナデリ監督作品の好きなところです

ナデリ:アリガトウゴザイマス(握手)。

黒澤監督、溝口監督、小津監督はカメラをペンにして語っているんです。

ただ、今作られている映画の中には、どんどんそれがなくなってきています。ただ情報を与えているだけなんです。曇っているのに、「曇ってるね」と言葉にします。

──『駆ける少年』『CUT』、そして本作もそうですが、すべて観て理解ができます。『駆ける少年』の飛行機は憧れの対象として夢のように大きく変化しますね。「憧れてる」ことに言葉はいらないです

ナデリ:人生の中で、すごく苦労して映画を作ってきましたが、まさか日本で日本人がそれをわかってくれるとは思わなかったので、すごく嬉しいです。(握手)

本作『山〈モンテ〉』が日本で公開になることは私にとってすごく大きな意味があるんです。

──イランの映画はポエジー、詩がすごくありますね。例えば大庭秀雄監督も「映画とはポエジーです」と仰っていて、ナデリ監督の映画にはすごく感じますし、イマジネーションを与えられるものが多いです

ナデリ:自分の映画を撮る時に、舞台ではないからできるだけ芝居や文学から離れることを意識します。

そして映像にするには、ロケーションが大事です。ポエムはロケーションから撮るんです。

自分の持ってるアイデアと、撮りたい映画の哲学がマッチすれば、モノは語れるんです。

イランにはポエムしかないからね。

私たちは昔、イランには石油があるって自慢してたけど、あるおじいさんが、「石油は終わってしまうけど、イランにはポエムがある。ポエムは終わらない」と言っていました。(笑)

日本ももちろんそうだと感じています。

映画『山〈モンテ〉』の作品情報


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【公開】
2019年(イタリア・アメリカ・フランス合作映画)

【原題】
MONTE(英題:MOUNTAIN)

【監督・脚本・編集・音響】
アミール・ナデリ

【製作】
カルロ・ヒンターマン、ジェラルド・パニチ、リノ・シアレッタ、エリック・ニアリ

【撮影】
ロベルト・チマッティ

【美術】
ダニエレ・フラベッティ

【衣装】
モニカ・トラッポリーニ

【装飾】
ララ・シキック

【録音】
ジャンフランコ・トルトラ

【VFX】
佐藤文郎

【キャスト】
アンドレア・サルトレッティ、クラウディア・ポテンツァ、ザッカーリア・ザンゲッリーニ、セバスティアン・エイサス、アンナ・ボナイウート 

【作品概要】
天涯孤独の少年を、圧倒的な映像美で描いたイラン映画の金字塔『駆ける少年』(1985)や、西島秀俊主演『CUT』(2011)で知られる、現代イラン映画の巨匠アミール・ナデリ監督作品。

何十年もの間、イタリアで映画を撮ることを夢見ていたナデリ監督が、待望のイタリアオールロケを敢行した意欲作。

2016年度、第17回東京フィルメックスにて招待作品として上映され、第73回ヴェネツィア国際映画祭では「監督・ばんざい!賞」を受賞。

映画『山〈モンテ〉』あらすじ


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中世後期イタリア。

南アルプスの山の麓にある小さな村の外れで暮らすアゴスティーノと妻のニーナ、息子のジョヴァンニ。

この村は、壁のようにそびえる壮大な山に太陽の光を遮られており、思うように作物を育てることができずにいます。

他の家族はよりよい暮らしを求めて去っていきましたが、アゴスティーノとニーナは彼らの説得にも応じず、先祖の墓や亡き娘の墓があるこの地を離れようとはしませんでした。

飢えた家族となんとか生き延びるため、アゴスティーノはあらゆる手を尽くしますが、周囲の村の者達からは異端者として差別され、遂にはそこに暮らすことさえも禁止されて離れ離れになってしまう家族。

もはや手立てはありません。

神や自然、人間からも見棄てられたアゴスティーノは、たった一人で彼らを苦しめる忌まわしき山と対峙すること選びますが…。

【まとめ】ナデリ監督からのメッセージ


©︎Cinemarche

──今後の活動をお聞かせください

ナデリ:また日本で作りたいと思っています。最初、2003年にショーレさん(通訳のショーレ・ゴルパリアンさん)に呼ばれて日本に来て、『マラソン』という映画を作りました。

あの時、ショーレさんに呼ばれて3日間だけ日本にいるつもりが、気がついたら十何年もいるんです。今はすっかり日本人が自分を家族であるような気持ちになっています。

しかもおもしろいことに、全世界の映画祭で黄金時代の日本映画を上映するという時に、決まって私が呼ばれてプレゼンテーションをするんです。私は日本映画黄金時代の大使になってしまったんです。(笑)小津監督の『晩秋』や木下監督の『カルメン故郷に帰る』や、黒澤監督、すべてプレゼンしていますよ。

──『CUT』を観ると、ナデリ監督から「本当に映画が好きなのか」と迫られている感覚に陥ります。本作はかつての日本映画のように芸術性が高く、ぜひ日本の若いクリエイターに観てもらいたいと思いました

ナデリ:日本映画にはたくさんの可能性がありますが、それをなかなか表出できないのは、若い世代の人達が、外にばかり注意して、自分たちが持っている宝に気づいていないからだと思います。

だから私がいつも皆さんに言うのは、「手元にある宝を見なさい」と。

日本の黄金時代の映画は、他の世界に絶対にないカメラの動き、演出、編集、音で、映画の本当の意味を表現してきました。

やはり、西洋の影響力が強すぎて、それに負けてる日本、韓国も多少そうですが、それではいけません。

目を覚まして、自分たちの手元にある宝をしっかり見れば、すごく感動するはずです。そして、外を見ていた時間が無駄だったと気づくはずです。

成瀬監督と溝口監督のような女性の描き方を世界はやったことがありません。

映画の言葉を使い、カメラを使ってモノを語ることができるのは日本映画だけなのです。

日本映画の黄金時代、一番素晴らしかったのは、相手のセリフを聞いている役者の表情なんです。

『ゴッドファーザー』の冒頭の結婚式はフランシス・フォード・コッポラ監督自身が黒澤監督の『悪い奴ほどよく眠る』から取ったと言っています。

すべて日本から学んでいるんです。私は「どこを見ているのか」と若者に言いたいです。

そして、今皆さんが作っている小さな作品、予算がない中で撮っている作品、その中にも宝があるのです。いつかそれは絶対に表に出てきますよ。イランも昔そうでしたから。

心から皆さんを応援しています。


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通訳 / ショーレ・ゴルパリアン
インタビュー / 出町光識
写真 / 苅米亜希

映画『山〈モンテ〉』は2019年2月9日より、アップリンク吉祥寺にて公開!以降全国順次ロードショーです。

アミール・ナデリ監督は、この映画を日本人に向けて制作することに意欲を示していました。また本作について日本人から感想を得ることが最も嬉しいことだとも述べていました。

映像と音響にこだわり抜いた作品を、ぜひ劇場での鑑賞お見逃しなく!

アミール・ナデリ監督のプロフィール

1945年にイランのアバダンにてアミール・ナデリは生まれます

スチール・カメラマンとして活動した後、脱獄犯を主人公とする犯罪映画『さらば、友よ(Good By Friend)』(1971)で映画監督デビューを果たします。

続いて殺人を犯して逃亡する男を街頭ロケを多用して描いた第2作『タンナ(Tangna)』(1973)を監督。

70年代イラン映画のスター、ヴェヘルーズ・ヴォスーギを主演に迎え、財産も名誉も奪われた男の壮絶な復讐を描いた『タングスィール(Tangsir)』(1973)は批評家から高く評価されると同時に興行的にも成功をおさめました。

その後、アッバス・キアロスタミ監督らとともに児童の情操教育のために設立された児童青少年知育協会(カヌーン)をベースに活動。

ハーモニカの所有をめぐる子供たちの争いを描いた『ハーモニカ』(1974)、台詞を一切排した映像詩的な中編『期待』(1974)など、独自のスタイルをもった児童映画を監督します。

駆ける少年』(1984)、『水、風、砂』(1989)は、2作連続でフランスのナント三大陸映画祭で最優秀作品賞を受賞。イラン映画が海外で評価されるきっかけを作りました。

その後、アメリカに移住し、ニューヨークをベースに活動を続けます。

マンハッタン・バイ・ナンバーズ』(1989)はヴェネチア映画祭、『A,B,C, マンハッタン(A,B.C….Manhattan)』(1997)はカンヌ映画祭「ある視点」部門で、『ベガス』(2008)はヴェネチア映画祭コンペティションで上映されました。

2011年は、西島秀俊を主演に迎え、日本で撮影した『CUT』を監督。続く『山<モンテ>』(2016)は全編をイタリアで撮影を敢行。

最新作はロサンゼルスで撮影され、ヴェネチア映画祭で上映された『マジック・ランタン』(2018)。

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