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映画『アース アメイジング・デイ』ネタバレ感想と内容解説【ネイチャードキュメンタリー】

  • Writer :
  • もりのちこ

私たちはこの地球で、驚ろくほど素晴らしい!まさにアメイジング!な1日を積み重ねて生きています。

そのことを実感するために見てほしい映画『アース アメイジング・デイ』

広大な宇宙の中にあり、ただひとつ生命が存在する惑星、地球。

「幸運の惑星」とも呼ばれる地球では、日々新たな生命が誕生し、そして消えています。

あなたが過ごす1日と、同じ時間に地球上では何が起こっているのでしょうか?

地球の自然の魔法、生き物の驚くべき生体を、太陽の動きに合わせて1日を追ったネイチャードキュメンタリー映画『アース アメイジング・デイ』を紹介します。

映画『アース アメイジング・デイ』の作品情報


(C)Earth Films Productions Limited 2017

【公開】
2019年(イギリス・中国合作映画)

【監督】
リチャード・デイル、ピーター・ウェーバー、ファン・リーシン

【製作】
スティーブン・マクドノー

【製作総指揮】
ニール・ナイチンゲール

【ナレーション】
ロバート・レッドフォード

【日本版ナレーター】
佐々木蔵之介

【作品概要】
全世界で大ヒットした、ネイチャードキュメンタリー『アース』(2007年公開)のシリーズ第2弾。

今回の『アース アメイジング・デイ』では、太陽が昇り、沈むまでの地球の1日を、多くの生き物の目線で見ることができます。

10年の歳月で確実に進化したテクノロジー、最新の4K技術に超ハイスピードカメラ搭載で、より生き物たちの表情を瑞々しく捉えています。

日本版ナレーターは、佐々木蔵之介が担当しています。

映画『アース アメイジング・デイ』のあらすじとネタバレ


(C)Earth Films Productions Limited 2017

人類誕生からおよそ20万年。宇宙で唯一生命の宿る星。地球は今日も太陽の光を受け目覚めます。

世界が目覚める早朝。

ほとんどの者は、朝陽が大好きです。鳥たちは歌い、海ではエイが跳ね上がり、森の中ではジャイアントパンダの子供が目を覚ましました。

みんな、朝がやってきたことを喜んでいます。子パンダだけは、まだまだ眠そうですけど。

さて、休息の眠りから覚め、朝を向かえる者ばかりではありません。

アフリカ大陸では、夜通し狩りをしていたサーバルが、最後のデザートでも食べようかという時間です。

大きな耳で獲物の気配を感じ、長い脚を軽やかに使い3mにもおよぶジャンプ力で迫ります。小さなネズミのしっぽの揺れ、息遣いさえも聞き漏らしません。

いざ、ジャンプ!どうやら今日の朝陽は、まぶしすぎたみたいです。

一方、地中海のガラパゴス諸島では、ウミイグアナの軍団が日光浴をしています。

太陽光発電さながら、太陽のエネルギーを体にため込んでいるのです。

そして朝陽とともに砂浜では、ウミイグアナの新しい生命が孵化していました。

砂の中からむくっと顔を出し、初めての景色、初めての光に喜んでいるのでしょうか。

いや、喜んでいる場合ではありません。孵化したばかりの子イグアナを狙って、ヘビ軍団が待ち構えています。

「そんなの聞いてないよー」という叫びが聞こえてきそうな程、一目散に走ります。後を追うヘビ軍団。ヘビは目が悪いんだって。こっそり逃げて。

この1日で生き残るか死ぬかが決まります。

太陽の光が燦々と降り注ぐ午前中。

森の中では植物たちが、にょきにょき育っていきます。太陽の錬金術。

植物の中でも成長の早い「竹」は、1日で1メートル以上伸びることもあります。

そんな竹、笹が大好物な動物がいます。パンダです。パンダは好き嫌いが激しく、ほとんど笹しか食べません。1日の14時間は食事をしています。

栄養価は低いけど成長が早い笹と、多くの時間食べているのに笹しか食べないパンダ。相性抜群です。

まだ笹を食べられない子パンダはというと、森の探検に出るようです。木の平均台を渡り、ひっくり返り、「てへっ」カメラ目線。サービス満点、好奇心旺盛です。

その時、日差しの強いアフリカのサバンナでは、シマウマの子供に試練が迫っていました。

生まれてすぐ立ち上がり、1時間もすると走りだすシマウマ。「だからといって、いきなり川を渡れと言われても。けっこう深いし流れも激しいですよね」戸惑いが表情に出ているかのようです。

案の定、激しい濁流に流される子シマウマ。先に向こう岸に着いた母親が声をあげて応援します。体力も限界、ふらふらになりながらも、どうにか渡り切ります。

一方、北極では太陽がもたらす変化を待ち望んでいた者がいました。

太陽の光で氷が解け始め、凍った海にも亀裂が入ります。その亀裂をたどり、イッカクが泳ぎを楽しんでいます。

カナダでは、分厚い毛をまとったヒグマが、木に体をこすり付け、間寛平ばりの「かいーの」をやっています。腰を振って、木とのダンスに気分も絶好調。

さて、太陽が一番高い場所に位置しました。正午の各地の様子はどうでしょうか。

熱延地獄と化したアフリカ大陸サバンナでは、あまりの暑さに百獣の王ライオンもぐったりです。

しかし、どんなに暑くても勝負をつけなきゃならない時もあります。今日に限って、キリンの縄張り争いが勃発です。男と男の戦いです。

荒野の決闘。ゆっくり2頭のキリンが近寄ります。西部劇なら砂煙が舞っている場面です。

押し合いから始まり、首のスナップを使った激しい攻撃が繰り広げられます。若いオスの攻撃に現リーダーは一瞬怯みます。

しかし、とどめの一撃をかわし逆転の首パンチで、若いオスを倒します。どうにかリーダーの座は守り抜いたようです。

ジリジリした太陽の光も届かない水中に、人間と近い暮らしをしている生き物がいました。

ヒトと同じ哺乳類のマッコウクジラです。家族は寄り添い生活しています。

マッコウクジラは今まさに子育て真っただ中。子供に母乳をあたえて育てます。クリック音と呼ばれる超音波で会話を楽しんでいるようです。

お腹もいっぱいになったらお昼寝です。水の中で体を垂直に立たせ、家族が川の字になって寝ています。

時を同じくして中央アメリカのパナマ沖でもお昼寝の時間のようです。熱帯雨林の中からは、イビキが聞こえてきます。

気持ちよさそうに寝ているのは、ピグミーミュビナマケモノです。

彼は1日のほとんどを寝て過ごしますが、どんなに熟睡中であろうと飛び起きる音があります。

ナマケモノのメスの鳴き声です。

声を聞いたとたん飛び起き、川へダイブ。颯爽と泳ぎ会いに向かいます。

「誰?どこにいるの?もっと呼んで。今行くよ」木の上にそれらしき彼女を見つけます。

水の中ではあんなに早かったのに!?木登りはゆっくりなのですね。

ようやくたどり着くも、「あれ?子持ちじゃん!?」

時間をかけて会いに来ても、勘違いだった。でも、仕方ない。寝よう。単純。

ゆっくりとした時間の流れとは真逆に、一刻を争う者もいます。

南極圏に住むヒゲペンギンたちは、押し寄せる荒波の中、帰宅ラッシュに巻き込まれていました。

沖合80㎞のところまで餌を求めて、毎朝通勤するペンギンたち。母親と父親が交互に毎日、危険いっぱいの道を歩いて往復します。愛する子供のために。

家には100万羽ものヒゲペンギンが暮らしていますが、パートナーはお互いの鳴き声で、たった1羽を見つけます。この奇跡。最も過酷な通勤ラッシュ。感動のドラマです。

さて、昼下がりの午後は、甘い蜜でも吸っておやつタイムにしましょう。

エクアドルの熱帯雨林には、人の親指ほどしかない小さな戦士が、花の蜜を一所懸命吸っています。

毎日の生活の中で放出するエネルギーが、成人男性に置き換えると15,000カロリーにもなるという、ラケットハチドリです。

もう何が何でも、常に蜜を吸っていないと死んでしまいます。

同じ花の蜜が大好物のミツバチとは、敵対関係です。攻防戦を繰り広げる中、雨が降り出しました。どうやら今日の戦いの勝者は、ラケットハチドリのようです。

小さい者たちは、ひとつの雨粒でも命とりに繋がります。ミツバチたちは雨粒の衝撃で落下していきました。

小さい者たちの必死の戦いは、ヨーロッパの牧草地でも繰り広げられていました。

カヤネズミは、ヨーロッパに生息する齧歯類で最も小さく、体重は50円玉ほど。植物の茎を先端まで走り、実を食べています。

いくら軽いとは言え、茎もそんなに丈夫ではありません。びよーんびよーん揺れながら、植物から植物へ移動します。

そこにいつもなら見かけない天敵がやってきました。早く目が覚めてしまったメンフクロウです。

鋭いまなざしで迫りくるメンフクロウに驚いたカヤネズミは、藪の中へ落ちてしまいます。

慣れない地面に歩きずらそうですが、茎の地図で家までたどり着きました。グーグルマップも必要ありません。

巣には、生まれたばかりの赤ちゃんが待っていました。

太陽は傾き、陽の光もオレンジに変わります。夕暮れはどこか寂しい気持ちを連れてきます。

ヨーロッパ・ハンガリーのティサ川では、川面に長い尾毛をもつカゲロウの大群が、一斉に舞い上がります。

モンカゲロウは、水の中で3年間待ち、夕暮れに地上に舞い上がり、その日のうちに命を落とすという儚い生き物です。

餌を食べる口もなく、孵化するとすぐに求愛のダンスを踊り、日が沈む前にパートナーを見つけ、子孫を残して死んでいきます。

さぁ、太陽が沈みます。夜です。

以下、『アース アメイジング・デイ』ネタバレ・結末の記載がございます。『アース アメイジング・デイ』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


(C)Earth Films Productions Limited 2017

夜の闇がやってくる前に、ねぐらに帰る者、安全な高い場所に避難する者、お腹を満たす者、それぞれの夜の準備が整いました。

反対に夜になると動き出す者もいます。暗闇で生きる者。

暗闇が広がる海の中で、サメの一種ネムリブカは、魚の怯えた心臓の音さえも察知しやってきます。集団で狩りをする姿はまさに漆黒のハンター。

夜の闇が連れてくるのは恐怖ばかりではありません。

南米に生息するヒカリコメツキは、異性を惹きつけるために光を放ちます。

いそいそと、発光するキノコを見て「中にメスがいるかも?」とおびき寄せられたオスは、自分でも気付かないうちにキノコの胞子を体につけ、次のキノコへ。

他人の繁殖には大いに役に立っていますが、自分のことも頑張って。

ニュージーランドの洞窟の天井では、美しく青く光る無数の糸が垂れ下がっています。ヒカリキノコバエの幼虫です。

シルクのように垂れ下がる綺麗な糸で、獲物を捕らえます。死を招く美しい罠。

夜の天体マジック、オーロラの出現です。

夜空に揺らめく七色の光。ゆらゆらと形を変え、闇を包み込みます。

地上には人口の光も多く見えます。私たち人間は、太陽が沈んでも闇を怖がることもなく生活しています。

しかし、都会の生活で自然との関りを忘れてしまいがちです。

自然の魔法は身近にあります。生命の宿る惑星、地球。地球は日々、驚きに満ちています。

そしてまた、新しい朝が始まります。

映画『アース アメイジング・デイ』の感想と評価


(C)Earth Films Productions Limited 2017

地球は1日で1周自転をしながら、1年で1周太陽の周りを公転します。この太陽の光の恵みで地球は息をしています

すべての生命の共通点「昼と夜リズム」が地球にはあり、そのことを地球の1日を通して感じさせてくれます。

人間は、人工の光の中で昼夜関係なく生活していますが、自然の動物たちは太陽の光で生活しています。

人間も、もともとは動物たちと同じだったはずです。

太陽の朝の光で1日をはじめ、明るいうちに食料を確保し、暗くなる前に家に帰る。夜が来たらまた新しい朝のために寝る。

パートナーを見つけ、子供を作り、家族を守る。

それは生存するうえでとてもシンプルなものです。

テクノロジーの進化とともに人間は光を手に入れ、生き方はシンプルなものではなくなりました

同時に、私たち人間には、生き物の未来が委ねられています。唯一無二の地球を守っていく使命があるのです。

今あなたが、この映画を見ている間にも、世界中のどこかでは、パンダが笹を食べ、ナマケモノが水泳ぎをし、キリンが戦い、ヒグマがダンス踊っているかもしれません。

地球上には同じ時間を共有しているたくさんの生命で溢れています。

一緒に新しい朝を迎えられることを感謝します。

まとめ


(C)Earth Films Productions Limited 2017

地球の自然の魔法、生き物の驚くべき生体を、太陽の動きに合わせて1日を追ったネイチャードキュメンタリー映画『アース アメイジング・デイ』を紹介しました。

タイトル通り、まさにアメイジングな1日を見ることができます。

最新の4K技術に超ハイスピードカメラ搭載で、より生き物たちの表情を生き生き捉えられています。製作期間3年、22ヵ国、撮影チーム100人、ドローン200台。

こだわりの映像美は、生々しく瑞々しく、まるで身近で見ているかのようです。

目覚めのパンダ、追いかけられるウミイグアナ、氷河を進むイッカク、泳ぐナマケモノ、キリンの決闘、ヒグマのダンス、ヒゲペンギンの子育て。

どれもこれも、アメイジングな瞬間です。

「今この瞬間にも地球のどこかで彼らも生きている」

少し立ち止まって自然に思いを馳せてみて下さい

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