連載コラム「最強アメコミ番付評」第21回戦
こんにちは、野洲川亮です。
今回はDCEUシリーズ第3弾となる、悪役たちのオールスター映画『スーサイド・スクワッド』を考察していきます。
クイーンの楽曲「ボヘミアンラプソディー」を使用した予告編が、ファンの喝さいを浴びたことでも話題となった、本作の魅力に迫っていきます。
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『スーサイド・スクワッド』のあらすじとネタバレ
『バットマンVSスーパーマン』の戦いにより、スーパーマンが死亡してから数か月後、アメリカ政府の高官アマンダ・ウォラーは、メタヒューマンと呼ばれる超人たちが人類の脅威になる事態に備え、収監されている凶悪犯罪者たちで構成される特殊部隊タスクフォースX=「スーサイド・スクワッド」を設立します。
殺し屋スナイパーのデッドショット(ウィル・スミス)、ジョーカーの情婦ハーレイ・クイン(マーゴット・ロビー)、その名の通りの武器を使用するキャプテン・ブーメラン(ジェイ・コートニー)、炎を操るディアブロ(ジェイ・ヘルナンデス)など、数々のヴィランたちが集められました。
言うとおりにすれば減刑、反抗や逃亡を図った場合、首に仕掛けた爆弾を作動させるという条件を付けられたヴィランたちは、渋々フラッグ大佐の指揮下で部隊の一員に入ることとなります。
もう一人、フラッグ大佐の恋人、考古学者ジェーン・ムーン(カーラ・デルヴィーニュ)の身体に憑依した古代の魔女エンチャントレスも、その心臓をウォラーに奪われ部隊の一員とされかけていましたが、支配を拒んだエンチャントレスは弟である魔物を召喚、市民を怪物へと変えてしまい、街の一角を占拠してしまいます。
この状況にウォラーはスーサイド・スクワッドを派遣し、事態の収拾を図ろうとします。
道中、エンチャントレスに姿を変えられた怪物たちを撃退し、何とかミッションの目的地であるビルへと到着しますが、そこは何とタスクフォースXの指令室であり、指揮するウォラーの姿もありました。
ウォラーはエンチャントレスに裏切られた事実を隠ぺいし、安全に脱出するため部隊を招集していたのです。
その場で全データを消去した上に、部下を全員殺害したウォラーに唖然とするヴィランたちを尻目に、脱出用のヘリが到着します。
夢の悪役オールスター大集合の魅力
デッドショット、ジョーカー、ハーレイ・クインに加え、キャプテン・ブーメラン、ディアブロ、キラークロックなど、バットマンやフラッシュと戦ってきた、アメコミファンにはおなじみのヴィランたちが勢ぞろいした本作は、演じるキャストも豪華メンバーが揃います。
ウィル・スミスはもちろん、ジャレッド・レト、マーゴット・ロビー、ジェイ・コートニーなど、スター俳優が有名ヴィランを演じることは、公開前から大きな話題を呼びました。
中でも、故ヒース・レジャーが演じたことで、伝説的なキャラクターへと昇華されていたジョーカーをジャレッド・レト、キャラクターの持つサイコじみたエロティックさを見事に体現したハーレイ・クインを演じたマーゴット・ロビーは、そのビジュアルのクオリティーの高さが絶賛されました。
これだけのキャラクターが全員本作で初登場となったわけで、120分の上映時間ではまだまだ描ききれておらず、今後の続編でそれぞれのキャラクターをより深堀りしたものを見せてもらいたいと、期待が高まります。
本作の後、2017年には同じDCEUシリーズ作品『ジャスティスリーグ』が公開され、ヒーローたちが勢ぞろいします。
このヒーローたちとヴィランたちが、どのような形で今後のシリーズを紡いでいくのか?演じるキャストの変遷も含めて、注目していきたいところです。
続編の監督にジェームズ・ガン就任?
本作はDCEU第3弾として公開されましたが、その後シリーズが次々と製作される中で、続編の待望論も高まってきています。
そして、その続編の脚本をジェームズ・ガンが担当することが報じられて話題となっています。
ご存知の通りジェームズ・ガンは、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズの生みの親であり、第3作の監督を務めることも決まっていました。
ところが、過去のSNS上での小児愛などをジョークにした発言が問題視され、ディズニーから解雇されてしまいます。
そんなジェームズ・ガンが、マーベル最大のライバルであるDC映画に参戦するというのは、大きなニュースとなりました。
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズでドラックス役を演じるデイブ・バウティスタは、自身のTwitterでこの「スーサイド・スクワッド」続編への出演志願の意向を表明しています。
両作とも正統派のヒーローではなく、はみ出し者たちの矜持を描く作品という共通点を持つだけに、脚本だけでなく監督の就任も噂されるジェームズ・ガンが、どのように続編を描くのかは興味深く見守っていきたいと思います。
マーゴット・ロビーのファンにオススメ映画
参考映像:『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』(2017)
映画『スーサイド・スクワッド』で実質上の主役と言ってもいい、ハーレイ・クイン役で強い印象を残したマーゴット・ロビー。
彼女は2013年公開の『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のレオナルド・ディカプリオ演じるジョーダン・ベルフォート役の妻となる、ナオミ・ベルフォート役で脚光を浴びました。
そんなマーゴット・ロビーは、2017年に全米で公開された映画『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』で、実在のフィギュアスケーターであったトーニャ・ハーディングを演じました。
実際の事件を基にしたストーリーもさることながら、キャストの熱演もあって強烈な印象を残します。
また共演に「キャプテン・アメリカ」シリーズで、ウィンターソルジャーことバッキー役のセバスチャン・スタンがいることも、アメコミファンとしては興味深いキャスティングです。
また、デッドショット役を演じたウィル・スミスの出演作は数多ありますが、その中でスーパーヒーローに特化したものと言えば『ハンコック』(2008)でしょう。
スーパーパワーを持ちながら、世間から嫌われているヒーローという、一風変わった設定の作品で、共演にシャーリーズ・セロンを迎えた快作となっています。
次回の「最強アメコミ番付評」は…
いかがでしたか。
次回の第22回戦は、DCEUシリーズ第4作、女性スーパーヒーローの新たなアイコンとなった『ワンダーウーマン』を考察していきます。
お楽しみに!