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映画『赤毛のアン 卒業(2018)』あらすじネタバレと感想。16歳の少女の出した決断とは

  • Writer :
  • もりのちこ

世界中で愛される名作児童文学『赤毛のアン』

母国カナダで、新たに実写映画化した3部作の完結編『赤毛のアン 卒業』

想像力豊かでおしゃべり大好きな女の子は、16歳の少女へと成長していきます。

不器用な恋に悩み、将来の夢に胸躍らせるアンに、突然の悲しい別れが訪れます。

いよいよ完結編『赤毛のアン 卒業』アンの16歳の決断とは?

映画『赤毛のアン 卒業』の作品情報


(C)2017 GABLES 23 PRODUCTIONS INC. ALL RIGHITS RESERVED.

【公開】
2018年(カナダ映画)

【原作】
L.M. Montgomery’s Anne of Green Gables: The Good Stars

【監督】
ジョン・ケント・ハリソン

【キャスト】
エラ・バレンタイン、サラ・ポッツフォード、マーティン・シーン、ジュリア・ラロンド、ドゥルー・ヘイタオグルー

【作品概要】
世界中で広く愛され続けているルーシー・モード・モンゴメリーの児童文学『赤毛のアン』を、モンゴメリーの孫娘ケイト・マクドナルド・バトラーが制作総指揮を務めて新たに実写化した『赤毛のアン』シリーズ。全3部作の完結編です。

この3部作で11歳から16歳までのアンを見事に演じたエラ・バレンタインは、カナダ・アカデミー賞、青少年向け作品部門で演技賞を受賞しました。

映画『赤毛のアン 卒業』のあらすじとネタバレ


(C)2017 GABLES 23 PRODUCTIONS INC. ALL RIGHITS RESERVED.
森を散歩するマシュウ。家からは、少女たちの楽しそうな笑い声が聞こえてきます。

想像力豊かなアンは、自作の小説を友達に読み聞かせています。ユーモアとロマンス溢れる小説に、少女たちは夢中です。

彼女たちの笑い声に、マシュウもマリラもつられて笑顔になります。今日もアンのおかげで、グリーンゲイブルズはにぎやかです。

生まれてすぐに両親を失い、孤児院で育った少女アンは、マシュウとマリラ兄妹に引き取られ、グリーンゲイブルズで暮らしていました。

アンの良き理解者マシュウと、しつけに厳しいマリラの愛情で、アンは活発で聡明な少女へと成長していきます。

「大人になるって気が重い」アンは14歳。いつまでも子供ではいられません。進路を決める時です。

夏休みが終わり、アンの学校も新学期がスタートします。久しぶりにクラスメートとおしゃべりを楽しむアン。

でも、初恋の相手ギルバートはアンを無視しています。演劇会で溺れかけたアンを助けたギルバートでしたが、素直にならないアンに、お返しとばかりに無視を決め込んでいました。

お互いを意識しながらも、成績を張り合う2人。想像力豊かなアンも、現実でのロマンスは不器用でした。

新たに赴任してきたステイシー先生は、シャーロットタウンにあるクイーン学院を受験したい生徒たちを集め課外授業をすることにしました。成績優秀なアンにも声がかかります。

一生懸命勉強すれば教師になれると言われ、興奮するアン。

心配なのは、お金の問題でした。将来の夢を語るアンに、マリラは「あなたには良い教育をさせると決めていた」と背中を押してくれます。

教師になるという目標に一直線のアン。しかし、親友のダイアナは「女はお嫁に行くのに学問は必要ない」という両親の方針で、進学コースを外れます。

友と別の道を歩むことになったアンでしたが、夢に向かって勉強を頑張ります。

いよいよクイーン学院の入試の日がやってきました。震えが止まらないアン。それでも頑張った自分を信じて試験に向き合います。

クイーン学院の合否を知らせてくれたのは親友のダイアナでした。

新聞を手に「アンの名前が載っている」と笑顔で訪れたダイアナ。アンはみごとクイーン学院に合格しました。

自慢の娘に育ったアンを、愛おしく思うマシュウとマリラ。

合格したことでシャーロットタウンへ行くアンとは、しばしのお別れです。寂しい思いを胸に、アンを送り出します。

アンの新しい生活のスタートです。

マシュウとマリラと別れ、クイーン学院に通うためシャーロットタウンにある下宿に入ったアン。

始めのうちは、ホームシックで泣いた日もありました。

しかし、トップの成績を収め奨学金を得ることで、マシュウとマリラに恩返ししようと勉学に励みます。

一方、一緒に入学したギルバートとの関係は相変わらずです。常にライバルとしてお互いを高め合う2人でしたが、空回りの連続です。

以下、『赤毛のアン 卒業』ネタバレ・結末の記載がございます。『赤毛のアン 卒業』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。

(C)2017 GABLES 23 PRODUCTIONS INC. ALL RIGHITS RESERVED.

そして、アンは16歳になりました。

卒業試験でみごとトップの成績を収め、奨学金を手にしたアン。卒業式では、生徒代表で挨拶をします。出席したマシュウとマリラも喜んでくれました。

クイーン学院を卒業したアンは、グリーンゲイブルズに戻り将来の進路を考えます。奨学金を獲得したアンには未来が開けていました。

しかし、アンが成長するにつれ、マシュウとマリラには老いが進んでいました。動くだけで息切れするほど辛そうなマシュウ。視力の低下に悩むマリラ。

ある日、マシュウは新聞でお金を預けていた銀行が倒産したことを知ります。ショックのあまり倒れ込んだマシュウは、そのまま帰らぬ人となりました。

悲しみに暮れるアン。生まれて初めて経験する大切な人の死。ずっと続く胸の痛みにアンは苦しみます。

かけがえのない家族との幸せな暮らしを、マシュウを失くして気付かされたアンは、マリラの側にいることを決意します。

しかし、マリラはアンのことを考え、農地と家を売ろうと考えます。

そんなマリアにアンは「一緒に暮らしこの家と農地を守ろう」と手放すことを拒否します。頑固なアンは、大学進学を辞め、家から通える村の学校の教員になる道を選びます。

それを知ったギルバートは、アンと同じ村の学校の教員になることが決まっていたにも関わらず、アンに職を譲るため、別の学校へと移動します。

偶然、街で会ったアンとギルバート。そのことを知ったアンは、ギルバートの優しさに感謝します。

素直に話をしたのは5年ぶりのアンとギルバート。離れていた時間を埋め合わせるかのように、おしゃべりが止まりません。

「ロマンスを忘れちゃダメだよ」

お墓の中で、マシュウも微笑んでいることでしょう。

映画『赤毛のアン 卒業』の感想と評価


(C)2017 GABLES 23 PRODUCTIONS INC. ALL RIGHITS RESERVED.

完結編にしてアンは、最愛の理解者マシュウの死を経験します。初めて経験する、大切な人との永遠の別れ。悲しむアンの姿に胸が痛みます。

不幸な生い立ちから、家族の愛情を知り、将来の夢に希望を抱き羽ばたこうとするアンに、突然訪れた最愛の人の死。

それでも人生は続いていきます。悲しみや苦しみもあるけれど、人生には幸せや楽しいことがあることをアンは知っています。

悲しみから無理に離れようとせず、ゆっくり寄り添うように過ごすアンの姿に、悲しみから立ち直る術を教えてもらった気がします。

物語から抜け出したようなアン役のエラ・バレンタインと、アンを温かく見守るマシュウ役の名優マーティン・シーンの演技に涙が止まりません。

まとめ


(C)2017 GABLES 23 PRODUCTIONS INC. ALL RIGHITS RESERVED.

世界中で広く愛され続けているルーシー・モード・モンゴメリーの児童文学『赤毛のアン』を実写化した3部作の完結編『赤毛のアン 卒業』を紹介しました。

完結編は、アンの最愛の人を亡くすストーリーで終了となりました。

原作はここからもう少し先があります。出版から110年以上経ってもなお愛され続ける『赤毛のアン』

幸せばかりではない人生で、避けられない悲しみとの向き合い方、そして幸せになる方法を教えてくれる名作『赤毛のアン』を、ぜひ映画でお楽しみ下さい。

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