Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

アニメーション

Entry 2017/04/18
Update

映画『夜明け告げるルーのうた』あらすじと考察解説。ポニョのパクリなのか⁈正体を深掘りで紐解く

  • Writer :
  • シネマルコヴィッチ

2017年4月7日から公開中のアニメ映画『夜は短し歩けよ乙女』の湯浅政明監督の引き続き、5月19日全国公開される完全オリジナルのアニメ映画の『夜明け告げるルーのうた』が話題沸騰中。

今度の新作は、なんと!宮崎駿監督のジブリ作品『崖の上のポニョ』と類似性が見られることが注目を浴びています。

映画『夜明け告げるルーのうた』の作品情報


(C)2017ルー製作委員会

【公開】
2017年(日本映画)

【脚本・監督】
湯浅政明

【キャスト(声の出演)】
谷花音、下田翔大、篠原信一、柄本明、斉藤壮馬、寿美菜子、大悟、ノブ

【作品概要】
『マインド・ゲーム』『四畳半神話大系』『ピンポン THE ANIMATION』などユニークな作風で人気の高い湯浅政明監督の完全オリジナルによる劇場用長編アニメ。

少年と人魚の少女の出会いと別れを繊細な描写でつづった作品で、人魚の少女ルーの声を人気子役の谷花音、主人公カイの声を映画『くちびるに歌を』の下田翔大が担当。

映画『夜明け告げるルーのうた』のあらすじ


(C)2017ルー製作委員会

寂れてしまった漁港の日無町。父親や祖父と3人で暮らしている男子中学生カイ。

両親の離婚が原因で東京からこの町へ引っ越してきた彼は、両親に対し複雑な心境を抱えながらも、口に出すことはありませんでした。

そんなフラストレーションを持ちながら日々を過ごしていたある日。クラスメイトの国男と遊歩に誘われるまま人魚島を訪れます。

少年カイは、そこで人魚の少女ルーと出会う。カイは天真爛漫であるルーと過ごすうちに、自分の気持を解放することができるようになっていきます。

しかし、古来より日無町では人魚は災いをもたらす存在と言われてしまう…。

「ルー」と「ポニョ」は何者なのか?


(C)2017ルー製作委員会

湯浅政明監督の「ルー」と宮崎駿監督「ポニョ」は、設定上ではどのような生物として描かれたのでしょうか。

『夜明け告げるルーのうた』の主人公の少年カイと交流を持つ、ルーは人魚のようです。ホームページなど公にもそのことは発表されています。

また、『崖の上のポニョ』の主人公ソウスケと交流した、ポニョは魚です。

ご存知!『崖の上のポニョ』(2009)の「魚のポニョ


(C)2008 二馬力・GNDHDDT

設定上では同じ海中の生物ですが、ルーは人魚、ポニョは魚と、違ってはいるようです。

また、キャラクターの画像を見比べてみましょう。

似てる似てないと聞かれれば、似てるようにも見えますし、そうでも無いと言われればそうでないようにも見えてきます。

それぞれの観客の主観によって類似して見える見えないは異なるかもしれませんね

但し、日本アニメや漫画の大きな特徴ですが、主人公の少年(少女)と交流をする異界者たちの多くは、身体の触感をゴムのように軟らかそうに見える特徴が指摘できます。

例えば、藤子不二雄Aの「オバケのQ太郎」はそうですし、他にも未来から来たネコ型ロボットのドラえもんですらそうです。

子どもの視聴者がキャラクターへの親しみ易さを軟らかさを感じることを目的にしています。

アニメーションを製作する際に、キャラクターを動かす映像表現は「軟らかさという触感」は、生き生きとした生命感を持たせることにとても適しています。

このことは、外国のアニメーションにも見られ、「トムとジェリー」なども、ネコとネズミが追い駆けっこをしながら、ゴム人形のように身体表現が変化するのは誰もがご存知のことかと思います。

「ルー」と「ポニョ」は、「海から来た者、人魚と魚、キャラクターの軟らかさ」など、これらを通して観客のあなた自身の感じ方かもしれませんね。

ちょっと待った!「ポニョ」は人魚ではない、カエルだと⁈


(C)2008 二馬力・GNDHDDT

宮崎駿監督は書籍「海辺の小さな町」の中で、『崖の上のポニョ』はアンデルセンの童話『人魚姫』(1836)をモチーフにした作品だとは述べています。

しかし、ヴェネツィア国際映画祭に出席した際に、「製作中に『人魚姫』の話に似ていると気付いたものの、元来意図的にベースとしたわけではない」ということも話されていました。

しかも、鈴木敏夫プロデューサーは、これらの因果関係に対して、カエルの話を作ろうとしていたのがポニョの始まりだと述べています。

カエルが人間になる話を考えながら、やがて、カエルが半魚人に変更され、さらにそれが魚になり、人間になると考えるに至ったそうです。

もう、こうなると、魚でも人魚、半魚人でも何でもよくなりますね。何かオリジナルなものを生み出すことや、映画制作をしていく過程とは、そのような繰り返しなのではないでしょうね。

また、日本アニメの一端を先導してきた湯浅政明監督が、過去の何かに触発されたり、影響されてたとしても、それでもなお作ってみたいとモチーフはあるのでしょう。

そのことに関して、簡単に真似とばかりは決め付けられないのかもしれませんね。

まとめ


(C)2017ルー製作委員会

今回は「ルー」と「ポニョ」は似ているのかということに注目をして見ました。

宮崎駿監督は『崖の上のポニョ』を「人間が手で描く」というアニメーションの根源に拘った作品だと語りました。

これを踏まえて観ても宮崎作品の中でも、『崖の上のポニョ』は触感性はズバ抜けて高い作品として完成しました。

先人である宮崎駿の革新的な試みを当然のことですが、湯浅政明監督が知らない、「ポニョ」は見たこともないはずはありません。

例え一般的に似通った設定の作品になったと知りつつも、あえて、宮崎作品とは異なったアニメーション表現に挑戦したと考える方が理解ができます。

2017年5月19日から『夜明け告げるルーのうた』は全国公開。先ずは、あなたの目で人魚のルーに会いに行きませんか?

劇場では大きなスクリーンに映し出された映画とあなたは、向き合うときは一対一の出会いです。

あなた自身の印象や感想を大切にして映画鑑賞することも良いのではないでしょうか。

湯浅政明監督の新作『夜明け告げるルーのうた』を観に行きませんか?


Warning: Use of undefined constant php - assumed 'php' (this will throw an Error in a future version of PHP) in /home/demachi2026/cinemarche.net/public_html/wp-content/themes/stinger8-child/single.php on line 150

関連記事

アニメーション

『ミッシングリンク』ネタバレ感想と結末までのあらすじ。スタジオライカが贈るアニメ映画の遊び心【英国紳士と秘密の相棒】

映画『ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒』は2020年11月13日公開。 ストップモーションアニメを作り続けている職人集団スタジオライカ。 2020年11月13日より日本公開の『ミッシング・リン …

アニメーション

『ぼくらのよあけ』ネタバレ感想結末とあらすじの評価考察。アニメ化に原作マンガSF「団地団」のクリエイターの力で壮大な宇宙に飛び立つ

本格ジュブナイルSFアニメ『ぼくらのよあけ』 2011年に「月刊アフタヌーン」に連載されていたマンガ『ぼくらのよあけ』が11年の時を経て、ついに劇場アニメーションになりました。 実は本作の原作者今井哲 …

アニメーション

映画『この世界の片隅に』あらすじネタバレと感想!ラスト結末も【考察から読む3つの偉業を解説】

2016年は日本映画が大豊作の年でした。庵野秀明総監督の『シン・ゴジラ』の人気に始まり、新海誠監督の『君の名は。』の興行成績を塗り替え爆進中と話題作が続きました。 実は、その後をじわじわと追いかけてい …

アニメーション

【ネタバレ感想】劇場版 響け!ユーフォニアム 誓いのフィナーレ|結末に向けた北宇治高校吹奏楽部の新たな挑戦とは?

“もっと、もっと 強くなれる” 『劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~』は、2019年4月19日全国ロードショー。 武田綾乃の原作による小説を『涼宮ハルヒの憂鬱』や『けいおん!』などで知ら …

アニメーション

映画『漁港の肉子ちゃん』ネタバレ感想レビューとラスト結末あらすじ。原作小説を声優キャストの演技と明石家さんまの“笑い”で表現

映画『漁港の肉子ちゃん』は2021年6月11日(金)より全国ロードショー! 直木賞作家・西加奈子の同名小説を、明石家さんまが企画・プロデュースを手がけアニメーション映画化した『漁港の肉子ちゃん』。 漁 …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学