ハリウッドの演技派女優、ニコール・キッドマン。凛として、芯のしっかりした女性の役がとても似合う映画界に欠かせない女優さんの一人です。
ニコール・キッドマンは、15歳からテレビやミュージック・ビデオなどに出演し、1995年の『誘う女』でゴールデングローブ賞主演女優賞を受賞。当時の夫トム・クルーズと『アイズ・ワイド・シャット』で共演し話題となりました。
2001年の離婚後は、『ムーラン・ルージュ』や『アザーズ』、『めぐりあう時間たち』、『オーストラリア』、『NINE』など数々の映画に出演し、幅広い役柄を演じ女優として充実したキャリアを開花させました。
最新作『LION/ライオン 25年目のただいま』では、主人公の少年を引き取る養母を演じ、自身4度目となるアカデミー賞ノミネートを果たしています。
気になる最新作を含め、ニコール・キッドマンがこれまで出演した映画の中から厳選した5作品をピックアップしてお届けします!
CONTENTS
1.モナコ公妃グレース・ケリーを見事に演じきった『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』(2014)
『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』の作品概要
2014年のフランス・ベルギー・アメリカ・イタリア合作映画。監督は、『エディット・ピアフ 愛の讃歌』のオリビエ・ダアン。出演は、ニコール・キッドマン、ティム・ロス、フランク・ランジェラ、パス・ベガ、パーカー・ポージーほか。
『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』のあらすじ
人気絶頂の56年に女優を引退しモナコ大公レーニエ3世と結婚した公妃グレース。公妃としての立場になじめずにいた彼女は、アルフレッド・ヒッチコック監督からの新作オファーに心が揺れていました。
そんな折、夫の推し進めていた政策が当時のフランス大統領シャルル・ド・ゴールを激怒させ、武力衝突に発展する可能性もある危機に直面。彼女はスクリーン復帰か、家族そして国家のために全てをささげるかの選択をせまられます。
『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』のおすすめポイント
ハリウッド女優からモナコ公妃となったグレース・ケリーが、夫であるモナコ大公レーニエ3世と当時のフランス大統領シャルル・ド・ゴールとの間に起きた国家的危機に立ち向かう半生を描いた伝記ドラマです。
グレース・ケリーという名前は聞いたことがあっても、どんな女性だったのかを知らない人は多いと思います。予備知識はなくても、彼女の生涯が分かりやすく描かれているので楽しめるはずです。
何よりも、ニコール・キッドマンの美しさと演技力のすばらしさ!顔も姿も声も世間に知られている人物を演じるのはかなり難しいと思うのですが、役をしっかり自分のものにして演じています。
そして衣装、モナコの風景、宮殿、どれも綺麗で品があって、見ている側も豪華な気分になりますよ。
2.豪華絢爛なミュージカル&ラブストーリー『ムーラン・ルージュ』(2001)
『ムーラン・ルージュ』の作品概要
2001年のアメリカ映画。監督は、『ロミオ&ジュリエット』のバズ・ラーマン。出演は、ニコール・キッドマン、ユアン・マクレガー、ジョン・レグイザモ、ジム・ブロードベント、リチャード・ロクスバーグほか。
第74回アカデミー賞衣装デザイン賞・美術賞受賞。他、作品賞、主演女優賞など6部門にノミネート。第59回ゴールデングローブ賞最優秀作品賞、最優秀主演女優賞(コメディ・ミュージカル部門)などを受賞。
『ムーラン・ルージュ』のあらすじ
1899年、パリ。魅惑的なナイトクラブ“ムーラン・ルージュ”では華麗なショーが人々を魅了しますが、実際セットに費用がかさみ経営は火の車…。オーナーのジドラーは、資産家の公爵に新しいショーの主役サティーンをあてがうことで投資を引き出そうと考えていました。
本格的な女優を目指していたサティーンもパトロンを必要としておりジドラーの申し出に不満はありませんでしたが、サティーンは作家を目指すクリスチャンをパトロンと勘違いしてしまい、それがきっかけで二人は愛し合うようになり…。
『ムーラン・ルージュ』のおすすめポイント
1899年のフランス・パリを舞台にしたラブストーリーでありミュージカル映画です。主演したニコール・キッドマンとユアン・マクレガーは吹き替えなしで素敵な歌声を披露しています!
衣装やセットがとにかくゴージャス。音楽も現代の有名な楽曲が多く使われていて、最後まで飽きさせません。
映像が目まぐるしく展開するので、好き嫌いが分かれる作品かもしれませんが、ニコール・キッドマンが好きな人、ミュージカル映画が好きな人にはお勧めです!
3.繊細な演技でアカデミー主演女優賞に輝いた『めぐりあう時間たち』(2002)
『めぐりあう時間たち』の作品概要
2002年のアメリカ映画。監督は『リトル・ダンサー』のスティーブン・ダルドリー。出演は、ジュリアン・ムーア、メリル・ストリープ、ニコール・キッドマン、エド・ハリス、トニ・コレットほか。
第75回アカデミー賞で9部門にノミネートされ、ニコール・キッドマンがアカデミー主演女優賞を受賞。第53回ベルリン国際映画祭ではジュリアン・ムーア、メリル・ストリープ、ニコール・キッドマンの3人が銀熊賞を共同受賞。他にも各国の映画賞で高い評価を得た作品。
『めぐりあう時間たち』のあらすじ
1923年のロンドン郊外。作家のヴァージニア・ウルフは病気療養のためこの地に移り住み、『ダロウェイ夫人』を執筆していました。或る日、姉のヴァネッサとその三人の子供たちが訪ねて来ますが、ヴァージニアは小説の構想に頭を廻らせ、常に上の空。そして「ヒロインを殺す」展開を思いつき…。
1951年、ロサンゼルス。妊娠中の主婦ローラ・ブラウンは、理想の妻を演じることに疲れ『ダロウェイ夫人』のヒロインに自分を重ねていました。親友のキティが訪れ、ローラは泣いている彼女に思わず口付けをしてしまいます。拒絶されたと感じたローラは、自殺を決意し…。
2001年、ニューヨーク。編集者クラリッサ・ヴォーンは、親しい友人でエイズ患者の作家リチャードが栄えある賞を受賞したことを祝うパーティの準備に取りかかっていました…。
『めぐりあう時間たち』のおすすめポイント
小説『ダロウェイ夫人』をモチーフに、作者であるヴァージニア・ウルフをはじめ、場所や時代の異なる3人の女性を描く作品。ニコール・キッドマンは、作家のヴァージニア・ウルフを演じています。
3人の女性たちの3つの時代を交互に描き、3人の感情が複雑に絶妙に絡み合っていくストーリーです。脚本のすばらしさはもちろんですが、美しい音楽、3人の女優が魅せる名演技が見どころです。
自分らしく生きようと生と死の間でもがき苦しむ彼女たちに思わず感情移入せずにいられません。女優の演技、演出、脚本のバランスがよく見ごたえたっぷりな作品です。
4.豪華キャスト集結!戦争下の悲恋を描いた『コールド・マウンテン』(2003)
『コールド・マウンテン』の作品概要
2003年のアメリカ映画。監督は『イングリッシュ・ペイシェント』のアンソニー・ミンゲラ。出演は、ニコール・キッドマン、ジュード・ロウ、レニー・ゼルウィガー、ドナルド・サザーランド、ナタリー・ポートマンほか。
第76回アカデミー賞助演女優賞受賞。主演男優賞、撮影賞など6部門ノミネート。ロンドン映画批評家協会賞主演女優賞ノミネート。ほか各映画賞で候補に挙がり高い評価を得ました。
『コールド・マウンテン』のあらすじ
南北戦争末期、自ら兵隊を志願し戦争に参加してから3年が経ったインマンは、出発前にわずかな時間しか過ごせなかった恋人のエイダに渡された銅版写真と本、戦地に届いた彼女からの手紙3通を心の支えに苛酷な戦場でかろうじて生き延びていました。
彼はエイダに会うため死罪を覚悟して脱走し、故郷コールド・マウンテンを目指します。
『コールド・マウンテン』のおすすめポイント
全米ベストセラーになった同名小説の映画化で、南北戦争中、愛する女性の待つ故郷へ旅を続ける脱走兵と彼を待つ恋人の苦難を描いた壮大なラブストーリーです。
美しいお嬢様ニコール・キッドマンとイケメンのジュード・ロウ、この2人がとても素敵な恋人を演じています。
戦争の悲惨な状況の中でお互いを想い続ける、二人の純粋な気持ちに胸がいっぱいになります。ニコール・キッドマン演じるエイダが徐々にたくましく気丈な女性へと変わっていく姿も見どころです。
5.母の愛を全力で演じた最新作『LION/ライオン~25年目のただいま』(2016)
『LION/ライオン~25年目のただいま』の作品概要
2016年のオーストラリア映画。監督は、今作が長編初監督となるガース・デイビス。出演は、デブ・パテル、ルーニー・マーラ、ニコール・キッドマン、デビッド・ウェンハム、サニー・パワールほか。
第89回アカデミー賞で、作品賞、助演男優賞、助演女優賞、脚色賞、撮影賞、作曲賞の6部門にノミネート。他、各国の映画賞でも候補に挙がり高く評価されました。
『LION/ライオン~25年目のただいま』のあらすじ
1986年インドのスラム街。5歳の少年サルーは、兄と出掛けた先で停車中の電車内で眠り込んでしまい、家から遠く離れた大都市カルカッタまで来てしまいます。見知らぬ土地で迷子になったサルーは、やがて養子に出され、オーストラリアで成長していきます。
そして25年後、サルーは、友人からGoogle Earthなら地球上のどこへでも行くことができると教えられ、わずかな記憶とGoogle Earthを頼りに、本当の母や兄が暮らす故郷を探しはじめます。
『LION/ライオン~25年目のただいま』のおすすめポイント
サルー・ブライアリーのノンフィクション本『25年目の「ただいま」 5歳で迷子になった僕と家族の物語』を原作とした人間ドラマです。
ニコール・キッドマンは、少年サルーの育ての親・スーを演じています。ニコール・キッドマンのこれまでのイメージとは全く違い、ほとんどすっぴんで普通の母親を演じています。彼女自身実際に子供がいるので、まさに自身を投影したかのような演技で、見事に母親の愛を表現しています。
また、主人公の少年役のデブ・パテルの演技力も素晴らしく、不安や孤独、強さという複雑な感情を堂々と演じきっています。
ぜひ家族と一緒に見て「家族のすばらしさ」を感じてみて下さい。
まとめ
幅広い演技で映画ファンを魅了し続けるニコール・キッドマンの出演映画から厳選した5作品をピックアップしてお届けしました。
映画賞受賞歴も多く、確かな演技力が認められている女優だけに、とても見ごたえのある作品が多いという印象ですね。
たくさんの映画に出演していますので、ぜひ紹介していない作品もチェックしてみて下さいね。どの作品も彼女の魅力が堪能できると思います。
『LION/ライオン 25年目のただいま』は2017年4月7日公開です。