韓国映画『7号室』は、8月4日(土)より、シネマート新宿ほか全国順次ロードショー。
韓国の男性アイドルグループ「EXO」のメンバーD.O.と『JSA』『高地戦』などで知られる名優シン・ハギュンが共演。
映画『7号室』のあらすじと、シチュエーションサスペンスならではの手に汗にぎる作品の見どころを紹介します。
CONTENTS
映画『7号室』の作品情報
【公開】
2018年(韓国映画)
【原題】
Room No.7
【脚本・監督】
イ・ヨンスン
【キャスト】
シン・ハギュン、D.O.
【作品概要】
ある個室DVDボックス店を舞台に、アルバイト店員と店長の心理戦を色濃く描くサスペンス映画。
主演は『JSA』『親切なクムジャさん』『高地戦』など数多くの映画に出演してきた名優シン・ハギュンと、『あの日、兄貴が灯した光』に出演した韓国の男性アイドルグループ「EXO」のメンバーD.O.の共演。
監督・脚本は長編監督2作目となるイ・ヨンスン。第21回プチョン国際ファンタスティック映画祭のオープニング作品に選ばれ、前売り券3,000席がわずか30分で完売するなど韓国では公開前から大きな注目を集めました。
映画『7号室』のイ・ヨンスン監督のプロフィール
監督作品『10 MINUTES』(2013)
中央大学校映画専攻出身。大学校卒業後の短編作品『RICHARD,THE ELITE UNIVERSITY STUDENT FROM LONDON』は、ミジャンセン短編映画祭や国際カレッジ平和映画祭の最優秀作品賞を獲得。
続く初の長編監督作『10 MINUTES』は、釜山国際映画祭やベルリン国際映画祭をはじめ、東京国際映画祭、香港国際映画祭、ロサンゼルス国際映画祭など世界各国の映画祭で上映されると、台北映画祭とヴズール・アジア映画祭でグランプリに選ばれました。
映画祭では「恥や屈辱の小さな兆しを捉えることができるフィルムメーカー」、「韓国の新人監督作のなかで最も大胆に社会を捉えている」との評価もあり、海外でも注目されている監督です。
長編2作目となる『7号室』について、イ・ヨンスン監督は次のように語っています。
「社会の下流階級の人々がもがきながら生きる姿を描いた作品です。人生の諸問題を解決するために、皆がそれぞれの方法で毎日を精一杯生きています。厳しい社会を生きる方々に向けた思いやりのような映画でありたい。人生の悲哀と喜びを感じてくださることを願っています」
韓国映画の特徴的ともいえる格差社会の設定の下、どのように人生の悲哀と喜びを見せ、思いやりの共感をヨンスン監督が描いたのか、大いに注目ですね。
映画『7号室』の主なキャスト
D.O.(テジョン役)のプロフィール
1993年1月12日生まれ、韓国京畿道高陽市出身。
2015年に日本デビューも果たした男性アイドルグループ「EXO」のメインボーカルを担当。
幼いころから歌を歌うのが好きだったD.O.(デュオ)は、高校時代から歌の大会に頻繁に参加。
大会での受賞をきっかけに韓国の芸能事務所SMエンターテインメントに見初められ、所属することになり、2012年にEXOのメンバーとしてデビューを果たします。
参考映像:プ・ジヨン監督『明日へ』(2014)
D.O.はグループの中で最初に俳優のオファーをされたメンバーで、映画デビュー作品は、『明日へ』(2014)のヒロインの息子役です。
反抗期を迎えた高校生という演技初挑戦の役としてはなかなか難しい役を、実に繊細な演技で表現。エンディング曲の歌唱も担当し、その甘い声で多くのファンを魅了。
その後は『大丈夫、愛だ』(2014)、凶悪な犯罪者を狂気的に演じた『君を憶えてる』(2015)などドラマでも活躍しました。
切ない恋愛と心温まる友情を描いた初主演映画『純情』(2016)や、『あの日、兄貴が灯した光』(2016)、そして韓国で大ヒットを呼んだ映画『神と共に-罪と罰』(2017)など、近年立て続けに話題作に出演。
演技力も確実に身つけながら、アイドルとしてもグループがアジアや韓国での音楽賞を総なめにするなど、今まさに波に乗っているアイドル俳優です。
シン・ハギュン(ドゥシク役)のプロフィール
1974年5月30日、韓国ソウル生まれ。
中学時代に映画『ニュー・シネマ・パラダイス』とジェームズディーンに感銘を受け、俳優を目指します。
ソウル芸術大学在学中に先輩チャン・ジンに見出され、学生演劇の舞台で鍛錬を積んでいきます。
1998年にそのチャン・ジンの初監督映画『あきれた男たち』で映画俳優デビューを飾り、その後も『SPY リー・チョルジン/北朝鮮から来た男』『ガン&トークス』『拍手する時に去れ』など、チャン監督作品に続けて出演。
ハギュンが注目されるきっかけとなった作品が、パク・チャヌク監督の大ヒット出世作『JSA』(2000)で、彼は北朝鮮兵チョン・ウジンを演じ、青龍映画賞や春史大賞映画祭の助演男優賞を獲得します。
チャヌク作品では2002年の『復讐者に憐れみを』2005年の『親切なクムジャさん』2009年の『渇き』にも出演。
参考映像:パク・チャヌク監督『渇き』(2009)
やさし気な微笑みから想像できる純朴な青年を演じたかと思えば、狂気に駆り立てられた不気味な男まで、さまざまな役柄を演じることができる俳優と言われ、他にも『マイ・ブラザー』(2004)、『トンマッコルへようこそ』(2005)など、日本でもよく知られた作品に出演しています。
さらに朝鮮戦争における南北の境界線付近の高地をめぐる戦いを描いた『高地戦』(2011)、初の時代劇『純粋の時代』(2015)、世界を沸かせた『悪女/AKUJO』(2017)などでは、肉体を武器を駆使したハードアクションで役者として新しいステージに進出しています。
映画『7号室』のあらすじ
離婚ですべてを失ったドゥシクは、人生の再起をかけて個室DVD店の経営を始めますが、うまくいかず倒産寸前。
店員への給料も未払いとなり、家賃も滞納するという状況に陥っていました。
給料をもらえなくなったアルバイト店員のテジュンは、多額の報酬を支払うという麻薬密売人の話に乗り、預かった薬物を店内の7号室に隠します。
そんな中、早く店を売却したいドゥシクはアルバイトを増員し、大繁盛を装うことにします。
ドゥシクの作戦は成功し、売買契約を希望する人物がついにあらわれました。
ところが、なんと新人バイトが店内で不慮の事故で死亡してしまいます。
慌てたドゥシクは死体を7号室に隠し、ドアを施錠。
7号室に隠した薬物を取りに戻ったテジュンは、ドアが開かず、何としても開けなければいけないテジュン。
一方で何としても開けられてはいけないドゥシクの間で、ギリギリの攻防戦が始まろうとしていた…。
映画『7号室』の感想と評価
本作の最大の見どころは、主人公ドゥシクとテジュンの、7号室を開ける開けないの攻防戦でしょう。
昔、筆者は「橋渡しゲーム」という遊びを友人とよくやっていました。プレーヤーは2人で、1つの部屋に2人で入ってもらいます。
部屋のドアの向こう側に橋があると仮定し、絶対に橋を渡りたい人が部屋の端からドアに向かって歩いてくる。
ドアの前には絶対に他人に橋を渡ってほしくない人が立っていて、渡りたいひとにありったけの理由をつけて橋を渡さないようにする。
渡りたい人は渡りたいひとで、どうしてもここを渡らねばならないことを説明する。
相手を論破してどちらかの目的(渡る・渡らない)が成功した方の勝ちというゲームです。
お互い絶対に譲れないので、「この先は火事で渡れない」とか「母が病気で薬を取りにいかなきゃ母が大変なことになる」とか言葉で応戦したり、あるいは実力行使で妨害したりします。
切羽詰まった2人が焦りの気持ちから想定外の行動にる展開や、ああ言えばこう言うといった舌戦、どっちが勝つのかハラハラする感覚が、ゲームを外から見ている人には非常に面白いのです。
本作品『7号室』にもそういったシチュエーションサスペンスの面白さを期待してもよいのではないでしょうか。
また、「開けたい」のアルバイトのテジュンを演じるD.O.は、日本でも今大人気のアイドルグループ「EXO」のボーカリストです。
歌って踊ってキラキラした彼を見るのも楽しいですが、こちらの本格サスペンスに身を投じているギラギラした彼を堪能するのもオツなものですよ!
そしてD.Oの若さみなぎる演技を受け止めるベテラン、シン・ハギュンにも大注目です。
彼の影のある芝居に、ついつい見入ってしまうこと間違いなしです!
まとめ
ひょんなことから人生をかけた攻防戦になってしまったテジョンとドゥシク。
運命の7号室は果たして開けられるのか?開けられずに終わるのか?その結末をぜひ劇場で確かめてみてください。
韓国映画『7号室』は、8月4日(土)より、シネマート新宿ほか全国順次ロードショー。
自分がもしこんな状況になってしまったら…と、想像しながら観るのも面白いかもしれませんね。
本作を上映する劇場情報
【北海道・東北地区】
北海道 ディノスシネマズ札幌劇場 近日
宮城 チネ・ラヴィータ 8/10~
【関東・甲信越地区】
東京 シネマート新宿 8/4~
【中部・北陸地区】
愛知 センチュリーシネマ 9/8~
愛知 中川コロナシネマワールド 9/8~
愛知 半田コロナシネマワールド 9/8~
【近畿地区】
大阪 シネマート心斎橋 8/4~
【九州・沖縄地区】
福岡 KBCシネマ 近日
沖縄 桜坂劇場 8/18~
*上記の劇場情報は7月23日現在のものです。作品の特性からセカンド上映や順次公開する劇場が予想されますので、映画館にお出かけの際は必ず本作の公式ホームページ閲覧の上お出かけください。