背筋のホラー小説がまたもや映像化。『口に関するアンケート』が恐怖を呼ぶ
『近畿地方のある場所について』の大ヒットでブレイクした背筋が放つ、ホラー第2弾の『口に関するアンケート』。
本作は、心霊スポットとして有名な墓地に肝だめしに行った大学生たちが遭遇する不気味な出来事を、大学生たちの音声データを聞いていく構成で描き、最後のアンケートで物語の全容がわかるようになっています。

背筋『口に関するアンケート』(ポプラ社)
スマートフォンよりも小さいサイズの装丁とたった60ページという短い物語の作品です。その中で描かれた奥の深い恐怖の真実とは?
興味深いホラーがこのたび映画化されることになりました。監督は、日本ホラー映画界の第一人者・清水崇。主演は板垣李光人が務めます。
2026年7月3日(金)の映画公開に先駆けて、小説『口に関するアンケート』をネタバレ有りでご紹介します。
CONTENTS
小説『口に関するアンケート』の主な登場人物
【村井翔太】
墓地の肝試しに仲良しメンバーで参加
【伊藤竜也】
墓地の肝試しに仲良しメンバーで参加
【杏】
墓地の肝試しに仲良しメンバーで参加し、翌日自殺する
【原美玲】
墓地の肝試しに仲良しメンバーで参加
【堀田颯斗】
墓地の呪われた木を川瀬健と見に行き、女の幽霊を見る
【川瀬健】
墓地の呪われた木を堀田颯斗と見に行き、女の幽霊を見る
小説『口に関するアンケート』のあらすじとネタバレ

背筋『口に関するアンケート』(ポプラ社)
心霊スポットとして有名な墓地に、合計6人の大学生たちが肝だめしに行きました。しかし4人で肝試しに行ったグループでは、翌日に女子大生・杏が姿を消し、後に墓地の木で首つり自殺しているのが発見されました。
墓地を訪れた5人の大学生たちがそれぞれにあの日のことを語り始めました。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
村井翔太の証言1
とりあえず、あの日のことを全部話します。
僕たちは、レンタカーに乗って心霊スポットに行き、駐車場に車を止めました。駐車場の階段を登って、少し高い位置にある墓地に行きました。
肝試しは、ひとりずつ墓地の中を歩いて、裏口から階段を下りて車に戻るというルートを取りました。
トップバッターは僕でした。大きな木のある通路が途中にあるのですが、その木があまりに大きくて幹もでこぼこして気味が悪かったので、ほとんど駆け足で車のところに戻りました。
杏は、肝試しに行った次の日から連絡が取れなくなり、それから1カ月後に杏は墓地で自殺死体で見つかりました。
川瀬健の証言
僕は堀田颯斗から肝試しに行こうと誘われて、あの墓地に行きました。
怖いなと思いながら、木のそばまで来ました。そこにしゃがみこんで何かをする髪の長い女がいました。やばいなと思いつつ、僕は「何やってるんですか?」って聞きました。
女は無反応でしたが、スマホのライトが彼女の手元を照らしました。女は素手で穴を掘っていたのです。そして「地獄は下にありますから。高くしないと」と女は言って、僕の方を見ました。
驚いたことに、女の首は普通の人の倍ほど長かったのです。僕は鳥肌がたって動けなくなりました。その時、すごい音でセミが鳴きだしました。
女がゆっくりと口を開くと、その口の中からもセミの声が聞こえてきました。あれはマジで怖かった。
伊藤竜也の証言1
杏は俺の彼女でした。肝試しに行く途中、僕と杏はケンカして気まずい雰囲気でした。
肝試しは俺は翔太の次、二番目にやりました。でも俺は理由があって、近道をしてゴールまで行ったので、木のそばを通りませんでした。
車の中には1番手の翔太がいました。俺はあいつに言いたいことがあったのに、それより早く翔太は俺を見て、木の前を通ったかどうか、聞いてきました。
僕が「木なんて見てないし、そばを通ってもいない」と言うのと、翔太が「なんでだ?」と怒りだしたのとほとんど同時に、すごい音のセミの声が聞こえてきました。
セミの声は1分ぐらいで収まりましたが、翔太はそれから俺が話しかけてももう何も言いませんでした。
原美玲の証言1
肝試しには最初から反対でした。私は普通の人が感じないものを敏感に感じてしまいますので。でも杏に頼まれたので行くことになりました。
杏は竜也くんと付き合う前に、翔太くんと付き合っていました。肝試しに行く途中、私は杏から翔太くんからヨリを戻してほしいというLINEが来たと相談を受けました。
ちょっと迷っているという杏に、自分から翔太くんを振って、竜也くんに乗り換えたのにって、あきれました。
自分の番を躊躇する私より先に、杏はさっさと歩きだしました。杏が見えなくなってしばらくすると、急に大音量のセミの鳴き声が聞こえてきました。
私は杏の行った方に駆け出しました。杏は大木に手をかけて登ろうとしていました。スマホのライトが杏の腕を照らすと、爪がはがれて血が出ていました。
木に登ろうとする杏を羽交い絞めにして、やっとのことで車に戻りました。杏は何を聞いても「上に、上に」と言うばかりで、ボーとしています。
杏は次の日から学校に来なくなりました。
小説『口に関するアンケート』の感想と評価
肝試しに行った大学生たち。墓地で一人の女子大生の様子がおかしくなり、その女性は姿を消して、やがてあの墓地で首つり自殺をします。
関係者となった大学生たちは、あの日のことを順番に語り出しました。杏を含む4人のグループと後に首つり死体を発見する堀田と川瀬の二人組です。
語り出す順番もどういう順番なのかわかりませんが、彼らが話しだして、実際にあの場にいた人でないとわからない真実が明らかになってきます。
ですが、彼らはいったい誰に向かって話しているのでしょうか。
そんな疑問も最後のアンケートで解ける仕組みになっているのですが、一連の不気味な出来事の“真相”は、翔太が呪いの木に「竜也を殺してくれ」と願ったことが発端となっていました。
竜也の代わりに杏が呪いにかかり、悲劇が起こったのです。翔太にとっては、まさに呪い返しのような出来事でした。
彼らの証言のなかでは、あの木は実は人の噂によって「呪いの木」になったという堀田颯斗の証言が強烈なインパクトを放ちます。
噂を広げたのは人間です。まさに、「口は災いのもと」! ヒロインの名前が、木の口と書いて杏というのも、作者の凝った構成を感じます。
一度読んだだけではわからない怖さがある本作。幾度か読み直すと、奥に隠された怖さがひしひしと感じられます。
映画『口に関するアンケート』の見どころ

(C)2026映画「口に関するアンケート」製作委員会
本の大きさと装丁で度肝を抜く原作小説の『口に関するアンケート』。内容もまた、友人の自殺について知っていることを語る告白スタイルをとっている、ホラー小説です。
肝試しの舞台は墓場。一番の見どころ、いや、恐ろしい場面は、女の幽霊が出るのと同時に、真夜中の墓地に大音量のセミの声が響きわたり、やがて女の口からもやかましい鳴き声がするところでしょう。
原作が文字で書き表したこの恐怖を、映画化に当たってどこまでリアルに表現できるのか。オカルト作品に定評のある清水崇監督の手腕が今から楽しみです。
また、翔太を演じるのは、初主演となる板垣李光人。恋敵に呪いをかけたのに元カノに呪いがかかってしまい、ずっと後悔しているという役どころです。
貴公子のイメージがある彼の初めての主演作。役者としてのバージョンアップも図れることでしょう。
映画『口に関するアンケート』の作品情報

(C)2026 映画「口に関するアンケート」製作委員会
【日本公開】
2026年(日本映画)
【原作】
背筋『口に関するアンケート』(ポプラ社)
【監督】
清水崇
【脚本】
山浦雅大
【音楽】
大間々昂
【キャスト】
板垣李光人、綱啓永、吉川愛、MOMONA、森愁斗、西山智樹、中村獅童、柄本時生
まとめ
背筋のホラー小説『口に関するアンケート』をご紹介しました。
わずか60ページぐらいの本書は、そのサイズもスマホよりも小さく、まずその大きさに驚くことでしょう。内容も、登場人物が肝試しの件について、自分の知っていることを語るという告白スタイルで結末を迎えます。
本書では語り部の心の叫びのような言葉がラストに色を変えて書かれ、紙媒体であることの長所を十分に活用したゾクゾク感がありました。
噂が噂を呼び、ただの木が「呪いの木」とされてしまうという現実に、人の噂は怖いものと確信するのに違いありません。
本書は、「口は災いのもと」をテーマにしていますが、すべての謎はラストに用意されたアンケートで溶ける仕組みになっており、作者の手の込んだ作風に驚かされます。
本作は映画化され、2026年7月3日(金)に、清水崇監督×板垣李光人主演で全国ロードショー。原作の恐怖感、劇場で用意されるというアンケートにも期待が高まります。
































