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Entry 2024/09/26
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韓国映画『君への挽歌』俳優・松尾百華《SCRAMBLE FILM》初の海外配給作がコリアン・シネマウィーク2024でオープニング上映決定!

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  • Cinemarche編集部

鎮魂歌は、誰のために在る。
韓国伝統の歌が紡ぎ出す、ある老夫婦の愛の物語。

韓国の口承伝統芸能「パンソリ」の優れた歌い手である夫と、認知症を患った妻……老父婦の生と死の間で歌い上げられる愛の物語を描いた映画『君への挽歌』。

映画制作・配給会社「SCRAMBLE FIILM」代表にして、『輝け星くず』『幕が下りたら会いましょう』『笑うマトリョーシカ』などに出演する俳優・松尾百華による、初の海外配給作品です。


(C)2022 Film Company Soonsu

このたび、2025年公開予定の映画『君への挽歌』が、2024年10月18日(金)〜23日(水)に開催される韓国映画祭「コリアン・シネマ・ウィーク 2024」でのオープニング上映が決定

映画祭上映を記念して韓国版ポスタービジュアル&特別スチールが解禁されたほか、本作の配給「SCRAMBLE FILM」の代表 にして俳優・松尾百華の記念メッセージが到着しました。

映画『君への挽歌』とは?

映画『君への挽歌』特別スチール


(C)2022 Film Company Soonsu

俳優・松尾百華の初の海外配給作品

「《どう死ぬか》と向き合った時、初めて《どう生きるか》と向き合えるのではないか」……イ・チャンヨル監督が思索の果てに辿り着いた人生の在り方を、日本同様に高齢化が進む韓国で多くの者が向き合う「認知症」と、韓国の口承伝統芸能「パンソリ」を題材に綴った『君への挽歌』。

韓国ではまだ認められていない安楽死の課題にも言及するなど、命の尊厳の現実を観る者に問いかける内容は、国を越え多くの人々が感動。世界各地の映画祭で作品賞・監督賞・主演俳優賞を中心に計51冠もの賞を受賞し、「韓国インディペンデント映画史上、最も多くの賞を獲得した映画」となった。

主人公ドンヒョク役を演じた俳優ソン・ドンヒョクは、認知症を患った自身の母親を15年間支え続け、本作の撮影開始の2週間前に見送った過去を持つ。亡き者の成仏を願う「晩歌」をはじめ、彼が生歌で披露する魂の込められた歌声は、本作の最大の見どころとなっている。

ドンヒョクの妻ヨニ役を演じたのは、日本でも話題となった韓国ドラマ『ペントハウス』などで知られるチョン・アミ。200本以上の演劇作品に出演したベテランとして、本作でも認知症により否が応でも変化していってしまう一人の女性の姿を、自然かつ壮絶に演じた。

そして本作の日本配給を手がけるのは、『輝け星くず』『幕が下りたら会いましょう』『笑うマトリョーシカ』などに出演する俳優・松尾百華と、彼女が有志と共に立ち上げた映画制作・配給会社「SCRAMBLE FIILM」

「人と人をつなぐ存在」として俳優活動を続ける松尾は、口承により人から人へ受け継がれてきた伝統芸能パンソリ、一言では語り尽くせない老夫婦の愛の結末を描いた『君への挽歌』に感動し、日本での配給を決意。本作が松尾と同社にとって初の海外配給作品となった。

「コリアン・シネマ・ウィーク 2024」OP上映決定!

このたび、2025年公開予定の映画『君への挽歌』が、2024年10月18日(金)〜23日(水)に開催される韓国映画祭「コリアン・シネマ・ウィーク 2024」でのオープニング上映が決定。

上映を記念して韓国版ポスタービジュアル&特別スチールが解禁されたほか、本作の配給「SCRAMBLE FILM」代表で俳優・松尾百華の記念メッセージが到着しました。

韓国版ポスタービジュアルでは、生命力に溢れる一面の緑の中を、認知症を患った妻ヨニを背負いながら歩く主人公ドンヒョクの姿が。眠っているように見えるヨニに対し、ドンヒョクの表情からは言い様のない《愛するがゆえの哀しみ》が垣間見えます。

また特別スチールは、映画作中で「ドンヒョク・ヨニ夫妻、二人の娘スギョンとその夫の家族写真」として使用されている1枚。ヨニの認知症が判明する以前の家族の姿を描いた写真からは、映画本編が始まる以前の物語を想像させられます。

松尾百華(配給「SCRAMBLE FILM」代表/俳優)メッセージ


(C)2022 Film Company Soonsu

少子高齢化社会、認知症介護、安楽死といった日本でも重要な社会課題を扱いつつ、韓国の伝統文化や深い情を土台にした物語に、私は唯一無二の感動を覚えました。

「人と人をつなぐ存在になりたい」という思いで俳優活動をしてきましたが、本作を日本に届けることもまた、その目的を達成する一手だと感じ、日本配給を決意しました。

特にK-POPのような先鋭的な魅力とは異なる、先人から受け継がれた「魂の歌」ともいえるパンソリの歌声は、心の奥深くにじみわたり、皆様にもぜひ本作でその感動を味わっていただきたいです。

また本作は、イ・チャンヨル監督の故郷であるテジョン(大田)で撮影されました。田舎を愛し、命の尊さを深く見つめる監督の誠実さが、作品全体から強く伝わってくるはずです。

生と死の間で生きる老夫婦の愛の物語である本作によって、皆様が「明日」というものを、少しでも特別で、より貴重なものに感じられることを願っています。

松尾百華プロフィール

1997年福岡県生まれ。俳優、映画配給プロデューサー。

東京学芸大学教育支援学科表現教育コースを卒業後、映画のもつ無限の可能性に惹かれ、俳優の道に進む。2020年11月、舞台『真白き富士の気高さを』で主演を務め俳優デビュー。

その後、映画『輝け星くず』や舞台『Three Kingdoms〜最終章〜』などの国内作品で経験を積みながら、カンボジアでのマジックショーや韓国での俳優活動など国際的な活動にも力を注ぐ。

イ・チャンヨル監督との出会いを契機に、韓国映画の日本配給を決意し「SCRAMBLE FILM」の代表となる。

映画『君への挽歌』の作品情報

【日本公開】
2025年公開予定(韓国映画)

【脚本・監督】
イ・チャンヨル

【プロデューサー】
イ・ハンヨル

【キャスト】
ソン・ドンヒョク、チョン・アミ、キム・ユミ、ミン・ギョンジン、チャン・テフン

映画『君への挽歌』のあらすじ

韓国の口承伝統芸能「パンソリ」の優れた歌い手としてのツアー公演、大学教授としての学生たちへの国楽の講義と、長年にわたり多忙の日々を送ってきたドンヒョク。

彼は「晩年を故郷で過ごしたい」という妻ヨニの願いを受け入れ、夫婦二人での美しい田舎暮らしを始める。ないがしろにしがちだった妻との時間を取り戻そうとするドンヒョクだったが、ほどなくして彼女の言動の異変に気づく。

今何を話していたのか、何をしていたのかを忘れてしまう。感情を制御し切れず、時には暴力まで振るってしまう……ヨニは、認知症を患っていた。

何もかもを捨てて、愛する妻の介護に向き合うドンヒョク。しかし認知症が進行し、別人のように変わっていくヨニに、彼の心は疲れ果てていく……。

まとめ


(C)2022 Film Company Soonsu

韓国の口承伝統芸能「パンソリ」の優れた歌い手である夫と、認知症を患った妻の生と死の間で歌い上げられる愛の物語を描いた映画『君への挽歌』

このたび2025年公開予定の本作が、2024年10月18日(金)〜23日(水)に開催される韓国映画祭「コリアン・シネマ・ウィーク 2024」でのオープニング上映が決定されました。

本作が初の海外配給作となった「SCRAMBLE FILM」代表にして俳優・松尾百華に、「韓国映画の日本配給」という新たな挑戦を決意させた『君への挽歌』。

少子高齢化社会、認知症介護、安楽死……それらは彼女の記念メッセージの通り、日本でも多くの人々が向き合い続けている社会の課題であり、共感し得る題材でもあります。

そして《朝鮮オペラ》とも呼ばれ、人から人へ口承によって伝えられてきた韓国の伝統芸能「パンソリ」が紡ぐ魂の歌声は、言語や国境を越えて誰もが心震えるはずです。

2025年公開予定の映画『君への挽歌』は、2024年10月18日(金)〜23日(水)韓国映画祭「コリアン・シネマ・ウィーク 2024」でオープニング上映!



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