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【ネタバレ】ヴェンデッタ|あらすじ感想と結末の評価解説。キャスト参戦のブルース・ウィリスの存在感が光るリベンジアクションムービー。

  • Writer :
  • 秋國まゆ

妻子を殺された元海兵隊員vs凶悪ギャングによるリベンジアクション!

ジャレッド・コーンが脚本・監督を務めた、2022年製作のアメリカのリベンジアクション映画『ヴェンデッタ』。

戦いから離れ、愛する妻と娘と3人で平穏な生活を送っていた元海兵隊員のウィリアム・ダンカン。ですが、街を牛耳るギャングによる無差別殺戮に遭い、娘を目の前で惨殺されてしまいました。

しかも娘を殺した主犯格のダニーは証拠不十分のため、大した処罰は下らず……。激怒したウィリアムは彼を自らの手で殺しました。

これがギャングたちの逆鱗に触れ、今度は妻を……。すべてを失ったウィリアムは、復讐に身を投じていきます。

映画『ヴェンデッタ』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。

映画『ヴェンデッタ』の作品情報


COPYRIGHT (C) 2021 VENDETTA PRODUCTIONS INC.

【公開】
2022年(アメリカ映画)

【監督・脚本】
ジャレッド・コーン

【キャスト】
ブルース・ウィリス、クライヴ・スタンデン、トーマス・ジェーン、マイク・タイソン、テオ・ロッシ、カート・ユエ、ジャッキー・ムーア、マディー・ニコルズ、デレク・ルッソ

【作品概要】
『赤ずきんvs狼男』(2016)や『プレデターvsネイビーシールズ』(2018)などを手掛けたジャレッド・コーンが脚本・監督を務めた、アメリカのリベンジアクション作品。

2022年に俳優引退を表明したアクションスターのブルース・ウィリスが、キャリア最後期に出演した作品の一つです。

エベレスト 3D』(2015)やテレビドラマ「96時間」シリーズのクライヴ・スタンデンが本作の主演を務めています。

映画『ヴェンデッタ』のあらすじとネタバレ


COPYRIGHT (C) 2021 VENDETTA PRODUCTIONS INC.

元海兵隊員のウィリアム・ダンカンは、戦いから離れ、妻のジェンと娘のキャサリンと3人で平穏な生活を送っていました。

そんなある日、ウィリアムがキャサリンのソフトボールの試合の帰りに立ち寄ったメキシコ料理店で、街を牛耳るギャングたちの無差別殺戮に遭い、彼の目の前でキャサリンが惨殺されてしまいました。

キャサリンを殺した主犯格のダニー・フェッターはウィリアムの反撃に遭い逃げ損ね、駆けつけた警察によって逮捕されました。

しかし、ダニーがキャサリンを殺した証拠がウィリアムの目撃情報だけしかなかったため、証拠不十分ですぐに釈放されてしまったのです。

ダニーに死刑または終身刑が言い渡されることを望んでいたウィリアムは激怒し、釈放されたばかりの彼を車で轢き、撲殺しました。

その数日後、ダニーの兄ローリーとその手下ジェイソン・ディットマンがウィリアムを襲撃。しかしウィリアムの反撃によりジェイソンが殺され、あと一歩のところで逃げられてしまいました。

その日の夜。今度はローリーと、ローリーとダニーの父親でありギャングのボスであるドナルド(愛称ドニー)がウィリアムの家を襲撃。ドニーがジェンを、ローリーがウィリアムをそれぞれ撃ちました。

致命傷を負ったものの奇跡的に生き延びたウィリアムでしたが、目の前で妻子を殺された悲しみと絶望感から自殺を考えます。

ダニー殺害事件を捜査する刑事のチェンは、この復讐の連鎖を終わらせるかどうかはお前次第だと彼に告げました。

以下、『ヴェンデッタ』ネタバレ・結末の記載がございます。『ヴェンデッタ』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


COPYRIGHT (C) 2021 VENDETTA PRODUCTIONS INC.

リハビリのおかげで自力で歩けるまでに回復したウィリアムは、病院から脱走。ちょうど扉が開いていたモーテルの一室に滞在することにしました。

その翌日。銀行からありったけの現金を引き出してモーテルに戻ってきた彼に、モーテルのオーナーであるダンテが声を掛けてきました。

ダンテもローリーと揉めて、いとこを殺された過去がありました。ダンテは金と引き換えに、ウィリアムに大量の武器と足がつかない車、そしてお気に入りのジャケットをあげました。

ダンテという協力者を得たウィリアム。その次の日から、フェッター親子との戦いに備えて準備を進めていきました。

準備を整えたウィリアムがまず最初に向かったのは、ローリーが乗っていた車の持ち主であり、彼の手下の1人であるザカリーのところでした。

激闘の末、ザカリーを倒したウィリアムは、ローリーの居場所を聞き出してから彼を殺しました。

ザカリーが殺されたことを知ったチェンは単身、ドナルドたちギャングの仕事場であるストリップクラブへ向かい、親子にザカリーの死を伝えます。

そしてウィリアムとローリーたちの両者の争いを止めるべく、ローリーに身を隠すよう言ってその場から立ち去りました。ドナルドは息子に、今度こそウィリアムを殺すよう命じます。

ストリップクラブの前で張り込んでいたウィリアムは、ストリップクラブから出てきたチェンが悪徳警官なのかと疑い、彼を尾行し銃を突きつけました。

チェンはウィリアムに、ローリーたちは組織に入るために躊躇うことなく人を殺していること、またそれを警察は知っていながらも好き放題にさせていることを教えました。

ウィリアムは、「全てを終わらせたら自首して死刑にでもなってやる。だから今だけは邪魔しないでくれ」とチェンに言い、復讐に身を投じていきます。

翌日。ウィリアム捜索のためにローリーとその手下たちがストリップクラブから出ていったのを見送ってから、ウィリアムはストリップクラブに侵入。そのまま真っすぐドナルドのもとへ向かいます。

ウィリアムの来訪により、自分の負けを悟ったドナルドは戦おうとせず、早く自分を殺せと彼に言いました。ウィリアムは妻を殺したドナルドの頭を撃って殺しました。

そしてドナルドのスマホを使って、ローリーをストリップクラブに呼び寄せます。父の死体を見ても、元々彼との関係が悪かったローリーは悲しみもしませんでした。

ローリーたちは、客と従業員が出払って静かなストリップクラブのどこかにいるウィリアムを捜索。ステージの上の機材に隠れていたウィリアムの襲撃を受けます。

ウィリアムはショットガンを持つローリーの手下を人質にとるも、ローリーにその脅しは通用せず、人質もろとも撃たれて重傷を負いました。

ウィリアムは肩の傷の手当てのため、一旦モーテルへと避難。ダンテに応急処置をしてもらいました。

しかしそのモーテルには、ダニー殺害前にウィリアムに客引きをした女性がおり、ローリーに密告されてしまうのです。

2人の手下を引き連れ、モーテルに現れたローリー。ウィリアムはダンテの助けを借りて、彼らと銃撃戦とカーチェイスを繰り広げていきます。

数時間にも及ぶカーチェイスの末、彼らが辿り着いた最終決戦の場は、ダンテの長年の友ローチとその仲間のアジトでした。

そこで繰り広げられた激しい銃撃戦の末、ローチを殺しダンテを負傷させたローリーは、今度こそウィリアムを追い詰め殺そうとします。

ウィリアムは、自分の勝ちを確信して油断しきっているローリーの虚を衝き、そばに落ちていた工具を使って彼を殺害しました。

その直後に駆けつけたチェンに手錠をかけられる前に、ウィリアムは力尽きてしまいました。

映画『ヴェンデッタ』の感想と評価


COPYRIGHT (C) 2021 VENDETTA PRODUCTIONS INC.

元海兵隊員とギャングたちの血で血を洗う死闘のはじまりは、ギャングのボスの息子ダニーがキャサリンを殺したことから始まりました。

ダニーがキャサリンを殺した理由は、彼女に怨恨があったわけではなく、ただ父の組織に入るためでした。

それが作中、チェンによって明かされた時は、そんなことのために何の罪もない、将来有望の彼女が殺されたのかとウィリアム同様、視聴者も憤慨することでしょう。

しかもキャサリンを殺した狂気である銃は、ローリーたちが持っていったため現場にはなく、ウィリアムの目撃情報だけでは、ダニーが死刑または終身刑になりません。

大事な家族を殺されて、大した罰が下らないとは、あまりに非情です。ウィリアムがダニーにした復讐は当然の権利でしょう。ですが、ダニーにも彼を大事に思う家族がいて……。特にローリーは、弟のことをとても可愛がっており愛していました。

父であるドナルドも、売上金をくすねてばかりのローリーより、ダニーのことをとても大事にしていた様子。それ故に、フェッター親子の復讐も当然の結果でした。

物語の後半、ドナルドはあっさり自分の負けを認め、ウィリアムに自分を早く殺すよう言いました。作中での2人の会話から察するに、ドナルドは同じ子を持つ父親として、ウィリアムの怒りと憎しみが痛いほど分かっていました。

しかもローリーに彼を殺すよう命じた直後のウィリアムの登場だったので、もしかするともうローリーたちは倒されてあとは自分だけ、と考えて白旗をあげたのではないかと考えられます。

ドナルドがあっさり負けを認めた一方で、ローリーは弟を殺したウィリアムをどこまでも追いかけ、追い詰めていきます。たとえ手下が人質に取られようとも、殺されようとも構わずに彼だけを見据えて……。

このウィリアムとローリーの死闘は、ド迫力で手に汗握るアクションとして見事に映像化されました。魅力たっぷりに描かれているため、アクション映画好きでもそうでない人も凄いと感嘆することでしょう。

まとめ


COPYRIGHT (C) 2021 VENDETTA PRODUCTIONS INC.

愛する妻子を殺された元海兵隊員と、愛する息子・弟を殺された街を牛耳るギャングたちの血で血を洗う死闘を描いたアメリカのリベンジアクション作品でした。

エンドロール前、「復讐は権利であり、絶対的な義務である」というスウェーデンのジャーナリスト、スティーグ・ラーソンの言葉がテロップで流れていました。

2022年に俳優引退を表明したアクションスター、ブルース・ウィリスは、主人公を苦しめるギャングのボス役として鬼気迫る演技を見せつけ、その圧倒的な存在感が健在であると視聴者に感じさせてくれます。

さらに、主人公の協力者であるダンテ役を演じた『ザ・プレデター』(2018)のトーマス・ジェーンや、その屈強な体格を活かして『イップマン 継承』(2017)や『沈黙の大陸』(2017)などのアクション映画でも活躍し、本作でダンテの長年の友ローチ役を演じた伝説のボクサーのマイク・タイソンらキャスト陣。

しかも本作の製作に携わったのは、マーベルの人気テレビシリーズ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」のスタントマンや、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)のVFXスタッフたち。

出演しているキャストもスタッフも超一流かつ豪華な人たちが揃ったこのリベンジアクション映画、見なきゃ損だと思うほどオススメしたい作品です。



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