Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

ヒューマンドラマ映画

Entry 2024/04/22
Update

『東京ランドマーク』あらすじ感想と評価解説。藤原季節の初主演作は東京の片隅で懸命に生きる“若者たちの心の揺れ”

  • Writer :
  • 谷川裕美子

映画『東京ランドマーク』が2024年5月18日(土)から新宿K’sシネマにて全国順次公開

藤原季節の初主演映画『東京ランドマーク』が、2024年5月18日(土)から新宿K’sシネマにて全国順次公開されます。

2008年に柾賢志、毎熊克哉、佐藤考哲、林知亜季の4人で結成された映像製作ユニット「Engawa Films Project」が手がけた初長編作品です。

現代の東京に生きる若者たちが、ある出来事をきっかけに、知らずに抱いていた閉塞感から解放されていく様子を、静謐で透明感のある映像で描き出します。


(C)Engawa Films Project 2024

かわり映えのしない生活、少し先の将来に対する不安、間を埋めるための何気ない会話、変わりゆくものと変わらないもの、大切な友人や親との距離感。若者たちの世界に次第に新たな色が成していくさまがゆっくりと映し出されていく本作の魅力をご紹介します。

映画『東京ランドマーク』の作品情報


(C)Engawa Films Project 2024

【公開】
2024年(日本映画)

【監督・脚本】
林知亜季

【キャスト】
藤原季節、義山真司、鈴木セイナ、浅沼ファティ、石原滉也、巽よしこ、西尻幸嗣、柾賢志、幸田尚子、佐藤孝哲、大西信満

【作品概要】
2008年に柾賢志、毎熊克哉、佐藤考哲、林知亜季の4人で結成した「Engawa Films Project」の第1回長編作品。「Engawa Films Project」は4人で企画から製作までを行い、実験的な映像活動を続ける映像製作ユニットです。監督・脚本は主に林が担当しています。

バイト生活をする稔と友人のタケ、稔の家に匿われた家出少女の桜子の3人の不思議な関係を瑞々しく描きます。

his』(2020)『佐々木、イン、マイマイン』(2020)『くれなずめ』(2021)『空白』(2021)『わたし達はおとな』(2022)などで活躍する藤原季節の、デビュー10周年を記念した2023年の「藤原季節特集上映」で初上映された幻の初主演作です。

共演は義山真司、鈴木セイナ。


映画『東京ランドマーク』のあらすじ


(C)Engawa Films Project 2024

コンビニのアルバイトで生活をする稔の家にいつものように遊びにきたタケは、桜子という名の家出少女を稔が匿っていることを知ります。

桜子が未成年であることから問題になることを心配するタケ。早く家に帰そうとしますが、桜子はどうしても帰ろうとしません。

そこでタケは稔とともに桜子を匿うことを決め、そこから3人の不思議な関係が始まりますが…。

映画『東京ランドマーク』の感想と評価


(C)Engawa Films Project 2024

東京の片隅に懸命に生きる3人の若者たちの不思議な関係を瑞々しく描く一作です。

数々の作品で光る演技を見せる藤原季節の幻の初主演作当時25歳の藤原が、バイト生活をする青年・稔の揺れ動く思いを繊細に演じています

稔の家に匿われることとなる高校生の桜子。そのことを知った稔の友人・タケは、未成年誘拐などの問題になることを恐れて必死で彼女を家に帰そうとします。しかし、桜子はかたくなに帰ろうとしませんでした。

桜子と家族との溝を感じ取った稔とタケは、無理に帰そうとすることをやめ、桜子の力になれるよう考え始めます。稔とタケもまた、家族との間に複雑な事情を抱えていました。

無愛想だけれど気の優しい稔。そんな彼の優しさを本能的に感じとる桜子。そんな二人に寄り添う温厚なタケ。心に傷を持つ同士の3人の奇妙な関係が紡がれていきます

それぞれに変えられない生活への苦悩、家族との溝、将来への不安を抱えながら、互いに身を寄せ合って寒さをしのぐかのように、関係性は密になっていきました。

純粋な稔とタケは、桜子を気持ちよく家に帰してあげられる方法を真剣に考え始めます。年若い少女が傷つかないよう見守る青年たちのやさしさが身に染みます。

静かに脱皮しながら新たな世界を手にしていく若者たちの姿を、最後までどうぞ見守ってください

まとめ


(C)Engawa Films Project 2024

家出少女と、彼女を受け入れた2人の青年の人生が明るく解放されていくさまを静かに描き出す秀作『東京ランドマーク』

演技派俳優の藤原季節の初々しくも光る芝居に魅入られるとともに、作品の醸し出すどこか温かで透明な空気感に思わず心奪われることでしょう。

映画『東京ランドマーク』は2024年5月18日(土)から新宿K’sシネマにて全国順次公開です。



関連記事

ヒューマンドラマ映画

『2度目のはなればなれ』あらすじ感想と評価考察。実話を基に夫婦愛を描く名優マイケル・ケインの引退作

イギリス老夫婦の実話を描く名優マイケル・ケイン引退作 2度のオスカー受賞経験を持つイギリスの名優たちが贈る映画『2度目のはなればなれ』が2024年10月11日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全 …

ヒューマンドラマ映画

映画『スキャンダル』ネタバレあらすじと感想。実話のセクシャルハラスメント事件を基に女性の生き方を描く

全米最大のTV局FOXニュースを揺るがせた女性キャスターのセクハラ騒動の全貌が明らかに! 2016年に、アメリカで視聴率1位を誇るニュース放送局「FOXニュース」で実際に起きたセクシャルハラスメント事 …

ヒューマンドラマ映画

『愚か者のブルース』あらすじ感想と評価解説。広島最後のストリップ劇場「広島第一劇場」第3弾完結編を加藤雅也と横山雄二の再タッグで魅せる

映画『愚か者のブルース』は2022年11月18日(金)より全国ロードショー! 広島で絶大な人気を誇るアナウンサー、横山雄二が描いた「ストリップ三部作」の完結編『愚か者のブルース』。 広島最後のストリッ …

ヒューマンドラマ映画

映画『ジャッキーファーストレディ』あらすじネタバレと感想!ラスト結末も

“彼女が史上最も有名な大統領を〈伝説〉にした…” 世紀のファーストレディの知られざる物語『ジャッキー ファーストレディ 最後の使命』をご紹介します。 CONTENTS映画『ジャッキー ファーストレディ …

ヒューマンドラマ映画

映画『存在のない子供たち』あらすじと感想。女性監督ナディーン・ラバキーが「現実にこだわった」様々な結論

映画『存在のない子供たち』は2019年7月20日(土)よりシネスイッチ銀座ほかで全国ロードショー! 12歳で人を刺し、牢獄生活を余儀なくされた少年ゼイン。世界に絶望した彼が両親に向けて起こした訴訟、そ …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学