『劇場版ソードアートオンライン-プログレッシブ- 星なき夜のアリア』の続編!
河野亜矢子が監督を務めた、2022年製作の日本のSFファンタジーアニメーション映画『劇場版ソードアート・オンライン -プログレッシブ-冥き夕闇のスケルツォ』。
命懸けのデスゲームと化した世界初のVRMMORPG「ソードアート・オンライン」の世界で、主人公のアスナとその相棒キリトは鋼鉄の浮遊城「アインクラッド」の最上階を目指して旅を続けていました。
攻略まで順調に進んでいるかに見えたその時、トッププレイヤー集団で構成された二大ギルドの対立が勃発。最悪の脅威が動き出します。
映画『劇場版ソードアート・オンライン-プログレッシブ-冥き夕闇のスケルツォ』のネタバレあらすじと作品解説をご紹介いたします。
映画『劇場版ソードアート・オンライン-プログレッシブ-冥き夕闇のスケルツォ』の作品情報
(C)2020 川原礫/KADOKAWA/SAO-P Project
【公開】
2022年(日本映画)
【原作・ストーリー原案】
川原礫
【監督】
河野亜矢子
【キャスト】
戸松遥、松岡禎丞、水瀬いのり、井澤詩織、安元洋貴、関智一、本渡楓、永野由祐、大塚剛央、高橋伸也、阿座上洋平、玉井勇輝、関幸司、逢坂良太、小林裕介
【作品概要】
「ラブライブ!」シリーズの演出を担当した河野亜矢子が監督を務めた、日本のSFファンタジーアニメーション作品。
原作小説発行部数全世界累計3000万部の川原礫の「ソードアート・オンライン」シリーズの最新作であり、前作『劇場版ソードアートオンライン-プログレッシブ- 星なき夜のアリア』(2021)の続編です。
また本作は、デスゲームと化した「ソードアート・オンライン」物語のすべての始まり、鋼鉄の浮遊城アインクラッド第1層からゲームクリアまでの軌跡を、深く掘り下げながら詳細に描いた原作者の川原礫自身によるリブート・シリーズ『ソードアート・オンライン プログレッシブ』となっています。
前作『劇場版ソードアートオンライン-プログレッシブ- 星なき夜のアリア』(2021)に引き続き、テレビアニメ「ソードアート・オンライン」シリーズで主人公のキリト役を演じた松岡禎丞、ヒロインのアスナ役を演じた戸松遥ら豪華声優陣が出演しています。
映画『劇場版ソードアート・オンライン-プログレッシブ-冥き夕闇のスケルツォ』のあらすじとネタバレ
(C)2020 川原礫/KADOKAWA/SAO-P Project
世界初のVRMMORPG(仮想大規模オンラインロールプレイングゲーム)「ソードアート・オンライン(SAO)」が命懸けのデスゲームと化し、1万人のプレイヤーがゲームの世界に閉じ込められてから既に1ヶ月以上が過ぎていました。
SAOの舞台である鋼鉄の浮遊城「アインクラッド」の第1層を攻略後、レイピアを駆使する剣士プレイヤーのアスナは、SAOのベータテスト出身のプレイヤー(以下、ベータテスターと表記)であるキリトとコンビを組んだまま、最上階を目指して旅を続けていました。
2022年12月29日、アインクラッド第4層。アスナたちは、攻略組の二大派閥であるギルド「アインクラッド解放隊(ALS)」と「ドラゴンナイツ・ブリゲード(DKB)」と共に、フロアボス攻略に挑みます。
激闘の末、反目しあっているALSとDKBは連携が上手く取れなかったものの、アスナたちがほぼ同時に繰り出したソードスキルによってフロアボスを攻略しました。
ソードスキルとは、魔法が存在しないSAOに設定された最大の攻撃システムであり、予備動作をシステムが検知することで発動する必殺技のことです。
その日の夜、アインクラッド第5層「カルルイン」。アスナたちと、2人の協力者である情報屋のアルゴは、第2層から第4層までハイペースで攻略できた理由であるALSとDKBに一抹の不安を抱いていました。
今の攻略組のおおもとは、バラバラだったプレイヤーたちを1つに纏め上げて第1層のフロアボス攻略に挑んだ剣士プレイヤーのディアベル率いるレイド(多数のプレイヤーが協力して、少人数で到底倒せない強敵を攻略すること)パーティーです。
そのディアベルが第1層のフロアボス戦で戦死し、その後を引き継いだ彼の派閥のメンバーの1人、曲刀使いのリンドがDKBを立ち上げました。
しかしリンドの統率力重視のやり方に反発したA攻略組の1人、キバオウが連帯力重視のALSを創設。この二大ギルドは、自分たちこそが攻略組の本流だと思っています。
リンドを中心としたディアベルの派閥は、トッププレイヤーたちにリソース(資源)を集約させて攻略を目指すという方針であるのに対し、キバオウの派閥は「リソースを最大限広く分配すべき」という方針と、考え方が真逆です。
そのため、2人は顔を合わせるたびに衝突を繰り返していました。そんな二大ギルドが2日後の12月31日、年越しのカウントダウンイベントを合同で主催・開催すると、キリトはアスナたちから知らされます。
その後、アルゴは情報収集しに行き、アスナたちはデザートのブルーブルーベリータルトを堪能しました。
そのブルーブルーベリータルトには、落ちているコインや宝石などがぼんやりと光って見えるバフがついていました。
バフとは、ゲームにおいて自分の攻撃力や防衛力、体力回復力、移動速度などが上昇し、有利な状態が発生することです。
「宝石」という言葉に目を輝かせたアスナは、キリトと一緒に、遺跡の層と呼ばれているこの第5層で遺物を拾い集める「遺物拾い祭り」をやることに。
あらかた街中の遺跡を拾い集めた後は、マジック効果つきの指輪とネックレスを求めて街の下にある地下墓地、つまりダンジョンに挑みます。
2人が辿り着いた先はアイテムが沢山落ちていましたが、圏外のためモンスターが出現する場所でもありました。
しかも特にその場所で出現するのは、アスナが苦手な幽霊型モンスター「モーンフルレイス」です。
アスナはモーンフルレイスにビビり、トラップに引っかかって落とし穴へと落下。
下の洞窟に落ちた際に装備していたレア武器「シバルリックレイピア」を手放してしまい、挙げ句の果てに洞窟にいたネズミのモンスター「スライ・シュルーマン」に盗まれてしまいました。
迷子になり挫けそうになったアスナでしたが、自分を奮い立たせ、自力でシバルリックレイピアを取り戻すべくスライ・シュルーマンを狩り続けました。
すると、倒したスライ・シュルーマンが、他のプレイヤーから盗んだであろうアイテムの中から、「29日の22時、B3F(181.235)」と記された丸めた紙くずがあったのです。
その「181.235」とは、このダンジョンのB3F、紙くずの持ち主が他のプレイヤーと待ち合わせ場所に指定した場所の座標でした。
(C)2020 川原礫/KADOKAWA/SAO-P Project
29日21時57分。フードを目深に被った短剣使いのプレイヤーは待ち合わせていた相手、第3層からDKBに参加した元ベータテスターのモルテと合流。
アスナが物陰に潜んでいるとは知らずに、ALSがカウントダウンイベントをすっぽかし、単独で第5層のフロアボス攻略をしようとしていることを伝えます。
ALSとDKBが殺し合うまでいがみ合わせようとまで言い出した彼らが何者なのか確かめようと、アスナは足を踏み出すも誤って小石を蹴ってしまいました。
その物音を聞いて、自分たち以外に誰かいることに気づいたモルテたち。アスナはスライ・シュルーマンを利用して窮地を脱しました。
しかし、短剣使いの男の手に大事なシバルリックレイピアが渡ってしまいました。
アスナが腰に携えたレイピアに手をかけた瞬間、彼女を探していたキリトが登場。
面識があったキリトとモルテは一触即発状態になるも、アスナの機転により、戦わずにシバルリックレイピアを取り戻すことができました。
窮地を脱した後、アスナは涙を流しながらとても怖かったと、キリトの体にしがみつきながら我慢していた気持ちを打ち明けました。
キリトはアスナの背中を優しくさすりながら、「もしまたはぐれることがあっても、必ず見つけて助けにくる」と言いました。
以下、『劇場版ソードアート・オンライン-プログレッシブ-冥き夕闇のスケルツォ』ネタバレ・結末の記載がございます。『劇場版ソードアート・オンライン-プログレッシブ-冥き夕闇のスケルツォ』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
(C)2020 川原礫/KADOKAWA/SAO-P Project
12月30日、アインクラッド第5層のシヤーヤ村。アスナは日頃の感謝をこめて、アルゴをその村にある温泉に連れていきました。
そこでアスナは、ソロで情報を集めているアルゴの身を案じて、昨日遭遇したモルテたちのようなプレイヤーを1人で追うのは危険すぎると警告しました。
ですがアルゴには、体を張ってでも情報を取り続けなければならないという、元ベータテスターとしての責任がありました。
それでも友達として心配してくれるアスナに、アルゴはデュエルの真似事としてチャンバラをしようと言い出します。
引き分けで終わったチャンバラで、アスナはアルゴがソロで偵察できるのはとんでもない素早さがあるからだと知りました。
アスナはキリトと合流した後、皆で一生懸命頑張って綺麗な景色が見られるところまできたというのに、なぜモルテたちはニ大ギルト(以下、攻略集団と表記)をいがみ合わせようとしているのかと尋ねました。
キリトは、「この浮遊城アインクラッドには、ゲーム攻略そっちのけでプレイヤーキラー(PK)にのめり込んでいる集団がいる」とアスナに教え、今はキバオウたちの抜け駆けを止める方が先だと言いました。
カウントダウンイベントの準備が進む中、キリトはアスナに頼んで、イベント責任者であるDKS幹部のシヴァタ、ALSの壁要員(タンク)のロングメイツ使いのリーテン、そしてキバオウを呼び出します。
キリトから呼び出した理由を聞いたリーテンは、せっかくの両ギルドの合同イベントをすっぽかして抜け駆けしようと決めたのかとキバオウに尋ねました。
キバオウは渋々、自身のギルドメンバーが「第5層のフロアボスが凄いアイテムをドロップする」という情報を手に入れたからだと答えました。
ベータテストにて第5層のフロアボスと戦ったことがあるキリトは、そのアイテムに心当たりがありました。
そのアイテムとはギルドフラッグ、武器としては単なる攻撃力最低の旗つきのロングスピアですが、それを装備したプレイヤーが地面に突き立てると、近くにいるギルドメンバーに全ステータス上昇のバフがかかります。
そのバフの効果の発動中はギルドフラッグを装備したプレイヤーは移動不可。ですが、旗を立てている限りバフの効果は続き、その効果を受けるギルドメンバーの人数に上限はありません。
当然、ギルドフラッグを手に入れればALSメンバーの士気は上がる一方、DKSの士気は下がり壊滅状態に陥る危険性があります。
ギルドフラッグに登録できるギルドは1つだけで後からの変更は不可能、共同使用することはできません。
攻略集団の崩壊を防ぐ方法はないかと皆で思案した結果、キリト・アスナ・シヴァタ・リーテンが先行してフロアボスを倒し、ギルドフラッグを手に入れて攻略集団の崩壊は防ぐ、という結論に至りました。
キバオウは4人を邪険にしつつ、去り際に明日の18時に選抜したメンバーとフロアボス攻略に挑むという、重要な情報を教えてくれました。
キリトはアルゴと、自身の数少ない理解者のエギルとそのパーティーを、第5層のフロアボス攻略に誘うことにしました。
アスナはアルゴに頼んで見つけ出した、現実世界で同じ中学のクラスメイトであり親友のミトを誘います。
ミトはアスナと第1層で別れて以来、前線から退いて素材集めに没頭していました。自作アイテムや防具の店を開きたいという夢ができたからです。
アスナをSAOに誘ったせいで危険な目に遭わせてしまったことと、守ると誓った彼女を見捨てて逃げてしまったことにミトは負い目を感じていました。
そう言って断るミトに対し、アスナは「私はもうあなたに守ってもらうゲーム初心者ではない」と言ってデュエルを申し込みます。
アスナが勝てばミトをパーティーに誘う、ミトが勝てばアスナはそれを諦める。
そう取り決めしたデュエルの結果、アスナの本気にこたえて、元ベータテスターとして本気を出したミトが勝ちました。
アスナはミトをパーティーに誘うことを諦め、「今日はありがとう、会えてよかった」と伝えてその場から立ち去りました。
すると今度は、アスナを心配して探しに来たキリトがミトの前に現れます。
キリトはミトに、今後アスナが攻略集団の誰よりも強くなってトッププレイヤーとなるまで、周りにいる人間が彼女を支えてあげるべきなのではないかと話しました。
アスナが今使っているレイピアは、もとはミトから受け取った剣。第3層でスペック的に限界を迎えたものの、アスナは手放さず金属素材にかえ、それをもとに新たに作ってできたものです。
それほどミトから貰った剣は大切なもので、今でもミトはアスナにとってかけがえのない存在であると、キリトはミトに伝えました。
12月31日、アインクラッド第5層の迷宮区前。アスナたちとアルゴ、エギルと彼のパーティーメンバーであるウルフギャングとローバッカ、ナイジャンの9人が集結。
チームプレイでボス以外のモンスターを倒していき、ついにアインクラッド第5層の迷宮区にあるボス部屋の前に到達しました。
しかし、ベータテストではここにボス部屋に繋がる扉がありましたが、上へあがる階段に変更されていました。
階段を上がった先に通路があるのか、それともボス部屋があるのかどうか分からないため、キリトはアルゴと2人で偵察することに。
階段を上がった先はボス部屋でしたが、フロアボスの姿は見当たらず第6層へ続く階段もありません。
アルゴがふと目に留まった床の青白い線を踏むと、巨大な1本の腕が出現。キリトはソードスキルを発動し、捕まったアルゴを救出しました。
しかし安堵したのも束の間、立て続けにもう1本の腕と2本の足が床や天井から出現。それを何とか回避したキリトたちは、青い線を踏むとターゲットサークルができて4本の手足が襲い掛かってくるのだと推測しました。
そこへ何も知らないアスナたちが登場。回避できなかったシヴァタとローバッカが捕まってしまうも、キリトに名前を呼ばれただけで彼が言わんとしていることを察したアスナによって無事救出されました。
するとついに、第5層のフロアボスである巨大ゴーレム「フスクス・ザ・ヴェイカントコロッサス」が天井から顔を出します。
キリトはフスクス・ザ・ヴェイカントコロッサスの攻撃手段は4本の手足で、額の紋章が弱点であるとアスナたちに伝え、彼女たちに的確な指示を出しました。
9人全員で奮闘した結果、フスクス・ザ・ヴェイカントコロッサスのHPを半分削ることが出来ました。
すると突如、ベータテスト時にはなかった出来事が起こります。階段がフスクス・ザ・ヴェイカントコロッサスの口に変化したり、固定されていたはずの紋章が体のあちこちに移動したり………。
アルゴは、この部屋そのものがボスであり、移動した紋章を見つけ出して叩かない限り、シヴァタを庇って捕まったアスナを助け出すことはできないと推測しました。
(C)2020 川原礫/KADOKAWA/SAO-P Project
キリトたちがなんとかしてアスナを助け出そうと奮闘していると、突如フスクス・ザ・ヴェイカントコロッサスの口の中から大鎌が出てきます。
その大鎌は、見捨てた自分を許せないとしつつも、アスナを絶対に死なせたくない一心でここまで来たミトの武器でした。
ミトが懸命に食い止めてくれている間に、キリトたちは紋章を捜索。天井から出現したフスクス・ザ・ヴェイカントコロッサスの右足に移動した紋章を、キリトの左肩を踏み台にして大きくジャンプしたアルゴの鉤爪のソードスキルで攻撃しました。
するとフスクス・ザ・ヴェイカントコロッサスの額に紋章が移動し、再び姿を消します。アスナとミトは和解しました。
大鎌を鎖鎌へと変えた追尾攻撃ができるミトの参戦により、アスナたちはフスクス・ザ・ヴェイカントコロッサスを、ついに7本あったHPのうちラスト1本となるまで追い詰めました。
(C)2020 川原礫/KADOKAWA/SAO-P Project
さらに体の全貌をあらわにしたフスクス・ザ・ヴェイカントコロッサスを相手に、シヴァタとリーテンが壁要員となって守備に、キリトたちが攻撃に回って激闘を繰り広げていきます。
激闘の末、アスナたちコンビの渾身の一撃によってフスクス・ザ・ヴェイカントコロッサス攻略。に成功。ミトのもとにドロップされたギルドフラッグは、キリトの手に渡りました。
アスナにまた行動を共にしないかと誘われたミトは、キリトというパートナーを見つけた彼女を見て、「私もこの世界での生き方を見つけたい」と断りました。
ミトはアスナと抱き合いながら、いつかこの世界での生き方を見つけられた時、自分を呼んでくれたらすぐにアスナのもとに駆けつけると約束しました。
ミトたちは第6層へ向かい、アスナたちはもうじきここへやってくるキバオウたちを待ちました。
そして、キリトはギルドフラッグ「フラッグ・オブ・ヴァラ」を手に、キバオウたちにある提案をします。
今後フラッグ・オブ・ヴァラがもう1つドロップされた場合、1つをALS、もう1つをDKBの所有とすること。
またはALSとDKBが合併し、新ギルドが発足すること。この2つの条件をクリアか片方をクリアできれば、フラッグ・オブ・ヴァラを無償譲渡または即座に譲渡する、と………。
すると突如、奇妙なマスクで顔を覆ったALSの短剣使いのジョーが躍り出て、「そいつらは俺たちに無理難題を吹っ掛けて、フラッグを使って自分たちのギルドを作るつもりなんだ」と叫び出したのです。
キバオウはそんなジョーの胸ぐらをつかんで一喝します。キリトがDKBにも同じ条件をつけることを確認すると、キバオウはフラッグ・オブ・ヴァラを彼に預け、選抜メンバーを引き連れて第6層からカルルインへ戻ることにしました。
キリトをビーター(ベータテスト出身のプレイヤーに対する蔑称)と呼んで非難する者が多い中、キバオウだけは彼を名前で呼び、小声で感謝を伝えます。
キバオウを除くALSのメンバーに非難されるキリトを見て、アスナは悔し涙を流しながら言いました。
「キリトくんが攻略集団のためを思ってボロボロになりながらも頑張って戦ったというのに、悪いように言われるだけなんてそんなの絶対間違ってる」と。
キリトは自らソロプレイヤーになる道を選んだと、アスナに告げます。彼は自分と自分の近くにいる人を守れるなら他のことはどうでもよくて、すべて自分がこの世界で生き残るために戦っているからです。
アスナはキリトをその場に座らせ、彼を優しく包み込み頭を撫でることで、彼をめいいっぱい褒めました。
その後、カウントダウンイベントは無事開催され、アスナたちは少し離れたダンジョンから皆と一緒に新年を迎えました。
そんな2人のもとに、フードを目深に被った黒ポンチョの男が襲来。「イッツ・ショウ・タイム」と言って、アスナにレベル5の麻痺毒を刃に塗りつけたナイフを突きつけてきたのです。
キリトがなぜこんなことをするのか尋ねると、黒ポンチョの男はただ楽しみたいからPKをしていると答え、邪魔が入らないように地下室に行こうと指示してきました。
アスナはそれに素直に応じます。というのもアスナには、ミトから貰ったレベル5の麻痺毒とダメージ毒を無効化するアイテムを持っていたからです。
そのアイテムの効果が発動して黒ポンチョの男が離れた瞬間、アスナたちはすぐさま攻撃を仕掛けます。
黒ポンチョの男はそれをひらりと交わし、「また会おう」と言って煙幕を使って逃走。その場に残されたナイフに麻痺毒は塗られていませんでした。
「ビックステージ」「色々仕込んで盛り上げたい」という言葉を発していた黒ポンチョの男はPK集団の1人で、ギルドフラッグを使ってプレイヤー同士に殺し合いをさせようと企んでいるのではないかと、アスナたちは推測します。
アスナたちはそんなPK集団を相手に、パートナーとして共に戦うことを誓い合いました。
カウントダウンイベントのためにあげられた花火を、それぞれの場所から眺めるアスナたちの姿を最後に、物語の幕は閉じていくのでした。
映画『劇場版ソードアート・オンライン-プログレッシブ-冥き夕闇のスケルツォ』の感想と評価
(C)2020 川原礫/KADOKAWA/SAO-P Project
登場人物の恋とギャップが面白い
アスナがキリトと出会い救われたことで、SAOの世界での自分の生き方を見つけ、自分を大事にすることを学んだことを、彼自身に直接伝える場面。
そしてアスナがキリトの代わりに泣き、自分がキリトの頑張りを褒めると言った場面はとても感動します。キリトがアスナに惚れるのも無理ないですね。
またアスナ自身も、いつも自分のピンチを救ってくれるキリトの内面を知れば知るほど、心惹かれていったのでしょう。まさにお似合いの公式カップルですね。
一方、ALSのリーダーのキバオウは、方針の違いからDKBと衝突を繰り返すなど、攻撃的で感情的なプレイヤー。のように見えて、アスナたちの招集に応じるなど根は話が分かる男です。
不器用ながらも4人に抜け駆け作戦の内容を伝えたり、プレイヤー同士の不和を扇動するジョーを一喝したり、最後にボソッとキリトに感謝を伝えていたりと、言動のギャップがあって胸がキュンキュンします。
キリトたちに襲い掛かる最凶最悪のPK集団
なんやかんやありつつも、みんなでゲーム攻略に挑むアスナたち。それを自らの快楽のために、邪魔しようとする集団がいます。
ジョーやモルテ、黒ポンチョの男が所属するPK集団です。彼らはゲーム攻略そっちのけで、現実世界では禁じられている殺人行為を楽しんでいます。
作中ではアスナたちがPK集団と対峙したところまでしか描かれていません。ですがアスナ視点で観ても、彼らの存在はとても強烈で恐ろしいです。
まとめ
(C)2020 川原礫/KADOKAWA/SAO-P Project
デスゲームと化したSAOの世界で、懸命に生きようとするアスナたち少年少女の物語を描いた、日本のSFファンタジーアニメ作品でした。
エンドロール中、ミトとキリトと出会い、デスゲームと化したSAOの世界で懸命に生きようと奮闘するアスナのこれまでの戦いを描いた映像が流れます。
そしてエンドロール後は、SAOで最強といわれるギルド「血盟騎士団」の副団長となったアスナの姿と、ゲーム攻略後のアスナとキリトが手を繋いでいる姿が描かれていました。
また、作中での登場場面は少ないものの、強烈な存在感を残していったPK集団との戦いは、原作小説とアニメ版で描かれています。
ですがアスナ視点でも、彼らがバチバチと衝突するのが観たくなった、原作ファンとアニメファンもいるのではないでしょうか。
ゲームの世界に囚われた少年少女たちの人間模様と、生き残るために仲間と力を合わせて戦っていく姿を迫力があって綺麗な映像で楽しめるアニメ映画が観たい人に、とてもオススメな作品です。