地雷を踏んでしまい、一切の身動きを封じられた米軍兵の、悪夢のような52時間を描いた映画『ALONE/アローン』。
映画『ALONE/アローン』のあらすじと、キャストのアーミー・ハマー演じる人間の極限を描いた様子の見どころを紹介します。
CONTENTS
映画『ALONE/アローン』の作品情報
【公開】
2018年(アメリカ・イギリス・スペイン合作映画)
【原題】
Mine
【監督】
ファビオ・レジナーロ、ファビオ・ガリオーネ
【キャスト】
アーミー・ハマー、アナベル・ウォーリス、トム・カレン、ジェフ・ベル、ジュリエット・オーブリー
【作品概要】
砂漠の地雷原を舞台に、一歩も動けなくなった米軍兵士マイクが、極限の状況に追い込まれていくワンシチュエーションスリラー。
主演は『ソーシャル・ネットワーク』や『君の名前で僕を呼んで』などで高い演技力が評価されているアーミー・ハマー。
監督と脚本は、本作が長編デビューとなる、ファビオ・レジナーロとファビオ・グアリョーネ。
映画『ALONE/アローン』の主要キャスト
アーミー・ハマー(マイク役)のプロフィール
射撃の名手で、地雷原へと迷い込んでしまう米軍兵士マイク。
演じるアーミー・ハマーは、1986年8月28日生まれ、アメリカ出身。
幼少期に俳優を志し、高校時代から演劇学校や芸術学校で演技を学びます。
2005年にTVシリーズで俳優デビューし、2010年の映画『ソーシャル・ネットワーク』で1人2役でウィンクルボス兄弟を演じ、トロント映画批評家協会賞の助演男優賞を受賞し注目されます。
その後、2011年の映画『J・エドガー』や2013年の映画『ローン・レンジャー』などに出演。
参考映像:『君の名前で僕を呼んで』
2017年の映画『君の名前で僕を呼んで』(日本では2018年公開)では、ゴールデングローブ賞の助演男優賞にノミネートされるなど、今後が期待されている俳優です。
本作では、製作総指揮も務めています。
アナベル・ウォーリス(ジェニー役)のプロフィール
マイクの恋人、ジェニーを演じるアナベル・ウォーリスは、1984年生まれのイギリス出身の女優です。
2005年から女優活動を開始し、2009年開始のTVシリーズ『THE TUDORS 背徳の王冠』や2011年開始のTVシリーズ『PAN AM パンナム』などに出演し、注目されるようになります。
2014年のホラー映画『アナベル 死霊館の人形』で主演を務め、2017年の『ザ・マミー 呪われた砂漠の王女』ではメインキャストの1人として、トム・クルーズと共演しています。
トム・カレン(トミー役)のプロフィール
マイクと共に、テロリスト暗殺のミッションに挑む米軍兵士トミー。
演じるトム・カレンは、1985年生まれ、イギリス出身の俳優。
ウェールズ王立音楽演劇学院で学んだ後に、2006年に俳優デビュー、2011年の初主演映画『Weekend』で、英国インディペンデント映画賞、新人賞を受賞。
2010年開始のTVドラマ『ダウントン・アビー』のシーズン4からギリンガム卿役で出演しています。
俳優だけではなく、監督もこなす多彩な俳優です。
映画『ALONE/アローン』のあらすじ
テロリストの暗殺ミッションを命じられた、米軍兵士で射撃の名手であるマイク。
ですが、ミッションに失敗し、マイクは相棒のトミーと共に退却、2人は3000万個以上の地雷が埋まる地雷原に迷い込みます。
目の前でトミーが地雷により爆死し、自らも地雷を踏んでしまったマイクは、身動きがとれなくなります。
昼は灼熱地獄、夜は極寒となる自然の驚異に、水も食料も無いマイクは、心身ともに疲弊していき、極度の疲労から精神が混乱、次第に幼少期の恐ろしいトラウマに襲われるようになります。
1歩動けば即死の絶対絶命の状況に追い込まれたマイクは、援軍が到着するまでの悪夢のような52時間を、耐え抜く事ができるのでしょうか?
映画『ALONE/アローン』の観賞ポイント
映画『ALONE/アローン』は、地雷を踏んだため、1ミリも動けなくなった、マイクの姿を描くワンシチュエーション・スリラーです。
全く動けなくなったマイクを主人公に、どのようにストーリーを展開させていくのかが、非常に気になるところですね。
主人公が動きを封じられた状態で、話が展開する作品といえば、2010年の映画『リミット』が有名です。
参考映像:ロドリゴ・コルテス監督『リミット』(2010)
突然、地中に埋められた棺桶の中で目覚めたポールは、状況が掴めないまま、携帯電話とペン、マッチのみで脱出を試みるという内容。
ストーリーは棺桶の中のみで展開し、ポール役のライアン・レイノルズの1人芝居で進行します。
徐々に判明するポールの状況と、真実と嘘が入り乱れるストーリー展開が見事な傑作で、ポールが迎える悲惨なラストが賛否両論巻き押した作品です。
そしてもう1本、2010年の映画『127時間』は、主人公のアーロンが、岩と壁の間に右手が挟まり動けなくなった事で、孤独と絶望の127時間を描いた作品です。
参考映像:ダニー・ボイル監督『127時間』(2010)
ロドリゴ・コルテス監督の演出した『リミット』は、棺桶の中である程度、自由に体を動かせましたが、ダニー・ボイル監督の『127時間』では、右手が挟まった状態のため、完全に動きが封じられてしまいました。
激しい雨風に晒されて、次第に精神が衰弱してくるアーロンは、何度も自分が助かる幻覚を見るのですが、観客も「助かった?」「駄目だった!」と何度も絶望を味わう為、アーロンと気持ちがシンクロし、グイグイ引き込まれていく構成になっています。
人間の極限状態を描いたという点では、『ALONE』に近い作品かもしれませんね。
恐ろしい事に、この『127時間』は、登山家のアーロン・ラルストンが実際に経験した実話を元にしています。
ワンシチュエーションの映画は、アイデアで勝負する部分が大きいですが、観客を巧みなストーリー展開と、計算された画面構成で引き込む作品が多い印象です。
本作品『ALONE/アローン』も、衰弱しながら極限状態を迎えるマイクを、どのように描き観客を物語に引き込んでいくのか、非常に楽しみです。
まとめ
本作品『ALONE/アローン』は、主演のアーミー・ハマーは、過去の出来事が精神に及ぼす影響や、脱水・静止状態が24時間続いた際の人体への影響などを、徹底的に調べて役に挑んでいます。
また、製作総指揮も務め、人生初の丸刈りにするなど、今作に対する意気込みの強さを感じます。
この姿に監督の、ファビオ・レジナーロと、ファビオ・グアリョーネは「アーミーとは真逆といえる主人公を演じきってくれた。」と絶賛しています。
入念なリサーチと、役作りにより新たに誕生したワンシチュエーションスリラー『ALONE』。
極限状態に追い込まれた、マイクが迎える運命とは?