Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

サスペンス映画

Entry 2018/06/04
Update

映画アローンALONE|あらすじとキャスト。地雷を踏んだ主人公の悪夢52時間を描く

  • Writer :
  • 金田まこちゃ

地雷を踏んでしまい、一切の身動きを封じられた米軍兵の、悪夢のような52時間を描いた映画『ALONE/アローン』。

映画『ALONE/アローン』のあらすじと、キャストのアーミー・ハマー演じる人間の極限を描いた様子の見どころを紹介します。

映画『ALONE/アローン』の作品情報


(C)2016 Mine Canarias Aie Roxbury Enemy Sl Sun Film Srl Mine Film Llc

【公開】
2018年(アメリカ・イギリス・スペイン合作映画)

【原題】
Mine

【監督】
ファビオ・レジナーロ、ファビオ・ガリオーネ

【キャスト】
アーミー・ハマー、アナベル・ウォーリス、トム・カレン、ジェフ・ベル、ジュリエット・オーブリー

【作品概要】
砂漠の地雷原を舞台に、一歩も動けなくなった米軍兵士マイクが、極限の状況に追い込まれていくワンシチュエーションスリラー。

主演は『ソーシャル・ネットワーク』や『君の名前で僕を呼んで』などで高い演技力が評価されているアーミー・ハマー。

監督と脚本は、本作が長編デビューとなる、ファビオ・レジナーロとファビオ・グアリョーネ。

映画『ALONE/アローン』の主要キャスト


(C)2016 Mine Canarias Aie Roxbury Enemy Sl Sun Film Srl Mine Film Llc

アーミー・ハマー(マイク役)のプロフィール

射撃の名手で、地雷原へと迷い込んでしまう米軍兵士マイク。

演じるアーミー・ハマーは、1986年8月28日生まれ、アメリカ出身。

幼少期に俳優を志し、高校時代から演劇学校や芸術学校で演技を学びます。

2005年にTVシリーズで俳優デビューし、2010年の映画『ソーシャル・ネットワーク』で1人2役でウィンクルボス兄弟を演じ、トロント映画批評家協会賞の助演男優賞を受賞し注目されます。

その後、2011年の映画『J・エドガー』や2013年の映画『ローン・レンジャー』などに出演。

参考映像:『君の名前で僕を呼んで』

2017年の映画『君の名前で僕を呼んで』(日本では2018年公開)では、ゴールデングローブ賞の助演男優賞にノミネートされるなど、今後が期待されている俳優です。

本作では、製作総指揮も務めています。

アナベル・ウォーリス(ジェニー役)のプロフィール

マイクの恋人、ジェニーを演じるアナベル・ウォーリスは、1984年生まれのイギリス出身の女優です。

2005年から女優活動を開始し、2009年開始のTVシリーズ『THE TUDORS 背徳の王冠』や2011年開始のTVシリーズ『PAN AM パンナム』などに出演し、注目されるようになります。

2014年のホラー映画『アナベル 死霊館の人形』で主演を務め、2017年の『ザ・マミー 呪われた砂漠の王女』ではメインキャストの1人として、トム・クルーズと共演しています。

トム・カレン(トミー役)のプロフィール

マイクと共に、テロリスト暗殺のミッションに挑む米軍兵士トミー。

演じるトム・カレンは、1985年生まれ、イギリス出身の俳優。

ウェールズ王立音楽演劇学院で学んだ後に、2006年に俳優デビュー、2011年の初主演映画『Weekend』で、英国インディペンデント映画賞、新人賞を受賞。

2010年開始のTVドラマ『ダウントン・アビー』のシーズン4からギリンガム卿役で出演しています。

俳優だけではなく、監督もこなす多彩な俳優です。

映画『ALONE/アローン』のあらすじ


(C)2016 Mine Canarias Aie Roxbury Enemy Sl Sun Film Srl Mine Film Llc
テロリストの暗殺ミッションを命じられた、米軍兵士で射撃の名手であるマイク。

ですが、ミッションに失敗し、マイクは相棒のトミーと共に退却、2人は3000万個以上の地雷が埋まる地雷原に迷い込みます。

目の前でトミーが地雷により爆死し、自らも地雷を踏んでしまったマイクは、身動きがとれなくなります。

昼は灼熱地獄、夜は極寒となる自然の驚異に、水も食料も無いマイクは、心身ともに疲弊していき、極度の疲労から精神が混乱、次第に幼少期の恐ろしいトラウマに襲われるようになります。

1歩動けば即死の絶対絶命の状況に追い込まれたマイクは、援軍が到着するまでの悪夢のような52時間を、耐え抜く事ができるのでしょうか?

映画『ALONE/アローン』の観賞ポイント


(C)2016 Mine Canarias Aie Roxbury Enemy Sl Sun Film Srl Mine Film Llc

映画『ALONE/アローン』は、地雷を踏んだため、1ミリも動けなくなった、マイクの姿を描くワンシチュエーション・スリラーです。

全く動けなくなったマイクを主人公に、どのようにストーリーを展開させていくのかが、非常に気になるところですね。

主人公が動きを封じられた状態で、話が展開する作品といえば、2010年の映画『リミット』が有名です。

参考映像:ロドリゴ・コルテス監督『リミット』(2010)

突然、地中に埋められた棺桶の中で目覚めたポールは、状況が掴めないまま、携帯電話とペン、マッチのみで脱出を試みるという内容。

ストーリーは棺桶の中のみで展開し、ポール役のライアン・レイノルズの1人芝居で進行します。

徐々に判明するポールの状況と、真実と嘘が入り乱れるストーリー展開が見事な傑作で、ポールが迎える悲惨なラストが賛否両論巻き押した作品です。

そしてもう1本、2010年の映画『127時間』は、主人公のアーロンが、岩と壁の間に右手が挟まり動けなくなった事で、孤独と絶望の127時間を描いた作品です。

参考映像:ダニー・ボイル監督『127時間』(2010)

ロドリゴ・コルテス監督の演出した『リミット』は、棺桶の中である程度、自由に体を動かせましたが、ダニー・ボイル監督の『127時間』では、右手が挟まった状態のため、完全に動きが封じられてしまいました。

激しい雨風に晒されて、次第に精神が衰弱してくるアーロンは、何度も自分が助かる幻覚を見るのですが、観客も「助かった?」「駄目だった!」と何度も絶望を味わう為、アーロンと気持ちがシンクロし、グイグイ引き込まれていく構成になっています。

人間の極限状態を描いたという点では、『ALONE』に近い作品かもしれませんね。

恐ろしい事に、この『127時間』は、登山家のアーロン・ラルストンが実際に経験した実話を元にしています。

ワンシチュエーションの映画は、アイデアで勝負する部分が大きいですが、観客を巧みなストーリー展開と、計算された画面構成で引き込む作品が多い印象です。

本作品『ALONE/アローン』も、衰弱しながら極限状態を迎えるマイクを、どのように描き観客を物語に引き込んでいくのか、非常に楽しみです。

まとめ


(C)2016 Mine Canarias Aie Roxbury Enemy Sl Sun Film Srl Mine Film Llc

本作品『ALONE/アローン』は、主演のアーミー・ハマーは、過去の出来事が精神に及ぼす影響や、脱水・静止状態が24時間続いた際の人体への影響などを、徹底的に調べて役に挑んでいます。

また、製作総指揮も務め、人生初の丸刈りにするなど、今作に対する意気込みの強さを感じます。

この姿に監督の、ファビオ・レジナーロと、ファビオ・グアリョーネは「アーミーとは真逆といえる主人公を演じきってくれた。」と絶賛しています。

入念なリサーチと、役作りにより新たに誕生したワンシチュエーションスリラー『ALONE』

極限状態に追い込まれた、マイクが迎える運命とは?

関連記事

サスペンス映画

映画『十二人の死にたい子どもたち』10番セイゴ役は坂東龍汰。演技力とプロフィール紹介

『天地明察』で知られるベストセラー作家の冲方丁(うぶかた・とう)の小説を原作とした映画『十二人の死にたい子どもたち』が2019年1月25日に公開されます。 演出は『イニシエーション・ラブ』『トリック』 …

サスペンス映画

映画『アニー・イン・ザ・ターミナル』あらすじとキャスト。マーゴット・ロビー紹介も

2018年7月21日(土)より新宿シネマカリテにて公開のロンドンを舞台に繰り広げられる復讐の物語『アニー・イン・ザ・ターミナル』。 復讐を遂げる美女を、今ハリウッドで注目のマーゴット・ロビーが演じ、時 …

サスペンス映画

映画『十二人の死にたい子どもたち』1番サトシ役は高杉真宙。演技力とプロフィール紹介

『天地明察』で知られるベストセラー作家の冲方丁(うぶかた・とう)の小説を原作とした映画『十二人の死にたい子どもたち』が2019年1月25日に公開されます。 監督を務めるのは『イニシエーション・ラブ』『 …

サスペンス映画

韓国映画『国家が破産する日』あらすじネタバレと感想。結末で述べられたのは権威主義に陥ることへの警告

国家破産の日まで残された時間は7日間。その時、政府は何をしていたのか!? 1997年に韓国で実際に起きた通貨危機の裏側を描いた、社会派エンターテイメント作品『国家が破産する日』。 シヒョン役をキム・ヘ …

サスペンス映画

【ネタバレ 鳩の撃退法】あらすじ感想とラスト結末考察。サスペンスと本格ミステリ映画の真骨頂が〈現実と虚構〉で入り乱れる!

藤原竜也主演で描かれる現実と虚構を見抜く最新ミステリ! 殺人事件や暴行事件、汚職や政治的な犯罪から芸能人のスキャンダルまで、現代社会はさまざまなニュースが日常的に溢れています。 しかし、一つ一つの事柄 …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学