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Entry 2018/06/10
Update

『きみに読む物語』あらすじネタバレ感想とラスト結末の評価解説。恋愛映画おすすめの感動作をライアン・ゴズリングで描く

  • Writer :
  • 若松れん

ニコラス・スパークスのベストセラーを映画化した恋愛映画『きみに読む物語』

映画『きみに読む物語』は、1940年代に出会った男女と現代で年老いた二人の過去と現代を交差するように描いた恋愛物語です。

舞台はアメリカ南部のシーブルック。まだ若きふたりがこの地で出会い、長い年月を過ごすことになるとは思いもしなかったでしょう。

『シーズ・ソー・ラヴリー』で知られるニック・カサヴェテス監督が、実母のジーナ・ローランズを出演に起用した、涙なしには見られない『きみに読む物語』をご紹介していきます。

映画『きみに読む物語』の作品情報

【公開】
2005年(アメリカ映画)

【原題】
The Notebook

【監督】
ニック・カサヴェテス

【キャスト】
ライアン・ゴズリング、レイチェル・マクアダムス、ジーナ・ローランズ、ジェームズ・ガーナー、ジョアン・アレン、ジェームズ・マースデン、サム・シェパード、ケヴィン・コナリー、デヴィッド・ソーントン

【作品概要】
『きみに読む物語』(2004)は、ニコラス・スパークスの小説「The Notebook」を映画化。

全米週末興行成績初登場で4位を獲得した作品で、痴呆症の女性患者を演じたジーナ・ローランズがゴールデン・サテライト賞助演女優賞を受賞し話題になりました。物語はアメリカ南部シーブルックを舞台に、主人公アリーとノアの過去と現在を行き来するように描かれています。

映画『きみに読む物語』のあらすじとネタバレ

老人男性が、痴呆症の女性患者にあるノートを読み聞かせていることから物語が始まります。

その物語は、ノアとアリーの愛の軌跡そのものだったのです。

現在。療養施設で暮らすデュークは、いつも痴呆症の老女に本を読み聞かせていました。

ノートの舞台は1940年代のアメリカで、若い男女の恋の物語。

1940年代。17歳のアリー・ハミルトン(通称アリー)は両親とアメリカ南部のシーブルックにある別荘を訪れていました。

一人っ子の彼女は、両親から大切に育てられている裕福なお嬢様。

ある日、町の材木屋で働くノアという青年がアリーに一目惚れをしてしまいます。

ノアはアリーに熱烈なアプローチをして、デートの約束までこぎつけました。

ふたりは直ぐに親しくなり、やがてお互いを大切に思うようになったのです。

しかし、裕福な家で育ったアリーとは対照的に、学歴もなく材木屋で働く労働者のノアとは身分が違います。

ノアは、裕福なアリーには自由があると思っていましたが、実際は両親に決められた道を歩まなければならない籠のなかの鳥だったのです。

ノアとアリーは喧嘩もしましたが、直ぐに仲直りしてしまうほど交際も順調に進んでいました。

ある日の事、アリーがノアと一緒にいるところを見たアリーの父ジョンは、ノアを自宅のパーティに招待します。

見た事もない豪華なパーティに、ノアはアリーとの身分の違いを思い知らされたのです。

さらに、ノアはアリーがニューヨークの大学に行くことが決まっていると聞かされます。

そこでジョンが「その話しは場違いだ、子供たちを好きにさせよう」と話の腰を折りました。

ジョンはふたりがひと夏の恋を楽しんでいるのだと思っていたのです。

翌日も、その翌日もアリーとノアは毎日を一緒に過ごし、ある日の夜ふたりは廃墟となっている屋敷で結ばれました。

ノアはアリーに、その土地を購入し言えを立てるのが夢だと話すとアリーは、家の壁は城で窓は青がいいといいます。

午前2時。アリーの帰りが遅いと両親が心配して、警察に捜索させていると友人のフィンがノアの元にやってきます。

ノアは急いでアリーを送り届けましたが母アンは激怒。1階にノアを待たせたままアリーと両親は2階で口論を始めたのです。

アンは、ノアはいい青年だけど肉体労働者のクズ扱い。アリーは母に抵抗しますが、父からもふさわしくない相手だといわれてしまいました。

それでもアリーは、彼を愛していると必死で説得します。3人に会話を聞いていたノアは、アリーとの別れを決意するのです。

現在。老女は「ノアはボロボロね、でも彼は善意で別れた。でも彼女の両親に言うべきだわ。クソ食らえってね」とデュークに話します。

「君の言うとおりだ」というデューク。

1940年代。アリーの両親は、彼女を強制的にノアから引き離そうと、休暇を切り上げて帰るといいました。

アリーはノアの仕事場に行きましたがノアには会えず、親友のフィンに愛していると伝えて欲しいという伝言を残します。

アリーに会えなかったノアは、それから1年間毎日彼女に手紙を出していました。しかし、彼女からの返事は一度も無かったのです。

以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『きみに読む物語』ネタバレ・結末の記載がございます。『きみに読む物語』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
アメリカとドイツの戦争が始まり、ノアはアトランタへ召集されます。一方で、アリーはボランティアで訪れていた病院で、ロンという青年と出会い恋に落ちました。

ロンは富豪の子孫だったため、アリーの両親は彼との結婚を許し、ふたりは婚約したのです。

その頃、戦場から無事に帰還したノアは父親の待つ自宅に戻りますが、父は家を売ったといいます。

その金と復員手当で農園を買うようノアに言うのです。念願だった土地を購入したノアは、建設許可をとるために向かったチャールストンのバスのなかで、でアリーを見かけました。

ノアは驚きと喜びに溢れましたが、アリーはロンと一緒だったため声を掛けることが出来なかったのです。

ノアは、家を建てればアリーが帰ってくると思い込み、家の建築に専念して完成させました。

しかしいつまで経ってもアリーは戻って来なかったため、ノアは家を売りに出したのです。

美しいデザインの家ということもあり、次から次へと買い手が現れましたが、ノアは最初から売るつもりは無く、何かと理由をつけて断っていました。

その頃、ノアは隣町に住む未亡人と肉体関係を結ぶようになり、お互いが心の傷を舐めあっていたのです。

結婚の準備も進む中、アリーは新聞でノアの家が売りに出ている記事を目にします。

アリーはノアに会いたい気持ちが抑えられず、ロンに絵を描きに行くと嘘をついてノアの元へ向かったのです。

現在。ここまでの物語を読み聞かせていたデュークは、医師から呼び出されます。認知症は治らないという医師にデュークは、それでも…と答えます。

デュークは、施設に遊びに来ていた家族を老人女性にメアリーとエドモンドとマギー、そして孫のディーバニーだよと紹介しました。

老人女性は家族と丁寧な挨拶を交わします。メアリーはデュークに、「ママはもう治らないからパパだけでも帰ってきて」といいましたが、デュークは施設に留まると言い張りました。

家族が帰るとデュークは再び老女に物語の続きを読み始めるのです。

1940年代。ノアと再会したアリーは、やはり自分の愛しているのはノアだと認識し、なぜ連絡をくれなかったのかと尋ねます。

その時ノアは、自分が出していた手紙は、すべて誰かにもみ消されていたことに気づいたのです。

その夜、ノアの家に隣町の未亡人がやってきます。ノアは、待っていた彼女が帰って来たことを告げ、未亡人とは別れました。

翌日、アリーの母アンがノアの家にやってくると、ロンも心配してホテルに来ていると告げ、ノアから届いていた手紙の束を渡します。

アリーはロンと別れる決意をしてホテルに向かいますが、ロンはボクだけの君でいて欲しいと告げられてしまうのです。

現代。老女は、「美しいお話、でもなぜか寂しい気持ちよ」というと、デュークは「不安だけど心配はいらない。永遠なものは何も無い…。そろそろ寒くなってきた部屋に戻ろう」と答えます。

ふたりが戻っていった施設の部屋には食事が用意されており、テーブルに花が飾られ蝋燭も灯っていました。

席についた二人はジュースで乾杯すると老女は、先ほどの物語の続きが気になった様子で、彼女が誰を選んだのかを聞きます。

1940年代。アリーはロンに全てを打ち明けていました。するとロンは自分の選択肢を3つあげますが、どれも最低だといいます。

どの道、君を失うことになる、それでも君を愛していると…。

アリーは、ノアとロンの狭間で気持ちが大きく揺らいでいました。

現在。デュークが「めでたし、めでたし」というと老女は、何かを思い出したように「そうよ、そうだわ」といいます。

1940年代。ベッドで寝ていたノアが、何かの物音に気づき外に出るとそこには、荷物をまとめて出てきたアリーの姿がありました。

ふたりは見つめあい、そして抱きしめあいます。

現在。老女は「思い出した。私たち…それ、私たちね」と言って涙を流し、デュークは「アリー ダーリン」と嬉しそうにアリー(老女)に近寄り抱きしめてキスを交わしました。

アリー:「ノア、私どうしたの?」

ノア:「少し遠くに行ってただけさ」。

アリー:「残りの時間は?」

ノア:「どうかな、前は5分もたなかった」

そこでノアは、僕達の曲だよといって音楽を流し、ふたりで抱き合いながらダンスを踊りましたが数分後、再びアリーは思い出を忘れてしまったのです。

ノアは、騒ぎ出したアリーを看護師たちが押さえつけ、鎮静剤を投与されるのを涙をこらえながら見ているしか出来ませんでした。

翌日、ノアが心臓発作で倒れて意識不明の重体となり、アリーもまたノアに会えない数日間、生気を失ったように過ごしていました。

しかしノアは生きていたのです。

治療の甲斐もあって歩けるまでに回復したノアは、看護師の目を盗んでアリーに会いに行こうとしますが、看護師に見つかってしまいます。

看護師:「夜は会わせられないわ。でも私は今コーヒーを入れてくるわ。しばらく席を外すけどバカはやらないで」と言いました。

ノアは、看護師がいなくなった後にそっと彼女のカップを覗き、コーヒーが入っているのを見て、自分への配慮だと気づきます。

そのままアリーの部屋に行くと彼女は記憶を取り戻しており、ノアが戻らないかもしれない不安に駆られていたといいました。

アリーは、私たち一緒に死ねるかしらと聞くとノアは、私たちの愛に不可能は無いと、アリーと手をつないだまま、彼女の隣で横になって眠ったのです。

翌朝、アリーの部屋に入ってきた看護師は、ふたりが亡くなっているのを見つけました。これが、ノアとアリーが起こした最期の奇跡となったのです。

『きみに読む物語』を観た感想と評価

この物語はとくに女性から高く評価されている作品で、純愛と呼ぶに相応しい作品のひとつと言えると思います。

親の決めた道を進むだけだったお嬢様のアリーが、人生で初めて自分で道を選択したのがノアと二人で歩いていくことでした。

また、ノアは毎日アリーに手紙を送り続けましたが、365通というところでもノアの想いの深さを感じるところでもあります。

ノアが売り家の広告を出したのも、どこかでアリーの目に触れ見つけてくれると思ったからでしょう。

彼女が選んだ白い壁で蒼い窓の家。ラストが感動的だったのは言うまでもありませんが、婚約者の元に戻ろうとしたアリーにノアが言った言葉はとても考えさせられるものを感じました

将来を思い描いてみて、30年後、40年後誰と一緒だ?無難に選ぶな、君はどうしたい?

これまで両親に言われるがままだった人生への決別。当たり前のことですが、自分の意思表示も大切だということを思い出させてくれたセリフです。

まとめ

あまりにも感動的なお話なので、長いあらすじをお伝えすることになってしまいましたが、この作品の良さは観なければ伝わらないと思っています。

一度二度も観た方は三度目を、一度も見た事がない方は是非ご覧になっていただきたい作品です。

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