Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

ヒューマンドラマ映画

Entry 2018/04/24
Update

映画『友罪』あらすじネタバレと感想。ラスト結末も【生田斗真&瑛太主演】

  • Writer :
  • 村松健太郎

映画『友罪』は、5月25日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー

『64ロクヨン』の瀬々敬久監督と瀬々組スタッフが再び集結して放つ犯罪にまつわるストーリー。

偶然出会い、心通わす友人となった男が実は、かつて世間を騒がせた少年殺人鬼“少年A”だったことを知った時、どういう選択をすべきなのか?

究極の選択ともいうべきものに直面した男。そして、自身や家族の過去に今も縛られる人間たちが二人に関わっていく、贖罪の連鎖の物語。

映画『友罪』の作品情報


(C)薬丸岳/集英社 (C)2018 映画「友罪」製作委員会

【公開】
2018年(日本映画)

【原作】
薬丸岳

【脚本・監督】
瀬々敬久

【キャスト】
生田斗真、瑛太、佐藤浩市、夏帆、山本美月、富田靖子、奥野瑛太、飯田芳、小市慢太郎、矢島健一、青木崇高、忍成修吾、西田尚、村上淳、片岡礼子、石田法嗣、北浦愛、坂井真紀、古舘寛治、宇野祥平、大西信満、渡辺真起子、光石研

【作品概要】
ミステリー作家の薬丸岳の同名小説を実写映画化の演出に、『64ロクヨン』などで知られる瀬々敬久監督が務め、キャストは生田斗真と瑛太がダブル主演を果たしたヒューマンドラマ。益田役に生田斗真、鈴木役を瑛太が演じたほか、共演者に佐藤浩市、夏帆、山本美月、富田靖子たち実力派俳優も出演。

映画『友罪』のキャラクター


(C)薬丸岳/集英社 (C)2018 映画「友罪」製作委員会

益田純一(生田斗真)
町工場で働き始めた元記者。少年期の出来事に罪の意識を持ち続けています。

鈴木秀人/青柳健太郎(瑛太)
純一と同じ時期から町工場で働く青年。ある重大な過去が…。

藤沢美代子(夏帆)
鈴木と出会う女性。東京で男に騙されて仕事をさせられています。

杉本清美(山本美月)
純一の元恋人。新たな事件に淳一と鈴木が関わっていることを知リマス。

白石弥生(富田靖子)
鈴木の更生を担当した。更生の仕事に没入したため家族は崩壊。

山内修司(佐藤浩市)
息子が自動車事故で人を殺めたために家族を解散したタクシー運転手。

映画『友罪』のあらすじとネタバレ


(C)薬丸岳/集英社 (C)2018 映画「友罪」製作委員会

元雑誌記者の益田純一は、編集方針を巡って編集者と暴力沙汰を起こしてしまい、書き手として廃業していました。

日雇い生活を繰り返す中、社員寮のある町工場に職を得るようになります。

同時期に鈴木という同世代の男性とともに試用期間に入った益田は、慣れない仕事に悪戦苦闘。

一方、鈴木は多くの技能・資格を持っていて不愛想だが即戦力ともいえる人材でした。

益田は学生時代に友人がいじめを受け自死したことに、罪の意識を感じていました。

ギリギリまで友人の側にいた益田だったが、最後の最後でいじめる側に回ってしまい、その直後に友人は自ら命を絶った…。

そのことから今でも友人の家族のもとを訪ねては、罪の意識を和らげる代わりにひと時の息子の代わりをしています。

一方の鈴木は、仕事からの帰り道に男から追いかけられている美代子と出会います。

彼女はかつて男に騙され、アダルトビデオに半ば強引に出演させらた過去があり、そことから逃れるために人目を避けるように暮らしています。

ある日、作業中に益田は事故を起こし、指を切断する重傷を負います。

しかし、鈴木の冷静な対応と駆け付けた中年タクシー運転手の山内のおかげで何とか指は元に戻りました。

この山内という運転手、過去に息子が交通事故を起こし、二つの家族の子供の命を奪ったという過去をもっていました。

他人の家族を壊してしまったので、山内は自分たち家族も解散させるべきとして、一家離散。

そんな山内のもとに、息子が結婚をすると話が飛び込んできて山内は怒りを覚えます。


(C)薬丸岳/集英社 (C)2018 映画「友罪」製作委員会

以下、『友罪』ネタバレ・結末の記載がございます。『友罪』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


(C)薬丸岳/集英社 (C)2018 映画「友罪」製作委員会

入院中の益田を見舞いに来た元恋人で記者の清美は、最近、近辺で起きた猟奇的な事件が、かつて世間を賑わした少年Aによる殺人と重なる部分が多いことと話します。

医療少年院の更生官の白石は、その事件の話を聞いて胸騒ぎを覚えます。

彼女は少年Aこと、青柳健太郎を担当していたからです。

青柳は退院後しばらくして姿を消していたが、白石にだけはこっそりと連絡を取っています。

白石は鈴木の荷物のスケッチブックに描かれていた女性でした。

益田は無事退院、鈴木と鈴木に伴われてきていた美代子達と退院祝いをします。

退院後、改めて少年Aことを調べだすと、驚くことにその少年は鈴木そっくりでした。

鈴木は少年A=青柳なのか?

一方で山内は息子と数年ぶりに再会、自分は結婚を認めることはできないと告げます。

また、美代子のもとには、昔の男たちが押しかけて彼女に乱暴をし、周囲には彼女が出演していたDVDを配って回ります。

周囲の人物に美代子の過去を知られた鈴木は、それまでないような凶暴性を見せます。

その姿を見て鈴木の正体を確信する益田。このことを思わず清美に漏らしてしまいます。

望まぬ形で鈴木=青柳の近況を伝える記事が出てしまいました。

起きたばかりの事件の犯人は別人であったものの、鈴木の居場所はなくなり、誰にも行き先を告げずに姿を消します。

自身の犯した犯罪とともに生き、逃れられずにいる鈴木=青柳の姿を見たとき、益田は自分の少年期の罪を改めて認識。

益田、鈴木、山内、美代子はそれぞれの自分の過去に向き合いながら、また新たな日々を過ごしていきます。

映画『友罪』の感想と評価


(C)薬丸岳/集英社 (C)2018 映画「友罪」製作委員会

贖罪の連鎖の物語

本作『友罪』は犯罪の映画です。

ただ、犯人を描いたり、犯人を追う警察や探偵を描いたりしているわけでもない。

被害者についても間接的にしか描いていない。

ここに登場するのは、自分や家族が犯した罪と過去を抱える人々が主人公

そして、その罪に対して贖罪を考え、どういう風に償うかを悩み続ける姿が描かれています

犯罪や憎しみの連鎖というものを描いた作品が多い中、これは贖罪の連鎖を描いた物語となっています。

罪というものには、ありとあらゆる側面があることを、この映画は教えてくれます。

まとめ


(C)薬丸岳/集英社 (C)2018 映画「友罪」製作委員会

ジャーナリストの夢を諦め、町工場で働きはじめた益田、同時期に入社した同世代の鈴木。

無口な鈴木はどこか影があり、周囲を避け、交流を控えていましたが、互いは一緒に働くなかで歩み寄ります。

しかしそんな矢先、益田は鈴木が17年前の連続児童殺傷事件の犯人ではないかと疑い出すと…。

これまでにはない犯罪映画は、贖罪の連鎖を描いた物語になっています。

それを繊細なまでに演じた生田斗真&瑛太のダブル初演ほか、佐藤浩市、夏帆、山本美月、富田靖子の共演者の演技に注目です。

映画『友罪』は、5月25日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー。ぜひ、お見逃しなく!

関連記事

ヒューマンドラマ映画

今週公開の映画おすすめは?『5パーセントの奇跡 嘘から始まる素敵な人生』

今週末に映画でも見に行こうと思ったあなたに、この1本をおすすめ! 映画『5パーセントの奇跡 嘘から始まる素敵な人生』は、1月13日(土)より公開です。 実話でありながら、“笑って沁みて元気になる”ハー …

ヒューマンドラマ映画

【ネタバレ】マイ・ニューヨーク・ダイアリー|感想解説と結末考察レビュー。サリンジャーを題材にした原作をシガニー・ウィーバーとマーガレット・クアリーで描く

ニューヨークで夢追う女性の掛け替えのない日々を描く 90年代のニューヨークを舞台に、老舗出版エージェンシーで働くことになった新人アシスタントの日々を綴る映画『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』。 ジョア …

ヒューマンドラマ映画

映画『Away』あらすじと感想評価レビュー。宮崎駿アニメなど影響を受けつつも全く異なる方向を見出した意欲作

映画『Away』は2020年12月11日(金)より新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー! アヌシー国際アニメーション映画祭、ストラスブール・ヨーロッパ・ファンタスティック映画祭、インターナショナル・ア …

ヒューマンドラマ映画

映画『きらきら眼鏡』の犬童一利監督インタビューとあらすじ。上映館情報も

映画『きらきら眼鏡』は、9月7日(金)TOHOシネマズららぽーと船橋にて先行上映。 また、9月15日(土)より有楽町スバル座、9月29日(土)よりシネマート新宿ほか全国順次公開。 映画『きらきら眼鏡』 …

ヒューマンドラマ映画

アンジェイ・ワイダ映画『死の教室』あらすじネタバレ結末と感想評価の考察【タデウシュ・カントルの舞台記録】

アンジェイ・ワイダ監督の隠れた名作『死の教室』。 2019年開催のポーランド映画祭にて上映された名作のひとつが、巨匠アンジェイ・ワイダ監督の『死の教室』。 ポーランドの前衛演劇家タデウシュ・カントール …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学