ミステリー映画『ラプラスの魔女』は、5月4日(金・祝)より公開。
東野圭吾の同題ベストセラー小説を三池崇史監督が映画化。魔王と魔女の領域の予知・予測能力を持つ2人に福士蒼汰と広瀬すず。
事件を追う刑事に玉木宏、カギを握る映画監督に豊川悦司が演じ、主人公の科学者・青江修介役の主演はアイドルグループ嵐のメンバーの櫻井翔!
今回は東野圭吾の原作小説のあらすじに書かれた事件の真相の結末と、それを映画化した見どころなどを調査しました。
映画『ラプラスの魔女』の作品情報
【公開】
2018年(日本映画)
【原作】
東野圭吾
【監督】
三池崇史
【脚本】
八津弘幸
【キャスト】
櫻井翔、広瀬すず、福士蒼太、志田未来、佐藤江梨子、TAO、玉木宏、高嶋政信、壇れい、リリーフランキー、豊川悦司
【作品概要】
連続して起こる硫化水素を使った不可能犯罪!櫻井翔演じる化学者青江が真相を暴こうと難題に立ち向かいます。東野圭吾の同名小説で監督は『十三人の刺客』『悪の教典』で知られている三池崇史。脚本はドラマ『半沢直樹』の八津弘幸。
東野圭吾プロフィールと作品の特徴
東野圭吾(ひがしのけいご)は、1958年2月4日に大阪府生まれの人気のベストセラー作家です。
発表した作品は、すべて映画化かドラマ化されているのではないかと思わせるぐらい、東野圭吾原作の映像はたくさん発表されています。
阿部寛でおなじみの「加賀恭一郎(刑事)」シリーズでは、『新参者』『麒麟の翼』『悪意』『祈りの幕が下りる時』などが映像化。
福山雅治でおなじみの「湯川学(科学者)」シリーズでは『容疑者xの献身』『探偵ガリレオ』『予知夢』『真夏の方程式』などが映像化されています。
この他にも『秘密』『放課後』『手紙』『分身』『さまよう刃』『手紙』『白夜行』『幻夜』『天空の蜂』『流星の絆』『夜明けの街で』など、挙げていくとキリがないほどに映像化されています。
これほど観客、映画関係者、視聴者から指示されるのは、なんといってもエンターテイメント性です。
しかし、起伏のあるストーリー展開があるだけでなく、リアリティーのある描写、引き付けるような登場人物のキャラクター設定があります。
また、小説家の馳星周が「東野圭吾はトリックスター」と言っていることからもわかるように、ラストに向けて、読者をいい意味で裏切る、仕掛けが絶妙に配されています。
東野作品には“魔性の香りがする絶世の美女”が登場する作品があります。体温が感じられない冷たく透き通るような美女が、東野作品にはよく登場するのも特徴の一つです。
筆者のお気に入りの作品の印象が深く残っているだけかもしれませんが、例えば『白夜行』の唐沢雪穂、『幻夜』の新海美冬などです。
そして、今回の『ラプラスの魔女』では、男女云々の“魔性”ではない、新しい魔性が顔を出す作品です。
原作『ラプラスの魔女』のあらすじとネタバレ
地方の温泉地で硫化水素中毒死が発生。亡くなったのは有名な映像プロデューサー水城義郎です。
第一発見者でもある水城の妻・千佐都は、水城の遺産目当てで結婚したことは周知の事実であることから、千佐都が水城殺しなのでは?と、疑われかけます。
しかし、事故以外は考えられないという、警察と化学者の青江修介は見解になりますが、青江は正式に警察の依頼を受けて、この温泉での事件に協力します。
青江は現場調査に入ると、事故としては不可解な点があり、事故ではなく殺人事件という思いをぬぐい切れずにいました。
しかし、現場の状況から殺人ということは考えにくいことから、事故とするしかないと結論に至ります。
それからして、別の温泉地で硫化水素中毒死が発生します。亡くなったは売れない俳優の那須野でした。
この件も事故で処理されていきますが、これにも関わる青江は、こんなに硫化水素中毒事故が続くのか?やはり殺人では?と考えますが、状況的に殺人は不可能と、答えを出せずに困り果てます。
ある日、青江は羽原円華と出会います。円華を最初の硫化水素中毒事故死した水城が宿泊していた宿でも見かけていた青江は、円華の存在が気にかかっていました。
2つ目の硫化水素中毒死も事故として処理されることになり、2つの中毒死とも終息へと向かいます。
しかし、青江はあるブログの存在を発見します。それは映画監督甘粕才生のブログでした。
このブログの中身を読み解き、過去、推し進めている調査と照らし合わせる事で真実が見えてきます。
映像プロデューサー水城、売れない俳優那須野、映画監督甘粕の接点。
甘粕一家の真実、甘粕家の長男謙人の今。そして、悪魔となり得る能力を獲得した謙人と円華。
青江の前に、不可能殺人を可能にした悲しい現実が徐々に浮かび上がってきます。
『ラプラスの魔女』の原作と映画の違いは?
映画『ラプラスの魔女』のストーリーで、広瀬すずの演じる羽原円華、そして福士蒼太が演じた甘粕謙人も、悲しい過去を背負い、手術によって予測できないことが予測できる特殊な能力を身に着けた“悪魔”を演じます。
はじめはベールに包まれている2人ですが、物語が進むにつれて2人の過去にある真実が明かされていきます。
映画の見どころは、東野圭吾が原作で書いた“悪魔の二面性”を三池崇史監督がどのように描くかです。
参考映像:『悪の経典』(2012)
三池監督が監督した2012年公開の『悪の経典』も、“悪魔の物語”でしたね。
伊藤英明が演じた主人公の蓮実聖司にも“強烈な二面性”がありました。
今回の『ラプラスの魔女』では2人の悪魔、特に謙人の家族思いの部分と残虐な部分の二面性をどのように表現するか、要注目です。
先に東野作品には“魔性の香りがする絶世の美女”が登場する作品があると述べましたが、今回は男女云々の“魔性”ではない、新しい魔性を広瀬すずと福士蒼太が発する作品です。
小説では最初に殺される水城義郎の妻千佐都は、“水城の遺産が目当てで結婚した絶世の美女”の設定です。
映画では佐藤江梨子が演じ、なぜだか絶世の美女は取り外され、ただの”水城の遺産が目当てで結婚した若い女”の設定のようです。佐藤江梨子さん、ごめんなさい…(笑)
ちなみに、この千佐都もはずせないキーパーソンなので、要注目です!
また、他の見どころとしては、クライマックスに向けて映画監督甘粕才生の存在感が増してきます。
甘粕を演じるのは豊原悦司!物語をぐっと引き締めるようにいい味出してくれそうですね!?
まとめ
映画『ラプラスの魔女』では、広瀬すずと福士蒼太が放つ魔性の威力が、文字ではなく映像でどのように表現されるのか必見です。筆者も楽しみ!
また、その魔性と沈着冷静に対峙する櫻井翔も見ものですね。
筆者は原作小説を読んでから、映画のキャストを知りました。
広瀬すずと福士蒼太のキャスティングには、「うん、なるほど!」と小説から受ける印象とマッチしていたのですが、正直、櫻井翔には「青江が櫻井翔かぁ~」となりました。
しかし、櫻井翔といえば、「NEWS ZERO」の月曜キャスターです。
彼は大学生だった頃に、2001年のアメリカ同時多発テロ事件をきっかけに、報道の仕事に携わりたいと言ったこともあり、事件の真相究明といったことでは、キャスティングもありかなとも⁈
さて、実際はいかに!青江修介らしく見えるのかどうか。
もしくは、櫻井翔オリジナルの青江像を創り出しているのか、こうご期待です!