Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

ヒューマンドラマ映画

Entry 2018/04/09
Update

映画『ザ・スクエア 思いやりの聖域』あらすじとキャスト。公開劇場情報も

  • Writer :
  • 西川ちょり

リューベン・オストルンド監督の第70回カンヌ映画祭パルムドール賞受賞作品。

映画『ザ・スクエア 思いやりの聖域』が4月28(土)日より、ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ、立川シネマシティ他にて全国ロードショー

“あなたの心が、ためされる” あなたはもう、ただの観客ではいられない⁈

映画『ザ・スクエア 思いやりの聖域』の作品情報


(C)2017 Plattform Prodtion AB / Societe Parisienne de Production / Essential Filmproduktion GmbH / Coproduction Office ApS

【公開】
2018年(スウェーデン・ドイツ・フランス・デンマーク合作映画)

【原題】
The Square

【監督】
リューベン・オストルンド

【キャスト】
クレス・バング、エリザベス・モス、ドミニク・ウェスト、テリー・ノタリー

【作品概要】
スウェーデンのリューベン・オストルンド監督が、第70回カンヌ国際映画祭(2017)で最高賞のパルムドールを受賞した話題作。

現代美術のキュレーターとして成功を収めた男性が思わぬトラブルに見舞われる様子を痛烈な笑いを込めて描き、他者への欺瞞、階層間の断絶、人間の本質といった現代社会の問題を浮き彫りにする。

クレス・バング(クリスティアン役)のプロフィール


(C)2017 Plattform Prodtion AB / Societe Parisienne de Production / Essential Filmproduktion GmbH / Coproduction Office ApS

1967年6月28日デンマーク、オーデンセ生まれ。

コペンハーゲン国立舞台学校を1996年に卒業した後、主にデンマークの舞台やテレビで活躍。

ヤン・ギィユーの自叙伝『エリックの青春』を原作にした一人芝居『Evil』では、2015年のロンドン、セント・ジェームズ・シアターでのバージョンを含め、300回以上の上演をこなしました。

スクリーン・デビューは1998年。2006年の、美容クリニックのオーナーとトランスジェンダーの女性との関係を描いた『A SOAP』(未)での演技で国際的に知られるようになります。

本作『ザ・スクエア 思いやりの聖域』で、有名美術館のキュレーター・クリスティアンを演じ、ブレイク。

大ヒット作『ドラゴン・タトゥーの女』の続編に出演が決定しています。

エリザベス・モス(アン役)のプロフィール


(C)2017 Plattform Prodtion AB / Societe Parisienne de Production / Essential Filmproduktion GmbH / Coproduction Office ApS

1982年7月24日、米カリフォルニア州ロスアンゼルス生まれ。

幼い頃からテレビドラマやCMで活躍。NBCのヒットドラマ『ザ・ホワイトハウス』(1999-2006)では、合衆国大統領の末娘ゾーイ・バートレット役を演じ、人気を博しました。

また2007年にスタートしたテレビドラマ『マッドメン』では、広告会社で出世していく女性ペギー・オルセン役を演じ、ゴールデングローブ賞、エミー賞を始め、多くの賞にノミネートされ、全米映画俳優組合賞テレビドラマ部門アンサンブル演技賞を受賞しました。

映画出演は、1999年に『17歳のカルテ』でウィノナ・ライダー、アンジェリーナ・ジョリーらと共演。

その他、『噂のモーガン夫妻』(2009/マーク・ローレンス監督)、『オン・ザ・ロード』(2012/ウォルター・サレス監督)、『ニュースの真相』(2015/ジェームズ・バンダービルト監督)、『ハイ・ライズ』(2015/ベン・ウィートリー監督)などに出演しています。

2017年にスタートしたドラマ『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』は、女性が”侍女”と呼ばれ過酷な運命を強制される近未来のディストピアを描き、主役の「オブフレッド」を演じました。

シーズン1は高く評価され、数々の賞を受賞。ケイト・モスも、プライムタイム・エミー賞、ゴールデングローブ賞で主演女優賞を受賞しています。

リューベン・オストルンド監督のプロフィール

1974年4月13日、スウェーデン西海岸のスティルソ島生まれ。

熱心なスキーヤーであるオストルンドはスキーを題材に3つの短編映画を監督しています。

2004年に長編デビュー作『Gitarrmongot』(未) を発表。モスクワのフィプレシ賞を受賞しました。

2008年に発表した長編2作目の『インボランタリー』(2008・未)は、カンヌ国際映画祭の「ある視点部門」でプレミア上映され、国際的にその名を知られるようになります。

その2年後、短編映画『INCIDENT BY A BANK(原題)』(2010)がベルリン国際映画祭の短編部門の金熊賞を受賞します。

長編3作目の『プレイ』はヨーテボリで実際に起きた少年犯罪事件を題材にし、カンヌ国際映画祭の監督週間でプレミア上映され、‘Coup de Coeur’賞を受賞しました。同作はその後も数々の名誉ある賞を受賞しています。

長編4作目の『フレンチアルプスで起きたこと』はカンヌ国際映画祭のある視点部門でプレミア上映され、審査員賞を受賞。数々の映画祭に出品され、多くの賞を受賞しています。

日本でも公開され、登場人物たちが経験する出来事が他人事でなく、観るものの心を動揺させる作品と話題になりました。

最新作『ザ・スクエア 思いやりの聖域』 は、カンヌのコンペティション部門に出品され、最高賞のパルムドールに輝きました。

4作全てがカンヌ映画祭で上映され、世界的にも“北欧の若き巨匠”と賞賛されています。

映画『ザ・スクエア 思いやりの聖域』のあらすじ


(C)2017 Plattform Prodtion AB / Societe Parisienne de Production / Essential Filmproduktion GmbH / Coproduction Office ApS

クリスティアンは現代美術館のキュレーターです。

洗練されたファッションに身を包み、電気自動車に乗り、慈善活動を支援する、そんな彼の姿に、周囲は尊敬の眼差しを向けていました。

バツイチとはいえ、2人の愛すべき娘に恵まれ、生活も順風満帆です。

彼は、次に手がける展示「ザ・スクエア」について、その中では「すべての人が平等の権利を持ち、公平に扱われる」という他人への思いやりをテーマにした参加型アートだと発表します。

現代社会に蔓延るエゴイズムや貧富の格差に一石を投じようというわけです。しかし、ある日、人助けをした際、彼は携帯と財布を盗まれてしまいます。

GPS機能を使うと、犯人の住んでいる地域がわかりました。

全戸に脅迫めいたビラを配って犯人を炙り出そうと試みた結果、数日後に盗まれた物は手元に戻ってきましたが、これが後々、彼を予想外の状況に陥らせることに…。

一方、PR会社は、「ザ・スクエア」について、作品のコンセプトと真逆のメッセージを流すというプロモーションを提案してきました。故意に炎上させて、情報を拡散させ話題を呼ぼうというのです。

その目論見は見事に成功しますが、世間の怒りはクリスティアンの予想をはるかに超えたものでした。

意に反して「ザ・スクエア」は彼の社会的地位を脅かす存在となっていきます…。

映画『ザ・スクエア 思いやりの聖域』の公開日と劇場は


(C)2017 Plattform Prodtion AB / Societe Parisienne de Production / Essential Filmproduktion GmbH / Coproduction Office ApS

【北海道地区】
北海道 シアターキノ 4月28日〜

【東北地区】
青森 シネマディクト 6月16日〜
青森 フォーラム八戸 調整中

岩手 フォーラム盛岡 調整中

宮城 フォーラム仙台 4.28

山形 フォーラム山形 調整中

福島 フォーラム福島 調整中

【関東地区】
茨城 あまや座 調整中

栃木 MOVIX宇都宮 6月22日

群馬 シネマテークたかさき 調整中

埼玉 イオンシネマ浦和美園 6月2日
埼玉 MOVIX三郷 6月22日

千葉 千葉劇場 5月5日
千葉 イオンシネマ市川妙典 6月2日

東京 ヒューマントラストシネマ有楽町 4月28日
東京 Bunkamuraル・シネマ 4月28日
東京 立川シネマシティ 4月28日

神奈川 シネマ・ジャック&ベティ 4月28日
神奈川 川崎市アートセンター  調整中

【北陸地区】
富山 J-MAX THEATER とやま 調整中
石川 シネモンド 調整中

長野 長野ロキシー 調整中
長野 東座 6月9日

静岡 シネマイーラ 調整中
静岡 静岡シネ・ギャラリー 5月26日

愛知 伏見ミリオン座 4月28日
愛知 ユナイテッド・シネマ豊橋18 4月28日

【近畿地区】
三重 進富座 6月30日

京都 京都シネマ 4月28日

大阪 シネ・リーブル梅田 4月28日
大阪 なんばパークスシネマ 4月28日

兵庫 シネ・リーブル神戸 4月28日

【山陰・四国地区】
岡山 シネマ・クレール 4月28日

広島 サロンシネマ 調整中

山口 シネマクロール 6月16日
山口 山口情報芸術センター 6月22日

徳島 ufotable CINEMA 調整中

愛媛 シネマサンシャイン大街道 6月2日

高知 ウィークエンド キネマM 4月28日

【九州・沖縄地区】
福岡 KBCシネマ 4月28日
熊本 Denkikan 調整中
大分 シネマ5 5月26日
宮崎 宮崎キネマ館 6月16日
鹿児島 天文館シネマパラダイス 調整中

沖縄 桜坂劇場 調整中

*上記の作品公開日は4月9日現在のものになります。
また調整中の劇場もあり、さらには作品の特性上、拡大上映も予測されますのでお近くの劇場をお探しの際は、必ず、公式ホームページをご覧いただきますようお願い致します。

まとめ


(C)2017 Plattform Prodtion AB / Societe Parisienne de Production / Essential Filmproduktion GmbH / Coproduction Office ApS

昨年、日本でも公開されたリューベン・オストルンド監督の『フレンチアルプスで起きたこと』は、ある出来事に巻き込まれ、決定的にすれ違ってしまう夫婦の姿が描かれていました。

それは誰にでも起こりうる、他人事ではすませないもので、観るものの心をざわつかせ、不安を呼び起こし、ラストは恐怖まで感じさせる実にユニークな作品でした。

そんな彼の新作となれば期待しないわけにはいきません。第70回カンヌ国際映画祭にてパルムドール受賞を果たした本作は、現代社会を生きる人々が抱える様々な問題を抉り出し、本当の正義とは? 生きていくことの本質とは? というテーマを、痛烈な笑いをこめて、問いかけてきます。

果たして、私たちはこの映画を他人事として見ることができるのでしょうか? 

今最も公開が待たれる作品『ザ・スクエア 思いやりの聖域』は4月28日より、ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ、立川シネマシティ他にて全国ロードショーされますます!

関連記事

ヒューマンドラマ映画

映画『プラダを着た悪魔』あらすじネタバレと感想。ラスト結末も【ファッション業界で活躍する女性を描く】

手にはコーヒーカップ、カラフルなコートを羽織り、ヒールを鳴らしてニューヨークの街を歩く。 今回取り上げるのは華やかなファッション業界で奮闘する女性を描いた映画『プラダを着た悪魔』です。 ドラマ「セック …

ヒューマンドラマ映画

映画『タミー・フェイの瞳』ネタバレあらすじ感想と結末の評価解説。ジェシカ・チャステインがテレビ伝道師の波乱万丈な人生を魅せる

映画『タミー・フェイの瞳』はディズニー+で2022年2月2日(水)から配信開始。 1970年代から80年代にかけてテレビ伝道師として一躍有名になった夫婦タミー・フェイとジム・ベイカーの波乱万丈な人生を …

ヒューマンドラマ映画

映画『泣くな赤鬼』あらすじネタバレと感想。感動する師との出会いは人生の宝

「先生、俺、また野球やりたい」。 努力は必ず報われる。 重松清の、先生と生徒の絆を描いた短編集「せんせい。」の中から「泣くな赤鬼」の1編が映画化されました。 短編集「せんせい。」の中でも特に泣けると評 …

ヒューマンドラマ映画

映画『チア男子!!』キャストの坂東晴希役は横浜流星。演技力とプロフィール紹介

映画『チア男子!!』は2019年5月10日(金)ロードショー! 『桐島、部活やめるってよ』『何者』で知られる直木賞作家・朝井リョウが、実在する男子チアリーディングングチームをモデルに書き上げた『チア男 …

ヒューマンドラマ映画

映画『ラースと、その彼女』あらすじネタバレと感想。ラスト結末も

世の中には様々な愛の形が溢れていますが、今回取り上げるのは等身大の人形と恋をした男の物語『ラースと、その彼女』です。 観終わった後幸福感でいっぱいになる、ライアン・ゴズリング主演作『ラースと、その彼女 …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学