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Entry 2018/04/03
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実話映画アイ、トーニャ|ネタバレあらすじ感想と結末の考察解説。実在のフィギュアスケート選手トーニャハーディングと“史上最大のスキャンダル”

  • Writer :
  • 村松健太郎

実話映画『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』は、5月4日(金・祝)より全国ロードショー!

今や国民的スポーツとなったフィギュアスケート。そのフィギュアスケートの歴史の中で最大級の汚点ともいえるトーニャ・ハーディングのスキャンダルと半生を完全映画化。

主演のトーニャ役には『スーサイド・スクワッド』のハーレイクインで注目を浴びたマーゴット・ロビー。またトーニャの母親役を演じ、強烈なインパクトを残したアリソン・ジャネイがアカデミー賞助演女優賞を受賞

アメリカで初めて、世界でも二人目のトリプルアクセルを飛んだトップスケーターが、ライバルスケーターを巻き込んだ“ナンシー・ケリガン襲撃事件”といかに絡み、どう転落していったのか?

1.映画『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』の作品情報


Copyright (C) 2017 AI Film Entertainment LLC. All Rights Reserved.

【公開】
2018年(アメリカ映画)

【原題】
I, Tonya

【監督】
クレイグ・ギレスピー

【キャスト】
マーゴット・ロビー、セバスチャン・スタン、アリソン・ジャネイ、ジュリアンヌ・ニコルソン、ポール・ウォルター・ハウザー、マッケンナ・グレイス、ボビー・カナベイル、ケイトリン・カーバー、ボヤナ・ノバコビッチ、アンソニー・レイノルズ

【作品概要】
2度の冬季オリンピックにフィギュアスケート選手として出場したトーニャ・ハーディングの半生を、『ラースと、その彼女』や『ミリオンダラー・アーム』で知られるクレイグ・ギレスピー監督が演出したスキャンダラスな実話の裏を描いたドラマ。

主演は『スーサイド・スクワッド」のハーレイ・クイン役で世界的にブレイク見せたマーゴット・ロビー。

2.映画『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』のキャラクター


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トーニャ・ハーディング(マーゴット・ロビー)

破天荒な人生を送ることになる女性スケーター。2度のオリンピック出場、全米チャンピオンなど輝かしい実績を誇る。

ジェフ・ギルーリー(セバスチャン・スタン)

トーニャ・ハーディングの夫。ナンシー・ケリガン襲撃を画策する。駆け落ち同然で結婚するもDVが激しく家庭崩壊になる。

ショーン(ポール・ウォルター・ハウザー)

ジェフの腐れ縁の友人。国際的な諜報員・工作員で様々なプロフェッショナルを自認するが実際には自宅に寄生するニート。

ラヴォナ・ハーディング(アリソン・ジャネイ)

トーニャに強い影響を与える実母。

ナンシー・ケリガン(ケイトリン・カーヴァー)

トーニャのライバルでエリートスケーター。かつては仲の良い友人関係でもあった。

3.映画『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』のあらすじ


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トーニャ・ハーディングとその元夫ジェフ、母のラヴォナがインタビューを受け、ナンシー・ケリガン襲撃事件とトーニャー・ハーディングの半生について語り始めます。

トーニャ・ハーディングは母親ラヴォナの命令で、半ば強制的にフィギュアスケートを学び始めます。

低所得の家庭で育った環境と、夫を取っ替え引っ替えを続けるラヴォナの素行のせいで、色眼鏡で見られ続けるトーニャ。

しかし彼女はアメリカで初めてのトリプルアクセルに挑み、20歳で見事に成功させます。

一方で15歳の時に出会ったジェフと恋に落ち、母への反抗もあって結婚にまで持ち込みます。

しかし、ジェフはDV夫だった。

母の過剰なしつけ、ジェフのDVに悩まされるトリプルアクセルを武器に、冬季オリンピックアルベールビル大会に挑むも、4位に終わりスポンサーも離れていきます。

この時、ライバルのナンシー・ケリガンは銅メダルに輝きました。

またも苦しい生活に戻ったトーニャはジェフとの関係も悪化、といって母親のもとに戻れる訳でもありませんでした。

そんな中、オリンピックの規則改正で次期冬季オリンピックは、2年後のリレハンメル大会となることが発表されます。

猛特訓で再び、かつての滑りを取り戻すトーニャ。

しかし、彼女のもとに殺害予告が届き予選会を棄権することになります。

以下、『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』ネタバレ・結末の記載がございます。『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
ジェフとその友人で自称諜報員のショーンは、この殺害予告がトーニャのライバル選手、ナンシー・ケリガンこそが予告の張本人だと言い出します。

二人は仕返しをしようと同じような予告状をナンシー・ケリガンに送ろうという計画を練ります。

ところが、計画は混乱を極め、結果、現地に派遣されたショーンの仲間たちは何を思ったか、大会直前のナンシー・ケリガンを直接襲撃するという暴挙に出ます。

結果ケリガンは欠場。

そして、その大会に出場したトーニャはオリンピックへの切符を手に入れます。

しかし、その直後に襲撃犯とトーニャにあっさり繋がり一気に彼女は疑惑の人となります。

トーニャ自身のオリンピックの出場も危ぶまれる中、何とかトーニャとナンシー・ケリガンはリレハンメルオリンピックに出場することになります。

しかし、トーニャは靴紐のトラブルで棄権することになりました。

その一方で2大会連続となるナンシー・ケリガンは、銀メダルを獲得。

大会後、トーニャに待ち受けていた裁判の判断は、一生スケートに関われないというものでした。

トーニャは自分にはスケートしかないと、涙ながらに訴えるがその願いは届くことはなかった…。

3.映画『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』の感想と評価


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事実は小説より奇なり“実話だとは思わなかった”

トーニャ役でオファーがあったマーゴット・ロビーは、自身の製作会社ラッキーチャップ・エンターテイメントで、この映画の脚本を受け取った時、彼女はそれが実話だと思いませんでした

それもそのはず、彼女が生まれたのが1990年で、トーニャ・ハーディングが出場した2つの冬季オリンピックアルベールビルとリレハンメルは1992年と1994年のこと。

今から四半世紀近く前の話。知らない人、忘れている人もいることも多いことでしょう。

当時20代前半だったトーニャ・ハーディング自身も今はもう40代後半になる。

この事件の後、スケートに一切関わることを禁じられたトーニャは、30代になるとなんとプロボクシングに挑戦。その姿は劇中にも登場しています。

現在は3度目の結婚で得た子供との母親業がメインであって、子供はまだ事件の詳細を知らないといいます。

まとめ

本作『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』で、トーニャ役を務めたマーゴット・ロビーは、アカデミー賞主演女優賞にノミネートされました。

マーゴットはこの作品の脚本が当初実話だと知らずに読み、すっかり惚れ込んで自身の製作会社で、プロデューサーとしても参加します。

DCコミックスの映画化『スーサイド・スクワッド』のハーレイクインで、一躍注目を浴びたマーゴット・ロビーにとって、新たな役柄に挑んだ渾身の一作です。

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