1976年にインスブルックオリンピック男子シングル金メダリスト、同年の世界フィギュアスケート選手権優勝を果たした彼の知られざる人生を描いたドキュメンタリー映画『The Ice King(原題)』のアップリンクの日本配給が決定しました。
不当な差別や偏見を受けながらも、決して屈することなく、男子フィギュアスケートの高みを目指した、元祖“氷上の貴公子”と呼ばれた伝説のジョン・カリー。
人を遠ざけながらも、愛に飢え、滑り、踊り続けた独りの男の物語とは?
『The Ice King』海外版予告編
CONTENTS
1.ジョン・カリーのドキュメンタリー映画『The Ice King(原題)』 とは
先に韓国の平昌(ピョンチャン)オリンピックでメダルを獲得した、羽生結弦選手や宇野昌磨選手をはじめ、日本人選手は男女ともに活躍が目覚ましいフィギュアスケート。
現地観戦ツアーやテレビでの視聴観戦する誰もが、スポーツでありながら優雅で美しい芸術性の高さに目を奪われ、魅せられる競技として日本国内でも絶大な人気を誇っています。
そのフィギアスケートの競技で、元祖“氷上の貴公子”と呼ばれたイギリス代表のジョン・カリー選手。
彼がメダリストとなったのは、1976年2月5〜13日までの競技日程で開催されたオーストリアのインスブルックオリンピックでした。
この大会よりアイスダンスは正式種目として認められ、初めて男子シングル金メダリストなりました。
そのメダリストであるジョン・カリーに焦点を当てたのが、ドキュメンタリー映画『The Ice King(原題)』です。
『The Ice King(原題)』海外版ポスター
ジョンはインスブルックオリンピックと同年の世界選手権で優勝を果たしたフィギュアスケート伝説の英国人スケーター。
「氷上のヌレエフ」と評されたジョンは、バレエのメソッドを取り入れた華麗な演技で、アイススケートをスポーツから芸術へと昇華させた逸材だと言われています。
そんなジョンの知られざる人生をあなたはご存知でしょうか。
今も忘れることがない、彼が亡くなった事実を伝えたニュースの衝撃は、とても大きかったことだけは記憶しています。
このようによく知らないジョンについての貴重な映像資料を中心に、彼の関係者へのインタビューで描き出したドキュメンタリー映画は、ジョンの活躍を知ったファンのみならず、彼の生き方に注目したい作品です。
2.ドキュメンタリー映画『The Ice King』の作品情報
【公開】
2019年(イギリス映画)
【原題】
The Ice King
*現在の日本公開に向けた邦題は未定となっています。
【監督】
ジェイムス・エルスキン
【キャスト】
ジョン・カリー、ディック・バトン、イアン・ロレッロ、ジョニー・ウィアー、ロビン・カズンズ
3.ドキュメンタリー映画『The Ice King』のあらすじ
アイススケートをスポーツから芸術へと昇華させた伝説のイギリス人スケーターのジョン・カリー。
“氷上のヌレエフ”と評されたジョンは、バレエのメソッドを演技に取り入れた華麗なステップにより、1976年に開催されたインスブルックオリンピックのフィギュアスケートに出場します。
そこで旧ソビエト連邦(現ロシア共和国)のウラジーミル・コバリョフや、カナダのトーラー・クランストンを抑えて、男子シングルで金メダルを獲得。
しかし、1987年にHIV(ヒト免疫不全ウイルス)と診断され、1991年にはエイズ発症します。
その後は自分はゲイであると LGBTであることも公表。同性愛者であることを公表したはじめてのメダリストとなりました。
とはいえ、まだ同性愛への偏見と差別意識が厳しい時代。ジョンの存在はしばしば政治的論争にまで発展しますが、彼にしかできない唯一無二の表現力に彩られた滑りで多くの人々を魅了し続けます。
それでも病魔はジョンを蝕み、1994年4月15日にエイズによる心臓発作のため、44歳の若さでこの世を去ります。
不当な扱いを受けながらも屈することなく、高みを目指したジョン。
人を遠ざけながらも愛に飢え、強く滑り、美しく踊り続けた真実は、競技者としてのジョンのみに留まらず、バレエを“男らしくない”という理由で断念せざる負えなかった少年時代の父親との軋轢の現実を描きます。
また、オリンピック選手引退後のプロに転向した際の苦悩を、自ら立ち上げたカンパニーによる世界各地での公演での姿勢で見せてもくれます。
さらには、1984年に日本に訪れた映像もあるそうです。
ジョンを知る貴重な映像資料に加え、彼を最も知る関係者たちのインタビューで、ジョン・カリーの実像を綴ります。
4.ドキュメンタリー映画『The Ice King』の海外評価コメント一覧
「英国のフィギュアスケーターの栄光が、恐れや不安を包み隠さずさらけだしたこのドキュメンタリーで讃えられている The Observer」
「スポーツと芸術を並外れた方法で開花させた男、ジョン・カリーへの賛歌! The Times」
「エキサイティングで美しい!“氷上の王”が私たちの心に再び舞う BBC London」
「人の心をつかんで離さない Time Out」
「すばらしい出来栄えだ The Financial Times」
まとめ
ジョン・カリーのフィギアスケーターとしての功績のみならず、独りの人間として生きた証を描いた作品『The Ice King(原題)』。
現在のところ、アップリンク配給による日本公開予定は2019年となっています。
正式な日程がアップリンクより公表されましたら、当サイトで詳細な日本公開日時の情報を追ってお伝えします。
今しばらくお待ちくださいね。