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Entry 2021/11/23
Update

メイキング映画 宮田バスターズ(株)大長編|あらすじ感想と評価解説。撮影現場に潜入したレポを虚実融合のノンフィクションに仕立てる|インディーズ映画発見伝25

  • Writer :
  • 菅浪瑛子

連載コラム「インディーズ映画発見伝」第25回

日本のインディペンデント映画をメインに、厳選された質の高い秀作を、Cinemarcheのシネマダイバー 菅浪瑛子が厳選する連載コラム「インディーズ映画発見伝」

コラム第25回目では、荻颯太郎監督の映画『メイキング映画「宮田バスターズ(株)-大長編-」』をご紹介いたします。

2021年11月に公開された映画『宮田バスターズ(株)-大長編-』の舞台裏を撮影したノンフィクションの映像と、この短編のために撮影したフィクションの映像が融合した新感覚の“メイキング映画”!

坂田敦哉監督の映画『宮田バスターズ(株)-大長編-』と併せて見たい短編映画になっています。

【連載コラム】『インディーズ映画発見伝』一覧はこちら

『メイキング映画「宮田バスターズ(株)-大長編-」』の作品情報

【公開】
2021年(日本映画)

【監督・脚本】
荻颯太郎

【キャスト】
〈メイキング映画〉傳浩司、山中麻里絵、合田達矢(じゃがいもタルト)、松本拓磨(じゃがいもタルト)、舵木まぐろ、大窪晶

〈本編映画〉渡部直也、大須みづほ、佐田淳、ユミコテラダンス、山本愛生、水野祐樹、吉見茉莉奈、島原大知、職業怪人カメレオール、坂田敦哉、畑村龍哉、島原大知、奥井琢登、小澤将衡、吉原七海、谷口莉子、近藤大貴、北條弘登、冨田允貞、タカデアズサ、栗原駿

【作品概要】
映画『宮田バスターズ(株)-大長編-』(2021)を密着取材していた番組ディレクターが失踪し、代わりのディレクターが派遣され、密着取材した映像には不可解な映像が映っていた……。

舞台裏を撮影したノンフィクションの映像と、不可解な映像やネット番組「スクープナンバーワン!」など今回の映画のために撮影したフィクションの映像が融合した新感覚のメイキング映画。

監督を務めたのは、『琴音ちゃんのリコーダーが吹きたくて』(2015)、『地球がこなごなになっても』(2016)の荻颯太郎監督。

映画『宮田バスターズ(株)-大長編-』(2021)の本編に登場するキャストのほか、メイキング映画だけに登場するキャストには、アマチュアお笑いコンビじゃがいもタルトの合田達矢、松本拓磨や、ミスiD2019 サバイバル賞を受賞した舵木まぐろなど。

『メイキング映画「宮田バスターズ(株)-大長編-』のあらすじ

2020年3月某日、映画『宮田バスターズ(株)-大長編-』を密着取材していた番組ディレクターが失踪。

代わりに派遣されたディレクターは映画『宮田バスターズ(株)-大長編-』に失踪の原因があるのではないかと考えています。

密着した舞台裏の映像を見ていると、不可解な映像が映り込んできます。

その映像を地上波では放送できない映像を取り上げるネット番組「スクープナンバーワン!」で取り上げることになります。

そこに映っていたのは……

『メイキング映画「宮田バスターズ(株)-大長編-』の感想と評価

本作は坂田敦哉監督の映画『宮田バスターズ(株)-大長編-』(2021)の舞台裏を映すメイキング映画であり、メイキング映画を見ながら物語が展開していくフィクションのドラマもある斬新な映画になっています。

地上波では放送できない映像を取り上げるネット番組「スクープナンバーワン!」では、アマチュアお笑いコンビじゃがいもタルトがMCを務め、宇宙生物研究家・碑文家狂三郎(大窪晶)やアイドルの舵木まぐろがリモート収録で参加しています。

リモート収録という非常にタイムリーな手法を使い、ワイプでのリアクションや電波が悪くフリーズしてしまうなどリモートならではの演出が、ドキュメンタリー映画のような雰囲気を醸し出します。

作り物とは思えない不可解な映像、密着取材していた番組ディレクターの失踪前の言動など次第にSF映画のようなテイストになっていきます。

一つの枠に収まらない斬新な映画作りは、学園SFラブストーリーである『地球がこなごなになっても』(2017)をはじめとした過去の荻颯太郎監督作品に通ずるものがあるように感じられます。

また、宇宙生物駆除を業務とする中小企業の奮闘を描いた異色のSFモンスターパニックである坂田敦哉監督の映画『宮田バスターズ(株)-大長編-』(2021)の舞台裏というノンフィクションを描いてはいますが、映画に登場する会社・宮田バスターズが本当にあるかのような作りにもなっており、完全にノンフィクションであるわけではのです。

ノンフィクションとフィクションの融合という映画の新たな可能性を見出した映画です。

まとめ


荻颯太郎監督(C)Cinema Discoveries

2021年11月に公開された映画『宮田バスターズ(株)-大長編-』の舞台裏を撮影したノンフィクションの映像と、この短編のために撮影したフィクションの映像が融合した『メイキング映画「宮田バスターズ(株)-大長編-」』。

青春映画からサスペンス映画へと移り変わっていった『琴音ちゃんのリコーダーが吹きたくて』(2015)や、学園SFラブストーリーの『地球がこなごなになっても』(2016)など、枠に当てはまらないジャンルミックスな映画を撮り続けてきた荻颯太郎監督ならではの斬新な映画になっています。

荻颯太郎Twitter

次回のインディーズ映画発見伝は…

次回の「インディーズ映画発見伝」第26回は、村田唯監督の『デゾレ』。

次回もお楽しみに!

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