何だこれは!あの少女がトンデモ映画で大暴れ!
ナチスが月から攻めてくる!予告映像を製作して公開、オンライン・コミュニティを通じ製作費を募って完成させた、全世界を熱狂させたトンデモ映画『アイアン・スカイ』(2012)を見事にヒットさせたプロデューサーたちが、新たな作品を制作。
しかも主人公はアルプスの少女ハイジ、その作品こそ『マッド・ハイジ』!
スイスの作家ヨハンナ・シュピリが著した児童文学であり、日本では誰もが知る名作テレビアニメ『アルプスの少女ハイジ』、あのハイジを主人公にした作品です。
予告編では、お馴染みの美しいスイスの大自然を背景にハイジが登場します。しかし、この後が色々とおかしな展開になります。えっ、この人がヤギ飼いのペーター少年でいいの?
何だが危ない連中が、あきれた方法で残虐行為を働いているぞ!…何でしょうか、この映画は?
全世界への配信を目指し製作したエクスプロイテーション映画、いや正しくは史上初のスイスプロイテーション映画と呼ぶべき興味がそそられる作品、『マッド・ハイジ』について紹介いたします。
スイスプロイテーション映画『マッド・ハイジ』とは?
スイスの映画プロデューサーであるヴァレンティン・グルタートが、『アイアン・スカイ』を製作したテロ・カウコマーと組んで、スイスから世界中のB級映画&ジャンル映画ファンに向けて送る『マッド・ハイジ』。
恐るべき”チーズ(?)ファシスト”政権に支配され、デストピアと化したスイス。そんな世でも世界のアイドル、アルプスの少女ハイジは”アルムおんじ”ことお爺さんに見守られて育ち、美しい自然に囲まれて慎ましくも幸せに暮らしていました。
しかし極悪非道のファシストたちの魔の手は、美しく成長したハイジの周囲にも伸びてきます。愛する人々を失ったハイジは、支配者を打倒しようと血塗れの闘いに挑みます。
原作小説からあまりに程遠い内容を持つ、このバイオレンス・コメディ映画の監督はヨハネス・ハートマン。そしてトロマ映画『悪魔の毒々モンスター 新世紀絶叫バトル』(2000)の脚本を書き、『68キル』(2019)では監督も務めた、トレント・ハーガが本作の脚本に参加しています。
主人公のハイジはアリス・ルーシー、悪の司令官役にフレディ・M・ムーラー監督作『最後通告』(1998)に出演のマックス・ルドリンガー。そして『スターシップ・トゥルーパーズ』(1997)のキャスパー・ヴァン・ディーンに、なぜかクララ役は日本とスペインのハーフで、モデルとしても活躍中のアルマル佐藤が務めます。
新たな試みで製作され全世界配信を目指す
ゴア描写がたっぷりのブラックコメディ映画を愛する世界中のB級映画好き、そして愛すべき「アルプスの少女ハイジ」をご存じの世界中の人々…つまり日本の観客はメインターゲットです!…これらの方々からの熱い視線を集める『マッド・ハイジ』。
同時に本作は映画業界関係者のみならず、新たなビジネスを模索する様々な人々からも注目を集めています。
2020年のチューリッヒ映画祭で『マッド・ハイジ』製作陣は、映画製作における新たな投資モデルを発表しました。
クラウドファンディングで製作費を調達する映画は増えていますが、本作もファンからの投資によって、製作費が完全に調達される映画の一つとされています。
そして本作品に投資した「MAD INVESTORS」=投資家たちに、全純収益から分配を受けることを可能とする、新たなシステムが構築されました。
全世界同時配信を実現することで、著作権侵害の危険性や中間業者の介在を排除する。この効率的な方法で従来の映画興行より収益性を高めます。そして投資や収益といった資金の流れを、ブロックチェーン技術でネット上に公開することで経理の透明性を確保する。
こうして製作者にとっても、「MAD INVESTORS」=本作に投資した人にも、映画を楽しむ一般ファンに対しても、従来より有益な環境を確保して映画を製作し配信する。この新たなビジネスモデルが関心を集めています。
『マッド・ハイジ』に関する運営・新着情報は公式ツイッターに紹介されています。またグッズの販売や、様々な形で本作の製作をサポートする方法も紹介されていますので、興味のある方はぜひご覧下さい。
参考:『マッド・ハイジ』の日本版公式Twitterの最新情報
映画『マッド・ハイジ』の作品情報
【公開】
2022年配信予定(スイス映画)
【原題】
MAD HEIDI
【監督】
ヨハネス・ハートマン
【出演】
アリス・ルーシー、マックス・ルドリンガー、アルマル・G・佐藤、キャスパー・ヴァン・ディーン
映画『マッド・ハイジ』のあらすじ
偏狭な排他主義を掲げる、極悪ファシスト政権に支配されデストピアと化したスイス。それでもアルプスの山々はいつものように美しかった!自然豊かな環境でアルプスの少女・ハイジ(アリス・ルーシー)は美しく成長しました。
しかしチーズ・ファシズム(?)の忠実な信奉者たちは、実に残忍で冷酷でした。不当にも危険分子とされた人々に対して、馬鹿馬鹿しくも残酷な拷問を加えるクノール司令官(マックス・ルドリンガー)とその部下たち。
愛する人を傷けられ怒りに燃えたハイジは、ついに物騒な武器を手にして立ち上がります。なぜピーターとクララ(アルマル・G・佐藤)の姿は、アニメで描かれたイメージと大きく異なるのでしょうか。そしてキャスパー・ヴァン・ディーンは、果たしてどんな役で出演するのでしょうか。
世界的児童文学、そして日本が誇るアニメ作品のイメージをブチ壊す、血みどろの死闘が始まろうとしている…。
まとめ
ブラックなユーモアと残酷描写あふれた映画『マッド・ハイジ』。ジャンル映画を愛する全ての人が、公開を今かと待ち望んでいる作品です。
原作小説も有名ですが1974年に日本で放送された、製作スタッフに宮崎駿・高畑勲が参加しているアニメ『アルプスの少女ハイジ』も、広く知られた存在です。
アニメ版の『アルプスの少女ハイジ』は、ヨーロッパ各国を中心に世界で広く放送されました。登場人物のイメージも、このアニメに登場する姿を元にして広まりました。
これらの作品を下敷きにして製作中されている『マッド・ハイジ』。なぜこの登場人物が、こんな姿で劇中に登場するのでしょうか?クララ役にアルマル佐藤が起用された背景にも、風刺と笑いに満ちた映画ならではの意味とネタが存在する模様です。
徹底した悪ふざけで描かれる本作は、洒落の判る人には楽しい作品でしょう。そして今後の映画製作・公開のあり方を考える人は、本作がチャレンジしている新たな試みに注目して下さい。
痛快な娯楽作品として、また新たな映画製作・公開の形として話題を集める映画『マッド・ハイジ』。この作品をぜひ応援したいと思った方は、ど『マッド・ハイジ』の公式HPをご覧下さい。また公式ツイッターでは関連商品についても案内しています。
B級映画ファンなら目が離せないこの作品、新たな情報が入りしだい、随時紹介させて頂きます。
映画『マッド・ハイジ』は2022年配信予定です。