Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

新作映画ニュース

Entry 2021/08/06
Update

ジョディ・フォスター映画『モーリタニアン 黒塗りの記録』9.11の真実を暴き出す!

  • Writer :
  • 大塚まき

9.11同時多発テロの首謀者の1人として拘禁された男はアメリカ合衆国を訴えます。
政府との激しい対決の果てに現れた衝撃の真実とは?

2021年2月にハリウッドで限定公開され、第78回ゴールデングローブ賞にて俳優部門2部門のノミネートを果たした話題作『THE MAURITANIAN(原題)』。


(c)2020 EROS INTERNATIONAL, PLC. ALL RIGHTS RESERVED.

この度『モーリタニアン 黒塗りの記録』という邦題で2021年10月29日よりTOHOシネマズ 日比谷ほかにて全国公開することが決定しました。

映画『モーリタニアン 黒塗りの記録』について

参考:『The Mauritanian』公式インスタグラム

本作は、キューバのグアンタナモ米軍基地に収容されていたモハメドゥ・ウルド・スラヒの手記を原作に映画化されました。

2015年、アメリカ政府による検閲で多くが黒く塗りつぶされた異例尽くしの本は、またたく間にアメリカで大ベストセラーを記録。その後、世界20か国で刊行されました。

監督を務めるのは、ドキュメンタリーに定評があり『ブラック・セプテンバー/五輪テロの真実』でアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞受賞のケヴィン・マクドナルド

出演はジョディ・フォスター、タハール・ラヒム、そしてプロデューサーとしても名を連ねるベネディクト・カンバーバッチ

このモハメドゥの著書を読んで惚れ込んだカンバーバッチが、「これは映画化すべきだ。誰が映画化権を持っているのか調べなきゃいけない」と急ぎ獲得に動きました。

また、実在の弁護士を演じたフォスターは、著書のことも彼の物語のこともオファーを受ける以前から知っており、グアンタナモや当時そこで起きたことについて多くの疑問を抱いていたと言います。

「私が生きている時代のことなのに、なぜかそうした疑問に対する答えを私は一切知らなかった。まったく何も知らないということに我ながら驚いた。私たちの誰もが9.11の出来事にものすごい衝撃を受けたために、アメリカ中に恐怖心があふれていた。そのせいで誰が抑留されているのかについては、ほとんど考えていなかったのだと思う。」

モハメドゥ本人を演じたラヒムは「初めて脚本を読んだときには泣いたよ。素晴らしいストーリーだった。彼はヒーローだ。一人の俳優として、そして一人の人間として、僕は、このストーリーは語られるべきだと思った」と語っています。

それぞれ実力派の俳優陣の演技対決で現代に問う、アメリカの闇を暴く実話です。

映画『モーリタニアン 黒塗りの記録』のポスタービジュアル


(c)2020 EROS INTERNATIONAL, PLC. ALL RIGHTS RESERVED.

この度解禁となったポスタービジュアルは、ジョディ・フォスター、カンバーバッチら役者4人の背景に、黒く塗りつぶされた文書がみられます。

日本におけるいわゆる<赤木ファイル>や加計学園文書での黒塗り文書を思い浮かべた人も少なくないでしょう。

「あれから20年…暴かれたアメリカの闇」と添えられたコピーにより、一体この黒塗りは何を意味するのか?とても不穏な雰囲気のビジュアルとなっています。

映画『モーリタニアン 黒塗りの記録』の作品情報

【日本公開】
2021年(イギリス映画)

【原作】
モハメドゥ・ウルド・スラヒ『グアンタナモ収容所 地獄からの手記』(河出書房新社刊)

【原題】
THE MAURITANIAN

【監督】
ケヴィン・マクドナルド

【キャスト】
ジョディ・フォスター、ベネディクト・カンバ―バッチ、タハール・ラヒム、シャイリーン・ウッドリー、ザッカリー・リーヴァイ

映画『モーリタニアン 黒塗りの記録』のあらすじ

2005年、弁護士のナンシー・ホランダー(ジョディ・フォスター)はアフリカのモーリタニア出身、モハメドゥ・スラヒ(タハール・ラヒム)の弁護を引き受けます。

9.11の首謀者の1人として拘束されましたが、裁判は一度も開かれていません。

キューバのグアンタナモ収容所で地獄のような投獄生活を何年も送っていました。

ナンシーは「不当な拘禁」だとしてアメリカ合衆国を訴えます。

時を同じくして、テロへの“正義の鉄槌”を望む政府から米軍に、モハメドゥを死刑判決に処せとの命が下り、スチュアート中佐(ベネディクト・カンバーバッチ)が起訴を担当します。

真相を明らかにして闘うべく、両サイドから綿密な調査が始まります。

モハメドゥから届く手紙による“証言”の予測不能な展開に引き込まれていくナンシー。

ところが、再三の開示請求でようやく政府から届いた機密書類には、愕然とする供述が記されていました。

まとめ

参考:『The Mauritanian』公式インスタグラム

本作で第78回ゴールデングローブ賞で助演女優賞を受賞したジョディ・フォスター、同ゴールデングローブ賞に主演男優賞でノミネートされたタハール・ラヒム、そして本作では制作に名を連ねる、ベネディクト・カンバーバッチ、海外ドラマ「ビッグ・リトル・ライズ」や映画『ダイバージェント』シリーズ、『きっと、星のせいじゃない。』のシャイリーン・ウッドリーら、実力派の俳優陣の演技にも期待が高まります。

世界同時多発テロから20年。タブー視された<アメリカの闇>が今、明かされます!

映画『モーリタニアン 黒塗りの記録』は、2021年10月29日よりTOHOシネマズ 日比谷ほかにて全国ロードショーです。




関連記事

新作映画ニュース

ミッドサマーや爆裂魔神少女が公開!東京国際ファンタスティック映画祭「シン・ファンタ」情報

あの伝説の映画祭が、14年ぶりに復活!? 1夜限りのこのフィルム・フェスティバルに参加しない手はない。 この度、今年第32回を迎える東京国際映画祭にて、全世界のジャンル映画を愛してやまないあの伝説の映 …

新作映画ニュース

香取慎吾主演『凪待ち』感想と評価。白石和彌作品からロケ地宮城に暮らす人々は何を感じとったのか?

映画『凪待ち』は2019年6月28日(金)より、TOHOシネマズ日比谷を皮切りに全国ロードショー公開! 監督・白石和彌。俳優・香取慎吾。両雄が初のタッグを組んだ映画にして、震災後の宮城県石巻市を舞台に …

新作映画ニュース

映画『Diner ダイナー』キャストのブロ役は武田真治。演技力の評価とプロフィール

店主も客も、全員殺し屋の<ダイナー(食堂)>を舞台に繰り広げられる衝撃のサスペンス映画『Diner ダイナー』が2019年7月5日に公開されます。 原作は平山夢明による人気小説。第28回日本冒険小説教 …

新作映画ニュース

映画『私は確信する』あらすじ/キャスト/公開日/上映館。実話の未解決事件が基の裁判サスペンス!

口コミで広がり40万人動員の大ヒット裁判サスペンス。 ヒッチコック狂の“完全犯罪”と物議を醸した未解決事件を映画化。 フランス全土で議論を巻き起こした話題のサスペンス裁判劇がいよいよ日本公開します。 …

新作映画ニュース

映画『燃えよ剣』キャストの鈴木亮平は近藤勇役!演技力の評価とプロフィール

映画『燃えよ剣』は2021年10月15日(金)に全国公開 国民的作家・司馬遼太郎による伝説の幕末小説『燃えよ剣』が実写映画化。 『関ヶ原』(2017)の原田眞人監督と岡田准一が再タッグを組み、柴咲コウ …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学
S