実写映画『モータルコンバット』ゲーム版の紹介も踏まえてご紹介
世界的な人気を誇る格闘ゲーム「モータルコンバット」。
独特の世界観が、熱狂的なファンを多く生み出している格闘ゲームの、1995年版に続く実写作品となった映画『モータルコンバット』。
人間と魔界の覇権をかけた、壮絶な戦いを描いた本作は、真田広之と浅野忠信が、メインの役どころで出演している点でも注目です。
今回は、ゲーム版の紹介も踏まえながら、本作の魅力をご紹介します。
CONTENTS
映画『モータルコンバット』の作品情報
【日本公開】
2021年公開(アメリカ映画)
【原題】
Mortal Kombat
【監督】
サイモン・マッコイド
【製作】
ジェームズ・ワン、トッド・ガーナー、サイモン・マッコイド、E・ベネット・ウォルシュ
【脚本】
グレッグ・ルッソ、デイブ・キャラハム
【キャスト】
ルイス・タン、ジェシカ・マクナミー、ジョシュ・ローソン、浅野忠信、メカッド・ブルックス、ルディ・リン、チン・ハン、ジョー・タスリム、真田広之、マックス・ファン、シシィ・ストリンガー、マチルダ・キンバー、ローラ・ブレント
【作品概要】
人気格闘ゲームを『ワイルド・スピード SKY MISSION』(2015)、『アクアマン』(2018)のジェームズ・ワンが製作を務め実写映画化。
人間と魔界の覇権をかけた、格闘大会に挑む戦士たちの成長を描いています。
主演のルイス・タンは、格闘家のフィリップ・タンを父に持ち、Netflixドラマ『アイアン・フィスト』(2017)で注目を集め、ファッションモデルとしても活躍しています。
共演は『MEG ザ・モンスター』(2018)のジェシカ・マクナミーに加え、真田広之や浅野忠信という、2人の日本人俳優が出演しています。
映画『モータルコンバット』のあらすじとネタバレ
1600年の日本。
妻と子供と幸せな生活を送っている、白井流の忍者ハサシ・ハンゾウ。
ですが、ハンゾウが家を留守にした、一瞬の隙をつかれ、氷を操る能力を持った殺し屋、ビ・ハンがハンゾウの家族を襲撃します。
ハンゾウの妻は、産まれて間もない赤ん坊を床下に隠し逃げようとしますが、ビ・ハンに氷漬けにされてしまいます。
妻の悲鳴を聞いて駆け付けたハンゾウは、氷漬けにされた妻の姿を見て怒り、ビ・ハンの部下を次々に倒していきます。
そしてハンゾウは、ビ・ハンとの一騎打ちに挑みますが、ビ・ハンの氷を操る能力に歯が立たず、心臓に刀を刺され絶命します。
薄れゆく意識の中、妻が床下に隠した赤ん坊の泣き声を聞き、ハンゾウは赤ん坊の所へ行こうとしますが、途中で力尽きてしまいます。
ハンゾウの腕には、ドラゴンの形をした紋章が刻まれていましたが、ハンゾウの死と共に紋章は消え、ハンゾウの体も炎に焼かれるようにして消滅します。
ハンゾウが消えた直後、雷を操る雷神である、ライデンが現れ、残された赤ん坊を助け出します。
それから数世紀の年月が経過しました。
胸にドラゴンの紋章を持つ格闘家のコール・ヤング。
コールは、格闘家として結果が出せず、対戦相手探しにも苦労している状態です。
この日も、何とか見つかった相手と試合をしますが、娘のエミリーが見ている前で惨敗します。
控室で落ち込んでいたコールに、ジャックスと名乗る男が話しかけてきます。
ジャックスは、コールの胸に刻まれたドラゴンの紋章について聞きますが、コールは「生まれつきだ」と素っ気なく答え、控室を出ます。
コールは、途中で合流した妻のアリソンと共に買い物に出かけます。
街は季節外れの雪が降っており、コールが不振に感じていると、目の前にマスク姿の男が現れます。
それは、魔界に仕え「サブ・ゼロ」と名を変えた、ビ・ハンでした。
映画『モータルコンバット』感想と評価
1992年に誕生して以降、根強い人気を持つ格闘ゲーム「モータルコンバット」を、最新の技術で映像化した映画『モータルコンバット』。
『モータルコンバット』の映画化は、これが初めてではなく、1995年に一度映画化されており、「バイオハザード」シリーズで有名な、ポール・W・S・アンダーソンの出世作として知られています。
今回の『モータルコンバット』は、1995年版のリブート企画です。
世の中に格闘ゲームが数多くある中で、『モータルコンバット』は、日本未公開の映画も入れると3度映像化されているのですが、その人気の秘密は何処にあるのでしょうか?
今回の映画版の見どころと共に、ゲーム版についてもご紹介します。
原作は実写取り込みのグラフィックと、独特の世界観が魅力のゲーム
ゲーム版の「モータルコンバット」は、1992年当時では大変革新的な、実写取り込みのグラフィックでした。
実写取り込みのグラフィックで、戦士だけでなく、軍人や魔術師、神様や魔人が入り乱れる世界観を表現しており、とにかく、その怪しさが熱狂的なファンを生み出したゲームで「アメリカの1つのカルチャーを支えたゲーム」とも言われています。
さらに「モータルコンバット」最大の特徴が「フェイタリティ」というシステムです。
普通の格闘ゲームが、相手を倒して終わりのところを、「モータルコンバット」は容赦なくとどめをさすのですが、これが「フェイタリティ」です。
相手の体の一部を破壊したり、体を燃やし尽くすなど、「フェイタリティ」は残酷描写が多く「ゲームに年齢制限ができるキッカケとなった」とも言われています。
「フェイタリティ」というシステムは、良くも悪くも「モータルコンバット」という格闘ゲームが唯一無二となった要因でもあり、映画版でも一部の「フェイタリティ」が再現されていますね。
映画のオリジナルキャラクター、コールが戦士に目覚める物語
2021年版の映画『モータルコンバット』は、ゲーム版のファン向けに抑えるところはキッチリと抑えながら、ストーリーもかなり練られており、主人公のコールが、戦士として成長するまでが描かれています。
映画版では、ゲーム版の人気キャラクターが多数登場するのですが、その中で主役となったコールは、映画版のオリジナルキャラクターです。
なので、ゲーム版のファンも、最初はコールに関して全く知識がないのです。
格闘家として、結果が出せていないコールは、戦士としての能力にも目覚められず、作中の半分以上、何もできない状態が続きます。
ですが、修行を重ね成長していき、自分の能力に目覚めるという、少年漫画のような熱い展開の末に、戦士として覚醒します。
コールが戦士として目覚めた直後に戦う、魔界の王子ゴローは、ゲーム版では強敵として知られているのですが、コールはゴローを見事に倒し「モータルコンバット」への参加資格を得るのです。
最初は全く知らないキャラクターだったコールが、修行と戦いを重ねることで、ゲーム版のファンにも「モータルコンバット」の、新たなキャラクターとして認められる効果があるわけですね。
コールは、おそらく近いうちにゲーム版にも登場するでしょう。
メインの役どころを演じる、2人の日本人俳優が凄い
2021年版の映画『モータルコンバット』は、コールが戦士として覚醒するまでの物語ですが、もう1つ「スコーピオンVSサブ・ゼロ」という因縁の戦いも物語の主軸になっています。
スコーピオンとサブ・ゼロは人気のキャラクターで、2人の因縁はゲーム版でも軸となるエピソードです。
その、スコーピオンことハサシ・ハンゾウを演じるのは、日本人俳優の真田広之です。
物語の序盤で、ビ・ハンの部下を次々に蹴散らしていく、ハサシ・ハンゾウのアクションは、真田広之の本気を感じる、かなり迫力のある場面となっています。
また、本作ではもう1人の日本人俳優、浅野忠信が出演しているのですが、人間側の戦士を導く、ライデンと言う超重要なキャラクターを演じています。
人間を正義に導く雷神と言う、かなり難しい役を成立させた、浅野忠信の演技力は見事です。
映画『モータルコンバット』は、アメリカで興行収入ランキング第1位を記録しています。
そんな大ヒット作品に、日本人俳優がメインの役どころで出演しているというのは、本当に凄い事です。
まとめ
格闘家や軍人、魔人や神様が入り乱れる、そんな世界観を完全に再現した映画『モータルコンバット』は、オリジナルのキャラクター、コールの成長が軸になっているので、ゲーム版を知らなくても楽しめる作品になっています。
ただ、やはり「モータルコンバット」ファンを意識した小ネタも多いので、ここでいくつかご紹介させて下さい。
ラストにコールがハリウッドへ渡った理由
本作の最後で、コールは格闘家を引退して、ハリウッドに向かいます。
その後に、「ジョニー・ケイジ」というハリウッドスターの新作映画のポスターが映ります。
これは、ゲーム版の人気キャラクター「ジョニー・ケイジ」が、次回作に登場するという事を示唆した場面となっています。
ジョニー・ケイジは、ハリウッドスターで戦士と言うユニークなキャラクターで、逆に今回登場しなかったのが不思議なぐらいでしたが、次回のお楽しみという感じでしょうか。
エンドロールで流れるテーマ曲について
本編終了後、エンドロールが始まった瞬間に、テクノサウンドの、かなりカッコいい曲が流れるのですが、これは「テクノ・シンドローム」という曲です。
この曲は1995年版の映画『モータルコンバット』でもテーマ曲として使用され、ファンの間でかなり人気の高い曲です。
エンドロールに、この曲を流すというあたり、1995年版へのリスペクトを感じますね。
映画は全部で5部作?
本作は、コールが戦士に目覚めるまでの物語なので、魔界との本格的な戦いは描かれていません。
前述したジョニー・ケイジの登場など、続編を示唆する部分があり、噂によると全部で5部作になる可能性もあるようです。
1作目にあたる『モータルコンバット』は、全米で大ヒットを記録したので、かなり高い確率で続編も製作されるでしょう。
今後の展開が楽しみですね。