全世界大ヒットの「MEG ザ・モンスター」がついに日本上陸!。
1975年に公開された名作『JAWS』以来、続いているサメをモチーフにしたパニック映画の究極進化系です。
太古の巨大ザメのメガロドンが蘇り、次々に人間たちを貪り食います。
サメ映画史上最大の1億ドル超えの予算に加え、メガロドンに立ち向かうのは人類最強の男ジェイソン・ステイサムという夢の企画です。
CONTENTS
映画「MEG ザ・モンスター」の作品情報
【公開】
2018年(アメリカ映画)
【監督】
ジョン・タートルトーブ
【キャスト】
ジェイソン・ステイサム、リー・ビンビン、レイン・ウィルソン、ルビー・ローズ、ウィンストン・チャオ、クリフ・カーティス、マシ・オカ、ペイジ・ケネディ、ジェシカ・マクナミー、オラフル・ダッリ・オラフソン、ロバート・テイラー、ソフィヤ・シューラー・ツァイ
【作品概要】
未知の深海で太古から生きている史上最強の鮫メガロドンに襲われる人間たちのサバイバルを描く海洋パニック・アクション映画。
「エクスペンダブルズ」「ワイルド・スピード」シリーズなどで知られる人気アクション俳優のジェイソン・ステイサムを主演に迎え、『クールランニング』や「ナショナル・トレジャー」シリーズで手腕を振るったジョン・タートルトーブ監督が演出を担当。
B級映画の代名詞とも言われたサメ映画で史上最大級の予算で制作され、見事に王道エンタメに仕上がりました。
ステイサム以外のキャストにも、中国の大スターのリー・ビンビン、演技派で知られるレイン・ウィルソン、「HEROES/ヒーローズ」で一世を風靡したマシ・オカなど絶妙なキャスティングがされています。
映画『MEG ザ・モンスター』のあらすじとネタバレ
今から5年前、マリアナ海溝で原子力潜水艦が事故を起こしました。
潜水レスキューのプロフェッショナルのジョナス・テイラーは、乗組員の救出に向かいます。
レスキュー活動中、潜水艦に何か巨大な物がぶつかってきました。
それは潜水艦の外壁が歪むくらいのパワーを持っており、ジョナスはとっさの判断から、まだ避難しきれていない数人を残して潜水艦から離れて浮上しました。
そして現在、上海沖200マイル沖にある海洋研究所「マナ・ワン」に米国の大富豪モリスがやってきました。
彼は中国の高名な海洋学者ジャン博士の研究に、10億ドルを越える出資をしています。
施設には数人の学者やエンジニアが住み込みで働いており、そこにはジャン博士の娘で同じく海洋学者のスーインと孫娘のメイインもいました。
彼らの行っている研究は、水深1万メートルを越えるマリアナ海溝の下の未知の海域の探求。
ジャン博士の仮説では確認されているマリアナ海溝の底は、窒素の層であり、さらにその下に温帯の海域があることを予想していました。
一方で最新鋭の潜水艇兼ローバーは、マリアナ海溝のさらに下へと挑んでいました。
乗組員は学者のローリーとエンジニアのウォール、日本人研究者のトシ。
3人を乗せた潜水艇はマリアナ海溝の底にたどり着き、さらに潜行します。
ジャン博士の予想通り海底に見えたものは、大気の層で、その下には水温の高い生態系の豊富な海域が広がっていました。
そこにはまだ発見されていない生物も多数いるはずと言われ、投資は成功だったと喜ぶモリス。
しかし喜ぶのも束の間、潜水艇に巨大な何かが近寄ってきます。
潜水艇のクルーも研究所のエンジニアのDJとジャックスリも「それ」に気づきますが、対処するまもなく潜水艇は体当りされ、通信機能と浮上する機能が壊れてしまいます。
酸素がもつのは18時間。職員たちの間で救出のための緊急会議が開かれますが、海底1万1000メートルの距離の救出活動など前例がありませんでした。
ジャン博士が「あいつはどうだ?」と提案すると、研究所の医者ヘラー博士が「あいつだけはダメだ」と言います。
その人物は潜水レスキューのスペシャリストのジョナス・テイラー。彼は5年前の潜水艦事故で仲間を見捨てた責任を問われ、今は活動を辞めていました。
ヘラー博士は事故直後にジョナスの診断をしていました。ジョナスは「あの時、潜水艦の外に巨大な何かがいた!早く逃げなければ全員死んでいた!」と主張しました。
しかし、ヘラー博士は、彼が精神に異常をきたしていると診断を下し、ジョナスを責め立てて退職させていたのです。
ジャン博士は、今回の事故が5年前のジョナスの証言に酷似していると判断し、やはり彼を呼ぶことにします。タイで酒浸りの自暴自棄な生活を送っていたジョナスをジャン博士と研究所職員マックが迎えにきます。
マックは5年前の潜水艦事故でジョナスに命を救われた身でした。ジョナスは再び海に潜ることを嫌がり拒否しますが、マックは「潜水艇にはローリーもいる」と告げます。
ローリーはジョナスの元妻で事故後に離婚していました。彼は元妻の名前を出されたことから仕方なく海に潜ることを承諾します。
一方、深海の潜水艇の3人は、壊れたシステムを修復していました。トシが日本に残してきた妻のために手紙を書いてると、ウォールは「必ず生きて帰るぞ」とトシを勇気づけます。
システムが復旧し、研究所と通信が取れるようになりましたが、それと同時に潜水艇のライトが点いてしまいます。
その光に反応して先ほどの「それ」が再び襲いかかってきます。
再度体当りされたせいで、今度は酸素システムが故障。酸素の残りが6時間分程度になってしまいます。
しかも潜水艇が揺れた際にローリーの腹部にドライバーが刺さって負傷してしまいます。
スーインはジャン博士たちが戻ってくるまで待っていられないと判断し、他の職員たちが止めるのも聞かず小型潜水艇で救出に向かいます。
彼女は娘のメイインに「お友達を助けに行ってくるから待っててね」といい出発しました。
その後ジョナスたちも研究所に着きます。ヘラー博士と会い、少し険悪な雰囲気になりましたがジョナスは潜水艇に乗り込みます。
潜水艇の操縦席にはメイインが座っていました。
軽口を交わしあった後、メイインはジョナスに「ママを助けてあげて」といい研究所に戻って行きました。
ジョナスはそれを聞いて笑みを浮かべ、5年ぶりの海へ出発しました。
スーインはマリアナ海溝の下の海域まで潜り、潜水艇を発見。連結して引き上げようとしますが、彼女の潜水艇も何かに襲われてしまいます。
潜水艇を獲物と思って襲ってきた巨大イカでした。イカの足が潜水艇を締めつけガラスが割れそうになりますが、突然イカが力を失い潜水艇を離れていきます。
何かと思った瞬間、スーインの目の前をイカを咥えた巨大なサメが横切ります。そのサメは体長25メートルほどありました。
無線でスーインの証言を聞いたジョナスは「メガロドンだ」とつぶやきます。
メガロドンは恐竜の時代に海を泳いでいたクジラを食い殺すほどの巨大ザメ。すでに絶滅したと思われていましたが、未知の海域で生きていたのです。
スーインの潜水艇は機能が壊れてしまったので、ジョナスは先に浮上するように言います。スーインは仕方なく浮上。
ジョナスは、自分の潜水艇とローリーたちの潜水艇を連結して彼らを救出しようとします。
連結部分から一人一人引き上げていたジョナスですが、再びメガロドンが向かってきます。
最後尾にいたトシは自分を引き上げていたら間に合わないと判断し、ウォールのポケットに妻への手紙を突っ込むと連結部のハッチを閉め元居た潜水艇に戻ります。
そして、わざと潜水艇のライトを点滅させてメガロドンを引きつけました。
トシが遠くにいる妻に向かって「ごめんな」と呟いた直後、メガロドンに噛み付かれて潜水艇は爆発しました。
トシの自己犠牲で助かったジョナスたちは、憔悴した顔で研究所まで戻ってきました。
スーインは仲間を失った悲しみから、ジョナスを激しく責め立てます。
腹部を負傷したローリーは、集中治療室に入ります。
ジョナスが寝ている彼女を見ているとヘラー博士がやってきました。メガロドンの存在を見た彼は、5年前の事故のジョナスの証言が本当だったことを認めて謝罪しました。
ジョナスは「ローリーを頼む。それでチャラだ」と言って病室を出ていき、その後、ジョナスがシャワーを浴びて一息ついているとスーインが彼の部屋にやってきます。
彼女は先ほど彼を責めたことを謝罪し、救ってもらったことを感謝しました。
数時間後、研究所の職員とモリスは会議をしていました。
メガロドンは世紀の発見であり、さらに投資するから生きたまま捕獲すべきという主張をするモリス。
しかし、職員たちは放っておくべきという意見もあれば、メガロドンを殺すべきという意見もありバラバラで揉めていました。
ジョナスは「お前らがまた海底に潜るのは勝手だが、二度と俺に助けを求めるな」と声をあげます。
ちょうどその時、メイインは下の階にある海中が見渡せる展望室で遊んでいました。
気が付くと辺りが暗くなっています。一番大きなガラスの前に巨大な影がありました。
メイインがそれを見ているとその影は突然大きな口を開けて強化ガラスにぶつかってきます。メガロドンがマリアナ海溝を抜けて普通の海域まで出てきていたのです。
メガロドンがガラスにぶつかった振動に気がついたスーインとジョナス、そしてマックも展望室まで降りてきます。
怯えるメイインを保護し、外を見るとメガロドンが近海にいたクジラを食い殺していました。メガロドンはどこかへ泳いで行ってしまいました。
学者やエンジニアが分析した結果、ジョナスたちがマリアナ海溝から潜水艇で逃げる際に、水温の高い経路ができて、そこを通ってメガロドンがやってきたという結論を出しました。
このままメガロドンを放置するわけにはいかない一同は、船に乗ってメガロドンの後を追います。
モリスはなるべく生け捕りにしたいと考えていましたが、ジョナスはメガロドンを殺すつもりでいました。
しばらくして船で進むと、船が数隻沈められた跡がありました。
海上に船の破片に混じってヒレを切られたサメの死体が浮かんでいます。沈められたのはサメの密漁船だったようです。
その少し先にメガロドンの背びれが見えました。
ジャックスリはメガロドンの背びれに発信機をつけて位置を把握できるようにしたほうがいいと提案、そのために誰かが海中に潜って発信機を撃ち込む必要がありました。
ジョナスが志願し、体に命綱をつけて泳いでいきます。
ジョナスは何とかメガロドンに近づき背びれに発信機を付けることに成功。
しかし、ジョナスを船に引き戻す時に綱を機械で引いたため、振動でメガロドンがジョナスに気づいて追いかけてきます。
一同は船を発進させながら、ジョナスをメガロドンに食われる寸前に引き上げます。
その後、強力な毒を仕込んだ銛を撃ち込む計画が立てられ、サメに詳しいスーインがシャークケージに入って潜ります。
ウォールが魚の肉片を撒いてメガロドンが寄ってくるのを待ちます。
最初は普通のサメたちが寄ってきたのですが、突然、全部逃げ出します。
そしてケージの下からメガロドンが襲って来ると、ケージごとスーインを海中に引きずり込もうとします。
メガロドンの怪力でケージに連結していた船が傾き、ケージとつながっているクレーンまで外れそうになります。
ジョナスは咄嗟に海に飛び込みメガロドンのところまで泳いでいきます。
メガロドンはケージを噛み砕こうとしていましたが、口にスッポリ嵌っている状態でした。
スーインは食べられそうになりながらも口の中に毒の銛を撃ち込みます。
ジョナスはケージの蓋をはずして、スーインを助け出します。メガロドンは2人を追ってきますが、途中で毒が回って息絶えました。
数時間後、船の上のクレーンにメガロドンの死骸がぶら下がっています。
ウォールは、親友トシの敵を討てたので喜んで記念撮影をしていました。
スーインとジョナスは、先ほどの救出劇で急接近していい感じになっています。
スーインは前夫とは別れ、一人ででメイインを育てていました。
ウォールはメガロドンと記念撮影した際に、足を踏み外して海中に落ちてしますが、テンションが上がっているので落ちた様子をDJに撮らせたりと大ハシャギ。
そんなことをしている最中、海中から巨大な影が上がってきます。
メガロドンはもう一匹いました。ウォールはそのまま一飲みにされ、2匹目のメガロドンは甲板のメガロドンの死体にかぶりつきます。
そしてメガロドンはそのまま船に飛び乗り、その衝撃で船はひっくり返ってジョナスたちは海に投げ出されてしまいました。
映画『MEG ザ・モンスター』の感想と評価
本気のハリウッドが作った本格的サメ映画
サメ映画史上最大の100億円超えの予算をかけた本作『MEG ザ・モンスター』。
見事なまでに本格海洋パニック映画に仕上がっていました。
まず、この作品の肝であるメガロドンの造形ですが、非常にリアルです。
海中で泳ぎ回る姿はもちろんのこと、船上に吊るし上げられるメガロドンの死体のリアルさは目を見張るものがあります。
CGだけでなく昔ながらの特殊造形の技も組み合わせ、観客に「こんなの勝てるわけない」と圧倒的絶望感を与えるモンスターを作り出すことに成功しています。
実在した海の王者を再現していることもあり、最近の粗製濫造されていたB級サメ映画のように異常に知能が高かったり、陸上まで襲いかかってきたりなどの突飛な設定は一切ありません。
あくまで、物凄くデカくて動きの早いサメというシンプルな怖さを強調した演出に終始しているのも好感が持てます。
そんなモンスターを相手に、唯一「この人ならなんとかしてくれるかも」と思わせてくれるのが主人公ジョナス役のジェイソン・ステイサム。
第一線のアクションスターらしく見事な存在感と、パワフルな動きを見せてくれます。彼はかつて実際にイギリスの飛び込み代表選手だったこともあり、泳ぎやダイブの華麗さにも注目です。
それ以外のキャストも中国のトップスター女優リー・ビンビンは、相変わらずの美貌を振りまいてくれていますし、『HEROES』のマシ・オカや『SUPER!』のレイン・ウィルソンなど、映画ファンなら「あ!」と言いたくなるようなキャスティングも、やはり注目ですね。
ステイサムとビンビン以外のキャラクターは、「いかにも死にそうだけど死んで欲しくない」と思わせる人物描写もあり、物語に緊張感が生まれています。
サメ映画の名作『JAWS』との比較
サメ映画を語る上で絶対に欠かせないのは、1975年に公開された、スティーヴン・スピルバーグ監督作品『JAWS』の存在ですが、本作は偉大な金字塔である『JAWS』にリスペクトやオマージュを捧げただけでなく、挑戦的な姿勢も見せています。
本作『MEG ザ・モンスター』の構成は、➀サメを発見→➁プロだけでハントに行く→➂サメがビーチに出現して大パニックとなっています。
スピルバーグ監督の名作『JAWS』とは、➁と➂の順番が逆になっています。
『JAWS』は➁が最後に来て「今までやられっぱなしだったが反撃だぜ!」となり、パニック映画から海洋冒険映画にシフトしていきます。
しかし、『MEG ザ・モンスター』ではプロたちが「ここまでやってもダメなのか…」と絶望した上で、「さらにビーチにメガロドンが!ヤバイ!」とどんどん恐怖が拡大していきます。
やはり、最強の男ジェイソン・ステイサム主演でも観客に「今回はダメかもしれない…」と思わせるには、これくらいやらないと説得力がないのでしょう。
さらに本作は最後の最後に、サメの王メガロドンを普通のサメたちがタッグを組んでトドメを刺すというサメ映画ファンには胸熱な展開が待っています。
「メガロドンかなんだか知らねえが、今までサメ映画を引っ張ってきたのは俺たちだ!なめんなよ!」という矜持まで感じさせる熱い場面であり、映画ファンにはたまらないオマケ付なシーンではないでしょうか。
まとめ
本作『MEG ザ・モンスター』は、アメリカでも中国でも大ヒット!ステイサムファンもサメ映画ファンも大満足の快作です。
「あいつが最後の一匹とは思えない…」という方式でいくらでも続編を作れる内容ですし、そのうちパート2が来るかもしれません。
本作はIMAXやMX4Dなどで見るには最適でしょう。
まだ夏を感じたいという方や残暑がきついという方はこれを見て夏気分になりながら肝を冷やすのをオススメします。
海や自然の根源的恐怖を呼び覚まさせられた上で、それを見事に克服してくれる映画です。