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Entry 2021/05/14
Update

映画アメイジング・グレイス/アレサ・フランクリン|感想評価と内容解説。代表曲を収めた幻のライブドキュメンタリー

  • Writer :
  • 山田あゆみ

映画『アメイジング・グレイス/アレサ・フランクリン』は2021年5月28日(金)Bunkamuraル・シネマほか全国順次ロードショー予定

映画『アメイジング・グレイス/アレサ・フランクリン』は、ソウルの女王として広く知られるゴスペルシンガー、アレサ・フランクリンの幻のライブ映像をおさめたドキュメンタリーです。

子どもの頃に歌った音楽のアルバムをLAで録音することにしたアレサ。コーネル・デュプリー(ギター)、チャック・レイニー(ベース)、ケニー・ルーパー(オルガン)、パンチョ・ラモレス(パーカッション)、バーナード・パーディー(ドラム)ら豪華メンバーが参加し、サザン・カリフォルニア・コミュニティ聖歌隊をバックに迎えました。

この様子を撮影したのが、監督でもあるシドニー・ポラックです。1972年当時は技術的な問題で映像を公開できませんでしたが、49年経ったいま満を持して日本初公開となりました。

映画『アメイジング・グレイス/アレサ・フランクリン』の作品情報


2018(C)Amazing Grace Movie LLC

【日本公開】
2021年(アメリカ映画)

【監督・撮影】
シドニー・ポラック

【映画化プロデューサー】
アラン・エリオット

【キャスト】
アレサ・フランクリン、ジェームズ・クリーブランド、コーネル・デュプリー(ギター)、チャック・レイニー(ベース)、ケニー・ルーパー(オルガン)、パンチョ・ラモレス(パーカッション)、バーナード・パーディー(ドラム)、アレキサンダー・ハミルトン(聖歌隊指揮)他

【作品概要】
1971年までにアレサ・フランクリンは20枚以上のアルバムを発表し、11曲がナンバーワンシングルになりました。

翌年、アレサは子どもの頃に歌った音楽のアルバムをLAで録音。この様子をドキュメンタリー映画として撮影したのが、映画『愛と哀しみの果て』で知られ、アカデミー賞を受賞しているシドニー・ポラックです。

アルバム発売後に公開される予定だったものの、カットのはじめと終わりのカチンコがなかったために音と映像をシンクロさせることが出来ず、お蔵入りしていました。音楽史を塗り替えたと言われている幻のライブが、日本で初めてスクリーンに登場します。

本編の後半に登場するアレサの父親は、有名な説教者です。母親はアレサが10代の頃に亡くなっていますが、実力あるゴスペルシンガーでした。

アレサは、グラミー賞を20回受賞し、2015年には大統領自由勲章を受賞しています。2018年に膵臓がんで逝去していますが、今もなお世界中から愛されるシンガーのひとりです。

映画『アメイジング・グレイス/アレサ・フランクリン』のあらすじ

1972年、LA のニュー・テンプル・ミッショナリー・バプティスト教会。

アレサの素晴らしい歌声を絶賛し、収録の旨を伝えるジェームズ・クリーブランド牧師。

「これは礼拝です。神への気持ちを体で表してください。恥ずかしくてできない方はできる範囲で結構です」と話し、笑いを誘っていました。

大喝采の中迎えられたアレサ・フランクリンの、圧巻のパフォーマンスが始まります。

『ホーリー・ホリー』『いつくしみふかき友なるイエス』『ハウアイガットオーヴァー』など、次々に名曲を披露していきます。

翌日は、ゴスペル界の言わずと知れたトップシンガーの1人であるクララ・ウォードや、アレサの父親C・Lフランクリンをゲストに収録が行われます。

映画『アメイジング・グレイス/アレサ・フランクリン』感想と評価


2018(C)Amazing Grace Movie LLC

奇跡の歌声と一体感に浸る

アレサ・フランクリンの歌声のパワーに魅了される珠玉の91分間でした。

本編のほとんどがライブ映像のみで構成されており、彼女の経歴についての説明は冒頭に少しある程度です。

しかし、その歌声を聴けば何の説明もいりません。あまりにパワフルで魂のこもった歌声に鳥肌が立ち、感動で胸がいっぱいになります。

このライブを収録したアルバムが、300万枚ものセールスを記録してゴスペル・レコードの大ベストセラーになっているのは納得の事実でしょう。

アレサ・フランクリンのファンやゴスペルソング好きの人以外にも、本作は必見の一作だと言えます。

なぜなら、彼女の歌声と会場の一体感から癒しとパワーを貰えるからです。アレサのまっすぐに突き抜けるような声の伸びやかさはまるで天に届くよう。

彼女の歌声には、強い信念と人を思いやる優しくも奥深い愛情が感じられるのです。

特にライブ中盤の「アメイジング・グレイス」の歌唱シーンと、終盤にアレサが聖歌隊たちに「歌うのを手伝って」と呼びかけ、一緒に掛け合いながら歌うシーンの熱量には心が震えます。

聖歌隊の人々がアレサに向ける熱い眼差しと、すべてを包み込むような彼女の力強い歌声が重なり合ったとき、「信仰心」のもとに会場がひとつになった瞬間を目にすることができるのです。

立ち上がり、拍手や歓声を送る観客たちの表情からは、まぎれもなく興奮と感動が滲み出ていて、涙を流す人も居ました。

会場にいる誰もが垣根なくその場の幸福に酔いしれているように見えるほどです。実際にその場にいたらどれほど凄まじかっただろうかと想像させられます。

会場の一体感は、ゴスペルソングの宗教的意味合いや歴史に詳しくないひとにも感じられるのではないでしょうか。

映画館の設備で本作を鑑賞することで、この歴史的現場に参加したような感覚を味わうことができるはずです。

アレサに影響を与えたクララ・ウォードと父の登場


2018(C)Amazing Grace Movie LLC

本編中盤に、ゴスペル界のトップシンガーのひとりである、クララ・ウォードが登場します。アレサ・フランクリンの歌声に大きな影響を与えた人物です。

また、アレサの父親C・Lフランクリンがスピーチをするシーンがあります。彼女を幼いころから見守ってきた父からアレサへの言葉は、彼女の歌に対する姿勢への賛辞と愛情が込められています。

その言葉を噛みしめるように聞くアレサ。その後に「生命は永遠に」の歌唱中、顔に滲んだ汗を父親がタオルで拭いにやってくる一面を見ることができます。

そして、心を込めて丹念に歌い上げるアレサの繊細な歌声に酔いしれる父親やウォード。

また、ローリング・ストーンズのミック・ジャガーがゲストではなく参加者として会場の熱気の中体を揺らす姿を見せているのも驚きです。

音源だけでは知ることのできなかった、当時の状況を知ることができる貴重な映像だといえるでしょう。

まとめ


2018(C)Amazing Grace Movie LLC

当時は技術的な問題で映像を公開するに至りませんでしたが、49年の月日を経て今回スクリーンで観ることができるというのはとても幸運だといえるでしょう。

本作を観ると、興奮や幸福を耳と心一杯に感じ、当時の熱気を体感できるはずです。ぜひ劇場でご覧ください。

『アメイジング・グレイス/アレサ・フランクリン』は2021年5月28日(金)Bunkamuraル・シネマほか全国順次ロードショー予定。



 

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