全ての人を疑い狂ってしまう映画『ELI/イーライ』
『ELI/イーライ』は、2019年10月にNetflixで放送されたアメリカのホラー映画です。脚本はデヴィッド・チャーチリッロ、『フッテージ デス·スパイラル』(2015)のキアラン・フォイが監督を手掛けました。
主演となる息子のイーライ役は『はじまりへの旅』(2016)のチャーリー·ショットウェルが演じました。イーライの両親役には、『シャーロック·ホームズ』(2009)のケリー·ライリーと『フィフティ·シェイズ・オブ・グレイ』(2015)のマックス·マーティーニが、助演で出演しています。
本作は、自己免疫性症候群を患う幼い少年イーライが治療を受け始めてから、経験する奇異な現象を描いています。
映画『ELI/イーライ』の作品情報
Netflix 『ELI/イーライ』
【公開】
2019年(アメリカ映画)
【原題】
Eli
【監督】
キアラン・フォイ
【キャスト】
チャーリー・ショットウェル、ケリー・ライリー、マックス・マーティーニ、リリ・テイラー、セイディー・シンク、デニーン・タイラー、カティア・ゴメス、オースティン・フォックス、カイリア・ポージー、パーカー・ラヴイン
【作品概要】
この映画は、空気や小さな汚染物質に触れるだけで、アレルギー反応を起こす自己免疫疾患の少年が、ある治療施設に入ることで起きる奇怪な出来事を描いています。
『ザ·ホーンティング・オブ・ヒルハウス』(2018) 、『ジェラルドのゲーム』(2017)の制作陣までもが、披露してくれる本作は、不気味な恐怖感とミステリー感が調和してあり、興味深いホラーになっています。
映画『ELI/イーライ』のあらすじとネタバレ
Netflix 『ELI/イーライ』
11歳の少年イーライは、4年前に突然発生した汚染物質により、肌に触れるとアレルギー反応を示す免疫関連の病気を患っています。
その為、常に外部の空気を徹底的に遮断しなければ、生命を維持することが出来ません。外出する時は、全身に防護服を着るという苦しい生活を送っており、家では滅菌テントの中で生活していました。
父親のポールはそんな息子の病気を治す為に全力を尽くしていますが、経済的にも困難になってきました。
彼は、最後の手段として息子を連れて、離れた所にある治療施設を訪ねることにしました。長い旅路のため、両親とイーライは、モーテルで一夜を過ごします。
再出発する時、イーライの防護服を見た不良達にからかわれたりしながら、イーライと両親の旅は続きました。
ある木造建築にさしかかると、ブランコに乗っている少女がいました。彼女は、不思議な笑みをイーライに見せました。
そして遂に、医師の経営する古風な建物の治療施設に到着します。家族はここで一緒に暮らし、イーライを治療しようとしているのです。
治療施設は、無菌状態を維持する為、消毒室からしか出入りが出来ないようになっています。イーライから消毒室に入り、施設の中に入りました。
治療施設にいるホーン博士と看護婦が嬉しそうにイーライを迎え、続いて両親も後について入りました。
ホーン博士は3段階のウイルス遺伝子治療法を施行する計画を説明します。ホーン博士は、免疫学者になって25年目で、3年前にこの治療施設を作ったようです。
イーライはホーン博士に、これまで何人程治療を受けたかなどあれこれ聞き、皆完治したのかと尋ねます。
するとホーン博士は「イーライ、不安なことは分かっているが心配しないで。私を信じて欲しい。必ず治す」と誓います。
治療施設には、イーライにとって有菌となる場所もありましたが、そことは透明ガラスでガードしていました。
そして、この治療施設は古い家を改造してあり、お世話になる部屋では、フィルタリングシステムがある上に、綺麗な水までが出ます。
イーライは久しぶりに防護服を脱いで、両親と幸せな抱擁をします。病気のせいでシャワーも出来なかったイーライは、初めてシャワーを浴びて喜んでいます。
彼は寝床に入って横になっている途中、変な感じがした為、起き上がり、窓の方に近付きます。窓の外にいた長い蚊が飛び、イーライは窓に息を吹きかけて曇らせます。
すると、鮮明な手の跡が現れ、イーライは驚いて身を引きました。彼は恐怖に震え両親の寝室を訪れて、ローズの元で初日を過ごします。
以下、『ELI/イーライ』ネタバレ・結末の記載がございます。『ELI/イーライ』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
Netflix 『ELI/イーライ』
翌日、治療室に両親は入れず、イーライは不安な気持ちのまま、ホーン博士について行きます。
治療服に着替えさせられたイーライは、看護婦に治療内容の質問をしますが、看護婦は「質問し過ぎる男の子になりたいの?」と冷ややかに答えます。
そして、ホーン博士は、ベッドにうつ伏せになっているイーライに麻酔注射を投与し、足と頭を固定させて骨髄を手術します。
イーライは、体が焼けるような痛みを感じ、止めてほしいと訴えますが、誰もイーライの言葉に耳を傾ける人はいません。
すると、医療器具に反射した物を通じて、イーライは幽霊を目撃しました。彼は驚きと耐え難い苦しみで、気を失います。
イーライが目を覚ますと、自分のベッドの上でした。彼は起き上がって窓に近寄り、息を吹きかけます。小石が当たったような音に驚き、外を覗くと、初日に見た少女が小石を投げて彼の注意を引いていました。
イーライは階下に駆け下りて、窓ガラス越しに少女と対面します。彼女は自分をヘイリーだと紹介し、近くに住んでいると言いました。
そして、イーライは自分の趣味であるカード魔術を見せようとすると、ヘイリーは「本物の魔術を見せる」と言い、手の平に乗せた木の枝に火を点けます。
イーライは、「マッチを隠して裏向きにくっつけたのではないか」と言いますが、ヘイリーは自分で調べろと教えてくれません。そしてヘイリーは、この治療施設は何か変でぞっとすると言います。
イーライは自分の部屋へ戻る途中、少女の幽霊を目撃して逃げます。しかし、少女の幽霊はイーライを追い掛けて来て、逃げ場を失いますが、ポールが駆け付けて来ました。
両親と一緒に食事をするイーライは「ここには他の子供もいる」と話しますが、両親は信じてくれず、治療の不安からそう思うのだとなだめました。
その夜も、イーライは自分の部屋で、カーテンの中に誰かが隠れている姿を見ました。カーテンをめくりますが、誰もいません。そして窓に息を吹き込み、「ELI」と書きますが、誰もいないのに「LTE」と書き直されます。
イーライは、驚いて後ずさりし、クローゼットの鏡にぶつかりました。鏡に映った少女の幽霊が、窓の前に立っているのを発見して、更に驚きます。そうするうちに、タンスから誰かの手が出て来て、イーライを掴み、引っ張りました。
逃げようと泣き暴れるイーライに、駆け付けて来たポールが「俺の顔を見ろ」と言ました。続けて現れ「パパの言うこと聞いて」話し、落ち着かせようとするローズ。
そんなイーライの状態を、ホーン博士は薬のせいだと両親に言います。
翌日、イーライは2回目の治療を受けました。手足と頭を固定されまま、身体に注射を打たれ、イーライの全身は赤くなり、燃えるような痛みを感じます。そして、イーライの脳に注射で薬が投与されました。
その日の夜両親と食事した時に、治療のせいで更に身体が痛くなり状態も悪くなっていると訴え、「ここを出たい」と言うイーライ。
しかしポールは、ここを離れて一生病気で苦しむか、ここで治療を受けて治るか、どちらかを選択するよう迫ります。
結局、残って治療を受けることを選択したイーライは、その夜も、自分の部屋の浴室で幽霊を見ました。逃げようとしますがドアが開かず、幽霊に追われるイーライは、クローゼットの中に入って隠れます。
すると、クローゼットが壊され、床に倒されました。静かになった音でタンスを出ると、タンスのドアには、いくつもの「ELI LI LIE」という文字が書かれています。
イーライの悲鳴を聞いて、駆け付けて来た両親や博士に説明しますが、誰も信じてくれません。
そして翌日、イーライは階下でヘイリーに、この治療施設にいる幽霊について話します。以前この治療施設にいたペリーという子も幽霊を見たと言ったようで、ヘイリーは、イーライの言葉を信じてくれました。
そして、この治療施設は、何か陰謀を企てるおかしな場所だと警告します。ペリーを始め、この治療施設にいた子供達が、3段階治療法に入ると、その後の彼らの姿を見えなくなると言うのです。
それから廊下に出たイーライは、何かに引っ張られ、ガラスを見るとそこに映っている3人の幽霊が、イーライを連れて、無菌室に閉じ込めました。
外へ通じるドアが開けようとして、イーライは息が出来なくなり、全身が真っ赤になります。
幸いにも、ホーン博士が発見して、中に入ることができたイーライは、駆け付けて来た両親に、幽霊を見たと訴えます。
そして何があったのか説明しますが、ペリーという名前を知らないと言う博士に、イーライは怒りが収まらず、拳でガラスを割る乱暴な行動をします。拳からの出血ショックにより、イーライは気を失います。
Netflix 『ELI/イーライ』
翌日の朝、ローズは、ポールとホーン博士が会話する様子を目撃します。
3段階治療法に入る前に錠剤を飲ませようとするホーン博士に、ローズは「イーライが自分で飲むよう話す」と言います。ローズは、目覚めたイーライの部屋に入って、イーライをなだめて薬を飲ませます。
ローズの後ろの幽霊が残したタンスの文字を、イーライはひっくり返して見ると<317>でした。イーライは薬を飲むふりして、飲んでいませんでした。
その頃、ホーン博士は、イーライの防護服を燃やします。
イーライは、<317>は別の病棟へ繋がる扉を開く暗証番号だということを突き止めます。その日の夜に、タンスにあった<317>について、ヘイリーに話すと、ペリー達も同じことを言っていたそうです。
ホーン博士が何かを隠していると考えるようになったイーライは、「幽霊達が自分を追い払うのではなく、助けようとしているようだ」と言います。
そして夜中に、イーライは別の病棟へ繋がる扉の暗証番号に、<317>と入力すると開きました。こっそり入ると、ホーンの部屋とオフィスが出て来ます。
一方でローズはポールに、ホーン博士との会話内容を尋ねます。ポール曰く、今のイーライの受けている治療は、イーライが助かる可能性が低くとても危険なものだと言うのです。
ローズは直ぐに、イーライを連れて帰ろうとします。両親の争い声に、ホーン博士が起きます。
一方で、イーライは患者ファイルを見つけます。3人の子供は3段階治療法後に全員死んだことに、衝撃を受けます。
荷物を車に詰め込むローズを、ホーン博士は説得します。
イーライは、病棟を出てポールに事実を告げ、ここから出たいと言いますが、ポールはイーライを抱いて、注射を打ってしまいます。
そして、看護婦に治療室へ連れて行かれました。ホーン博士に説得されて戻って来たローズは、涙を零しながら見送っています。
イーライは辛うじて、看護婦から抜け出し、真実を告げる為に、ホーン博士のオフィスに駆け付けて、先程の患者ファイルを探しますが、患者ファイルは消えていました。
そして、再び逃げようとして、ホーン博士の部屋に入って、ドアを閉めます。
その部屋でイーライは、修道女の写真を見つけました。写真には、ホーン博士と看護婦がいます。そして、壁面に扉を見つけ、開けると地下室への階段があったので下りて行きました。
ところが、中に入ってみると、井戸のようなものがあり、十字架や宗教儀式に使われているようなものが見つかりました。とても怖く、そこから出ようとしますが、ホーン博士と両親が、窓格子戸を閉めてイーライを閉じ込めます。
ローズは開けてあげるようにと言いますが、ホーン博士は「ここに置くべき。この子は分かっている」と言います。
やがて気を失って、起きたイーライは、息もきちんと吸えて、正常な体の状態に気付きます。
「ママ!! パパ!! 僕、痛くない!! 呼吸出来る!!」と言うイーライの声に、ローズはポールとホーン博士を振り切って、地下室に下りて行きます。もたれて座って後ろ姿しか見えないイーライに、ローズは事実を告げます。
「嘘を付いてごめんね。元々アレルギーはなかったけど、あなたを守る為に世の中から保護しようとしたの」
何の返事もしなかったイーライは突然倒れて、驚いたローズは、窓格子戸を開けて近付きますが、イーライはローズを十字架で殴って逃げます。
イーライは、ヘイリーがいる階下の窓ガラスを、消火器で割ろうとしますが、ポールとホーン博士達に連れ戻されます。
「怖がったらダメ!! 怖がるのは大人だ!!」と叫ぶヘイリーに、ホーン博士はヘイリーを知っている様子です。
一方、地下室で気がついたローズは、十字架を手にして、取っ手の部分を抜くと短剣が出て来ました。そして、井戸を開けると、3人の子供の遺体を発見しました。
イーライは治療室で、3段階治療の為に手足を縛られます。その時、ホーン博士とローズが現れ、ホーン博士の背中に短剣で脅すローズは、イーライを救おうとします。
イーライの言葉を信じたローズは、ポールに真実を告げます。そして、短剣で脅かしながら、イーライの手足に縛ったベルトを解こうとします。
その時、ポールが協力するフリして、ローズから短剣を受け取ると、ホーン博士に渡します。そして、ローズを掴みます。
突然、悪魔追い払い儀式を始めるホーン博士は、イーライに聖水をかけながら聖書を唱えます。すると、イーライの体は赤くなり、苦痛に身もだえし、電気まで壊れてしまいます。
続いて、ホーン博士は短剣で、イーライの胸を刺そうとしますが、この時、知る由もない力によって短剣が遮られます。そして、ホーン博士自身に刀が向かいます。
イーライは、目に見えない能力で自分の手足を縛っているベルトを破り、能力で医療器具などを飛ばします。それと共に、ローズとポールも飛ばされます。
そして、逃げようとする看護婦とホーン博士を空中に飛ばし、十字架ポーズで逆さまにします。
これを止めようとするローズに、イーライは自分に何を投与したのかと聞くと、ローズは「聖水」と言います。空中に浮かんだ博士と看護婦達の体に火がつき、めらめらと燃え上がりました。
イーライは「僕の本当の父親は誰だ」とローズに聞きます。ローズは「毎日祈ってた。主は聞いてくれなかったけど悪魔が聞いてくれた」と言います。
更に「あなたは悪魔のようにならないと約束したのに、悪魔はいつも嘘をつくの」と言い加えました。
この時、正気に返ったポールが、床に落ちた短剣を取り、イーライを攻撃しようとします。ローズが「イーライ!!」と叫ぶと、イーライは振り返り、ポールを殺します。
「あなたをとても切実に望んでいたの。ママを許して」とローズは言います。
そしてイーライが治療室の外に出ると、一歩踏み出す度に床に火がつき、治療施設は炎に包まれます。治療施設の外に出ると、悪魔の顔が本来のイーライの顔に戻ります。そしてローズが後をついて来ます。
車の前では、ヘイリーが待っています。ヘイリーは、「あんたなら出来ると思った。ペリー達もあんたの異母兄弟なの」と言い、ヘイリーの目が一瞬赤くなりました。そして「パパの所まで送ってあげる」と言い、ローズに運転をさせます。
3人は車に乗って、本当の父親である悪魔の元へと向かって行きます。
映画『ELI/イーライ』の感想と評価
Netflix 『ELI/イーライ』
イーライが悪魔の子というヒント演出
治療施設に入所した初日に、ポールとローズが部屋で話をするシーンで、ポールの「俺は信仰強くてよそ見もしない」が、この映画のヒントを出しています。
つまり、子供を持たせてくれと祈ったローズは、神が聞き入れなかった為、悪魔崇拝をしたと仮定できます。それで、悪魔がローズを妊娠させたのではないでしょうか。
また、映画の中盤でベッドに座っているイーライ、そしてベッドの両側に座っている両親の姿を交差して見せてくれる場面があります。この場面を通じて、イーライの部屋と両親の部屋は、対称的な構造を持っていることが分かります。
恐ろしい程完全に対称された構造の部屋とその中にいる人物の姿は、観客に心理的な圧迫感を形成することが出来ます。同時に、彼らの部屋の様子が、また別の対称構造の建物である神殿を連想させるのです。
この神殿は、結末部に大きな役割を果たします。
エクソシスト映画で、十字架や聖水に悪魔が非常に苦しんでいるのを見ることが出来ますが、ここでのイーライがまさにそのケースのようです。
今までの治療でも、注入される注射の中身は聖水で鳥肌が立ちました。注入しても問題無ければ、悪魔ではないでしょう。
しかし、「息が出来る」と叫ぶイーライの声で、下りて来たローズを十字架で殴る場面から、イーライではなく悪魔なのです。よく見ると、イーライは逆十字架でローズを殴っています。
逆十字架は、神聖冒涜、悪魔を象徴する要素であり、ホーン博士と看護婦がイーライの念動力によって、逆十字架の形になって燃える場面でも見られます。
幽霊が見せてくれる<317>
<317>という暗証番号は、キリスト教には、”Triple Cube Number”が存在します。
“Triple Cube Number”とは、それぞれ3乗して合わせた数が再び除数になる数字。100から1000までの数の中で、これが可能な数は4個だけで、この中で<317>があるのです。
<317>の意味は、<ノアが方舟にいた時間、新しい出発>を意味します。イーライにとっては、家族の心理的虐待から解放され、人間の仮面を脱いで本当の姿を取り戻す為の過程ではないでしょうか。
暗証番号を入力しなければ入れない病棟に入ると、3段階治療法を進行する手術室が出ます。この手術室は、悪を退ける空間であり、悪を取り除いて人間に戻すという場所ではないかと推理します。
また、幽霊がイーライを連れて出入り口まで行った時と、幽霊の落書きから<317>というパスワードを探し出し、診療記録簿を探す場面で、幽霊はイーライを救出する為に「ここから出て行け」と伝えたかったと思われます。
親のエゴなのか愛なのか
Netflix 『ELI/イーライ』
幽霊がイーライに送ってきたメッセージ、そしてカルテを探す為に押した暗証番号<317>によって、イーライの免疫疾患という病気が全て親の嘘であり、ホーン博士の完治させることが出来るという言葉も嘘で、イーライの誕生も親の欲だったことがわかりました。
特に、ポールが自分の息子を何故殺そうとしているのかと不思議でしたが、実は息子ではなかったのです。それなら、何故悪魔との契約で敢えて子供を授かったのか。大人達の欲に、罪もない子供達だけが死ぬのでしょう。
ですが、その反面、ポールの中に隠れた父性愛も見つけました。自分の息子でないながらも、「愛してる」と言葉にしたこと。悪魔の子供から人間の子供として生まれ変わる可能性を信じられたのは、父親であるポールだからだったのではないでしょうか。
まとめ
Netflix 『ELI/イーライ』
よくあるホラー映画での主人公が、恐怖の存在に襲われながらも闘って行く展開とは違って、『ELI/イーライ』は主人公が実は、自分がその恐怖の存在だったという斬新な展開を繰り広げます。
本作はランニングタイムの間中、伏線を見せて何かを言おうとしています。<317>と少女ヘイリーとの会話、そして幽霊までしっかりとした緊張感を見せながら、序盤を走っていきます。
更に、ホラーとスリラー映画に合わせて、その雰囲気を上手く繋いでいく結末と反転は、想像以上に面白くて、没入感が高まりました。
恐ろしい物語を展開する過程で、誰が真実を言っているのか混乱する程ストーリー構成が面白く、豊富に盛り込まれた観客を驚かせるテクニックを披露する、見応えある映画です。