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映画『アーニャは、きっと来る』あらすじ/キャスト/日本公開日/上映館。感動の児童文学を映像化!

  • Writer :
  • 大塚まき

児童文学の傑作を映画化。
『戦火の馬』マイケル・モーパーゴ原作、後世に残したい感動作。

映画『アーニャは、きっと来る』は、1942年、当時ナチス占領下にあったフランスはピレネー山脈の麓の小さな村で起きた奇跡を描いた物語です。


(c) Goldfinch Family Films Limited 2019

この度、『戦火の馬』などで知られるイギリスを代表する児童文学作家、マイケル・モーパーゴの傑作『アーニャは、きっと来る』が、2020年11月27日(金)より新宿ピカデリーほかにて全国公開されます。

本作は11月の劇場公開に先駆け、10月31日(土)より開催される第33回東京国際映画祭にて「特別招待作品」としてジャパンプレミア上映されることも決定しました。

映画『アーニャは、きっと来る』について


(c) Goldfinch Family Films Limited 2019
ホロコーストを描いたナチス映画の多くはユダヤ人への迫害や差別を描いてきました。

ナチスの悪名高き指導者たち、片やユダヤ人を救うことで語り継がれてきたオスカー・シンドラーや杉原千畝。

しかし、第二次世界大戦時のヨーロッパではユダヤ人を救った名もなき市民も数多く存在しました。

原作者のマイケル・モーパーゴは、戦争を舞台に人間本来の姿やその本質を、市井の人々を通して問い続けてきました。

彼の代表作「戦火の馬」は、2011年にスティーブン・スピルバーグ監督によって映画化されています。

本作も原作者の思いを受け止め、従来のナチス映画とは趣の異なる、生きることの素晴らしさと希望を描いた異色の映画となりました。

原作「アーニャは、きっと来る」は日本でも出版され、主に中学生向けに推薦されています。

しかし、監督のベン・クックソンは、本作を大人まで含めたより広い客層に向けて制作し、史実に忠実な脚色を心掛けました。

暗い歴史に焦点を当てるだけではなく、羊飼いの少年の成長を雄大なピレネーの自然を背景に描き、様々な視点からアプローチした意欲作と言えます。

主役のジョー役を演じるのは、Netflixテレビドラマシリーズ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」で世界的に人気急上昇中のノア・シュナップが大抜擢。

少々気弱でどことなく頼りなさげな普通の少年が、恐怖に立ち向かう勇気を持ち、窮地を乗り越えて精神的に成長していく姿を見事に演じています。

ジョーの祖父役には、フランスで最も尊敬されている俳優の1人、ジャン・レノ

ジャン・レノ演じる祖父役のパートナーとなる変わり者の老婆役は、アカデミー賞®最優秀助演女優賞のアンジェリカ・ヒューストンがフランス農夫人そのものの好演ぶりを見せました。

ベテラン二人が、ユダヤ人の子どもたちを救わなければいけないという重責と苦悩をいぶし銀の演技で表現しています。

またジョーが慕うナチス将校役は、ドイツ人の名優、トーマス・クレッチマンが演じました。

映画『アーニャは、きっと来る』の場面写真


(c) Goldfinch Family Films Limited 2019

この度解禁された場面写真では、物語の舞台となるピレネー山脈を背景に悠然と佇むジョーの姿を始め、ユダヤ人救出に奮闘する姿や、ジョーを深い愛情で見守る祖父・アンリ役を演じたジャン・レノらと並び凛々しい表情を見せる姿が映し出されています。


(c) Goldfinch Family Films Limited 2019

さらには、そんな緊迫した状況下にありながらも、時折噛みしめる小さな幸せを感じ優しく微笑むジョーの姿を切り取ったスチールもあり、映画とノア・シュナップの魅力を存分に感じ取ることができます。

映画『アーニャは、きっと来る』の予告編

この度解禁された予告編では、第二次世界大戦さなか南フランスの小さな村にナチス・ドイツ軍がやってきたことろからはじまります。

羊飼いの少年・ジョーは、生き別れとなった娘・アーニャを待つユダヤ人のベンジャミンに出会います。

アーニャが戻ったら、他の子どもたちと山を越えてスペインへと逃げる計画を知ることに。

村人全員を巻き込んだ前代未聞の救出作戦がどのような結末を迎えるのか…はらはらさせる予告映像となりました。

映画『アーニャは、きっと来る』の作品情報


(c) Goldfinch Family Films Limited 2019

【日本公開】
2020年(イギリス・ベルギー合作映画)

【原題】
Waiting for Anya

【監督】
ベン・クックソン

【脚本】
トビー・トーレス ベン・クックソン

【キャスト】
ノア・シュナップ、トーマス・クレッチマン、フレデリック・シュミット、トーマス・レマルキス、ジャン・レノ、アンジェリカ・ヒューストン

映画『アーニャは、きっと来る』のあらすじ


(c) Goldfinch Family Films Limited 2019

1942年、ナチス占領下のフランス・ピレネー山脈の麓の小さな村に住む、13歳の少年・ジョーは、生活の大半を羊飼いとして過ごしていました。

ある日ユダヤ人・ベンジャミンと出会います。

彼は秘密裏にユダヤ人の子どもたちを安全なスペインへ逃がすという危険な計画を企てていました。

ジョーはこの計画を手伝うことになります。

かたやジョーは個人的な悲しみの感情を共有することで、ドイツ軍の下士官と親しくなっていました。

ドイツの労働収容所から帰国したジョーの父親は荒れていましたが、ジョーのユダヤ人救出作戦への関与が明らかになると協力を約束します。

村人たち一丸となって子どもたちを逃す日が迫ってくるが、ベンジャミンが待つ娘アーニャは来ません。

救出作戦は成功するのでしょうか…。

そして、アーニャは村に現れるのか…。

まとめ


(c) Goldfinch Family Films Limited 2019

原作者マイケル・モーパーゴは、この映画の舞台ピレネーの村を訪れた際、村人から、クマ狩りの話や、戦争中にユダヤ人等が国境を越えてスペインへ逃亡した実話、ドイツ軍占領時代のエピソードなどを聞いて、着想を得たそうです。

今回の映画化に際して、モーパーゴはこう言っています。この作品のテーマは、「本が出版された30年前よりも、今だからこそ重要になってきている」と。

原作者の思いを受け止め、ピレネー山脈を舞台に希望を捨てなかった人々の奇跡の物語を描いた映画をぜひ、スクリーンでご鑑賞ください。

マイケル・モーパーゴの傑作『アーニャは、きっと来る』は、2020年11月27日(金)より新宿ピカデリー他にて全国ロードショーです。

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