Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

ヒューマンドラマ映画

映画『息衝く』あらすじとキャスト一覧!木村文洋監督の作品情報は?

  • Writer :
  • シネマルコヴィッチ

映画『へばの』『愛のゆくえ(仮)』で、社会と個のあり方について鋭く問題を投げかけた 木村文洋監督。

2018年2月下旬より上映される映画『息衝く』では、日本ではタブーとなった「宗教、原発、家族」を軸に果敢に挑む渾身の問題作!

ポレポレ東中野ほか全国順次公開です。


© teamJUDAS2017

1.映画『息衝く』の作品情報


©teamJUDAS2017

【公開】
2018年(日本映画)

【監督】
木村文洋

【キャスト】
柳沢茂樹、長尾奈奈、古屋隆太、坂本容志枝、川瀬陽太、小宮孝泰、寺十吾

【作品概要】
2008年に『へばの』2012年に『愛のゆくえ(仮)』と常に社会と個のあり方に問題定義する木村文洋監督の作品。

2.映画『息衝く』のあらすじ


©teamJUDAS2017

3.11から数年後の夏を迎えた東京。政界では参議院選挙が始まろうとしていました。

日本にとって何度目なのか、そして、則夫と大和にとっては、果たして幾度目の「忙しい夏」になるか、彼らはカリスマである森山の海外への失踪後、久しぶりに大新興宗教団体「種子の会」選挙に呼び戻されます。

「原発廃炉が争点となるか」、その言葉を幹部との人質に交わしながら、活動に邁進していく大和。

一方の則夫は、幼き頃に核開発が始まった青森県六ヶ所村に妹と父親を残してきた記憶に決着をつけられず、母悦子との最後の時間を目前にしていました。

そのさなか、かつて 想いを抱いていた慈と再会しますが…。

3.映画『息衝く』の見どころ


©teamJUDAS2017

本作は、この国の抱える根本的な問題を、ある特殊な生育環境で育った3人それぞれの登場人物を通して、“この国”で個として自立し、生きる続ける実感を追い求める姿を見つめます

社会と個の関わりを問い続けてきた木村文洋監督は、3.11以後の日本の状況下で、核燃料再処理工場がある青森県六ヶ所村を舞台に、そこで生きる家族の決断を描いた2008年の作品『へばの』

「地下鉄サリン事件」のオウム真理教の幹部・平田信と逃亡を助ける女性の実在の話を基に束の間の愛の姿を描いた2012年の『愛のゆくえ(仮)』

これらの作品のように常に社会に鋭く問題を投げかけてきた木村文洋監督。

この作品でも原発、宗教、家族を軸に据え、社会で如何にして個として、生き続けることができるのかを問いかけた映画です。

まとめ


©teamJUDAS2017

チームで構成された脚本家に批評家・杉田俊介らを迎え、3年間にわたり脚本を執筆。制作は『ひかりのおと』『愛のゆくえ(仮)』『新しき民』など挑戦的な作品を連打してきた桑原広考 中植きさらがプロデューサーを務めます。

音楽は北村早樹子が担当、演奏に坂本弘道・岡田拓郎。またキャストに演劇・映像界で活躍する柳沢茂樹、長尾奈奈、古屋隆太(青年団・サンプル)、坂本容志枝(zora)、川瀬陽太、小宮孝泰、寺十吾(tsumazuki no ishi)たちが共演。

一般的な商業映画とは一線を引き、異質なあり方で作られた映画だからこそなし得た、原発や宗教という巨大なテーマにも果敢に挑みました。

今の日本映画の中にあっても野心作に注目したいですね。

映画『息衝く』は、2018年2月下旬より、ポレポレ東中野ほか全国順次公開!


©teamJUDAS2017

関連記事

ヒューマンドラマ映画

映画『予定は未定』あらすじと感想評価レビュー。磯部鉄平監督が未来に向き合う必要性を力強く描き出す

磯部鉄平監督作品が、アップリンク吉祥寺にてレイトショー公開 「大阪アジアン映画祭」インディ・フォーラム部門「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭」「Kisssh-Kissssssh映画祭」など、さまざまな …

ヒューマンドラマ映画

『ドゥーム・ジェネレーション』あらすじ感想評価。デジタルリマスター版でグレッグ・アラキ監督が贈る《史上最もクィアな異性愛映画》

映画『ドゥーム・ジェネレーション デジタルリマスター版』は2024年11月8日(金)より、渋谷ホワイトシネクイントほかにて全国順次公開! 1990年代の「ニュー・クィア・シネマ」ムーブメントを牽引した …

ヒューマンドラマ映画

映画『素敵なダイナマイトスキャンダル』あらすじとキャスト。富永監督情報も

母親が隣人の男とダイナマイトで大心中!! 数々の雑誌の創刊と発禁を繰り返した、アンダーグラウンドカルチャーを牽引した雑誌編集者末井昭が綴ったエッセイ「素敵なダイナマイトスキャンダル」をまさかの実写化! …

ヒューマンドラマ映画

【ネタバレ】スペンサー ダイアナの決意|結末感想と評価あらすじ解説。実話から“人生を変える極意”を元プリンセスから学ぶ

離婚を決めた3日間に迫る『スペンサー ダイアナの決意』 イギリスのダイアナ元皇太子妃が亡くなって25年。この『スペンサー ダイアナの決意』は、彼女がチャールズ皇太子の不倫や自由のない王室での生活などに …

ヒューマンドラマ映画

映画 『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』あらすじネタバレ感想とラスト結末のレビュー評価。漫画原作で“詞”が紡ぐ青春の物語を描く

伝わらなくてもいい。伝えたいと思ったー。 言葉がうまく話せない志乃、音痴な加代。不器用な二人の傷だらけでまぶしい日々。 押見修造の人気漫画を映画化した『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』をご紹介いたし …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学