福山リョウコの人気コミックを『植物図鑑』の三木康一郎監督が映画化。
人気モデルの中条があやみが主演で、志尊淳と小関裕太がヒロインの運命を左右する現役高校生バンドマンを熱演しています。
1.映画『覆面系ノイズ』の作品情報
【公開】
2017年(日本映画)
【原作】
福山リョウコ
【脚本・監督】
三木康一郎
【キャスト】
中条あやみ志尊淳杠、小関裕太、真野恵里菜、磯村勇斗、杉野遥亮、中島亜梨沙、渡辺大ヤナ
【作品概要】
福山リョウコの人気原作コミックを『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』で知られる三木康一郎監督が実写化した作品。
『劇場版 零ゼロ』の中条あやみが主演ニノ役を果たし、『サバイバルファミリー』の志尊淳がユズ役、『あしたになれば。』の小関裕太がモモ役で共演。
劇中で中条あゆみたちの覆面バンド“in NO hurry to shout;=イノハリ”は、実際にMAN WITH A MISSIONの書下ろし曲でメジャーデビュー。
原宿のハロウィンイベントにてパフォーマンスを披露しました。
“イノハリ”のリーダーとして作詞作曲を担当するユズ演じる志尊淳は、叔父がジャニーズアイドルに楽曲を提供していたり、祖父もCMソングなどを多数手がけた音楽一家育ちです。
2.映画『覆面系ノイズ』のキャスト
中条あやみ(ニノ)
幼馴染のユズと再会しイノハリのボーカリストに。その中で初恋の相手モモと再会。
志尊淳(ユズ)
イノハリのギタリストで作詞作曲担当。幼いころに出逢ったニノへ好意を抱き続けている。
小関裕太(モモ)
ニノの初恋の相手。高校生でありながら音楽プロデューサーとして活躍している。ニノがイノハリのボーカリストになったことで再会する。
磯村勇斗(クロ)
イノハリのドラマー。軽いキャラだがバンドへの愛は強い。
杉野遥亮(ハルヨシ)
イノハリのリーダーのベーシスト。深桜に好意を持っている。
真野恵里菜(深桜)
イノハリの初代ボーカリスト。ゆずへの好意が届かいなことからイノハリを脱退。モモプロデュースのバンドへ。
渡辺大(ヤナ)
イノハリのマネージャー。文句を言いながら面倒見がいい。
2.映画『覆面系ノイズ』のあらすじとネタバレ
高校2年生のニノこと有栖川仁乃は一度聴いたら忘れられない歌声の持ち主。
子供頃に淡い恋心抱いた幼馴染の男の子モモこと榊桃が突然姿を消して以来、感情が高ぶると叫び出してしまうためにマスクは欠かせない日々。
モモから「もしも会えなくなっても、お前の歌声を目印に会えたらいいよな」と言われたことから、今もニノは歌うことを止めずにいます。
いつか、自分の声が目印になってモモと再会できると信じて…。
そんなある日、ニノは転校先の学校で懐かしいメロディを耳にします。それは、モモがいなくなってしまった後に出会った少年ユズこと杠花奏が浜辺に書いていたメロディ。
当時、モモを失ったニノはその旋律に勇気づけられました。導かれるように音楽室に向かったニノ、ピアノを奏でていたやはりユズでした。
突然の再会に驚くユズにニノは天真爛漫な笑顔で「ユズの曲が大好き」と告げます。
実は、ユズは今注目の覆面バンド「in NO hurry to shout(通称イノハリ)」のギタリストで作詞作曲も担当していました。
喉の病気で歌うことができないユズはかつて聴いたニノの声に魅了されニノを“アリス”と名付け、ニノを想って曲を書き、演奏していたのでした。
しかし、メジャーデビュー直前にユズはスランプに陥りイノハリも解散危機に。しかしニノと再会したことでユズの中からメロディが溢れ出します。
その様子を見たイノハリのボーカルで、ユズに想いを寄せる深桜は、「ユズが心から欲しいボーカルになりたい」という願いが叶わないと悟り、イノハリから脱退してしまいます。
そんな深桜を複雑な気持ちで見つめるイノハリのベーシストのハルヨシは、「私にしなさい」と深桜に想いを告げますが、深桜は冗談としか受けと取らず、皆の想いはすれ違うばかりです。
イノハリのムードメーカーでドラムのクロもただ見守ることしかできません。
ある日ニノはモモらしき男性がプロデュースを務めるバンドの新人ボーカルオーディションを見つけ応募します。
深桜に歌い方を教えてほしいと直訴し特訓を重ね見事オーディションの最終審査に残ります。
ユズが書いたものとは知らず大好きなイノハリの楽曲「ハイスクール」を歌うニノの目の前の審査員席にいたのは想い焦がれてきたあのモモでした。
念願のモモとの再会を果たしたニノ、そんなニノにモモは思ってもいなかった冷たい態度で接します。
翌日、想いが溢れたニノはマスクを取り、突然、学校の屋上で「ハイスクール」を熱唱します。
その姿を目にしたユズ、クロ、ハルヨシはニノをスタジオに呼び出し自分たちがイノハリだと正体を明かし、ニノに深桜の後のボーカリストになってくれるよう頼みます。
新曲「カナリヤ」の譜面を渡されたニノは突然のオファーに驚きつつもモモに自分の声が届けようと歌い始めます。
メジャーデビューに向けてニノをボーカリストに迎えて再始動したイノハリは、初めてのテレビ出演で一気に人気に火がつきます。
一方、モモのプロデュースバンドはあからさまに打倒イノハリ路線で売り出してきます、しかもそのボーカルはあの深桜です。
イノハリのライブの日が近づいてきます。果たしてニノが選ぶのはユズか?モモか?決断の時が迫ります。
それはまたイノハリ自体の存続も左右することでもありました。
3.映画『覆面系ノイズ』の感想と評価
役者が歌い上げる映画
音楽映画というものがあります。音楽がメインの映画ですがミュージカルとは違います。
『ラ・ラ・ランド』と『セッション』の違いと言えば少しはわかりやすいでしょうか?
『覆面系ノイズ』では中条あやみ演じるニノが現役高校生覆面バンドin No hurry shout;(通称イノハリ)のボーカルに急遽抜擢されますが、イノハリは現実世界でメジャーデビューがすること決定しました。
この映画のように役者が歌う映画あれば、歌手が演じる映画もあります。
象徴的なものでいうと『NANA』がそうでしょう。中島美嘉、伊藤由奈が劇中で歌った楽曲は大ヒットしました。
同じ系統でいうと『カノジョは噓を愛しすぎている』の大原櫻子、『タイヨウのうた』のYUI、『君と100回目の恋』のmiwaがいます。
懐かしいところでは『スワロウテイル』のCharaもいましたね。
演技力の問題は付きまといますが、表現者ということでいうとでは歌い手が演じることは近いことなのかもしれません。
それこそ、ミュージカルは演じ手というより歌い手のフィールドのような部分もありますからね。
逆に役者が歌うという映画もありますが、歌唱というハードルが思いのほか高いもののようです。
古い映画ですが『マイ・フェア・レディ』のオードリー・ヘプバーンの歌声は丸々『サウンド・オブ・ミュージック』のジュリー・アンドリュースが吹き替えています。
それでも役者が挑んだケースはあります。
人気バンドGReeeeNの誕生秘話を描いた『キセキ―あの日のソビト―』では、主演の菅田将暉たちがグリーンボーイズ名義で陣内孝則が自身で監督した自伝的映画『ロッカーズ』では中村俊介たち劇中のロッカーズのまま陣内孝則と共にミュージックステーションにも出演しました。
『ソラニン』ではASIANKUNG-FUGENERATIONから提供を受けた楽曲「ソラニン」をギター片手に歌い上げます。
そして韓国人女優ペ・ドゥナに日本語でブルーハーツを歌わせるという冒険をしたのが『リンダリンダリンダ』。
この映画では香椎由宇がギターを担当し、前田亜季がドラムを担当しています。
歌唱と演技は別モノでスイッチの切り替えはなかなか大変なことだと思いますが、どの映画でも意外なほどにはまっています。
まとめ
中条あやみのイノハリはメジャーデビューまで決まっているということで、今後様々な音楽番組に出てくることでしょう。
ぜひ、その歌手っぷりを確かめてください。
映画『覆面系ノイズ』は、11月25日より全国ロードショー、こちらもお見逃しなく。