Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

新作映画ニュース

Entry 2020/05/22
Update

映画『ファヒム パリが見た奇跡』あらすじ/キャスト/公開日。感動の実話を基にチェスチャンピオンを目指す少年を描く

  • Writer :
  • 石井夏子

パリへ逃れた政治難民の少年がチェスチャンピオンを目指す感動の実話を映画化。

国籍・年齢を越えた師弟の絆、親子の愛、巡り合った友情とともに立ちはだかる数々の壁をその明晰な頭脳で次々と打破しながら自身の力で力強く未来を掴んでいくファヒムの姿に熱く胸を打たれる人が続出したヒューマンドラマ『Fahim』。

(C)POLO-EDDY BRIÉRE.

フランスで起きた感動の実話をもとにした本作の邦題が『ファヒム パリが見た奇跡』として、2020年8月14日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて全国公開されることが決定しました。

あわせて、シーン写真3点が解禁されました。

映画『ファヒム パリが見た奇跡』について

本作のはじまりは、政変が続くバングラデシュ。家族が反政府組織に属していたことに加え、チェスの大会で勝利を重ね続けるファヒム(アサド・アーメッド)に対する妬みが原因で、徐々にファヒムと家族は脅迫を受けるようになっていました。

自分たちの身に危険を感じた父親はまだわずか8歳だった少年・ファヒムを連れ、二人だけでパリへ国外脱出、そこでチェスのトップコーチであるシルヴァン(ジェラール・ドパルデュー)と出会います。

独特な指導をするかつての天才チェスプレーヤーでもあるシルヴァンと、天才頭脳で口達者なファヒムはぶつかり合いながらも、チェスのトーナメントを目指して信頼関係を築いていくふたり。

そんな中、移⺠局から政治難⺠としての申請を拒否されたファヒムの父親は、身の置き所が無くなり姿を消してしまい…。迫りくる強制送還のタイムリミット、その脅威から逃れるには、解決策はただ一つ、ファヒムがチェスのフランス王者になることでした。

監督を務めたのは、俳優としても活躍するピエール=フランソワ・マルタン=ラヴァル。本作を製作することになったきっかけについて彼は以下のように述べています。

「2014年2月、テレビで14歳のバングラデシュ人の少年が、彼のこれまでの人生を語った本『Un roi clandestin(密入国者の王さま)』<日本未発売>についてインタビューを受けていたのを見たのです。それまで彼のことをまったく知りませんでしたが、落ち着いた声で話すこの少年に魅了され心を揺さぶられたのです。なぜ8歳の時に急に母親から引き離され、国を出なければならなかったのか。父親と一緒に言葉も生活習慣も知らないフランスに降り立ち、その4年後に、不法滞在のホームレスであったにもかかわらず、どうやって12歳以下のチェスのフランス王者になったのか。すごい道のりです!私の映画作家としての血が体をひと巡りし、すぐにこの映画を作りたいと思ったのです」

映画『ファヒム パリが見た奇跡』のキャスト紹介

(C)POLO-EDDY BRIÉRE.

ファヒムの才能をいち早く見抜き、彼をフランス王者にするために厳しくも愛情溢れた熱心な指導に没頭するファヒムのチェスコーチ・シルヴァンを演じるのはフランスが誇る名優のジェラール・ドパルデュー(『シラノ・ド・ベル・ジュラック』)。

監督が実際の“ファヒム”の指導者であるグザヴィエ・パルマンティエに出会った際に「彼の恰幅の良さ、優しさ、激しい気性を知りまっさきに思い浮かべたのがジェラール・ドパルデューだった」と言います。

「私はおめでたい人間ですから、すぐにジェラールがぴったりだと思い、1秒たりとも断られる可能性を想像しませんでした。それでもジェラールのエージェントに脚本を送った時は多少ドキドキしましたよ。脚本は140ページあり、この⻑さがジェラールのやる気をそぐんじゃないかと怖くなったのです。でも違いました。48時間後に彼はOKの連絡をくれました」とその喜びを語りました。

チェスの天才少年ファヒムを演じたのは、これが演技初挑戦であり、彼自身も撮影が始まる約3ヶ月前にバングラデシュから政治亡命者の息子として逃れてきたというアサド・アーメッド

ある日突然父親から「いとこと一緒にでかけろ」と言われた先が映画のキャスティング現場だったと言います。

本作について「脚本の内容を聞いた時、とても感動しましたし、バングラデシュの首都ダッカで起こっているいろいろな問題を思い出しました。ファヒムの物語は僕のものではありません。でも僕が経験してもおかしくなかった」「この映画を通して、人々が移⺠の生活が簡単ではないと分かってくれることを願います」とその想いを語りました。

映画『ファヒム パリが見た奇跡』の作品情報

(C)POLO-EDDY BRIÉRE.

【日本公開】
2020年(フランス映画)

【原題】
Fahim

【監督】
ピエール=フランソワ・マルタン=ラヴァル

【キャスト】
ジェラール・ドパルデュー、アサド・アーメッド、ミザヌル ラハマン、イザベル・ナンティ

映画『ファヒム パリが見た奇跡』のあらすじ

少年ファヒムと父親は母国バングラデシュを追われ、家族を残してパリにやって来ます。

フランスに到着してすぐ、強制送還の可能性に怯えながら、亡命者として政治的保護を求める戦いが始まりました。

そんな中、チェスの才能を持つファヒムはフランス国内で最も優秀なチェスのコーチの1人、シルヴァンに出会います。

警戒心と魅力の間で揺れ動きながら、互いを知り、次第に友情を築いて行く彼ら。

チェスのフランスの国内大会が始まる一方でファヒムは強制送還の脅威にさらされます。

解決策はただ1つ。フランス王者になることでした。

まとめ

参考動画:本国版『Fahim』

政治難⺠の父親に伴われ、母親からも引き離され、わずか8歳で見ず知らずの街で生きることになったファヒム。

“チェス”という共通項を通してさまざまな人と出会い、信じ合うことでその才能が花開き、目標に向かってひたむきに生きる姿に心打たれる感動の実話をもとにした本作をぜひ劇場でご鑑賞ください。

映画『ファヒム パリが見た奇跡』は、2020年8月14日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて全国公開です。


関連記事

新作映画ニュース

『ホゾを咬む』佐伯日菜子/芸人永野ら推薦コメントと予告編が到着!瀬々敬久監督は《金魚鉢を頭から被ったような圧迫感》と称賛

映画『ホゾを咬む』は2023年12⽉2⽇(⼟)より新宿K’s cinemaほかで全国順次公開! 「後悔する」という意味のことわざ「臍(ホゾ)を噛む」からタイトルをとった映画『ホゾを咬む』。 …

新作映画ニュース

映画『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』イーブス・バーノー監督インタビュー!「天才作家もひとりの人間だった」

映画『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』は2020年11月6日より公開。 『ティファニーで朝食を』(1958)、『冷血』(1966)など多くの傑作小説を残した20世紀アメリカ文学界を代表する作家ト …

新作映画ニュース

映画『PLAY 25年分のラストシーン』あらすじ/キャスト/公開日/上映館。パリの90年代カルチャーが青春を彩る!

サン・セバスティアン国際映画祭正式出品作。 13歳から撮り続けた「僕の25年間」。 2019年のサン・セバスティアン国際映画祭に正式出品され、その斬新な試みが話題となったフランス映画『PLAY』。 ( …

新作映画ニュース

ミッドサマーや爆裂魔神少女が公開!東京国際ファンタスティック映画祭「シン・ファンタ」情報

あの伝説の映画祭が、14年ぶりに復活!? 1夜限りのこのフィルム・フェスティバルに参加しない手はない。 この度、今年第32回を迎える東京国際映画祭にて、全世界のジャンル映画を愛してやまないあの伝説の映 …

新作映画ニュース

綾野剛×杉咲花映画『楽園』あらすじとキャスト。瀬々敬久監督が吉田修一の小説を実写化

人はなぜ、罪を犯すのか? 心をえぐられる衝撃作の映像化! 『悪人』『怒り』など映像化が続くベストセラー作家・吉田修一。 その最高傑作と評される『犯罪小説集』が、『64-ロクヨン-』を大ヒットさせた名匠 …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学