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Entry 2020/02/04
Update

映画『ハニーランド永遠の谷』あらすじ。アカデミー賞ノミネート作劇場公開は2020年春!

  • Writer :
  • 松平光冬

ヨーロッパ最後の自然養蜂家の女性に密着

ギリシャの北に位置する北マケドニアで作られた驚異のドキュメンタリー

ドキュメンタリー映画『ハニーランド 永遠の谷』が2020年6月26日(金)よりアップリンク渋谷・吉祥寺他全国順次公開されます。

映画公開に先駆け、場面写真が到着しました。

映画『ハニーランド 永遠の谷』について

(C)Trice Films

本作『ハニーランド 永遠の谷』は、北マケドニア(共和国)で作られたドキュメンタリー映画です。

ギリシャの北に位置する北マケドニアは、旧ユーゴスラビア連邦の構成国の1つで、3世紀末にキリスト教が伝来して以来、文化宗教都市として古い教会が多く残る町オフリドが、世界複合遺産に登録されていることで知られます。

また、市街とともに世界遺産に登録されているオフリド湖は、ヨーロッパで最も古い湖であるとも云われています。

そうした歴史のある国の首都スコピエから20キロほど離れた谷に暮らす、ヨーロッパ最後と云われる自然養蜂家の女性が、本作のメイン被写体となります。

アカデミー賞史上初!国際映画賞・ドキュメンタリー映画賞同時2部門ノミネート

参考:『ハニーランド 永遠の谷』海外版ツイッター

本作は、そんな自然と人間とのバランスを求める養蜂家の女性の生活が、突如脅かされることへの危惧を追っていきます。

ハリウッドで2月9日開催(現地時間)の第92回アカデミー賞では、ドキュメンタリー映画賞とともに、国際映画賞(旧・外国語映画賞)の同時2部門ノミネートという快挙を達成。

そのほか、2019年のサンダンス映画祭ではグランプリを含む最多3冠や、アカデミー賞の前哨戦ともいえる全米映画批評家協会賞、ニューヨーク映画批評家協会賞最優秀ノンフィクション賞といった各国の映画祭で、30以上の賞を獲得しています。

映画『ハニーランド 永遠の谷』の作品情報


(C)Trice Films

【日本公開】
2020年(北マケドニア映画)

【原題】
Honeyland

【監督】
タマラ・コテフスカ、リュボミル・ステファノフ

【製作・編集】
アタナス・ゲオルギエヴ

映画『ハニーランド 永遠の谷』のあらすじ

(C)Trice Films

北マケドニアの首都スコピエから20キロほど離れた、電気も水道もない谷。

この地で、寝たきりの盲目の老母と暮らす、ヨーロッパ最後の自然養蜂家と呼ばれる女性がいました。

足場の確保も難しい断崖の岩肌にある蜜蜂の巣から、ハチミツを採取して暮らす彼女は、「半分は自分に、半分は蜂に」――それが持続可能な生活と自然を守るための信条としていました。

しかしある日、見知らぬ家族が突然トレーラーハウスで隣に住むようになります。

最初こそ、一家とコミュニケーションを取ろうと、彼らの子供たちと触れあう女性。

ですがそれは、これまで彼女が築いてきた繊細な生態系に変容をもたらすことになります。

本作は、貪欲と病気、破壊と再生といった彼女に流れた3年の歳月を、400時間以上の撮影を敢行し密着。

そこから生み出された、人間の、自然の、存在の崇高さと美しさに満ちた、悲しくも感動的な生き様を捉えていきます。

まとめ

参考:『ハニーランド 永遠の谷』海外版ツイッター

本作『ハニーランド 永遠の谷』は、衰退する村、高齢化に伴う後継者不足、自然体系の破壊などといった世界が抱える課題を、北マケドニアの奥地で暮らす女性を通して描いています。

貪欲、愛、家族、自然、名誉、不屈の忍耐、すべてが詰まった映画。
――ジェイミー・リー・カーティス(女優)

普段見ることのない世界をかいま見ることのできる、最高の映画だ。
――エドガー・ライト(映画監督)

すでに名だたるフィルムメーカーたちが、こぞってツイッターにて絶賛のコメントを寄せています

生活とは何か、生きるとは何かを見つめた、アカデミー賞最有力の呼び声も高い本作を、ぜひともお見逃しなく。

ドキュメンタリー映画『ハニーランド 永遠の谷』は2020年6月26日(金)よりアップリンク渋谷・吉祥寺他全国順次公開

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