『サード』、『わたしのグランパ』の東陽一監督初の密着ドキュメンタリー
映画監督にして脚本家の東陽一が、初めて自らの映画人生をカメラの前で語ります。
『サード』(1978)、『もう頰づえはつかない』(1979)、『橋のない川』(1992)、『わたしのグランパ』(2003)などで知られる、映画監督にして脚本家の東陽一。
彼の激動の映画人生を追ったドキュメンタリー映画『現在地はいづくなりや 映画監督東陽一』が、2020年2月22日(土)よりポレポレ東中野で公開されます。
映画公開に先駆け、ティザービジュアルと場面写真、および監督の小玉憲一のコメントが到着しました。
CONTENTS
映画監督・東陽一について
参考動画:映画『マノン』予告
本作は、独立プロ、 ATG、そして現在に至るまで映画を撮り続ける 映画監督、東陽一に密着。
ドキュメンタリー『沖縄列島』(1969)で長編映画デビュー作を果たした東は、初の劇映画『やさしいにっぽん人』(1971)で日本映画監督協会新人賞を受賞。
その後は、芸術選奨文部大臣賞受賞作『サード』や、『もう頰づえはつかない』、『四季・奈津子』、『マノン』(1981)、『ザ・レイプ』(1982)といった話題作を次々と発表します。
『絵の中のぼくの村』(1996)でベルリン国際映画祭銀熊賞、『わたしのグランパ』でモントリオール世界映画祭最優秀アジア映画賞を受賞するなど、海外でも高く評価されています。
最近作に、常盤貴子、池松壮亮主演の2016年製作『だれかの木琴』があります。
女優との対談や関係者の言葉からひも解く映画人生
本作は東自らが、自身が手がけてきた映画の制作過程を、カメラの前で語っていきます。
また、彼の監督作品で主演を務めた緑魔子や烏丸せつこ、常盤貴子といった女優との対談も収録。
当時の映画のバックストーリーや、東の映画に対するスタンスを語り合うという、ぜいたくな内容となっています。
そのほかに、東と同じ早稲田大学出身で、現在は同大学名誉教授にして映像作家でもある安藤紘平が、本作監督の小玉憲一と『サード』、『だれかの木琴』から見た“東陽一論”を展開。
また、作品全編を通じて流れるバッハの「シャコンヌ」は、撮影当時15歳の中学生だった新進気鋭のクラシックギタリスト、大谷恵理架が奏でます。
映画『現在地はいづくなりや 映画監督東陽一』の作品情報
【日本公開】
2020年(日本映画)
【監督・編集・キャスト】
小玉憲一
【企画・製作】
小松原時夫
【録音】
湯脇房雄
【音楽】
大谷恵理架
【キャスト】
東陽一、緑魔子、烏丸せつこ、常盤貴子、安藤紘平
映画『現在地はいづくなりや 映画監督東陽一』のあらすじ
早稲田大学文学部卒業後、映画製作の道に進んだ東陽一は、岩波映画製作所や独立プロ、ATGといったインディペンデント体制に身を置きます。
そこで、『もう頬づえはつかない』や『四季・奈津子』、『マノン』、『ザ・レイプ』など、女性の生き様を描いた作品を多数発表し、評価を高めます。
一方で、被差別部落問題を鋭く描いた『橋のない川』や、筒井康隆のジュブナイル小説が原作の『わたしのグランパ』、「エロティック・バリアフリー・ムービー」と称したバリアフリー仕様のエロス映画など、多彩なジャンルも手がける東。
フィルモグラフィは20本を超え、2019年に85歳となった東ですが、いまだ映画製作への情熱は衰えを知りません。
本作は、そんな彼の過去と現在、そして今後の映画人生を、さまざまな観点からひも解いていきます。
まとめ
本作『現在地はいづくなりや 映画監督東陽一』は、東陽一ファンならもちろんのこと、日本映画史の1ページを知る上でも、大変興味深い内容となっています。
監督の小玉憲一は、本作に関して以下のようなコメントを発表しています。
半世紀にわたり映画を撮り続けた映画監督、そのドキュメンタリーを撮るというのは、僕にとってはものすごく大きな挑戦でした。『現在地はいずくなりや 映画監督東陽一』の制作の中で、いつの間にか僕自身の現在地をも探る映画になっていました。東さんはご自身が納得できる作品にはチラチラと魍魎が映っているとおっしゃいました。この作品にも、どこかに魍魎が映り込んでいます。ひとりでも多くの人が、その魍魎に気がついてくれればと思います。
山や川、木や石などの精や、「もののけ」もしくは河童といった妖怪の総称である「魍魎」。
東が語ったという、映画に映る「魍魎」とは何なのか、本作を通してぜひともご自身の目で確かめてみてはいかがでしょうか。
ドキュメンタリー映画『現在地はいづくなりや 映画監督東陽一』は、2020年2月22日(土)よりポレポレ東中野で公開。