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映画『モンキーキング』あらすじと感想レビュー!キャストも

  • Writer :
  • 馬渕一平

スイス・ドイツで数々の映画賞を獲得し、高い評価を得ているオリバー・リース監督が放つ問題作『モンキーキング』をご紹介します。

以下、あらすじや結末が含まれる記事となりますので、まずは『モンキーキング』の作品情報をどうぞ!

1.映画『モンキーキング』の作品情報


(C)2017 by Port au Prince Film & so fucking what

【公開】
2017年(ドイツ映画)

【原題】
Affenkönig

【監督】
オリバー・リース

【キャスト】
​ハンス-ヨハン ワグナー、サミュエル・フィンジ、オリバー・コリットク、マーク・ボーズマン、ユール・ブーヴ、ヒュッテ-ミアレ・バーンゼン、ティーヤン・マライ、ヤコブ・シュミット

【作品概要】
退屈な仕事、キャリアの挫折、満たされないセックス、子ども、金銭問題…。

中年に襲いかかる“痛いリアル”と、若き日々への渇望をビターなユーモアと愛情で描くパーティー☆ムービー。

本作を監督するのは『車輪の下』や『ガラス玉演技』などで著名な作家ヘルマン・ヘッセのひ孫であるオリバー・リース。

彼のアナーキー、ワイルド、シュールな世界観は、
“No Meaning, No Message, No Purpose.”(意味無し、メッセージ無し、目的無し)。

日本では、9月23日から29日の一週間、横浜のミニシアター・シネマノヴェチェントで上映される。

2.映画『モンキーキング』のあらすじ


(C)2017 by Port au Prince Film & so fucking what

かつて“モンキーキング”と呼ばれた男から、一通のポストカードが届いた。

南仏プロヴァンスに暮らし、莫大な資産を所有するこの大富豪ウォルフィが、45歳の誕生日に、若き日の悪友たち(ヴィクトル、ラルフ、マーティン)を自身のヴィラに呼び寄せたのだ。

かくして、男たちはその招集に応じた……、妻と子どもを同伴して。

冷えたシャンパン、極上の料理、そしてセクシーなプレイメイト。

享楽のひとときは瞬く間に消え去り、昔の憎しみや険悪なムードが、彼らの間にふつふつと湧き上がってくる…。

3.映画『モンキーキング』の感想と評価


(C)2017 by Port au Prince Film & so fucking what

中年の男たち4人組が20年ぶりの再会を果たし、ドラッグにセックスにアルコールを堪能。

連想したのは『ハングオーバー』シリーズや『T2 トレインスポッティング』など。

序盤は楽しい同窓会の趣を見せながら、ある過去の事件が明かされたことで各々が抱えている現実を否応なく突きつけられます。

それぞれ家族と同時に様々な問題を抱えている年代。

それこそが中年であり、結婚もせず一人自由気ままに生きるウォルフィが羨ましく見えるのです。

しかし、何でもありに見えるウォルフィもだけは大の苦手。

足の着くプールに入っただけで不安にかられ、慌てて飛び出してしまうのです。

それは一体何の比喩なのでしょうか。

ラストに彼が取る選択も考えさせられます。

それぞれボロボロで問題ばかりの中年世代。

格好悪くても、思い通りにいかなくても、それでも夫であり父親なんです。

劇中のセリフ通りまさにゾンビ、腐っていても簡単にくたばってはいけない存在。

ブラックコメディの中に隠された哀愁が本作のいいスパイスとして効いています。

まとめ


(C)2017 by Port au Prince Film & so fucking what

家族がいない一人ぼっちのウォルフィは果たしてヴィクトル、ラルフ、マーティンのことを笑える立場でしょうか。

中年の4人と対比するかのように瑞々しいやり取りを見せる若い二人グレタとクヌート。

こっちでも一本の映画が撮れそうなくらいの甘酸っぱさが一服の清涼剤の役目を果たしています。

ドイツのコメディ映画を劇場で観られる機会なんてそうそうありません。

日本での公開はわずか一週間ばかりですので、ぜひお見逃しなきよう。

彼らはまた20年後に再会するかもしれません。

65歳になった彼らは果たしてどのような人生を歩んでいるのでしょうか。

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