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Entry 2019/11/12
Update

役所広司最新映画『オーバー・エベレスト』あらすじと感想レビュー。雪山を舞台に日中合作による超大作|TIFF2019リポート15

  • Writer :
  • 村松健太郎

第32回東京国際映画祭・特別招待作品『オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁』

2019年にて通算32回目となる東京国際映画祭。令和初となる本映画祭は2019年10月28日(月)に無事開催の日を迎え、11月5日(火)までの10日間をかけて開催されました。


(C)Cinemarche

そして本映画祭の特別招待作品としてワールド・プレミア上映されたのが、日中合作による山岳スペクタクル・エンタテインメント『オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁』。

日本を代表する名優の一人である役所広司、「レッドクリフ」シリーズで知られる名プロデューサーのテレンス・チャンがタッグを組み、世界最高峰・エベレストへ挑戦しました。

【連載コラム】『TIFF2019リポート』記事一覧はこちら

映画『オーバー・エベレスト陰謀の氷壁』の作品情報

映画『オーバー・エベレスト陰謀の氷壁』は2019年11月15日(金)より全国ロードショー公開!


(C)Mirage Ltd.

【日本公開】
2019年(日本・中国合作)

【原題】
氷峰暴 Wings Over Everest

【脚本・監督】
ユー・フェイ

【プロデューサー】
テレンス・チャン

【出演】
役所広司、チャン・ジンチュー、リン・ボーホン、ビクター・ウェブスター、ノア・ダンビー、グラハム・シールズ、ババック・ハーキー、プブツニン

【声の出演】
沢城みゆき、宮野真守、神尾佑、山野井仁、俊藤光利、高木渉、細貝光司、沖原一生

【作品概要】
『Shall We ダンス?』『うなぎ』などで知られ、日本を代表する名優・役所広司と、『M:I-2』『レッドクリフ』のプロデューサーのテレンス・チャンがタッグを組んだ日中合作の山岳スペタクル映画。

本作にて役所は「ヒマラヤの鬼」と呼ばれるヒマラヤ救助隊の隊長ジアンを熱演。

また『唐山大地震』のチャン・チンチュー、ドラマ「金田一少年の事件簿 獄門塾殺人事件」と日本作品への出演経験も持つリン・ボーホンらが出演しています。

東京国際映画祭レッドカーペットでの様子

2019年10月28日・東京国際映画祭レッドカーペットでの役所広司(写真:中央)


(C)Cinemarche

2019年10月28日に開催を迎えた第32回東京国際映画祭のレッドカーペットには、映画『オーバー・エベレスト陰謀の氷壁』にて主演を務めた役所広司をはじめ、本作を監督したユー・フェイ(写真:左)とプロデューサーのテレンス・チャン(写真:右)が登壇。

『Shall We ダンス?』『うなぎ』『三度目の殺人』『狐狼の血』など多くの代表作を持つ役所。『バベル』や『SAYURI』などの海外作品にも出演し、その演技力は国内外にて高い評価を得ています。

本作ではワイヤーアクションに初挑戦し、負傷しつつも撮影に臨み続けたという役所。2019年で63歳を迎えながらも俳優として新たな挑戦を続けるその姿には驚かされます。

そして日本を代表する名優としてのその貫禄は、レッドカーペット上での笑顔とその佇まいに深く表れていました。

映画『オーバー・エベレスト陰謀の氷壁』のあらすじ


(C)Mirage Ltd.

「ヒマラヤの鬼」と呼ばれるジアン隊長を中心に活躍するヒマラヤ救助隊「チーム・ウィングス」のもとに極秘の仕事が舞い込みます。

間もなく開催される、ヒマラヤ地域の平和のためのヒマラヤ公約を締結する会議。その会議にまつわる極秘資料を乗せた飛行機が、標高8000メートルの地域・通称「デスゾーン」に墜落したのです。

公約締結のためには欠くことのできない書類の回収のため、チーム・ウィングスは危険な任務に向かいます。

チームの中には、遭難した恋人の亡骸を探す女性クライマーのシャオタイズも加わっていました。ジアン隊長は彼女に今は亡き娘の姿を重ね、複雑な思いを募らせます。

依頼人のホーク兄弟とともに、デスゾーンに向かって飛び立ったチーム・ウィングス。一方で、地上に残った人間たちは依頼の真相とそこに潜む陰謀に迫っていきます…。

映画『オーバー・エベレスト陰謀の氷壁』の感想と評価


(C)Mirage Ltd.

アジア、特に中国語圏では、映画市場が驚異的な拡大を続けていったことも影響し、大作志向が強くなっています。

この『オーバー・エベレスト陰謀の氷壁』も、そのような大作志向によって生まれた「大作映画」の一本と言っていいでしょう。

ただ、本作のプロデューサー自体はジョン・ウー監督の『フェイス・オフ』や『M:I-2』、「レッドクリフ」シリーズなどを成功させた大物テレンス・チャンではあるのですが、監督のユー・フェイはこの映画が初監督作品だというのが驚きです。

ユー・フェイ監督はエクストリームスポーツに精通し、なんと南極・北極も踏破済み。本作の舞台となった世界最高峰・エベレストの登頂も経験しているという中々の本格派で、その点においてはまさに打ってつけの監督。

またゲームプロデューサーなど、異色のキャリアを積んできた人物でもあります。

ですが、映画演出についてはやはり未知数の部分も多いユー・フェイ監督。にも関わらず、これだけの大作映画で監督デビューを飾ることができる環境が今の中国映画市場には存在すること。そしてそのような決断に踏み切ったテレンス・チャンの度量には、感服の一言しかありません。

まとめ

映画のストーリー自体はシルベスター・スタローン主演・レニー・ハーリン監督による『クリフハンガー』を彷彿とさせ、「山岳映画」と「ポリティカル・サスペンス映画」という二つのジャンルがミックスされた展開を見せます。

そこに役所広司演じるエベレストを知り尽くしたベテランクライマー、チャン・チンチュー演じる恋人の遺体を探すヒロインなど、個々の物語が入り混じることでドラマは膨らみます。さらにヘリコプターアクション、タイムリミットサスペンスのなどの要素も盛り込まれていきます。

ユー・フェイ監督は映画監督としての実績はないものの、やはりクライマーとしての実績と経験は確かなようで、山岳シーンの描写はなかなかの迫力です。

不勉強ながら本作にて標高8000メートル以上の山岳領域「デスゾーン」の存在を知り、世界に14座あると言われるこの極限地帯を物語に取り込んだのは監督ならでは構成でしょう。

またスタッフには、香港映画『インファナル・アフェア』などに参加してきたライ・イウファイが撮影監督を、国内外で活躍する「イップマン」シリーズの川崎憲次が音楽を担当するなど、一線級の人材が揃っています。

映画としてのルックがブレておらず、監督デビュー作とは思えない円熟味がある映画となっています。

【連載コラム】『TIFF2019リポート』記事一覧はこちら





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