ジム・キャリー主演と聞くと、やはり真っ先に頭をよぎるのはコメディです。
今作『トゥルーマン・ショー』でもジャケットを見る感じ、お間抜けな寝顔を全世界にさらして・・・笑
なんて思ってしまいがちですが、とんでもないです・・・
全世界の見世物にさせられた一人の男の人生の価値を問う、スケールが小さいようで大きいドラマものでもあり、今作の世界観が、もし自分も同じ目にあったらと考えると、たちどころにホラーになる異色作です!
1.映画『トゥルーマン・ショー』の作品情報
【公開】
1998(アメリカ)
【原題】
The Truman Show
【監督】
ピーター・ウィアー
【キャスト】
ジム・キャリー、ローラ・リニー、ノア・エメリッヒ、ナターシャ・マケルホーン、ホーランド・テイラー、ブライアン・ディレイト、エド・ハリス
【作品概要】
小さな島に住む、明るい青年トゥルーマンは平和な毎日を送っていますが、それは彼の知らないところで、24時間全世界ライブ中継されていたという、ドラマともSFとも取れる作品。
実際脚本を手がけたアンドリュー・ニコルはフィリップ・K・ディックの『時は乱れて』という作品から着想を得たとのこと。
ちなみに監督も彼が勤める予定でしたが、笑えるジム・キャリーの笑えない出演ギャラによって、泣く泣く降板させられるという切ない逸話も。
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2.映画『トゥルーマン・ショー』のあらすじとネタバレ
小さな離れ島・シーへヴン。青年トゥルーマンはサラリーマンとして、平凡ながらも穏やかな日々を送っていました。
持ち前の明るさから近所づきあいもよく、美しい妻・メリルと2人で一軒家住まい。
そんなトゥルーマンには、フィジー島に行くのがささやかな夢のひとつでした。
しかし彼はまだ少年の頃に、父親と海に出た際、嵐にあって父を亡くします。
そのトラウマもあって、トゥルーマンはずっと島から出たことがなく、おまけに出張で船を利用しなければならない場面でも、引き返してしまうほど重症でした。
ある日親友のマーロンとゴルフをしているとき、トゥルーマンはそれでもフィジー島に行きたいといいます。
しかしマーロンはもちろん、妻のメリルでさえ全く取り合ってくれません。
ある日、いつものようにトゥルーマンがキヨスクで新聞を買っていると、なんと海で死んだはずの父が、目の前にホームレスの格好で立っていました。
トゥルーマンは恐る恐る声をかけようとしますが、父は突然見知らぬ男女2人に羽交い絞めにされ、そのままバスに連れ込まれてしまいます。
その日父に会ったことを母親に伝えるトゥルーマンですが、母親は自分も夫を失ってから他人の空似は良くあると言い、優しく受け流されてしまいます。
自宅に戻った彼は、地下室にしまわれた思い出の数々を取り出します。
その中には真っ赤なセーターがあり、それは彼が大学生時代の頃、恋をしたローレンのものでした。
しかし彼がローレンに好意を抱くと、まるで割り込むかのようにメリルが登場してくるのでした。
しかし2人は図書館でばったり会い、ローレンは今から学校を飛び出そうとトゥルーマンを誘い、彼は驚きながらもついていきます。
ふたりは海辺でいい雰囲気になるのですが、ローレンは突然真剣な表情でこの世界は偽もので、天気も建物も舞台の装置にしか過ぎないと、突拍子も無いことを言い出します。
驚くトゥルーマンを前に、今度は自分の本名はローレンではなくシルヴィアだと言い、この島も、彼の日常を常に24時間世界中にライブ中継するためのものだと言い放ちます。
すると1台の車がやってきて、シルヴィアの父と名乗る男が降りてきて、彼女を強引に連れて行きます。
シルヴィアは最後に「私を探しにきて!」と言い残し、トゥルーマンは唖然とします。
3.映画『トゥルーマン・ショー』の感想と評価
主演がジム・キャリーということもあって、パッと見コメディに見えますが、笑えるような場面はあまり無く、その代わりトゥルーマンのいる世界はすべて作り物というまるでホラーのような設定が良い感じでミスリードとなっています。
それでもトゥルーマンが外の世界に出るシーンは、この番組を見てる視聴者同様、感動のシーンとなっています。(ブリー・ラーソン主演の『ルーム』を思い出します・・・)
しかしこの作品がよくよく考えればホラーだと感じるのは、唯一トゥルーマンをシーへヴンに「閉じ込めている」と抗議するシルヴィアの存在です。
普通に考えれば一人の男をまるで見世物のように隔離し、その映像で娯楽を提供している時点でかなり常軌を逸しています。
彼女の言い分ももっともなのですが、製作スタッフも世界中の視聴者もそのことを疑うことすらなく楽しんでいるのです・・・
さらにもっと怖いのが、トゥルーマンが島を脱出するとき、観客は応援しているのです。
さっきまで島に閉じ込められいるトゥルーマンを楽しんで見ていたにも関わらず・・・ものすごい手の平返し・・・実際番組が終われば、すぐにチャンネルを変えるのにです
トゥルーマン感動の脱出と、視聴者のアツい手の平返し、受け止める側としては混乱しちゃうくらい色んな意味で感情の大洪水でした。
まとめ
『トゥルーマン・ショー』は特別ミスリードを狙った作品ではないのですが、その凝った脚本のおかげでいろんな捉え方が出来る作品でもあります。
実際、もし自分の今いる世界も、気づいていないだけで本当は全部演出だったら・・・と絶対一度は考えてしまう作品でしょう。
個人的にはアンドリュー・ニコル監督でリメイクして欲しいくらい面白いストーリーでした。
今までにないドラマ映画が見たいなら、新旧問わずにまずはこちらを見てみるのがオススメかもしれません・・・!
あと、唯一笑える場面といえば、日本人の番組のハマり具合が世界中で一番えげつなかったです・・・笑 スウェット・掛け軸にカタカナ表記!
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