是枝裕和の最新映画『三度目の殺人』が、2017年9月9日(土)に公開。
弁護士が殺人犯の心の奥底に潜む真意を、弁護する立場から見つめる姿によって、新たな真実を想像する法廷サスペンス。
キャストは是枝監督と『そして父になる』以来2度目のタッグとなる福山雅治が弁護士を演じ、また、同じく是枝作品『海街diary』に出演した広瀬すずが重要な鍵を握る被害者の娘役を演じています。
1.映画『三度目の殺人』の作品情報
【公開】
2017年(日本映画)
【脚本・監督】
是枝裕和
【キャスト】
福山雅治、役所広司、広瀬すず、斉藤由貴、吉田鋼太郎、満島真之介、松岡依都美、市川実日子、橋爪功
【作品概要】
『そして父になる』の是枝裕和監督と福山雅治が、ふたたびタッグを組んだ作品で、是枝監督自らオリジナル脚本で挑んだ法廷心理ドラマ。
第74回ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門に正式出品。
是枝組には初参加となる役所広司が殺人犯の三隅役で福山雅治と初共演を果たしました。また、『海街diary』の広瀬すずが重要な鍵を握る被害者の娘役を演じています。
2.『三度目の殺人』の広瀬すず(山中咲江 役)
大きな孤独を抱えた娘の咲江
広瀬すずは1998年6月19日生まれの静岡県静岡市出身の女優。事務所はフォスタープラス所属。
2012年に女性ファッション誌「Seventeen」の専属モデルオーディション「ミスセブンティーン2012」で読者投票によってデビュー。
姉アリスも同誌の専属モデルを務めており、同誌史上初となる姉妹モデルとして注目されました。
2013年にテレビドラマ『幽かな彼女』にて女優デビュー。同年に映画『謝罪の王様』にも出演。
2014年に映画『クローズ EXPLODE』やテレビドラマ『ビター・ブラッド』などに出演をします。
広瀬すずが思うがままに少女を演じた『海街diary』
2015年に吉田秋生の大人気コミックを原作に、是枝裕和監督が映画化した『海街diary』にて、綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆とともに4姉妹を演じて大きな話題になりました。
広瀬すずは今回は命を奪われた父親の娘の咲江を演じています。そのことについて彼女はこのように語ってくれました。
是枝監督は穏やかな印象が強いのですが、台本を読ませて頂いて、こんな事を感じているんだ、考えているんだ、と自分の知らない監督の一面をみているような印象を受けました。そして、また是枝さんの作品の中で生れる時間が凄く幸せです。
どんなシーンでも咲江が見ているもの、感じている事を私と同じ感覚で感じてくださって、言葉をくれる監督はやっぱりとても心強く、凄く気持ちがいいです。が、今回はちゃんと自分で台詞を覚えて台本を手に持って現場に入るのが恥ずかしいです。。。笑
少女だからこそ見える世界を大切に、強く立っていたいです。監督、スタッフの皆さん、共演させて頂く先輩方に頼らせて頂いています。
広瀬すずは、前作の是枝監督作品の『海街diary』では、台本は前もって渡されず、現場で口述でセリフを覚えて演技するという方法で撮影は行われました。
当時の広瀬すずに寄り添う演出を是枝監督ですが、今回の広瀬すずは台本ありの演技。どのような演技プランで役柄に挑んだのか、前作とは違った姿に注目をして映画を見たいですね。
3.映画『三度目の殺人』のあらすじ
法廷の弁護の勝訴にこだわりを持つ弁護士の重盛が、弁護を担当することになってしまったの容疑者の三隅。この容疑者には30年前にも殺人前科がある人物でした。
仕事を解雇された工場の社長を殺めて、その死体に火をつけた容疑で起訴された三隅。彼は犯行も自供し、死刑はほぼ確実でした。
しかし、調査を進めるにつれ、弁護士の重盛には違和感のようなものが芽生えていきます。
三隅と会うたびに動機が曖昧に変わり、なぜ殺したのか…?本当に彼が殺したのか…?謎の多い三隅に呑まれているのか…?
他人の弁護に真実などは必要ないと信じていた弁護士の重盛が、初めて容疑者の心の真実を知りたいと願うようになります。
やがて、三隅と被害者の娘の咲江に接点があることが明らかになるのです…。
4.広瀬すず演じる咲江の瞳はどんな真実を見つめているのか?
広瀬が演じるのは被害者の娘・咲江。
ドラマが進むなかで、咲江と三隅の意外な接点が明るみになり、弁護士の重盛に事件の核心に迫る衝撃的な告白をしたりと、抑制の効いた演技で影のある少女を好演しています。
広瀬すずと是枝裕和監督は『海街diary』に続いて2度目の顔合わせとなります。
女優として人気のある綾瀬はるかや長澤まさみ、また夏帆といったヒロインの一角を演じた彼女は、『海街diary』以降は様々な映画やドラマで経験を積んできました。
明るく活発なイメージの『ちはやふるシリーズ』の綾瀬千早役や、『チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜』の友永ひかり。
さらには、本土から沖縄に来て傷ついた女子高生の小宮山泉役を好演した『怒り』まで、演技も幅を広げています。
今作『三度目の殺人』では事件の渦中に置かれるた広瀬すずこと咲江は、どのような新境地を開拓しているのでしょうか。
女優・広瀬すずの成長ぶりに大いに期待してスクリーンを注目しましょう。
きっと彼女はこれまでに見たことのない素晴らしい演技を見せているはずです!
とても楽しみですね〜。
まとめ
この作品では物語の鍵を握る被害者一家の母親に斎藤由貴。そして、娘の咲江に広瀬すずが好演。
広瀬すずは、今作『三度目の殺人』が、第74回ヴェネチア国際映画祭コンペ正式出品決定を受けた際にこのように述べています。
「出品の決定を聞いたときは、是枝監督は本当に本当に、凄いなぁ。。。という思いがただ、ポンと生まれました。
そして、作品に出演させて頂けたことに感謝します。前作ではカンヌ映画祭に連れて行って頂いて、今回はヴェネチア映画祭。
見た事のない、まだ知らない景色がいっぱい広がっているんだろうなぁと思うと、わくわくします。人間の目の奥にある何か、を、世界の人たちはどう感じるんでしょう」
演技の幅だけでなく、活躍の場も大きく広げるだろう若手女優の広瀬すず。
この作品は『海街diary』の時とは違い抑制の効いた演技を見せていることから、彼女の代表作になるのは間違いないと思います。
弁護士重盛が容疑者の心に惹かれたことで、人間模様の糸口を一つ一つ解かれた真実の結末に、娘の咲江の身に何が起こるのでしょう。
広瀬すずが演技の幅をさらに広げた是枝裕和監督作品『三度目の殺人』は、2017年9月9日(土)より全国公開。
ぜひ、お見逃しなく!