映画『マチネの終わりに』は、2019年11月1日より全国ロードショー!
芥川賞作家・平野啓一郎の同題小説を福山雅治と、石田ゆり子で描く大人のプラトニックなラブストーリー。
東京、パリ、ニューヨークを舞台に音楽家とジャーナリストの愛の物語は、たった3度しか出会っていない男と女が運命的な恋に翻弄されていきます。
蒔野聡史役を福山雅治、小峰洋子役を石田ゆり子がそれぞれ演じ、伊勢谷友介、桜井ユキ、木南晴夏、風吹ジュン、板谷由夏、古谷一行が脇を固めました。
演出は『容疑者Xの献身』『昼顔』の西谷弘監督です。
映画『マチネの終わりに』の作品情報
【公開】
2019年(日本映画)
【原作】
平野啓一郎『マチネの終わりに』
【脚本】
井上由美子
【監督】
西谷弘
【キャスト】
福山雅治、石田ゆり子、伊勢谷友介、桜井ユキ、風吹ジュン、古谷一行
【作品概要】
たった3度、出逢っただけで、運命の恋に落ちていく男と女の様を描くラブストーリー作品。
東京・パリ・ニューヨークと三都市を舞台にプラトニックな大人の恋愛模様を描きます。
クラシックギター奏者という役どころの福山雅治の演奏にも注目です。
映画『マチネの終わりに』のあらすじとネタバレ
世界的に有名なクラシックギター奏者の蒔野聡史は、パリで活躍するジャーナリストの小峰洋子と出会います。
ともに、40代を過ぎた男女でしたが、強く惹かれあうものを感じます。
しかし、洋子にはフィアンセもいて、生活拠点はパリということもあり、二人の間にはどうしようもない大きな溝がありました。
すっかり奏者としての活動が身に入らなくなった蒔野。ある日、フランス・パリで爆破テロが起きたというニュースを目にします。
たまらなくなった蒔野は、洋子にメールを送り続けますが、返信はありません。
一方、テロ事件の取材に忙殺されていた洋子は、通信社のオフィスに戻ってきたところで、事件の目撃者を装ったテロリストによる爆破テロに巻き込まれます。
爆発はエレベータに入った直後だったということで、洋子自身に怪我はありませんでしたが、心の傷は深く、その後も蒔野に連絡することもできずにいました。
やっとテレビ電話で会話をした二人。外の工事の音にも怯える洋子に、蒔野は優しく語りかけ心を解きほぐしていきます。
翌年、マドリードのコンサートに行くついでにパリに寄った蒔野は、洋子を食事に誘います。
そして、蒔野は洋子に仕事があること、婚約者がいること知ったうえで、一目で恋に落ちたと告白。
洋子が死んだら自分も死ぬと語り、どんなに離れていても生き続けて欲しいと訴えます。
突然の蒔野の告白に戸惑う、洋子ですが、自分でも思わなかったほどに心揺さぶられます。
もし、自分と共に歩んでくれるのであれば、コンサートに来てくださいと言って蒔野はマドリードに向かいます。
師匠の祖父江と共にコンサートに参加した蒔野でしたが、リザーブした席に葉子の姿がなかったことで、途中で演奏を止めてしまいます。
ショックが大きかった蒔野ですが、洋子からのメッセージを受けてパリに向かいます。
洋子は取材仲間が取材中に怪我をしてパリを離れられなかったのでした。
安心した蒔野は手料理と洋子のためだけの演奏を披露します。洋子は蒔野に婚約者と別れて、日本にいる蒔野の元に向かうと宣言。二人は静かに唇を重ねます。
帰国後、蒔野のもとに洋子から身辺を整理したのちに日本に向かうという連絡があります。
帰国の当日、手料理で出迎える蒔野でしたが、そこに祖父江が脳出血で倒れたという電話がマネジャーの早苗から入ります。
またも、二人は約束の時に逢うことができませんでした。
映画『マチネの終わりに』の感想と評価
大人のプラトニックなラブストーリー。そして、海外での撮影ロケーション。
日本映画が苦手とするジャンル・エッセンスに挑んだ作品。
西谷作品で同じ傾向のものというとあの問題作『アマルフィ女神の報酬』が浮かんでしまいますが、他の作品群を見ると西谷監督は決してまずい人ではないということが分かります。
『容疑者Xの献身』『アマルフィ』『アンダルシア女神の報復』『真夏の方程式』とすっかり福山作品でお馴染みの監督となりましたが、決して御用監督になることもなく原作とスター映画のバランスを絶妙に取り、素敵な一本に仕上げました。
秋冬にぴったりなちょっと背伸びしたくなる映画です。
まとめ
原作から見ると10歳ほど年齢が高いキャスティングで、どうだろう?と思う部分もなかったわけではないのですが、出来上がった映画を見ればこれ非常にチャーミングな映画に仕上がっていました。
特に福山雅治は、ドラマ俳優的ハンサムから映画俳優的ハンサムに加齢と共にうまくスライドしているなと感じます。
2013年に立て続けに公開された『真夏の方程式』『そして父になる』あたりから、居住まいだけで映画を語るタイプの俳優になりました。
『SCOOP!』は比較的能弁ですが、是枝映画に二度目となった『三度目の殺人』では静かな作品に静かな人間として登場します。
本作も喋っているシーンと演奏してるシーンは、そんなに変わらないのではないでしょうか。
ラストはもっと語らなくてもいいのかもしれないと思うくらいです。
福山雅治はこの後、岩井俊二監督の『ラストレター』が待機中。こちらも楽しみです。