『鈴木先生』の入江沙季役や『恋につきもの「いばらのばら」のいばら役などで知られる女優・松本花奈。
彼女が監督を務め才能を発揮した『脱脱脱脱17』は、MOOSIC LAB 2016で準グランプリなど4部門受賞、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭のオフシアター・コンペティション部門の審査員特別賞などを受賞しています。
10代の若さで異例の才能を見せつけた松本花奈監督の『脱脱脱脱17』をご紹介します!
CONTENTS
1.映画『脱脱脱脱17』とは?
女優として知られる松本花奈が撮影当時17歳で演出を手掛けた今作『脱脱脱脱17』。
ある事情から高校生活17年を迎えた34歳の男ノブオと、そのクラスメイトであるリカコの2人旅を描いたストーリー。
ノブオ役を劇団とくお組の鈴木理学、リカコをガールズバンド・the peggiesの北澤ゆうほが演じています。
予告編にはノブオが大声を張り上げ応援の練習をしている姿やリカコとノブオ2人の珍道中の様子など編集されています。
また、予告編の最後には映画監督の岩井俊二の応援コメントが入っていますね。
「この若さにしてこの技量。自主映画なのにこの質量。
こんな映画が現れたら学生映画だからという言い訳はもうできない。
これを新たなるパラダイムとして若い君たちが映画を作り始めたら確実に将来の映画界は変わる。
という意味でこの作品は既に事件だ」
若い女性たちに人気の岩井俊二監督に“変わる”とか“事件”とまで賛辞を語らせた、松本花奈監督の才能は見事なものですね。
また、今作について映画監督のコメントで目を見張るのは、韓国映画界きっての孤高の鬼才キム・ギドク監督は次のように述べています。
「僕がその年なら作れていない、若者が作った大人の映画。
これは二人の傷と痛みについての映画である。その傷は痕となってゆく。
痕というものは見た目は悪いが、いい痕として彼らに残っていく事だろう」
若い傷と痛みが、大人の映画として痕というのは素敵な表現です。松本監督の表現にギドク節の表現をぶつけるようなコメントはどちらも光っていますね!
ほかにも、作家でアイドル評論家である中森明夫は、次のようなコメントを寄せています。
「映画史の暗闇に突如、現れたまばゆい才能の美少女監督・松本花奈!
17歳の夏に撮った『脱脱脱脱17』によって夕張の映画祭で伝説になった。
松本花奈の映画を観ることは、現在進行形の青春の奇跡を目撃することなのだ!!」
各著名人からこれほど熱いコメントを寄せられた10代の映画監督はそうそういない存在ではないでしょうか。
松本花奈の今後に注目するためにも、『脱脱脱脱17』は観ておきたい作品ではないでしょうか。要注目です!
2.映画『脱脱脱脱17』の作品情報
【公開】
2017年(日本映画)
【監督】
松本花奈
【キャスト】
北澤ゆうほ、鈴木理学、祷キララ、佐倉萌、朱松真吾、三坂知絵子、正垣那々花、東久美子、大和孔太、鈴木築詩、安田弥央
【作品概要】
『鈴木先生』や『獣道』などで女優として活躍する松本花奈。彼女が撮影当時17歳で演出をした青春ロードムービー。
今作は、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2016 オフシアター・コンペティション部門 審査員特別賞&観客賞W受賞。MOOSIC LAB 2016 準グランプリ、ミュージシャン賞(the peggies)、女優賞(北澤ゆうほ)、男優賞(鈴木理学)と四冠に輝いています。
3.映画『脱脱脱脱17』のあらすじ
ある事情によって高校生活17年目を迎えていたノブオは34歳…。
学校内のことは、すべてと言っていいほど熟知しているのだが、同級生たちからは気味悪がられていました。
校内の唯一の応援団部の部員であるノブオは、毎日の日課として屋上から空に向けて大声で応援歌を叫ぶことでした。
一方のノブオと同じクラスメイトであるリカコ。彼女の特技は嘘泣きと歌うこと。涙と歌声さえあれば人生なんて上手くやっていけると思っていました。
そんなある日、母親と喧嘩をしたリカコは、幼い時に別れてしまった父親を探すため、家出を決行。
ノブオはひょんなことからリカコの家出に着き添うこととなり、2人はあてもない旅をはじめる…。
4.松本花奈監督プロフィール
二年前というと凄く昔の事のように感じられて、脱脱脱脱17を作った時からそれは本当に色々な事があったけど、楽しいことも辛いことも一緒に共有して進んできた大切な大切な作品です。公開まで約2ヶ月強ありますが、どうか拡散のほど宜しくお願いします。幸せが溢れるー。 pic.twitter.com/tOUbdSGrOU
— 松本花奈 (@hana_m0124) 2017年6月21日
松本花奈(まつもとはな)は、1998年1月24日生まれの大阪府出身。女優兼、映画監督。現在は慶應義塾大学総合政策学部在学。
女優として活動する傍ら、中学2年生より映像制作をはじめ、2004年に日本大学鶴ヶ丘高等学校に在学時に制作した『真夏の夢』にて、監督、脚本、編集を手掛けると、映画甲子園主催eiga worldcupの最優秀作品賞受賞。
同作は2015年のゆうばり国際ファンタスティック映画祭フォアキャスト部門に正式出品されました。
2016年に同映画祭に出品した映画『脱脱脱脱17』がオフシアター・コンペティション部門の審査員特別賞&観客賞を受賞。
同年の第29回東京国際映画祭のフェスティバル・ナビゲーターに就任しています。
【監督作品フィルモグラフィ】
2014年:『真っ赤なポピー』『真夏の夢』
2015年:『脱脱脱脱17』
5.映画『脱脱脱脱17』の主題歌と挿入歌は誰?
— 北澤ゆうほ ぽ ぽっぽ ぽ🚅 (@poppoexpress) 2017年8月2日
【the peggies】
北澤ゆうほ(Vo&Gt), 石渡マキコ(Ba), 大貫みく(Dr)からなる3人組のガールズバンドです。所属レーベルはエピックレコードジャパン、所属事務所は、ムーヴィング・オン。
2009年に日本女子大学附属中学・高等学校の軽音楽部に所属していた北澤ゆうほは、石渡マキコと大貫みくを誘い、同級生で中学2年生で結成します。
高校生時代から都内ライブハウスを中心に本格的に活動を開始。2016年12月8日に行った渋谷クアトロでのワンマンライブでメジャーデビューを発表しました。
2017年5月10日に「ドリーミージャーニー」でメジャーデビューを果たし、6月から「the peggies ドリーミージャーニーツアー 2017〜野生のペギーズが現れた!!!〜」を開催。
また、同年9月6日に2ndシングル「BABY!」発売予定。
the peggies 「BABY!」MV&メイキング映像
映画『脱脱脱脱17』の主題歌と挿入歌はコチラ!
the peggiesファーストアルバム/「NEW KINGDOM」
【映画『脱脱脱脱17』の劇中歌】
主題歌:「青春なんかに泣かされて」
挿入歌:「ときめき♡シンフォニー」「わたし」「P/F」「いきてる」
YouTube映像にある、the peggiesのファーストアルバム「NEW KINGDOM」全曲視聴トレーラーでは、主題歌と挿入歌の一部を視聴することができます。
ぜひ、松本花奈監督が17歳当時の作品を盛り上げる、フレッシュで胸キュンとしたオルタナポップわかる内容ですね。
まとめ
松本花奈が監督を務めた『脱脱脱脱17』は9月2日から15日まで、東京・ユーロスペースにてレイトショー公開されます。
また、8月14日には東京・渋谷LOFT9にて今作の公開記念のトークショー&松本花奈監督の過去作上映イベントを開催されるようです。
ほかにも現在開催中の「MOOSIC LAB 2017」でも上映され、8月22日に東京・新宿K’s cinema、8月26日に東京・UPLINKで上映されます。
K’s cinemaの家田祐明は「十七歳の反抗。すべてを脱ぎ去り、少女は女になるのだ」と語っています。
あなたの予定を合わせて、まずは松本花奈監督作品、『脱脱脱脱17』に注目してみるのはいかがでしょうか?