Cinemarche

映画感想レビュー&考察サイト

新作映画ニュース

Entry 2019/09/06
Update

映画『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』あらすじとキャスト。ビーガン監督が3Dワンシークエンスで紡ぐ映像美

  • Writer :
  • 石井夏子

映画史上初の後半60分、驚異の3D・ワンシークエンスショット映像!

2015年、長編映画『凱里ブルース』で映画界に衝撃的なデビューを飾った中国映画界・新時代の旗手ビー・ガン監督

監督待望の第2作目で、すでに世界中で高い評価を得ている『ロングデイズ・ジャーニー、イントゥ・ナイト(原題)』が、『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』の邦題で、2020年2月28日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿ピカデリー、シネ・リーブル梅田ほかにて全国順次公開されることが決定しました。

場面写真と、2020年4月にシアター・イメージフォーラム他で公開されるデビュー作『凱里ブルース』とコラボしたキャンペーン動画も解禁されましたのでご紹介します。

映画『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』について


©️2018 Dangmai Films Co., LTD, Zhejiang Huace Film & TV Co., LTD – Wild Bunch / ReallyLikeFilms

本作は2018年のカンヌ国際映画祭ある視点部門で初上映された後、トロント国際映画祭、サンセバスチャン国際映画祭、ニューヨーク映画祭など、世界の名だたる映画祭で絶賛され、中華圏映画のアカデミー賞とされる金馬奨でも撮影・音楽・音響の3部門を受賞

中国本土での興行では、近年のアート系映画の成功例と言われたジャ・ジャンクー監督の『帰れない二人』の10億円を遥かに凌ぐ41億円の大ヒットを記録。

さらにアメリカでも、現在まで20週を超えて続映されており、2019年公開の中国映画としては異例のロングランヒットとなっています。

本作の見どころ


©️2018 Dangmai Films Co., LTD, Zhejiang Huace Film & TV Co., LTD – Wild Bunch / ReallyLikeFilms

本作の見どころは、何と言っても後半部分に仕掛けられた、映画史上初とも言える「上映の途中から展開される3Dのワンシークエンスショット」という演出

物語の中盤で劇中の主人公が映画館に入り、現実と記憶と夢が交錯する世界に入ると同時に、観客も3Dメガネを装着しそれを追体験できるんです。

それはビー・ガン監督独自の詩的で美しい映像表現と深く結びつき、これまでの3D映画でも決して味わえなかった、未知の映像体験と世界観が広がっています。


©️2018 Dangmai Films Co., LTD, Zhejiang Huace Film & TV Co., LTD – Wild Bunch / ReallyLikeFilms

中華圏を代表する豪華なキャスティングも見のがせません。

自分の過去を辿り迷宮の世界を彷徨う男を演じるのは、『長恨歌』のファン・ジエ

主人公を翻弄する運命の女を演じるのは『ラスト、コーション / 色・戒』のタン・ウェイ

また、キーパーソンとなる二人の女性をシルヴィア・チャンが演じています。

ビー・ガン監督作日本公開記念動画

なお本作に合わせ、これまで未公開だったビー・ガン監督の長編デビュー作『凱里ブルース』も、2020年4月にシアター・イメージフォーラム他での公開が決定しています。

新旧2作品の公開を記念して、“Begun, Bi Gan”と題したキャンペーン動画も公開されました。

ビー・ガン監督のプロフィール

画像:ビー・ガン監督


©️2018 Dangmai Films Co., LTD, Zhejiang Huace Film & TV Co., LTD – Wild Bunch / ReallyLikeFilms

本作の監督ビー・ガン(Bi Gan・毕赣)は1989年6月4日中国・貴州省凱里市生まれの映画監督・脚本家・詩人です。

2013年の短編作品「金剛經」(Diamond Sutra)が第19回香港IFVA賞ニューフェース部門特別賞を受賞。

2015年『凱里ブルース』(路邊野餐)で長編デビュー。同作が国際的にも高い評価を獲得し、第68回ロカルノ国際映画祭新進監督賞、仏・第37回ナント三大陸映画祭熱気球賞、台湾・第52回金馬獎最優秀新人監督賞を受賞するなど、多くの映画祭に招待され、世界各国で公開されるに至りました。

長編第2作目となる本作では、ウォン・カーウァイの『欲望の翼』、タルコフスキーの『ストーカー』、デヴィッド・リンチの『マルホランド・ドライブ』、ヒッチコックの『めまい』などの映画作家とその作品との共通点を指摘する批評家が続出し、中国新時代の潮流の中にあって、その旗手的な存在として大きな注目を集めています。

これまでに中国本土では短編2作・長編2作が公開されています。

映画『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』の作品情報


©️2018 Dangmai Films Co., LTD, Zhejiang Huace Film & TV Co., LTD – Wild Bunch / ReallyLikeFilms

【日本公開】
2020年(中国・フランス合作映画)

【原題】
Long Day‘s Journey into Night(地球最后的夜晩)

【監督】
ビー・ガン

【キャスト】
ファン・ジエ、タン・ウェイ、シルヴィア・チャン

映画『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』のあらすじ


©️2018 Dangmai Films Co., LTD, Zhejiang Huace Film & TV Co., LTD – Wild Bunch / ReallyLikeFilms

ルオ・ホンウは、何年もの間距離を置いてきた故郷・凱里(かいり)へ、父の死を機に帰還しました。

そこでは幼馴染 白猫の死を思い起こすと同時に、彼の心をずっと捉えて離れることのなかった、ある女のイメージが付き纏います。

自分の名前を、香港の有名女優と同じワン・チーウェンだと名乗った彼女。

ルオはその女の面影を追い、現実と記憶と夢が交錯するミステリアスな旅に出て…。

まとめ


©️2018 Dangmai Films Co., LTD, Zhejiang Huace Film & TV Co., LTD – Wild Bunch / ReallyLikeFilms

中国では、たった1日で41億円の興行記録を樹立し、アート系映画として空前絶後の大ヒットとなった本作。

彗星の如く現れた中国の若き鬼才ビー・ガン監督作品『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』は2020年2月28日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿ピカデリーほかにて全国順次公開です。

ご期待ください。

関連記事

新作映画ニュース

映画『おろかもの』キャスト。葉媚(よーび)は同級生で親友の小梅役を演じる【演技評価とプロフィール】

2020年公開予定の映画『おろかもの』キャスト紹介 若手監督の登竜門として知られる田辺・弁慶映画祭の2019年(第13回)のコンペティション部門でグランプリを受賞した長編『おろかもの』が、「田辺・弁慶 …

新作映画ニュース

映画『グッドバイ』キャストの青木保子役は緒川たまき【演技評価とプロフィール】

映画『グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇』は2020年2月14日より全国公開! 『走れメロス』、『人間失格』などの代表作を発表し、2019年に生誕110年を迎えた昭和の文豪・太宰治。 太宰治の未完の遺 …

新作映画ニュース

『スウィンダラーズ』ヒョンビン最新作の画像追加解禁!セクシーな詐欺師とは

韓国映画『スウィンダラーズ』7月7日(土)より、シネマート新宿ほか全国ロードショー。 ヒョンビン主演で記念すべき映画出演10本目となる『スウィンダラーズ』。 詐欺師だけをダマすという詐欺師5人と、エリ …

新作映画ニュース

藤原竜也映画『Diner ダイナー』あらすじとキャスト。蜷川実花が描く平山夢明原作の小説とは

俳優の藤原竜也と、写真家で映画監督の蜷川実花が初タッグを組み、殺し屋専用の食堂を描く異色サスペンス映画『Diner ダイナー』が、2019年7月5日(金)に公開されることが決定しました。 (C)201 …

新作映画ニュース

『隣人X 疑惑の彼女』あらすじ/キャスト/公開日/上映館。林遣都と上野樹里が‟疑惑の恋人”を演じる異色のラブロマンス

熊澤尚人監督作品映画『隣人X 疑惑の彼女』が2023年12月1日(金)新宿ピカデリー他全国ロードショー 第14回小説現代長編新人賞を受賞した『隣人X』(パリュスあや子著)が、タイトルを『隣人X 疑惑の …

【坂井真紀インタビュー】ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』女優という役の“描かれない部分”を想像し“元気”を届ける仕事
【川添野愛インタビュー】映画『忌怪島/きかいじま』
【光石研インタビュー】映画『逃げきれた夢』
映画『ベイビーわるきゅーれ2ベイビー』伊澤彩織インタビュー
映画『Sin Clock』窪塚洋介×牧賢治監督インタビュー
映画『レッドシューズ』朝比奈彩インタビュー
映画『あつい胸さわぎ』吉田美月喜インタビュー
映画『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督インタビュー
『シン・仮面ライダー』コラム / 仮面の男の名はシン
【連載コラム】光の国からシンは来る?
【連載コラム】NETFLIXおすすめ作品特集
【連載コラム】U-NEXT B級映画 ザ・虎の穴
星野しげみ『映画という星空を知るひとよ』
編集長、河合のび。
映画『ベイビーわるきゅーれ』髙石あかりインタビュー
【草彅剛×水川あさみインタビュー】映画『ミッドナイトスワン』服部樹咲演じる一果を巡るふたりの“母”の対決
永瀬正敏×水原希子インタビュー|映画『Malu夢路』現在と過去日本とマレーシアなど境界が曖昧な世界へ身を委ねる
【イッセー尾形インタビュー】映画『漫画誕生』役者として“言葉にはできないモノ”を見せる
【広末涼子インタビュー】映画『太陽の家』母親役を通して得た“理想の家族”とは
【柄本明インタビュー】映画『ある船頭の話』百戦錬磨の役者が語る“宿命”と撮影現場の魅力
日本映画大学