映画『スタートアップ・ガールズ』は2019年9月6日(金)より全国ロードショー!
何もかもが正反対な二人の女性がビジネスパートナーとなり、「スタートアップ」=「世界を変えうる、新たなビジネスの開拓」へと突き進む姿を描いた映画『スタートアップ・ガールズ』。
本作では、自由奔放な大学生で天才肌の起業家・小松光役を上白石萌音さんが、大企業勤務で起業家に投資する業務を担当しているOL・南堀希役を山崎紘菜さんが演じています。
今回は役者・歌手と幅広く活動を展開している上白石さんと、近年話題作に立て続けに出演し注目を集めている山崎さんのお二人にインタビューを敢行。
それぞれが本作で演じた役柄への向き合い方や、同期でデビューしたお二人のお互いの印象などをおうかがしました。
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カラフルな髪色の秘密
──本作での上白石さんはヘアスタイルをはじめ中々インパクトのあるルックスで出演されていますが、ご自身は本作におけるヘアスタイルや衣装についてどのような印象を抱いていますか?
上白石萌音(以下、上白石):私はどちらかと言えば保守的で、自分の意志では一生やらなかったであろうヘアスタイルだったので、毎朝鏡を見るたびにギョッとしていました。「何だこの髪は!?」って(笑)。
でも、いい経験になりましたね。この色に染めたことで演じることに対して吹っ切れたし、この色からキャラクターのヒントをもらったところもありました。
──ヘアスタイル、特に髪色の配色についてはどのように決められたのでしょうか?
上白石:監督とキャラクターづくりを進めていく中で「“え?どうしてそんな風にしたの?”という髪にしよう」という話をして、いろんなアイデアを出した結果としてこの髪色になりました。
また、気が付かれなかった人もいるかもしれませんが、光のモットーやポリシーというか、気合いを入れたことを表すために、髪の一部に白とブルーのエクステをたまに入れていたんです。演出の一部ではありますが、そういうことをして遊んだりもしました。
“目立つ存在”を演じきる
上白石萌音さん
──そのルックスからも想像されるように、光は劇中でも自由奔放に振る舞い、その天才ぶりから由来する強烈なパワーを放っていましたね。
上白石:でも、実はわりとこの子は繊細な子で、意外と一人でいるときには悶々としたり、人より傷つきやすかったり、人の顔色をうかがうようなところもあるんです。なので演じていても、「この格好はカモフラージュなんじゃないか?」と思う瞬間がときどきありました。だからこそ、他の役と同様かそれ以上に演じるための集中力は必要だったと感じています。
ただ、目に入れてうるさい存在としては、本作では自分が演じる光が一番だったと思うので、撮影現場や画面上での居心地は最高に良かったです(笑)。光でいる以上は、お芝居でどんな動きをしても、どんな邪魔をしても、何をやっても怒られないんです。「光だからね」と監督もスタッフさんも納得してOKを出されるので。
だから、“行間でいかに遊べるか”といったことをよく考えていました。例えば撮影を行う部屋に入ったら、そこに並んでいるものを見渡して「あ、あれも遊べる」「これも遊べる」と考えてみたり(笑)。
一方で、光は身長が低いことをコンプレックスに思っている節があるので、“自分を大きく見せようとする子にしよう”と考えて階段などを全部上ってみたり、とにかくうるさく、無駄に自分を大きく見せる演技を心掛けました。そのおかげで、体力的にはすごく疲れましたが。
光というキャラクターとの距離感
山崎紘菜さん
──そのようにして上白石さんが演じられた光というキャラクターを、彼女のビジネスパートナーとなった希を演じられた山崎さんはどのように捉えていましたか?
山崎紘菜(以下、山崎):この格好ですから、視界のどこにいても入ってくるんです(笑)。だから常に光という存在を意識できたといいますか。
どうやっても引き付けられる力のようなものが、光というキャラクターにも、彼女を演じる萌音ちゃんにもあるので、そこに引っ張られるところは引っ張られるようにして、一方で希として持っている思いや信念は決して曲げないようにと心掛けていました。
でも、どうしても自分が希を演じることに深く集中したいとき、自分の世界に入りたいときには、敢えて光から視線を外したりしました。
私の演じた希という人間は常に受け身で、自分の言葉や意見を言わない。一方で堅実さを持ち、“言われたことを全部やる”ということをモットーとしている女性なんです。だからこそ、上司や光からいろいろと言われ、言い返したくてもそれをずっと内にため込んでいるんです。
彼女がそれをすべて外へと吐露するシーンが劇中にはあったんですが、そのシーンを演じる際には特に集中したいと思い、光に対してそう接しました。
“個性的”と“没個性的”に向き合う苦労
──光というキャラクターを演じる中での苦労や難しさといったものはありましたか?
上白石:光が他人を罵倒するシーンがあったんですが、それを撮り終わった後にストレスで湿疹が出ちゃって…(笑)。
“使えないバカは、どうしようもないな”といった意味を持つセリフを光が言い放つんですが、池田(千尋)監督は「もっとエゲツなくやって」とおっしゃって、その演技を引き出すために私を煽り続けたんです。そのシーンの撮影は無事終わったものの、演じていた私の心が疲れてしまい、結果湿疹が出てしまったんです。
私自身はもともと思っていることがそんなにはっきり言えないタイプなので、光という女の子に対して「いいな」って思っていました。だから光の口を借りてストレスを発散していたところもあったんですが、慣れていないことを無理に続けちゃいけないですね。
──光と真逆ではあるものの、希という女性もまたある意味特徴的で個性的なキャラクターと言えます。山崎さんにとって、希というキャラクターを演じる中での苦労や難しさといったものはありましたか?
山崎:やっぱり“普通”や“平凡”といった言葉が代名詞となるキャラクターではありますが、それに対し、「“普通”というものを演じることが一番難しいのかな」と感じていました。
“普通の人”というのは、ある意味この世の中に存在しないと思っているんです。みんなそれぞれ何かしら持っているものがあるし、生まれた時間も一緒、今までたどってきた境遇も全部一緒の人間なんて、この世界にはいないわけですから。
食べることをはじめ、日々生活していることすべてが一人ひとり違うけれど、その中で「“普通”って何だろう?」という問いに対する答えを出すのがすごく難しかったです。
ただ私自身も、特に才能があったから今このお仕事をしているというわけではないと常々感じているところもあって。だからこそ、その点において希との共通点が意外とたくさんあったので、そこから希という人物の性格を探していく作業をしていました。
変わることのないお互いの印象
──お二人とも東宝のシンデレラ・オーディションを受けこの業界にデビューされた同期の仲ですが、現在のお互いの印象はいかがでしょう?
上白石:私はずっと変わっていないと思っています。紘菜ちゃんはオーディションや仕事を始める前から知っていましたし。
オーディション当時、最終選考に残っているメンバーでは紘菜ちゃんが一番年上だったんです。唯一の高校生で、みんなには「番長」って呼ばれていました(笑)。最年長というだけで、全然“オラオラ!”じゃないですけどね(笑)。
でも、その感じがすごくカッコいいと思っていました。多分、私たちが幼い分そう見えていたのかもしれないですけど、やっぱり姉御肌なところがあって、8年前も今も変わらず頼れるお姉ちゃんみたいな存在です。
だから本作で共演できることになった際には、とことん胸を借りようと思いました。紘菜ちゃんが相手じゃなかったら、今回の役はできなかったなと思います。
山崎:萌音ちゃんも、いい意味で変わってないと思います。もちろんお芝居など、女優さんとしてはパワーアップしていると常に感じていますが、人としての謙虚さや思いやり、優しさなどはずっと変わっていなくて、出会ったときから「すごく懐が深いな」と感じていました。
出会った当時はまだ中学生だったんですが、その当時から中学生とは思えないくらいの表現の豊かさがありましたし、本当に変わらない部分は変わらないなと。その一方で成長している姿を見て、女優としていつも刺激をもらっています。
──次にお二人が共演する機会があるとしたら、どのような物語でどのようなキャラクターを演じてみたいですか?
上白石:私は今回の『スタートアップ・ガールズ』とは逆に、紘菜ちゃんにこき使われたりとか、振り回されたりしたいです。紘菜ちゃんの周りをちょこまか走り回って「今やります!」って叫んだり(笑)。
山崎:それもいいですね。私も逆に光みたいな役をやってみたいです。面白そう(笑)。
上白石萌音(かみしらいしもね)のプロフィール
1998年生まれ。鹿児島県出身。
2011年に第7回「東宝シンデレラ」オーディションで審査員特別賞を受賞。同年のNHK大河ドラマ『江~姫たちの戦国~』最終回にて女優デビューを果たします。
その後も映画『舞妓はレディ』や『ちはやふる』三部作、『溺れるナイフ』など数々の話題作に出演。さらに社会現象を巻き起こした大ヒットアニメ映画『君の名は。』ではヒロイン役として声優に挑戦し、大きな話題を呼びます。
現在も映画・ドラマのみならず歌手活動や舞台出演、ナレーションなど様々な分野にて自身の活動の場を幅広く展開しています。10月からは音楽劇『組曲虐殺』に出演します。
山崎紘菜(やまさきひろな)のプロフィール
1994年生まれ。千葉県出身。
2011年に第7回「東宝シンデレラ」オーディションで審査員特別賞を受賞。2012年に『僕等がいた』で映画初出演、『高校入試』でテレビドラマ初出演を果たします。
以降ドラマ・映画とさまざまな作品に出演し自身の演技の可能性を広げてゆく中で、2018年にはミラ・ジョヴォヴィッチ主演×ポール・W・S・アンダーソン監督の映画『モンスターハンター』(2020年公開予定)へ出演が決定。同作にてハリウッドデビューを果たします。
一方でモデルとしても活躍し、ファッションイベントに度々出演。またスポーツニュース番組『Going! Sports&News 土曜版』(日本テレビ系)には気象情報担当キャスターとして登板するなど、幅広く活動しています。
インタビュー・撮影/桂伸也
映画『スタートアップ・ガールズ』の作品情報
【日本公開】
2019年(日本映画)
【監督】
池田千尋
【脚本】
高橋泉
【キャスト】
上白石萌音、山崎紘菜、大西礼芳、長田侑子、沖田裕樹、三河悠冴、渡辺真起子、宮川一朗太、神保悟志、山本耕史
【作品概要】
2人の女性がビジネスパートナーとなり、ある一つの起業案件に真摯に向き合う姿を描いたヒューマンドラマ。『東京の日』などを手掛けた池田千尋が監督。『舞妓はレディ』『君の名は。』の上白石萌音と『神さまの言うとおり』『チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜』の山崎紘菜という才能溢れる女優によるW主演にくわえ、山本耕史、宮川一朗太、神保悟志ら実力派俳優陣が二人を支えます。
また主題歌には、世界的な英ロックバンド「FEEDER」ボーカルのグラント・ニコラスとの共作である人気ロックバンド「ASIAN KUNG-FU GENERATION」の楽曲「スリープ」が使用されています。
映画『スタートアップ・ガールズ』のあらすじ
自由奔放で天才的な大学生起業家・光(上白石萌音)と、堅実に無難な道を進み安定志向を信条とする大企業OL・希(山崎紘菜)。
まったく正反対の性格をもつ二人ですが、光の事業をサポートしている水木(山本耕史)の計らいにより、希は「遠隔操作による小児医療診察」という光の新プロジェクトのビジネスパートナーとなります。
ところが自分の性格と全く合わず、身勝手な光の言動に希は振り回されプロジェクトは難航。希は光を信じることができず、仕事にも行き詰まってしまいます。
人生最悪となった二人の出会いでしたが、果たして彼女らは自身の想いを乗せた企業を無事成功することができるのでしょうか?
映画『スタートアップ・ガールズ』は2019年9月6日(金)より全国ロードショー!