とうとう真犯人が姿を現す衝撃の第9話
予測不能で、真犯人は一体誰なのかと考察せずにはいられない、スリルたっぷりな完全オリジナルの心理サスペンスドラマ『約束~16年目の真実~』。
16年前に生まれ育った町で起きた連続殺人事件で人生を奪われ、故郷に戻って事件の真相に迫ろうとする女性刑事。しかし帰郷後、殺人事件が再び起こり始めます。
主演の中村アンをはじめ、横山裕、岡部たかし、杉本哲太ら豪華キャストが紡ぐスリリングなストーリーが病みつきになる一作です。
第9話「反転」では、井出の自首と彼の自宅からみつかった数々の証拠品により、物語が急展開します。そしてラストではついに真犯人が判明。葵が追い求めてきた事件の真実の先にはいったい何があるのでしょうか。
ドラマ『約束~16年目の真実~』の作品情報
【放送】
2024年(日本ドラマ)
【演出】
山本大輔、今和紀、吉川祐太 ほか
【脚本】
小峯裕之、本田隆朗、富安美尋
【音楽】
木村秀彬
【キャスト】
中村アン、横山裕、細田善彦、佐津川愛美、森永悠希、織田梨沙、坪倉由幸、樋口幸平、森優作、長谷川朝晴、井上肇、向里祐香、山田キヌヲ、川床明日香、岡部たかし、杉本哲太
【作品概要】
16年前に起きた連続殺人事件によりすべてを奪われた女性刑事・桐生葵が、父の無実を証明するために故郷に戻り、事件の真相に迫るさまをスリリングに描くサスペンスドラマ。
葵が帰郷した途端に再び事件が次々に発生し、青春時代をともにした同級生らまでも容疑者に。登場人物全員、互いが互いを疑い疑われるストーリーから一瞬たりとも目が離せません。考察必至の極上ミステリーです。
主演を中村アンが務め、バディの刑事を横山裕が演じます。細田善彦、佐津川愛美、森永悠希、織田梨沙が元同級生役を演じるほか、杉本哲太、岡部たかしらベテラン実力派が脇を固めます。
ドラマ『約束~16年目の真実~』第9話「反転」のあらすじとネタバレ
葵が、自首してきた連続殺人犯・井出が営む雑貨屋を捜索すると、そこには、井出の犯行を裏付ける証拠が揃っていました。
取り調べでも井出はすべての犯行を認め、飽きたから自白したのだと淡々と話します。
葵は井出と高校時代の同級生ではあるものの、彼との接点が思い当たりませんでした。連続殺人犯の動機は葵への執着だと考えられていましたが、葵に執着する理由がわかりません。
葵はすべての真実を知るために井出の取り調べを行います。井出は神田橋での事件も自分の犯行だと話します。自分への執着の理由を尋ねる葵。不遜な態度をとり続ける井出に彼女が思わず怒りを見せると、彼は「君はいいキャストだ」と言って満足げな顔をしました。
井出が葵に執着する理由が天草にならわかるのではないかと恵に助言され、葵は天草から話を聞きます。天草は、もしかしたら井出が葵の写真などを手元に置いていたのではないかと推測します。そして、シナリオで「指切り」のシーンを思いついたのは、葵が学校の帰り道に誰かと指切りをしている姿を見たからだと話しました。
一方、香坂は、息子の潤とともに逃走する有村を追います。有村と潤はとある場所に身を隠していました。潤は尾藤誠が自殺した理由を知っていました。有村は証拠品をすべて出させた後、息子に銃を向けます。彼は息子を殺して自分も死ぬつもりでした。
そこに駆けつけた香坂は、ふたりには生きて償う義務があると叱りつけます。有村は銃を置いて、がっくりと肩を落としました。
有村は望野町に立ち寄り、恵に謝罪しました。有村は、尾藤が賄賂を複数人に送っていることを知って利用し、16年前の事件の際、恵の目撃証言を変えさせていました。潤もまた尾藤を悪事に利用していました。逮捕直前の尾藤に対して「自分たちのことを警察に知られたら娘を殺す」と脅し、それを理由に尾藤は獄中で自殺しました。
井出は事件の詳細を供述しましたが、葵への執着だけが不明なままでした。香坂が井出の取り調べを行い、「あなたは犯人ではない」と言って揺さぶりをかけます。葵に相手にされていないと思わせて、井出を動かすのが狙いでした。
その後、井出は葵を呼び出し、突如クイズを出して葵や香坂らを翻弄します。
ドラマ『約束~16年目の真実~』第9話「反転」の感想と評価
第9話では、とうとう真犯人が判明しました。全編通して、とてもフェアなミステリーだと感心させられます。伏線回収が進む素晴らしいストーリー展開でした。
井出が出頭した時点で、さまざまな事実に気づくべきだったかもしれません。葵が言うように、引きこもりの井出が、見知らぬ女性を人気のない場所に呼び出せるはずがないのです。声をかけることは愚か、彼には女性の心を開く術も魅力も備わってはいませんでした。
人とつながりのない井出が接点を持つ人物はたった一人。ボランティアで弁当を届けにきていた桃だけです。
天草というストーカーの存在によって、葵に執着心を持つ人物は男性ではないかと無意識にミスリードされていました。天草が学生時代に見たという葵が誰かと指切りしていたシーンが明かされ、とうとうタイトルの「約束」の持つ重要な意味合いが浮かび上がります。
犯人が桃だとわかると、腑に落ちる点がいくつもあります。物語には数々の伏線が敷かれていました。
そもそもなぜ望野町には単身女性の旅行者がこんなにも多いのかという疑問を、視聴者の多くが持たれたことでしょう。被害者の多くが旅行者であることは、この連続殺人の異常性を物語っていました。特殊詐欺のアジトで働くためではなく、桃の駆け込み寺に助けを求めてやってきていたことが今ならわかります。
桃ならば、宿はこの先にあるなどと嘘を言って、女性を人目のつかない場所に誘導するのは簡単なことでした。
葵との「約束」をきっかけに異常性が目覚めた桃は、まず近隣に住む山名えりかを、それから不破の妹・玲を殺し、おそらく犯行に気づいた自分の母親を殺害して葵の実家の裏庭に埋めたのではないでしょうか。
葵が不在の間、ずっと葵の実家の庭の手入れをしていたのが桃だったことを思えば、すぐに怪しむべきでした。第6話では、殺された和田瑠璃と最後に通話していたことがわかり、桃に嫌疑がかかります。最大のピンチに陥った桃は、井出を操り、葵の実家の裏庭にある白骨死体の存在をリークし、黒づくめ姿の井出をわざと住民に目撃させます。また、白骨死体の一人が桃の母親だったことから、桃は容疑者から被害者に一変しました。
死体を埋める重労働が、果たして女性ひとりの力で可能だろうかという疑問も、井出の存在によって解決します。
最終回の焦点は、葵と桃の交わした「約束」がどのような内容だったのかということです。桃は葵が自分との約束を破ったことを、最低だと言って責めています。しかし、葵はその約束そのものをすっかり忘れていました。
桃にとっては大切な約束でしたが、葵にとってはそうではなかった。ふたりの間にあるその温度差に、何か手がかりがありそうです。
そして、なぜ桃がここまで葵に執着するようになったのかも、約束の内容によって明らかとなることでしょう。
葵の代償として別の女性を殺すことで快楽を得ていたのでしょうか。なぜシナリオ通りに殺害することにこだわったのでしょうか。理由はまだ不明ですが、桃の持つ狂気だけは伝わってきます。被害者の誰もが指切りをさせられていたことから、葵にだけは気づいて欲しいというメッセージが隠されていたことは確かです。
とらえられた葵と桃の会話が交わされる最終回。16年目の真実の先にある闇が明かされます。
まとめ
物語は佳境に入り、ラストシーンでとうとうシリアルキラーの正体が明かされました。
葵にとっては辛い真実です。本当なら井出が出頭した時に気づけた点が数多くありましたが、葵にとっては盲点となる人物でした。一度容疑者となり、その後疑いが晴れた相手だったから尚更です。有村刑事部長の件に気を取られ、勘の鋭い香坂も気づくのが大分遅れてしまいました。
さまざまな事情が重なり、葵は最悪の形で危険この上ない真犯人と1対1で向き合うこととなってしまいます。
次回最終回では、事件の詳細と葵への執着の理由が明かされます。果たして犯人の抱く”闇”の正体とは。そして、葵が犯人と交わし、破ってしまった「約束」の中身とは何だったのでしょうか。次回の放送が待ちきれません。