映画『パーフェクト・ルーム』は、2014年に公開されたアメリカのミステリー映画で、2008年にベルギーで制作された『ロフト』のリメイク作品です。
妻帯者5人が情事を楽しむためだけに用意したマンションの一室で、見知らぬ女性の遺体を発見。予測不可能の事態に疑心暗鬼になっていく男たちを描いています。
監督は『ロフト』も手がけたエリク・ヴァン・ローイ。二転三転するストーリー展開のなか、はたして犯人を見破ることができるのか!?
今回は2014年公開の映画『パーフェクト・ルーム』を紹介します。
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映画『パーフェクト・ルーム』の作品情報
(C)2013 LOFT INTERNATIONAL NV ALL RIGHTS RESERVED
【公開】
2014年(アメリカ・ベルギー映画合作)
【原題】
The Loft
【監督】
エリク・バン・ローイ
【キャスト】
カール・アーバン、ジェームズ・マースデン、ウェントワース・ミラー、エリック・ストーンストリート、マティアス・スーナールツ、イザベル・ルーカス、レイチェル・テイラー、ローナ・ミトラ
【作品概要】
『パーフェクト・ルーム』は、2008年にベルギーで制作された『ロフト』を、ハリウッドがリメイク版したものです。物語の中心は固い友情で結ばれた5人の妻帯者。女性の遺体発見がきっかけに、今まで隠されていた男たちの秘密が徐々に明かされていきます。
5人の男たちは、ビンセント役に『ALMOST HUMAN』で主演したカール・アーバン、クリス役に『X-MEN』でサイクロップス役を演じたジェームズ・マースデン、ルークには『プリズン・ブレイク』のウェントワース・ミラー、マーティには『モダン・ファミリー』のエリック・ストーンストリート、フィリップ役には『ロフト』にも出演したマティアス・スーナールツが演じています。
▼Huluで『パーフェクト・ルーム』は見られます。
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映画『パーフェクト・ルーム』のあらすじとネタバレ
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固い友情で結ばれている5人は、それぞれ妻や子がいる妻帯者。
ある時4人の友人たちは、建築家のスティーヴンスから自分が手がけたマンションの一室を共有しないかという提案をされました。
情事を行うのにホテルではクレジットカードで足が着く、しかし自宅に連れてくるわけにはいかないし、他に場所がありません。
しかし、秘密の部屋(パーフェクトルーム)があれば、お金もかからないしバレることもないと…。こうして男たちはひとつずつ鍵を所有し、それぞれが自由に部屋を使っていたのです。
特に、スティーヴンスは5人のなかで一番のプレイボーイで、何人もの女性とルームを利用していました。
ある日、ルークがワインを両手に抱えマンションに立ち寄ると、手錠を掛けられ血まみれになっている女性の遺体を発見します。
驚いたルークはソファに座り込んで頭を抱えていました。すると、そこに何も知らないスティーヴンスが鍵を開けて入ってきます。
「ルーク?」スティーヴンスに話しかけられたルークは、そっとベッドの方を指差しました。「なんてことだ…」
スティーヴンスは恐る恐るベッドに近づき遺体を確認。「何があったんだ?」とスティーヴンスが尋ねると、「分からない、ボクが来た時にはもうそこに」とルークは答えます。
「他のみんなには?」というスティーヴンスに、ルークは「クリスとマーティーは呼んだ。フィリップとは連絡が…」と。
ルークもスティーヴンスも知らない女性だといい、鍵を持っている者しか入ることが出来ないこの部屋で、犯人とその女性はどこから入ったのかも不明でした。
防犯センサーは切られていて、玄関にも窓にも鍵は掛かっていた。それなら一体どうやって…?
以下、赤文字・ピンク背景のエリアには『パーフェクト・ルーム』ネタバレ・結末の記載がございます。『パーフェクト・ルーム』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。
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ふたりの間で様々な憶測が飛び交い、つまりは”5人の中の誰かが犯人である”そういう結論にたどり着いたころ、誰かが玄関のドアをノックしました。
スティーヴンスがドアを開けるとクリスが入ってきます。
女性の遺体を確認したクリスは「フィリップめ!」と言います。
フィリップはクリスの弟で、女性によく暴力を奮っていたため、クリスはフィリップの仕業だと思いました。
そこへ4人目の友人マーティが鍵を開けて入り、遺体を見て驚きます。
クリスの言葉を聞き「ここにいる4人の仕業じゃない」というスティーヴンス。
真相を突き止めて打開策を探ることにしました。何かに気づいたマーティーが、ベッドに立てかけてある枕を外すとそこには、「FATUM NOS IUN GEBIT」と血文字のラテン語で書かれたメッセージが残されていました。
また、凶器と思われる血まみれのナイフも見つけます。ちょうどそこでフィリップ登場。
状況が分からないフィリップにルークが掴みかかり、お前がやったんだろうと問い詰めました。
しかし、フィリップは昨日は婚約者と一緒にいたからここには来ていないといいます。
そもそも、部屋を利用するためには事前にメールで皆に申告すること、部屋のことを秘密にしておくことという、スティーヴンスが決めたルールがありました。
当初、浮気はしないと受け取らなかったのはクリスだけでした。
しかし、そんなクリスもアンという女性との出会いがきっかけで、ついに鍵を受け取ってしまったのです。
(ここから回想シーン)アンと情事を重ねていたクリスは、彼女に本気になってしまいます。
しかし、彼女は自分は売春婦だからそんな気持ちは必要ないと拒絶されてしまったのです。
家族の元に帰れといい、背中を向けるアンを、クリスは黙って見送るしかありませんでした。
部屋の使い方は様々ですが、共通していることはルールのみ。妻たちにバレるのを一番恐れていました。
しかし、マーティの浮気が原因で、ついに部屋のことが妻たちに知られてしまうことに…。
以前、マーティが浮気した女性が家に乗り込んできたといいます。
その女性というのが、スティーヴンスとルークとマーティがバーで知り合った一夜だけの女性。スティーヴンスもまた彼女の連れの女性サラに目を奪われます。
5人で屋上のプールに向かうと、マーティと女性はどこかに消え、サラとスティーヴンスはプールで情事を楽しみ、ルークは二人を遠目で見ていたのです。
スティーヴンスとサラの関係は、その後も秘密の部屋で続いていました。
ある時、スティーヴンスはサラに別れ話を切り出します。涙を流すサラを部屋に残し、スティーヴは部屋を出て行ったのです。(回想シーン終り)
ルークはサラとの関係をスティーヴンスに突きつけました。
昨日この部屋に来ていたということを問い詰めるつもりだったのです。
スティーヴンスが何かを言いかけたその時、インターホンが鳴りました。
インターホンを鳴らしたのは不動産屋。サラという女性から部屋を売りたいと連絡があったといいます。
一同はサラという女性が誰のことなのか知らない様子でしたが、スティーヴンスが重い口を開きベッドに横たわっている女性がサラだと言いました。
スティーヴンスは昨日サラと部屋に来ていたことを認めます。
しかし、自分が帰るときには彼女は生きていたと言い、それどころか、彼女の遺体を処分することばかり考えているスティーヴにフィリップは、最低なやつだと罵りました。
冷静さを失った男たちはそれぞれを罵倒するなか、ルークは自分のある秘密を告白します。
彼は鍵を渡されてからずっと今まで、部屋を盗撮していたのです。
浮気もしない真面目な男かと思われたルークが、実は人の情事を盗み見するという変態的な趣味に一同驚愕。
しかし、ルークの変態的な趣味によってスティーヴンスの本当の秘密が暴露されることになるのです。
これは妻たちが仕掛けた罠だというスティーヴンスでしたが、呂律が廻っていません。
ルークがスティーブンスの酒に薬を仕込んでいたのです。倒れこむスティーヴンスを4人の男たちが取り囲み「なぜ友達を裏切ったのか」と問い詰めます。
実は、これは全て4人がスティーヴンスに仕掛けた罠だったのです。
サラの遺体を最初に見つけたルークは、彼女の「来世で会いましょう」と書かれた遺書を見つけスティーヴンス以外の仲間を呼び出しました。
警察に連絡するかどうかを話し合っている時、ルークが盗撮したテープをみんなに見せます。
そこには、フィリップが命より大切にしている妹や、仲間の妻と関係を結んでいるスティーブンスの姿が写っていたのです。
また、クリスはスティーヴンスがアンとも関係していたことにショックを受けました。
4人の意見はスティーブンを罠にはめることで合致し、事件性と信憑性を持たせるため、フィリップに遺体の細工を任せ、残りの3人は事前に現場を見ないよう部屋を後にしました。
そして、当日、思ってもみない仕上がりになっていた現場に驚く3人。
フィリップはサラの手首を切り、流れ出た血液でベッドボードにサラの指でラテン語のメッセージを書いていたのです。
最後の仕上げは、動けなくなったスティーヴンスを裸にして、サラの遺体の隣に寝かせることでした。
警察に発見されたスティーヴンスは、その状況証拠から殺人犯の疑いを掛けられました。
他の4人も長い時間事情聴取されたあと、やっと解放されましたがこの時、クリスは捜査官から思いがけないことを聞かされます。
サラは自殺ではなく他殺であるということ。薬を服用して自死を図ったものの、死んでいたわけではなく検視の結果、失血死と断定されていました。
クリスは、フィリップがサラの手首を切ったのが、死に繋がったのだと察しました。
その夜、あの部屋を訪れたクリスは、この件の首謀者が実はルークであることを知りました。
彼は好意を抱いていたサラにスティーヴンスのことを何度も忠告していましたが、彼女は全く聞き入れてくれなかったため、殺害しようとしたのです。
そしてスティーヴンスとサラが別れ話をした日、スティーヴンスが部屋を出て行った後にルークは部屋に入り、彼女に睡眠薬の入ったワインを渡しました。
飲んで意識を失った彼女に、楽に死ねるようにと大量のインスリンを注射したのです。
しかし、本当はサラは生きていました。少なくとも、あの日5人が顔を合わせた時には…。
映画『パーフェクト・ルーム』の感想と評価
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二転三転するストーリーに惑わされながら、グイグイ引き込まれていく作品です。
右手に手錠が掛けられたまま、左手首を切ることは不可能。だとすれば、必ず5人の中に犯人がいるはず。
そう思いつつも、もしかしたら…という思いがぬぐえず、最後まで騙されてしまいました。
最初はカギを持っていなかったクリス、そしてプレイボーイのスティーヴン、暴力的なフィリップ、女好きで下品なマーティも怪しい。
でも、ルークは妻を愛しているといいつつ、重荷に感じているような印象もあったりと、誰もが少しずつ怪しいのです。
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しかし最後、4人がスティーヴンスをはめようとしていたこと、すべての首謀者がルークだったことに驚き。
また、クリスが女性の遺体を確認しようとしたところで、顔が見えるか見えないかというところで、ルークが顔を背けました。
この時点では単に遺体から目を反らしていると思ってしまいます。
しかし、実は自分がしでかしたことから目を背ける、愛するサラの死を捉えることのショックに対するものなのだと、後になって理解できました。
あの些細な出来事が結末で気づかされたことに「してやられた!」と感じた作品です。
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まとめ
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この作品をご覧になった方で、最後まで分からなかった、騙された!と思った方はどのくらいいるでしょうか。
とにかく設定に手が込んでいるので、まだ観ていないミステリー好きの方にオススメします。
さて、二転三転で騙される展開を楽しめる映画『パーフェクト・ルーム』が観られるHuluでは現在2週間無料トライアルを実施中。
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