連続ドラマW 東野圭吾『ゲームの名は誘拐』全4話が2024年6月9日(日)より放送・配信開始!
東野圭吾の人気ミステリー『ゲームの名は誘拐』が、WOWOWでドラマ化されます。
全4話の連続ドラマW『ゲームの名は誘拐』は、主人公が家出した取引先の副社長令嬢を匿い、誘拐劇を演出します。
同小説は2003年に『g@me.』のタイトルで、藤木直人と仲間由紀恵の共演で映画化されています。
今回のドラマでは原作と同タイトルのもと、『事故物件 恐い間取り』(2020)『怪物の木こり』(2023)の亀梨和也が主役を演じます。
『ゲームの名は誘拐』はWOWOWプライム、WOWOW 4K、WOWOWオンデマンドで2024年6月9日(日)22時00分〜放送・配信開始。そのドラマ配信に先駆けて、小説『ゲームの名は誘拐』をネタバレありでご紹介します。
CONTENTS
小説『ゲームの名は誘拐』の主な登場人物
【佐久間駿介】
広告代理店「サイバープラン」の敏腕社員。
【葛城樹理】
日星自動車副社長の娘(長女)。
【葛城千春】
日星自動車副社長の娘(次女)。
【葛城勝俊】
日星自動車副社長であり、樹里と千春の父親。
小説『ゲームの名は誘拐』のあらすじとネタバレ
広告代理店「サイバープラン」の敏腕社員・佐久間駿介は、これまで様々な企画を成功に導いてきた実力の持ち主。現在は大手「日星自動車」のキャンペーン企画も任されています。
ところが、そのプロジェクトは日星副社長・葛城勝俊によって却下されてしまいました。理由は、葛城がプロジェクトに参加している佐久間のやり方が気に入らなかったから。
憤慨した佐久間は酔った勢いで、葛城の家まで押しかけて文句を言おうとしますが、家の前まで来たところで冷静になり、帰ろうとしました。
その時、葛城家の塀を乗り越える一人の女を見かけます。佐久間は葛城勝俊の弱みを握れると思い、彼女を追いかけて話しかけました。なんとその女は、葛城勝俊の長女・葛城樹里でした。
愛人の子として生まれた樹里は、腹違いの妹・千春と喧嘩し家出してきたのだと言うのです。それを聞いた佐久間は、葛城勝俊に一泡吹かせてやろうと思い至ります。
そして佐久間は葛城家をよく思っていない樹里と共謀し、彼女を人質役にした狂言誘拐を計画。勝俊から身代金3億円を奪取させようと考えました。
樹里を自宅マンションで待機させ、佐久間は葛城にFAXで脅迫状を送ります。「警察には連絡するな」と脅迫状で伝えてはいますが、おそらく葛城は連絡するだろうと思った佐久間は、それを想定した現金受け渡し方法や連絡の取り方を考えました。
ところが、樹里は「家出する前に、友人の留守電にメッセージを入れた」と明かしました。その日時は誘拐された“ことになっている”日時と一致するため、佐久間は仰天。
その友人は長期海外へ行っていて、日本には不在中でした。留守の間、友人の家には樹里が自由に出入りできるようになっていると言います。
留守電のメッセージを消去するために、佐久間と樹里はその友人が住んでいる横須賀のマンションへ車で向かいました。
マンションに到着し、樹里はメッセージ消去に成功。その帰りに、母と昔来たという横須賀の夜景が見える丘に寄りました。そこで気分も乗り、佐久間と樹里は車内で結ばれます。
共謀犯となった二人の狂言誘拐の計画はその後も順調に進み、見事身代金の3億円を得ることができました。なぜ葛城家の周囲に警察の姿が見えないのかが気がかりでしたが、佐久間は3億円の一部だけをもらうと、約束通りに樹里を葛城家へ帰しました。
小説『ゲームの名は誘拐』の感想と評価
敏腕広告プランナー・佐久間が企画していた大型プロジェクトから突如降板させられます。それをきっかけとして、自分を下ろした大企業の副社長への腹いせのため、その娘と共謀し狂言誘拐を企てます。
最初から最後まで、主人公目線で物語が進む本作。頭のいい主人公が仕組んだ狂言誘拐です。FAXや携帯電話を巧みに利用した誘拐テクニックは、綿密な計画のもと素晴らしい出来栄えのものとなり、大成功を収めます。
ですが、「誘拐した」と告げたにも関わらず葛城が警察へ連絡をしていないなど、ところどころで違和感も湧き出ます。
それにより、迷ったりためらったり、または自身を振るいたたせたりする主人公の微妙な心理が詳細に描かれ、‟どんでん返し”への期待も高まります。
主人公の懸念は、見事に的中。自身が計画した誘拐ゲームで勝利を収めたはずが、実は相手の手中で踊らされていたのです。
本作での誘拐ゲーム対決は、佐久間と樹里(実は千春)コンビに対する葛城勝俊と千春コンビの騙し合いです。樹里の存在を上手く利用した、狐とタヌキの化かし合いとも言えます。
最初からゲーム感覚で主人公の語り口で述べられるため、ただ一人殺害された本物の樹里が気の毒にもなるでしょう。
何を信じればいいのかわからなくなる中、ラストで示す佐久間の“必殺の切り札”が、誘拐ゲームの唯一の真実なのかも知れません。
ドラマ『ゲームの名は誘拐』の見どころ
WOWOWと東野圭吾のタッグは、連続ドラマW『東野圭吾 さまよう刃』(2022)以来約3年ぶりであり、『ゲームの名は誘拐』で通算9作目となります。
誘拐というゲームを計画する主人公と共犯者。無事に身代金をゲットしたはずですが、事態はそこから急変します。
主人公の誘拐犯・佐久間を亀梨和也、共犯であるヒロインを『連続ドラマW 両刃の斧』以来、約1年半ぶり・2度目のWOWOW連続ドラマへの出演となる見上愛が演じています。
ミステリアスな誘拐劇は、今回のドラマ版ではどんな結末を招くのでしょうか。1話から4話の中で、佐久間と娘の気持ちの変化や芽生えていく恋心にも注目したいです。
ドラマ『ゲームの名は誘拐』の作品情報
【放送・配信】
2024年(日本ドラマ)
【原作】
東野圭吾『ゲームの名は誘拐』(光文社文庫刊)
【監督】
鈴木浩介
【脚本】
小峯裕之
【キャスト】
亀梨和也、見上愛、武田航平、平山祐介、山崎樹範、小林隆、泉澤祐希、赤間麻里子、松村沙友理、渡部篤郎
まとめ
東野圭吾の人気ミステリー『ゲームの名は誘拐』をご紹介しました。
本作は、連続ドラマW 東野圭吾『ゲームの名は誘拐』としてWOWOWプライム、WOWOW 4K、WOWOWオンデマンドで2024年6月9日(日)22時00分〜放送・配信開始されます。
ドラマ版では、東野圭吾による原作小説をどのように映像化するのでしょうか。
誘拐犯と共犯者を演じる亀梨和也と見上愛の熱演にご期待ください。