映画『毒親 ドクチン』は2024年4月6日に封切り後、7月6日(土)よりシネ・ヌーヴォ、元町映画館にて劇場公開!
母からの過剰な愛に苦しむ娘の心の闇を描いた映画『毒親 ドクチン』が2024年7月6日(土)よりシネ・ヌーヴォ、元町映画館にて劇場公開されます。
『オクス駅お化け』(2023)の制作スタッフ陣と、同作の脚色や『覗き屋』(2022)の脚本で知られる新鋭女性監督キム・スインによる新たな韓流ミステリーです。
最愛の娘が遺体となって発見され、半狂乱になる母。しかし事件の裏には、あまりにも深すぎる闇が隠されていました。
どうやって子どもを愛すればよいのか。重すぎる真実を突きつける危険な本作の魅力をご紹介します。
映画『毒親 ドクチン』の作品情報
【日本公開】
2024年(韓国映画)
【英題】
Toxic Parents
【監督・脚本】
キム・スイン
【キャスト】
チャン・ソヒ、カン・アンナ、チェ・ソユン、オ・テギョン、ユン・ジュンウォン、チョ・ヒョンギュン
【作品概要】
日韓合作ホラー映画『オクス駅お化け』(2023)の脚色や『覗き屋』(2022)の脚本を担当した新鋭女性監督キム・スインの満を持しての長編監督デビュー作。
『オクス駅お化け』の制作スタッフ陣が本作のために再結集。キム監督が自ら脚本を書き、実力派俳優とともに作り上げた新たな韓国映画です。
母ヘヨンを演じるのは、韓国で国民的に愛されたTVドラマ『ストーリー・オブ・マーメイド』(2002)『妻の誘惑』(2008)などの主役を務めたチャン・ソヒ。本作で6年ぶりのスクリーン復帰を果たしました。
また娘ユリをモデルとして活躍後、Netflixドラマ『ペーパー・ハウス・コリア:統一通貨を奪え』(2022)で注目を集めたカン・アンナが好演。
映画『毒親 ドクチン』のあらすじ
成績が優秀で優等生の高校生ユリ。そして、誰よりもユリを愛する母親ヘヨン。
二人は誰が見ても、完璧で理想の母娘でした。しかしユリは、実は母へヨンの度を過ぎた教育と執着に長年悩まされていました。
ある模擬試験の当日、学校には登校せず姿を消したユリは、キャンプ場で遺体となって発見されます。捜査に乗り出したオ刑事は「自殺」の可能性が高いと考えますが、ヘヨンは頑なに認めようとしません。
やがて、担当教員のギボムがユリを呼び出していたことを知ったヘヨンは、彼を疑い裁判を起こします。
事件を探れば探るほど徐々にヘヨンの歪んだ母性愛が浮かび上がり、やがて衝撃の真実が露わになります……。
映画『毒親 ドクチン』の感想と評価
薄皮を剥がしていくように、娘の死の真実が徐々に明らかとなっていく心理ミステリーです。終始、観る者の心がヒリヒリと痛む作品となっています。
高校生のユリは、母ヘヨンと幼い弟と暮らしていました。父はいますが、不在がちです。周囲からは仲良く見えた母娘でしたが、実は大きな問題を抱えていました。
ユリがキャンプ場で複数人と一緒に車内で死んでいるのが発見され、事態は急展開します。次第に分かってきたのは、母へヨンの娘に対する病的なまでの過干渉ぶりでした。
親というものは時に、ともすれば我が子を自分の一部であるかのように考え、思い通りにしようとして多くの過ちを犯します。
しかし、その過ちに対する「愛情」というの名の免罪符はありません。毒親の問題を真正面から描き、親子関係の難しさとドス黒い暗部を炙り出した一作です。
もうひとつクッキリと浮かび上がるのは「子どもはどんな親であっても愛を捨て切れない」という真実です。どんなに理不尽な目に遭っても、親が自分を愛するがゆえと思うと、即座にはねつけることはできないのです。
檻から飛び出したいのに、自ら檻に鍵をかけてしまうような行動をとってしまうユリ。娘をさらに強く縛りつけようとするへヨン。堂々巡りに終わりはありません。
子どもは生まれ落ちた瞬間から「自分のもの」ではなくなり「他者」となる。たとえ誰かの力を借りねば生きられない赤子でも、そこには「他者の尊厳」が存在することを胸に刻みつけねばならないと、強く訴えかける作品です。
まとめ
娘を溺愛する母と、その愛に溺れるようにして命を落とした娘の悲しみの韓流ミステリー『毒親 ドクチン』。
二人を取り巻く人たちの思いも丁寧に描かれ、複雑に絡まり合っていきます。
愛し方を知らないことの恐ろしさに戦慄を覚える作品です。
韓国映画『毒親 ドクチン』は2024年7月6日(土)よりシネ・ヌーヴォ、元町映画館にて劇場公開です。