2つの戦隊と悪の組織による三つ巴の戦いが展開する現在放映中の『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』。
360度カメラによる縦横無尽なカメラワーク、モーションキャプチャーによるCGと着ぐるみアクションを融合した巨大ロボの戦闘シーン。W戦隊の登場以外にもさまざまな新機軸が導入された、スーパー戦隊シリーズの第42作目です。
その劇場版が2018年8月4日より公開されました。今回は『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー en film』を紹介しましょう。
CONTENTS
映画『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー en film』の作品概要
【公開】
2018年8月4日(日本映画)
【監督】
杉原輝昭
【脚本】
香村純子
【キャスト】
伊藤あさひ、濱正悟、工藤 遥、結木滉星、横山 涼、奥山かずさ、元木聖也、アイクぬわら(超新塾)、温水洋一、田中直樹(ココリコ)、三ツ矢雄二、釘宮理恵、藤原啓治、茶風林、宮本充、うえだゆうじ、竹達綾奈
【作品概要】
スーパー戦隊シリーズ第42作目『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』の劇場版。同時上映は『劇場版 仮面ライダービルド Be The One』。
監督はTVシリーズでもメイン監督を務める杉原輝昭。脚本も同じくTVシリーズから香村純子。また本作は杉原監督にとって映画監督デビュー作でもあります。
映画『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー en film』のあらすじ
国際警察日本支部はギャングラー犯罪の消滅と快盗戦隊ルパンレンジャーの正体を暴くため、イギリスの名探偵エルロック・ショルメを招聘します。
世界的に有名な彼の来日に、野次馬や報道陣が空港に駆け付けます。
朝加圭一郎ら警察戦隊パトレンジャーがエルロックを警護する中、彼は自分を狙ってやって来たギャングラー怪人・ウィルソンの存在を看破します。
エルロックを守るため変身して戦うパトレンジャー。そこへルパンレンジャーも現れ、三つ巴のバトルが展開。
そんな中、謎のギャングラーがルパンレンジャー・パトレンジャーの双方を攻撃!!
混乱の最中、夜野魁利/ルパンレッドと朝加圭一郎/パトレン1号はウィルソンに捕まりどこかへ連れ去られてしまいます。
魁利と圭一郎が連れ去られた場所は異世界、敵であるギャングラーの世界だったのです。
さらにウィルソンの他、ギャングラーの幹部デストラ・マッジョ、ゴーシュ・ル・メドゥの2人も待ち構えていました。
魁利は圭一郎に一旦手を組むよう進言。しかし真面目な性格の圭一郎はこれを拒否。そうこうしている内に攻撃を受け、吹き飛ばされてしまう2人……。
魁利の機転で何とか助かった圭一郎。血を流しながらも自分を助ける魁利を見て、圭一郎はギャングラーの世界から脱出するまでは手を組むと決めます。
さらに2人の前に意志を持ったルパンコレクション・ジャックポットストライカー(通称・ジャック)が現れ、2人に協力。
現実世界への扉を開けられるのはギャングラーたちだけ。魁利と圭一郎は元の世界に戻るためギャングラーのボス、ドグラニオ・ヤーブンの屋敷に潜入します。
一方、現実世界。エルロックは自ら囮となり、ウィルソンを誘き出す作戦を残されたパトレンジャーのメンバーと実行。
残されたルパンレンジャーの2人もウィルソンの動向を追います……。
映画『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー en film』の感想と評価
全体的な印象としては、これまでのスーパー戦隊シリーズの劇場版と同じく、映画版特別エピソードといった趣きです。
タイトルに“VS”という言葉があるように、ルパンレンジャーとパトレンジャーは基本的に敵同士。一部例外を除き、TV本編でも共に闘うことはそうそうありません。
ですが今回は映画の特別編。登場人物の中で一番そりの合わない夜野魁利/ルパンレッドと朝加圭一郎/パトレン1号の共闘が物語の中心に据えられます。そのため2人の共闘には物語上しっかりとした必然性が用意され、勢い任せの“子ども騙し”にはなっていないのです。
ゲストキャラクターの名探偵エルリック・ショルメを演じるのは、お笑いコンビ・ココリコの田中直樹。お笑い芸人の面は封印され、本作ではクールな名探偵を好演しています。
エルリック・ショルメという名前は、モーリス・ルブランの小説『ルパン対ホームズ』(正確な訳は「アルセーヌ・ルパン対エルロック・ショルメ」)で怪盗ルパンと対決する名探偵エルロック・ショルメから取られています。
戦闘シーンはTVシリーズ同様、360度カメラが使用されています。縦横無尽なカメラワーク、トリッキーなアングルは映画でも健在です。
また映画には新ロボット“ルパンレックス”や、ルパンレンジャーの融合フォーム“ルパントリコロール”、意志を持ったVSビークル“ジャックポットストライカー”が登場。メインの客層である子どもたちを飽きさせないアイディアが、短い尺ながら豊富に登場します。
まとめ
年々進化を遂げるスーパー戦隊シリーズ。360度カメラによる撮影、モーションキャプチャーと着ぐるみアクションを融合した巨大ロボの描写はかなりの見応えです。
子ども向けに製作されている本作ですが、日本の特撮技術やVFXの進化を象徴する映像作品だと思います。