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劇場版『仮面ライダーアマゾンズ』あらすじネタバレと感想。ラスト結末も

  • Writer :
  • 森谷秀

Amazonプライムで配信され、話題を集めたネット配信ドラマ『仮面ライダーアマゾンズ』の完結編が現在東映系で公開中。

ドラマシリーズで魅せた凄烈なヴァイオレンス描写とハードな物語展開は劇場版でも健在です。

映画『仮面ライダーアマゾンズ THE MOVIE 最後ノ審判』の作品概要


劇場版「仮面ライダーアマゾンズ」製作委員会 (C)石森プロ・東映

【公開】
2018年(日本映画)

【原作】
石ノ森章太郎

【監修】
小林靖子

【監督】
石田秀範

【キャスト】
藤田富、谷口賢志、武田玲奈、東亜優、三浦孝太、俊藤光利、姜暢雄、国府田聖那、神尾佑、加藤貴子、藤木孝

【作品概要】
ネット配信ドラマ『仮面ライダーアマゾンズ』の劇場版にして完結編。ドラマシリーズで脚本を務めた小林靖子は監修にまわり、本作の脚本はアニメ『曇天に笑う』などの高橋悠也が務めます。

音楽は『世にも奇妙な物語』の蓜島邦明。監督はドラマシリーズと同じく石田秀範。

映画『仮面ライダーアマゾンズ THE MOVIE 最後ノ審判』のあらすじとネタバレ


劇場版「仮面ライダーアマゾンズ」製作委員会 (C)石森プロ・東映

野座間製薬が極秘裏に行った実験により誕生した、人を喰らう怪物・アマゾン。

アマゾン殲滅作戦も佳境に入り、残ったアマゾンは2体。

水澤悠/仮面ライダーアマゾンオメガ、鷹山仁/仮面ライダーアマゾンアルファの2人を残すのみとなりました。

政府が擁するアマゾン対策組織・4Cの黒崎武が率いる部隊に追い詰められた悠。

しかし、黒崎隊に所属していた悠の義妹・美月が悠に加勢。負傷しながらも悠と美月は逃亡します……。

2人は御堂英之助が園長を務める養護施設・切子聖園の子どもたちに保護されます。

子どもたちは自分たちを“幸せを届ける天使”と称し、里親に引き取られるのを待っています。

悠と美月は丁度、子どもの1人が里親に引き取られるのを見送ります。

そんな中、切子聖園を襲う2体のアマゾン。

悠は変身し戦いますが苦戦。御堂が仮面ライダーアマゾンネオアルファに変身し、2体のアマゾンを撃退します。

悠と美月の母で野座間製薬の研究者・水澤令華の命を受けた、かつての悠の戦友である元・アマゾン駆除班の面々。

悠と美月はかつての仲間たちと合流し、切子聖園を後にします。

しかし悠は衝撃的な事実を知ってしまいます。

悠が見送った切子聖園の子どもを乗せたはずの車が、とある館に停まっていたのです。異変を感じた悠は、単身館へ潜入します。

館の中には、肉料理を食べる里親夫婦と、引き取られた筈の子どもの遺体……。

以下、『仮面ライダーアマゾンズ THE MOVIE 最後ノ審判』ネタバレ・結末の記載がございます。『仮面ライダーアマゾンズ THE MOVIE 最後ノ審判』をまだご覧になっていない方、ストーリーのラストを知りたくない方はご注意ください。


劇場版「仮面ライダーアマゾンズ」製作委員会 (C)石森プロ・東映

切子聖園は養護施設ではなく、いわばアマゾン牧場。来たる食糧難対策としてアマゾンを家畜として畜産し、食糧として出荷するための施設だったのです。

さらに切子聖園の背後には4Cの局長・橘がいたのです。

一方、駆除班の面々はアマゾンから襲撃を受けます。

アマゾンの正体は切子聖園から脱走した子どもたちでした。

駆除班の面々は子どもたちを説得しますが、タイミング悪く黒崎たちが現れます。

裏切られたと思った子どもたちは、駆除班・黒崎隊それぞれを襲い混戦に……。4Cの面々も切子聖園の秘密を知ります。

事態に憤った悠は切子聖園へ。子どもたちに逃げるよう言いますが、子どもたちは御堂の教えを盲信し逃げ出そうとはしません。

そして、悠と美月を助けた少女・ムク、ゴロウも出荷されてしまいます。

さらに子どもたち=アマゾンは、行方不明だった鷹山仁/仮面ライダーアマゾンアルファの細胞から作られていました。

御堂は仁を施設内に幽閉していたのです。

館に連れて行かれたムクでしたが、先に調理されたゴロウが食べ残されていたのを目撃してしまいます。

恐怖心と生存本能からムクはリスアマゾンに変貌。館にいた人間を襲ってしまうのです。

悠が駆け付けた時には、館は血の海になっていました……。

悠はムクをつれ再び切子聖園へ。悠とムクは子どもたちに逃げるよう説得します。

御堂は怒り、仮面ライダーアマゾンネオアルファに変身。逃亡した子どもたちを狙います。

そうはさせないと悠も変身。しかし悠は御堂の戦闘力に圧倒され、深い傷を負います。

悠は仁に協力を求めますが、仁の信条は“1匹残らずアマゾンを駆逐する”こと。

それは今も変わらず、悠は仁の考えを察し今度は仁を止めようとしますが、傷が深く手を出せません。

仁は変身に御堂を倒します。しかし御堂は人間なので彼の信条には反する行為です。

ムクは傷を負った悠に自分を食べるように言います。

しかし、それは悠の信条に反する行為です。悠の信条は、“人を食べない”こと(食人衝動を抑える事)です。

悠はムクを食べ、仁の元へ向かいます。

激突する水澤悠/仮面ライダーアマゾンオメガと、鷹山仁/仮面ライダーアマゾンアルファ。一線を越えてしまった2人の男。

激闘の末、仁は死に、悠が勝利します。

悠を探して切子聖園へやって来た駆除班と美月。

美月は1人ここに残り、生き残った子どもたちの面倒を見始めます。

悠がいつか姿を見せるのではという期待を持って。

悠はそんな美月の姿を影から見届け、1人どこかへ駆けて行くのでした……。

映画『仮面ライダーアマゾンズ THE MOVIE 最後ノ審判』の感想と評価


劇場版「仮面ライダーアマゾンズ」製作委員会 (C)石森プロ・東映

本作の監督を務めたのは石田秀範、ネットドラマ版でもメイン監督を務めた人物です。

『仮面ライダークウガ』(2000~2001)から『仮面ライダードライブ』(2014~2015)まで15年間連続でシリーズに参加した監督です。

オダギリジョーを始めとする平成ライダー出身俳優の多くは石田の薫陶を受けた俳優たちです。

石田が始めてメイン監督を務めたのが『仮面ライダークウガ』。

この時、石田は“それまでの特撮ヒーロー番組を否定する”という思いを込めました。

時は流れ仮面ライダーシリーズの人気によるブランド化、TVの表現規制などから、現行のTVシリーズは比較的にソフトな表現にせざるを得ない状況です。

本作は元々ネット配信ということもあり、よりハードな表現が可能になりました。

本作は『仮面ライダーアマゾン』(1974~1975)のリブート作品です。

『仮面ライダーTHE FIRST』(2006)や『キカイダーREBOOT』(2014)といった、東映の過去作品のリブート企画は多数ありました。作品の質や人気の両面から考えて、本作が最も成功した例だと思います。

本作の惹句の1つに「全てを守りたい 全てを殺したい」とあります。

前者は水澤悠の、後者は鷹山仁の信条を表したものです。

そして主題歌は『EAT, KILL ALL』。直訳すると“全てを食い殺す”という意味になりますが、続けて発音すると“生きろ”になります。

これも惹句同様、悠と仁という2人の主人公の信条を表しています。


劇場版「仮面ライダーアマゾンズ」製作委員会 (C)石森プロ・東映

まとめ


劇場版「仮面ライダーアマゾンズ」製作委員会 (C)石森プロ・東映

ユーザーと作り手の需要と供給が合致し、見事人気作品となった『仮面ライダーアマゾンズ』。

ハードな映像表現と物語展開で、主人公・悠の“生きろ”という言葉が胸に強く刺さります。

本作はネット配信という新たなコンテンツ媒体の可能性、日本の特撮ヒーローものの可能性を表した1本ではないでしょうか

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