青春だけが武器だった、あの“異常に発熱した時代”は何だったのか。
1967年の「第一次羽田闘争」において18歳で死んだ山﨑博昭を取り巻く人々を中心に、あの時代の”青春と悔い”を描いたドキュメンタリー映画『きみが死んだあとで』が、2021年4月よりユーロスペースにて公開されることが決定しました。
この度、本作の場面写真とポスタービジュアルが到着しました。
映画『きみが死んだあとで』について
1967年10月8日。佐藤栄作内閣総理大臣(当時)の南ベトナム訪問阻止を図った「三派全学連」を主体とする第一次羽田闘争は、その後過激化する学生運動の端緒となる事件でした。
そのなかで一人の若者が殺された。山﨑博昭、18歳。機動隊に頭部を乱打されたためか、装甲車に轢かれたためか、死因は諸説あるが、彼の死は同世代の若者に大きな衝撃を与えました。
あれから約半世紀。亡くなった山﨑博昭の高校の同級生たちや当時の運動の中心だった者たちは齢を重ね、山﨑だけが18歳のまま。生き残った総勢14人が語り継ぐのは美しく輝く青春とその後の悔恨。
闘争の勢いとその衰退も振り返りながら、さまざまな記憶と感情が交錯します。青春だけが武器だった、あの“異常に発熱した時代”は何だったのか。
「きみの死」はまだ終わっておらず、半世紀を経てもなお、その宿題はまだ続いています。
上・下巻合わせて3時間20分の大長編にまとめきった代島治彦監督は、『三里塚に生きる』『三里塚のイカロス』に続いて“異常に発熱した時代”に三度組み合いました。
インタビュー中心のストイックな構成は、“歴史と記憶のはざま”を浮き彫りにし、音楽・大友良英が作曲したフリージャズをベースにしたアナーキーな主題曲が重なり、時代の狂気と美しい記憶が混然一体となって押し寄せてきます。
代島も大友も学生運動が熱を失った後の「しらけ世代」。権力と闘い、革命を叫んだ「全共闘世代」への愛憎を忍ばせながら、 彼らの歴史的功罪を問う重厚なドキュメンタリーが誕生しました。
映画『きみが死んだあとで』の作品情報
【日本公開】
2021年(日本映画)
【英題】
Whiplash of the Dead
【製作・監督・編集】
代島治彦
【音楽】
大友良英
【キャスト】
山崎建夫、岩脇正人、岡龍二、佐々木幹朗、三田誠広、北本修二、向千衣子、島本恵子、山本義隆、島元健作、黒瀬準、赤松英一、田谷幸雄、水戸喜世子、
映画『きみが死んだあとで』のあらすじ
1967年の「第一次羽田闘争」において18歳で死んだ山﨑博昭。高校の同級生たちや当時の運動の中心だった者たちは齢を重ね、山﨑だけが18歳のまま。
生き残った総勢14人を中心に語り継がれた、あの時代の”青春と悔い”を描いたドキュメンタリー。
まとめ
本作では1967年の第一次羽田闘争、またそこで亡くなった山嵜博昭さんと彼を取り巻く人々をフューチャーし、インタビューを中心に紡ぎだされました。
詩人・佐々木幹朗は、本作の中で山﨑博昭の死の直後に書いた追悼詩、「死者の鞭」を朗読しています。
存在の路上を
割り走り投げ
声をかぎりに
橋を渡れ
橋を渡れ
〈佐々木幹郎 詩集『死者の鞭』より〉
半世紀を経て蘇る詩は、何を語りかけてくるのでしょうか。
映画『きみが死んだあとで』は、2021年4月よりユーロスペース ほか全国順次ロードショーです。