数多の巨匠たちに愛された映画女優・若尾文子の代表作を一挙上映!
この度、「若尾文子映画祭」の開催が2020年2月28日(金)より角川シネマ有楽町を皮切りに、全国順次上映を行うことが決定しました。
本映画祭の開催情報や、おすすめ作品などをお伝えしていきます。
CONTENTS
若尾文子映画祭について
映画女優・若尾文子は、増村保造、溝口健二、吉村公三郎など日本を代表する監督のもと、市川雷蔵、勝新太郎、田宮二郎といった昭和を代表する伝説の名優たちと共演し、女優として絶えず進化してきました。
KADOKAWAが保有する大映や角川映画の豊富なライブラリー作品を次世代に継承すべく立ち上げたブランド「角川シネマコレクション」。
昨年開催した「京マチ子映画祭」、現在全国順次上映中の<没後50年特別企画>「市川雷蔵祭」に続く、劇場上映企画となる今回は「若尾文子映画祭」を5年ぶりに開催致します。
その目玉として、代表作のひとつである『刺青』を4Kデジタル復元版でお届け致します。
本映画祭では、世界初披露となる『刺青』(増村保造監督)の4Kデジタル修復版のほか、巨匠・溝口健二監督『赤線地帯』(4K版)、同じく巨匠・小津安二郎監督『浮草』(4K版)、鬼才・川島雄三監督『しとやかな獣』(4K版)など6作品の4Kデジタル版作品を中心に、若尾文子の代表作41作品を一挙上映します。
若尾文子のプロフィール
若尾文子は1933年(昭和8年)11月8日東京都生まれ、一男四女の末っ子。
1945年、疎開先の仙台で終戦を迎えます。女学生時代は読書に没頭する引っ込み思案な性格で、同級生に付けられたあだ名は“石仏”。
1949年、仙台を巡業中の長谷川一夫に出会ったことが転機となり、翌年女優を目指し単身上京しました。
1951年、大映第5期ニューフェイスに合格。翌1952年『死の街を脱れて』でスクリーンデビュー、明るく庶民的なキャラクターで注目を集め、雑誌の人気投票やブロマイドの販売数で一位を獲得するなどトップスターの仲間入りを果たします。
溝口健二、小津安二郎、市川崑、川島雄三、吉村公三郎、そして後の名コンビとなる増村保造など、巨匠・名匠たちの名作に次々と起用され、本格女優としてのキャリアを積み、1961年『女は二度生まれる』『妻は告白する』でキネマ旬報賞、NHK 映画賞、ブルーリボン賞、日本映画記者会賞、ホワイト・ブロンズ
賞の主演女優賞五冠を達成。
続く1965年には『清作の妻』『波影』でも同5賞の主演女優賞を受賞、2度目の五冠に輝きます。
そして1968年、『不信のとき』『積木の箱』でキネマ旬報主演女優賞3度目の受賞という前例のない快挙を成し遂げます。
2015年までの映画総出演数は計160本。1970年以降は舞台やテレビドラマにも活躍の場を広げ、ソフトバンクのCMに、白戸次郎(犬のお父さん)の母親役で登場し話題となった一方、国内外で主演映画が定期的に上映されるほどファン層が拡大。
2014年にはキネマ旬報社によるファン投票で、日本映画女優部門第2位に選出(「オールタイム・ベスト映画遺産 日本映画男優・女優100」より)されるなど、今なおファンを獲得し続けています。
若尾文子映画祭の開催概要
【名称】
若尾文子映画祭
【期間】
2020年2月28日(金)~4月2日(木)
【会場】
角川シネマ有楽町
【鑑賞料金】
一般:1600円/シニア:1200円
※映画サービスデー(3/1、4/1)・水曜サービスデー・日曜最終回:1200円
※学生応援割:学生の方に限り1000円で鑑賞いただけます。(学生証提示)
※詳細につきましては若尾文子映画祭公式サイトをご覧ください。
若尾文子映画祭の前売り券情報
参考画像:前売り5回券
【発売開始】
12/24(火)より
【価格】
1 回券1,000 円(税込)
5 回券5,000 円(税込)
【購入特典】
1回券1枚につき数量限定のポストカードが1つ、5回券1枚につき数量限定のA4クリアファイルが1つ付きます
【販売場所】
公開劇場の窓口とオンラインにて発売
※詳細は若尾文子映画祭公式サイトにてご確認下さい。
若尾文子入門編からピックアップ!
まずはどれを見たらいいか迷われた方におすすめの3作品をご紹介します。
映画『刺青』の作品情報
【日本公開】
1966年(日本映画)
【原作】
谷崎潤一郎
【監督】
増村保造
【脚本】
新藤兼人
【キャスト】
若尾文子、長谷川明男、山本学、佐藤慶
【作品概要】
『卍』(1964)に続き谷崎文学を増村保造が映画化。
魔性の肌を持つ女に潜む冷たさと妖艶さを、絢爛たるエロチシズムで描き上げた傑作。
【あらすじ】
質屋の娘・お艶(若尾文子)は手代と駆け落ちするも売り飛ばされ、悪女へと堕ちてゆく…。
映画『赤線地帯』の作品情報
【日本公開】
1956年(日本映画)
【監督】
溝口健二
【脚本】
成澤昌茂
【キャスト】
若尾文子、三益愛子、町田博子、京マチ子、木暮実千代、川上康子、進藤英太郎、沢村貞子、浦辺粂子、十朱久雄、加東大介、多々良純、田中春男
【作品概要】
本作は溝口健二の遺作。様々な事情を抱え、公認の売春地域(赤線)に生きる女たちの生き様を生々しくリアルに描いた悲喜劇です。
独特のテーマ音楽や溝口健二の厳しい演技指導を受け、難役を演じきった若尾文子の演技にご注目ください。
映画『浮草』の作品情報
【日本公開】
1959年(日本映画)
【監督】
小津安二郎
【脚本】
野田高梧/小津安二郎
【キャスト】
中村鴈治郎、京マチ子、若尾文子、川口浩、杉村春子
【作品概要】
志摩半島の漁村を舞台に、旅回り一座の座長(中村鴈治郎)とその恋人(京マチ子)、劇団員(若尾文子)、飯屋の母子(川口浩、杉村春子)など様々な人間が織りなす心の交流と人生の真実を格調高く描いた感動作。
必見の名作からピックアップ!
ゴールデンコンビ、監督・増村保造と主演・若尾文子の数ある中からおすすめの2作品をご紹介します。
映画『清作の妻』の作品情報
【日本公開】
1965年(日本映画)
【監督】
増村保造
【脚本】
新藤兼人
【キャスト】
若尾文子、田村高廣、早川雅三、成田三樹夫、小沢昭一
【作品概要】
夫の愛だけに生き甲斐を見出し、狂気の行動に走る妻を描く異色の人間ドラマ。
若尾文子は抑制された撮影と照明でひと際の異彩を放ち、この世の恨みつらみを見事に体現しキネマ旬報主演女優賞を受賞しました。
映画『妻は告白する』の作品情報
【日本公開】
1961年(日本映画)
【監督】
増村保造
【原作】
円山雅也の小説「遭難・ある夫婦の場合」
【脚本】
井手雅人
【キャスト】
若尾文子、川口浩、小沢栄太郎
【作品概要】
若尾文子がスターから演技派女優へ、少女から大人の女性へと変貌する転機となった作品です。
【あらすじ】
岩壁の遭難事故でザイルを切って夫を転落させた妻(若尾文子)が裁判にかけられ…。
上映が珍しい作品からピックアップ!
前回の「若尾文子映画祭」で好評を博した『新婚日記恥しい夢/嬉しい朝』や『東京おにぎり娘』のほかに上映が珍しい作品が今回もお披露目されます。
その中からおすすめの2作品をご紹介します。
映画『女めくら物語』の作品情報
【日本公開】
1965年(日本映画)
【原作】
舟橋聖一
【監督】
島耕二
【脚本】
相良準三
【キャスト】
若尾文子、宇津井健、山下洵一郎
【作品概要】
若尾文子が恋に悩む盲目の女性を演じる、異色の文芸ラブストーリー。
【あらすじ】
鶴子(若尾文子)は十六歳の時に病気で突然視力を失ってしまいます。
現在はマッサージ病院で修行をしていますが、ある日治療に出かける石段で躓いてしまい、そんな鶴子を救った木越(宇津井健)に恋をする鶴子だったが…。
映画『新婚七つの楽しみ』の作品情報
【日本公開】
1958年(日本映画)
【監督】
枝川弘
【脚本】
白坂依志夫
【キャスト】
若尾文子、川崎敬三、船越英二、八潮悠子、藤田佳子、毛利郁子
【作品概要】
甘い新婚生活を描くラブコメディ。
【あらすじ】
付き合って1年、晴れて夫婦となった悠一(川崎敬三)と康子(若尾文子)は、友人から借りた車で新婚旅行に出かけるが、途中で出会った同じく新婚旅行中の夫婦に「新婚には七つの楽しみがある」と聞いて…。
まとめ
参考:角川シネマコレクションの公式Twitter
【情報解禁】「若尾文子映画祭」@角川シネマ有楽町、2/28(金)~4/2(木)まで41作品を一挙上映。
『刺青』を4K化、映画祭で初披露致します。メインビジュアル、チラシ、予告編なども制作しましたのでぜひご覧ください。ご期待ください!
★公式HP⇒https://t.co/CEMwCsnMUm pic.twitter.com/QTeKOT2oiE— 邦画クラシックス@角川シネマコレクション (@kado_cine) 2019年12月24日
自らの欲望のままに男を騙していく娼婦、自分の生き方に目覚めていく天真爛漫な少女、相手を思うあまり狂気にはしる妻など女性が持ついくつもの顔やそれら女性の壮絶な人生を見事に演じきった映画女優・若尾文子の魅力をスクリーンでご堪能頂けるまたとない機会です。
また、上映記念として、若い世代に若尾文子の魅力を伝える「若尾文子入門編」DVD-BOX1&2も12/25(水)に発売します。
ぜひ本祭にて若尾文子の魅力を存分にお楽しみください。
「若尾文子映画祭」は2020年2月28日(金)より角川シネマ有楽町を皮切りに、全国順次ロードショーです。